ご自宅にプレハブの倉庫を所有している、というご家庭もあるのではないでしょうか。
プレハブの倉庫も普通の建物同様、どんどんと劣化していくものになるため、どこかのタイミングで解体をしなければなりません。
大きな住居用の建物と比べると、プレハブは小規模なものが多いため、中には自分でも解体できるんじゃないかと考える方もいます。
例えば日曜大工の経験が豊富で、解体作業が得意な方であれば、ひょっとしたらご自身でも解体できてしまう可能性もあります。
しかし、 やはり大きなものは解体作業に危険が伴うため、やはり業者にお願いしたほうが良いでしょう。
この記事では、そんなプレハブ倉庫の解体手順や相場、自分で解体する方法などを紹介させていただきます。
プレハブ倉庫の解体手順は主に3つ
最初に、プレハブを解体する手順について見ていきましょう。
大きく
- 工事をする前の準備
- 解体工事
- 工事後の動き
に分けてまとめてみました。
解体工事前
プレハブ倉庫の解体工事を行う前には、
- 養生
- 近隣住民への挨拶
- 建設リサイクル法の届け出
を行うことになります。
小さな物置程度のプレハブであれば、養生は不要ですが、解体作業に伴って大量の粉塵や騒音が発生する場合は養生シートできちんと覆う必要があります。
また、こちらも規模によって変わってきますが、近隣の住民に騒音や振動などの迷惑をかけそうな場合は事前に挨拶回りをすることになります。
⇒解体工事で発生する主な粉塵のトラブル3選とおすすめの対策について
例えばご家庭にあるプレハブ倉庫であれば、建設リサイクル法に基づいた届出は不要になることが多いです。
しかし、万が一プレハブが80平米以上のものになるのであれば、届出が必要になってきます。
解体工事前に知っておきたい知識に関してはこちらの記事でも詳しく解説しております。
解体工事の流れ
解体工事の流れをざっとまとめると、
- 屋根建材の撤去
- 内装の解体
- 側壁の撤去
- 床面と基礎の撤去
このような流れで解体作業は進みます。
一般的には上から下にかけて順番に解体をしていくことになりますが、例えばガラスなどが飛び散るリスクがある場合は内装を先にやることもあります。
業者によりますし、解体するプレハブ倉庫の規模にもよりますが、壁の撤去には重機を利用することもあります。
この解体工事の手順は、ご自身でDIYでプレハブ倉庫を解体する際にも活用できるため覚えておきましょう。
DIYでの注意点は後程詳しく紹介させていただきます。
解体工事後
基礎部分までの解体工事が終わったら、後は掃除をして整地をすれば完了となります。
業者にプレハブ倉庫の解体をお願いする方がほとんどかと思いますが、その場合はどのように整地をすべきか業者と相談しておきましょう。
例えば売却のために解体をするのであれば、購買意欲を掻き立てるために少しでも綺麗にしておくに越したことはありません。
逆に、建物などを建てる場合は、建設会社とも話し合って整地の種類を確認しておきましょう。
⇒解体工事後の整地の種類まとめ。土地を整えることで得られるメリット
プレハブ倉庫の解体工事を業者にお願いした場合の費用
プレハブ倉庫くらいであれば、ご自身で解体をしたいという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、まずは業者に解体工事をお願いした際の費用の相場などを確認しておきましょう。
倉庫解体の価格の出し方
それでは、倉庫はどのようなものが基準となって価格が決まるのでしょうか。
- 立地条件
- 床面積
- 不用品の処分
- 解体方法
- 工期など
これらの条件が組み合わさって、解体工事の費用が決まってきます。
立地条件
プレハブ倉庫の中には、近隣に人の住む建物がなかったり、重機を止めるための十分なスペースを持っているところもあります。
そういった場合は、養生をする必要がないかもしれませんし、重機の駐車スペースも十分に確保可能です。
