同じ解体工事をお願いするのであれば、やはり高額な費用を支払うよりも安く済ませたいと考える方がほとんどです。
しかし、様々な理由によって高い解体費用を払っている方がいるのも事実ですし、逆にうまく行うことができれば誰でも解体工事を安く依頼することが可能です。
解体工事を安くするための方法はいくつか存在するのですが、その存在自体を知らないという方もいらっしゃれば、知っていても面倒だといった理由で行わない方もいらっしゃいます。
やはり解体工事を大幅に安くしようと思ったら、それなりに手間はかかりますし、大変だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、少しでも安く解体をして欲しいと思われるのであれば、今回紹介する方法を利用してみてはいかがでしょうか。
解体工事の価格の基本
解体工事によって支払う代金は、一括で解体工事代金として業者に渡すわけではありません。
もちろん解体工事自体にかかってくる代金も必要ですが、その他にも様々な費用がかかるのです。
まずは、その解体工事の価格について見ていきましょう。
解体工事費用の内訳
もちろん、利用する業者などによって解体費用は変わってきます。
しかし、どの業者を利用したとしても以下の項目は必ず存在するはずです。
業者に支払う利益
解体工事を請け負うことによって、業者は利益を得ることになりますが、当然その利益分は施主が支払う必要があります。
解体業者自体がどれくらいの利益を得ているのかはそれぞれ異なりますが、一般的には施主が支払う工事代金の総額の1割~2割くらいが相場となっているようです。
解体業者と直接交渉をする場合は、この部分を値下げしてもらえないか頼んでみるのもよいと思いますが、業者としてもこの利益が少ないと経営がうまくいかなくなってしまったりする可能性があるため、判断が難しいところです。
人件費
作業を行うスタッフに支払うお金になりますが、基本的にはこの部分をカットすることができません。
平均的な30坪ほどの住宅を解体する場合は、大体3,4人のスタッフが1週間~2週間ほど解体作業を行うことになります。
日当は作業内容や解体する地域によって異なりますが、大体1日1人当たりで1万円~2万円程度になることが多いです。
作業内容によって日当が大きく変わってくるというケースは稀ですが、例えば重機が使えずに手作業に頼る現場などは必然的に工期が長くなるため、それだけ高い日当を支払うことになります。
産業廃棄物の処理費用
解体工事に支払う費用の中で、意外と高い割合を占めているのが、この廃棄物の処理費用になります。
こちらは解体業者が直接処分をするわけではなく、現場で発生した廃棄物を処理場に持って行き、処理場が最終的な処分をすることになります。
つまり、施主は解体業者を通して処理場に処理費用を支払うことになるのですが、この料金は施主が業者に支払う解体費用の3割~4割を占めることが多いです。
リユースに回せないものが多い場合や、残置物などが多い場合などは、この部分が高くなりがちです。
工事にかかる諸経費
解体工事をするには、工事をする人がいればそれで何とかなるというわけではありません。
効率的に工事を行うためには重機が必要になってきますし、廃棄物を運搬するための車両も必要です。
また、それらを駐車するためには許可がいりますし、その他にも解体工事をするにあたって役所に様々な申請を行わなければならないケースがあります。
重機のガソリン代やレンタル費用、細々した手間賃などが諸経費に含まれることになります。
1つ1つの単価は低いですが、それらをすべて合わせるとそれなりのコストになってしまいます。
その他に必要な費用
上記では一般的な解体工事に必ず必要になってくるコストになりますが、工事によってはこの他にも払わなければならない費用が発生します。
中には、地中埋設物などによって後々追加料金が必要になってくるようなケースもありますが、
⇒解体工事で地中埋設物が見つかった場合の追加費用や対処法について
多くの方が支払っているのが中間マージンになります。
上記の費用は、解体業者に直接お願いをした場合に支払うコストになるのですが、ほとんどの方はハウスメーカーをはじめとする業者に解体工事を依頼します。
しかし実際に解体工事を行うのはその下請けの解体業者になるため、当然他の業者を間に通すことで支払う料金が高くなるのです。
その中間マージンを3割以上取っているようなケースもあるので、この部分を減らすことができれば施主が解体工事に支払う費用を大きくカットすることが可能になります。
中間マージンをカットしよう
中間マージンは、解体工事を依頼する上で不要なコストと言えます。
しかし、施主がハウスメーカーなどに中間マージンを支払って解体工事を行うのにもメリットがあります。
中間業者を通すメリット
様々なメリットが挙げられますが、結局は安心して工事をお願いできるというのが最大のメリットになるでしょう。
ハウスメーカーが提携している業者は基本的にはしっかりとした解体業者になりますので、業者を直接探して悪徳業者にお願いしてしまうというようなリスクがなくなります。
また、解体工事中に何らかのトラブルが発生したとしても、通常は間に入ったハウスメーカーが責任を持って解決してくれるため、施主が面倒な思いをすることもありません。
中間マージンが高いと感じる方も多いですが、それは安心して工事をしてもらえる保険のようなものだととらえる方もいらっしゃいます。
自分で探せば格安に
しかし、自分でよい解体業者を探すことができれば、数十万円になる中間マージンをカットすることができるため、解体工事を格安で依頼することが可能になります。
例えば本来であれば100万円の解体工事が、ハウスメーカーなどを通すことで130万円になってしまいますので、やはりこの差は大きいと考える方が多いのではないでしょうか。
自分で解体業者を見つけることさえできれば、ハウスメーカーに数万円の値下げ交渉をするよりもはるかに格安で解体工事ができるのです。