しかし一方で、庭にあるプレハブ倉庫を解体する場合は、近隣に迷惑がかからないように養生が必要ですし、駐車場の確保も難しいです。
そのため、立地条件によっても解体費用が左右されることになります。
床面積
単純に、プレハブ倉庫の大きさによって解体費用が変わってきます。
後述する坪単価が基準の費用となり、その坪単価に床面積をかけることによっておおよそのプレハブ倉庫の解体費用を割り出すことができます。
不用品の処分
その倉庫に残置物がある場合は
- 解体工事前に処分するのか
- 解体工事業者にまとめて処分してもらうのか
によって価格が大きく変わります。
どちらがいいのかについては、やはり工事前にご自身で小分けにして処分するのが、最も安く抑える方法となります。
または、事前に不用品回収業者に回収をお願いするというのも方法の1つです。
金銭的なメリットや労力的なメリットなど、それぞれにメリットとデメリットがあるため、不用品を処分については詳しくは下記を参照ください。
解体方法
小さなプレハブ倉庫であれば、手作業での解体でもすぐに終わってしまう可能性が高いです。
しかし大きな倉庫の場合は、基本的には重機を利用しての解体が必要です。
そのプレハブ倉庫が、重機を利用できる環境に建っているのであれば問題ないのですが、重機が利用できない場合は手作業での解体を強いられます。
そうなると工期も延びがちですし、解体作業員の数も増えるため、その分価格が高くなってしまいます。
⇒解体工事で重機が使えない場合の手壊し解体にかかる時間と費用について
工期など
上述した手作業での解体もそうですが、そもそものプレハブ倉庫が大きければ、その分解体期間が長くなることになります。
解体期間が延びれば、スタッフの日当も余分に支払うことになるため、単純に工期が延びたらそれだけ工事費用が高くなります。
屋外での作業ということもあり、天候に左右される可能性もあるため、事前に工期の延長などについても業者と話し合っておきましょう。
⇒解体工事に必要な期間の目安と工期が遅れてしまうよくあるトラブルとは
床面積と解体工事費用
それでは、プレハブ倉庫の坪単価はいくらくらいになるのでしょうか。
プレハブ以外の倉庫もあるため、それぞれの坪単価を比較してみましょう。
素材 | 坪単価 |
木造倉庫 | 2万円前後 |
鉄骨倉庫 | 2.5万円前後 |
プレハブ倉庫 | 2万円前後 |
これは完全に目安になるため、状況によって解体費用が大きく変わる可能性も少なくありません。
また、人件費によっても大きく左右されるため、坪単価は都市部ほど高く、地方ほど安くなる傾向にあります。
それから、一般的には面積が大きくなればなるほど1坪当たりの単価が安くなる傾向にあるため、大きな倉庫を壊すのであれば相談してみましょう。
DIYで倉庫を解体する際の6つの注意点
例えば、きちんと解体ができるのであれば、大きな建物を個人が解体するのは問題ありません。
そのため、プレハブ倉庫もご自身でできるという自信があるのであれば、やってみるのもよいでしょう。
ただし、やはり危険が伴うため、ここではDIYで倉庫を解体する際の注意点を紹介しておきます。
流れはすでに上述しているため割愛させていただきます。
解体工事のリスクは理解しているか?
例えその倉庫の規模が小さなものであったとしても、多少は高い場所で作業をしたりする必要があります。
また、頑丈な倉庫の素材ということになるため、やはり重たいものも多いです。
高所での作業には転落などのリスクが伴いますし、重い廃材を取り扱う際には怪我をする可能性もあります。
更に、普段使い慣れていない工具を使用する際には、間違った使い方をして怪我をしてしまうかもしれません。
もちろん全く問題ないという方もいるかもしれませんが、普段から工事などをし慣れていない方は特にリスクを理解して細心の注意を払う必要があります。
プレハブ倉庫の解体に必要な道具は?
それでは、プレハブ倉庫を解体するにあたって、どのような道具をそろえておくべきなのでしょうか。
もちろん、その倉庫の規模によって必要な工具は異なってきますが、
- ヘルメット
- 安全靴
- 軍手
- 安全帯
- ハンマー
- パール
- ハツリ機
- チェーンソー
安全に、そしてスムーズに解体工事を行うためにも、これくらいの道具は揃えておきたいものです。
どのような規模のものであったとしても、解体工事をすると粉塵などによって確実に泥だらけになってしまいます。
服装は、できれば汚れても問題ないような作業着を着用することをおすすめいたします。
近隣への挨拶は必要な規模か?
小さな倉庫を解体する場合、もしくは近隣に人の住む家がない場所での解体作業の場合は、基本的に挨拶は不要かもしれません。
しかし、庭のプレハブ倉庫を壊す際には、少なからず解体作業で音が発生したり、粉塵が発生する可能性が高いです。
もしそのプレハブ倉庫の解体によって他人に迷惑をかける可能性がある場合は、工事前に挨拶をするのが礼儀です。
もちろん、しなければ法律違反ということにはなりませんが、挨拶をしなければその後のご近所づきあいがぎくしゃくしてしまうかもしれません。
同様に、周りの方々に迷惑をかけないように養生シートを利用することをおすすめいたします。
⇒解体工事前の近所への挨拶は重要!挨拶のタイミングと方法について
解体工事をするにあたって必要な届け出や許可は?
上で少し触れましたが、延べ床面積が80平米以上の建物を解体する際には、建設リサイクル法に基づいた届け出が必要になります。
また、プレハブ倉庫を壊した際に発生する資材をどこかに駐車しておきたい場合は、そのための道路使用許可が必要になってきます。
ご自身で行う際にも、必要に応じて解体業者が申請をするような許可や届出を取得しなければ、解体工事を行うことはできません。
建設リサイクル法の届け出は、着工日の7日前までに申請しなければならないなどの決まりがあるため気を付けましょう。
⇒解体工事を自分で行う際の注意点と解体工事に必要不可欠な許可や資格
アスベストは使われていないか?
プレハブ倉庫だからと言って、アスベストが使われていないと断定することはできません。
万が一、解体しようと思っている倉庫にアスベスト含有建材が使用されている場合は、DIYでの解体はあきらめたほうが良いでしょう。
アスベストが含まれる可能性がある場合は事前に調査が必要ですが、その調査もせずに解体作業に入ってしまうと罰せられます。
また、ご自身がアスベストの危険にさらされるだけではなく、近隣の住民にも大きな被害を与える可能性があります。
可能性のあるプレハブ倉庫を解体するのであれば、事前に専門家に確認してもらうことをおすすめいたします。
⇒アスベストの基礎知識。アスベスト含む住宅を解体する際の注意点
お得に廃棄物を処分する方法は?
倉庫だけではなく、物置などにも利用されていたプレハブは、再利用できることも少なくありません。
中には、自分で解体したプレハブをそのまま処分してしまう方もいますが、例えばリサイクルショップなどに持ち込めば無料で引き取ってもらえることもあります。
また、運搬費用は必要かもしれませんが、不用品回収業者に取りに来てもらうというのも方法の1つです。
ただし、自治体から一般廃棄物の許可を得ていない業者による回収は違法となるため、不用品回収業者を利用する際には注意する必要があります。
まとめ
プレハブ倉庫は、ご自身で解体しようと思えばできないようなものでもありません。
ただ、やはりそれはある程度の経験や知識がある方に限ったものになり、例えば日曜大工が苦手な方が簡単に手を出せるようなものでもないのです。
1畳程度の物置であれば簡単に解体できるかもしれませんが、床面積が大きくなればその分使われている建材も大きく重いものになります。
安全に効率的に解体工事をするためには、やはり解体業者に依頼するべきでしょう。
しかし、小規模な解体工事であっても、複数の業者に見積もりを取って安心できる業者に任せることおおすすめいたします。