ただし、優良業者に交じって悪徳解体業者もたくさん存在しているため、間違った業者を選んでしまうと痛い目を見ることになります。
マージンの低いサービスを利用
解体業者を探すサービスの中にも、比較的中間手数料の低いサービスが存在するため、そういったものを利用して業者を探すのも方法の1つです。
例えば100万円の解体工事の場合はハウスメーカーに130万円支払うことになりますが、手数料の少ないサービスであれば、合計が110万円以下になることもあります。
信頼できるサービスであれば、優良解体業者ばかりをそろえていますので、ハウスメーカーを利用するのと同様の安心感を得られます。
どうせ同じ解体工事を安心して依頼したいのであれば、できるだけ中間マージンの少ないサービスを選択するとよいでしょう。
例えば、中間マージンが少なく優良の解体業者を数社紹介してくれるサービスに解体業者の匠というサービスががあります。
⇒解体工事の匠の特徴と口コミ・評判は?おすすめできる理由をまとめてみた
こちらは、中間マージンを8%と設定しているので、他のハウスメーカーなどよりも格安で探すことができます。
解体工事専門のプロがしっかりとサポートしてくれるので、安心して利用することができるはずですよ。
不用品は自分で処分しよう
解体工事をする際は、通常はその建物内に残っている家具や電化製品、小物などを事前に処分しておく必要があります。
しかし、それらの処分が面倒な場合は解体業者に一緒に処分してもらうことも可能です。
業者に任せると処分費用が割高に
廃棄物の処理費用が、施主が解体業者に支払うコストの数割を占めると上述しましたが、家具をはじめとする残置物が大量に残っている場合は、処分費用が高額になります。
家庭で普段使っているような家具や細々したアイテムは、一般のゴミや粗大ごみとして格安で処分することが可能ですが、解体工事で一緒に処理してもらうと産業廃棄物になってしまうため、どうしても処分代が高くなってしまうのです。
産業廃棄物は家庭で捨てることのできる一般廃棄物とは違う枠組みになるため、それだけで処分コストが高くなりますし、その量が多い場合は、廃棄物の処理費用が施主が業者に支払う代金の半分以上を占めるケースもあります。
逆に言えば、不用品を自分で処分すれば、解体費用がかなり安くなる可能性もあるのです。
自分で処分する方法
例えば、まだまだ使えそうな家具や家電は、リサイクルショップに持ち込むことによって買い取ってもらえる可能性があります。
また、自分にとってはいらないアイテムであっても、どこかにはそれを必要としている方がいるかもしれませんので、ネットで販売してみるというのも方法の1つです。
しかし、これらは解体工事までに十分な時間がなければできないことですので、例えば空き家をずっと放置していていつかは解体するということが決まっている場合は、少しずつ残置物を減らしていくようにしましょう。
解体工事までに時間がない場合は、不用品回収業者にまとめて持って行ってもらうのも良いのではないでしょうか。
割高なイメージもありますが、解体業者にお願いするよりは安くなる可能性が高いですので、まずは見積もりを取ってもらいましょう。
その他にも様々な処分方法があるため、下記を参照してくださいませ。
⇒解体工事前に不用品を処分する様々な方法とそれぞれのメリット・デメリット
見積もりをしっかり出してもらう
優良業者と呼ばれる業者であっても、いくつかの業者に見積もりを出した場合に料金がバラバラで返ってくることが多いです。
複数の業者に見積もりを出すのは当たり前のことですが、その際には料金だけではなく業者の雰囲気なども感じ取って、最終的に1社に絞る際の参考にすることをおすすめいたします。
見積もりの方法
特にご自分で業者を直接探す場合は、できるだけ多くの業者とコンタクトを取って直接解体現場に足を運んでもらう現地見積もりを行うべきです。
もちろん電話などで状況を伝えてその場で解体料金を見積もってもらうこともできますし、その気になれば自分で相場を判断することも可能です。
しかし、建物は立地条件がすべて異なりますし、周辺の環境も違います。
その違いによって解体工事の費用が大きく変わることもあるため、面倒だと感じても現場見積もりは必ず行ってもらうようにしましょう。
相見積もりについて
本当に信頼できる業者だということがわかっているのであれば、最初に見積もりをしてもらった業者にそのまま工事を依頼することもあるかもしれません。
しかし、基本的にはどのような場合であったとしても複数の業者に見積もりを依頼することをおすすめいたします。
1社目よりも2社目の方が見積もり代金が多少高かったとしても、担当者が信頼できそうで様々なサポートをしてくれるのであれば、そちらの方がお得だと感じる方もいらっしゃるはずです。
また、1社目で安いと感じていた見積価格だったのに、5社目でさらに安い業者を見つけることができたというケースも存在します。
もちろん価格も判断基準の1つになりますが、その他にも業者と直接話をしたりすることで感じることもあるはずです。
業者の担当者の雰囲気や話し方、マナーなども比べることができるため、最初にいくつかの業者を見ておいたほうが良いでしょう。
最後に
解体工事の費用を落とすための代表的な方法をいくつか紹介してきましたが、やはり手間がかかると感じた方も多いのではないでしょうか。
確かに、お金を節約する分、施主が動かなければならないケースも多いですが、それで数万円~数十万円が節約できるということがわかっているのであれば、やってみる価値はあると思います。
反対に、お金を払ってもいいから煩わしいことを避けたいと考えるのであれば、全て業者に任せてしまうというのもよいかもしれません。
ただし、今回紹介した中では、やはりハウスメーカーなどの多額のマージンがもったいないと感じますので、どうせすべてやってもらうのであれば、少しでも中間手数料の少ない方法を選ぶことをおすすめいたします。