住宅はあらゆる場所が老朽化していくため、基本的にはどんな場所であっても定期的にリフォームをする必要があります。
例えば、トイレなどの毎日利用する場所であれば、どこかが壊れた際にもすぐに認識できるはずです。
しかし、 屋根のような普段絶対に見ないような場所が壊れてしまった場合は、雨漏りなどのトラブルが発生するまで気が付かない可能性もあります。
普段なかなか見ない場所であったとしても、屋根が壊れると非常に困るため、やはり定期的にリフォームをする必要があります。
今回は、そんな屋根のリフォームに関する基本的な情報を紹介させていただきます。
リフォームできる屋根の種類
屋根に使われる素材は非常に豊富ですが、代表的な素材として
- 瓦
- トタン
- 金属
- スレート
などが挙げられます。
普通に使っていれば平均的な耐用年数まではもつことが多いため、まずはそれぞれの耐用年数と特徴を見てきましょう。
素材 | 耐用年数 |
瓦 | 50年~100年 |
トタン | 15年~20年 |
金属 | 40年~60年 |
スレート | 10年~20年 |
瓦の性質
最近は瓦を利用した屋根も減ってきていますが、かつての日本家屋はほとんどが瓦を利用していました。
大きな理由の1つとしては、やはり耐用年数が非常に長く、中には100年以上利用できるものも存在するからです。
ただし、地震に弱いという性質を持っており、強風で飛ばされるリスクなども考えられるようになり、徐々に使用率が減ってきています。
トタンの性質
トタンと聞くと耐用年数が短いようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょうし、実際に従来のトタンはすぐに錆びてしまいます。
しかし、トタンの中でもガルバリウム鉄板と呼ばれるアルミと亜鉛、シリコンを混合させたアルミ亜鉛合金は、屋根に優れた素材として幅広く利用されています。
金属屋根の特徴
トタン以外にも、
- チタン
- ステンレス
をはじめとする金属製の屋根は存在します。
例えばチタンは強度が高く、ステンレスは耐久性に優れているといったメリットを持っています。
耐用年数だけを考えるとメリットの大きな素材もありますが、使用する金属によって変わってきます。
スレートの特徴
スレートは大きく、
- 化粧スレート
- 天然スレート
の2つに分類することができます。
しかし、天然スレートは自然の岩を加工して作ることもあり、設置コストが非常に高いため、一般的には化粧スレートが利用されることが多いです。
化粧スレートはセメントや繊維を混合させたものになり安く設置できますが、耐用年数は10年~20年程度となります。
屋根のリフォームの種類
それでは続いて、屋根のリフォームの種類を見ていきましょう。
もちろん屋根の種類によってリフォーム方法は異なりますが、
- 葺き替え
- 塗装
- カバー工法
- 補修
などが代表的なリフォームです。
葺き替え
葺き替えと聞くと、日本瓦を古いものから新しいものに取り換えることを想像される方も多いのではないでしょうか。
確かにそれも葺き替えの1つですが、正確には葺き替えとは古い屋根材を取り払って新しい屋根材を設置することを言います。
そのため、日本瓦を撤去してそこにスレートやガルバリウムを設置するのも葺き替えに含まれます。
近年の日本で最も多い葺き替え工事として挙げられるのは、瓦をスレートにするものになります。
塗装
きれいに吹き替えた屋根は、当然年月が過ぎることによって徐々に劣化していきます。
その屋根の耐久性を保つためには、定期的な屋根の塗装が必要になってきます。
塗装をし続けることによって美しい屋根を保つことができますし、断熱塗料などの特殊な塗料を利用することで快適に生活できるようになります。
使用される塗料にも様々なものがありますが、
- アクリル樹脂塗料
- ウレタン樹脂塗料
- フッ素樹脂塗料
- シリコン樹脂塗料
この辺りが代表的な塗料です。。
塗料によって耐久性が異なりますが、やはり安いものほど耐用年数が短く、高額なものほど長持ちする傾向にあります。
カバー工法
屋根のリフォームの中でも比較的多いものが、カバー工法と呼ばれる重ね葺きになります。
葺き替えとは、元々あった古い建材を除去してから新しいものを取り付けるといったリフォームです。
それに対して、カバー工法は元々ある屋根材の上から新しい素材を重ねて設置する方法です。
一般的には、新しく重ねる屋根材には遮熱効果などの性能が備わっていることが多く、建物内での生活をより快適にするために行われます。
補修
長期的に屋根をリフォームせずに放置していた場合は、雨漏りをはじめとする様々なトラブルが発生することになります。
例えば
- 屋根の屋根の一部に穴が開いてしまう
- 何かがきっかけで屋根の構造部分がずれてしまう
といったことが発生した場合は、急いで補修工事をする必要があります。
補修工事にも
- 雨漏りなどが発生することがわかっているためきちんとした補修を施す工事
- 急に雨が漏れてきたから応急処置として行う工事
など、この2種類の工事が多いです。
しかし、できれば定期的な点検やリフォームを行い、補修工事をする必要のない環境で生活を送るのが望ましいといえるでしょう。
屋根リフォームのタイミング
室内とは異なり、屋根は頻繁に目を通すような場所ではありません。
そのため、壊れているのか、壊れそうなのかということさえわからないという方も多いと思いますが、 壊れて雨漏りをしてからのリフォームでは遅いのです。
それでは、屋根のリフォームはどれくらいの間隔で行うべきなのでしょうか。
屋根の耐用年数を知る
雨漏りが発生する前に屋根をリフォームするには、まずは使われている素材とその素材の耐用年数を知るところから始めてみてはいかがでしょうか。
上に素材ごとの耐用年数を紹介しているため、基本としてはその表を参考にしていただければ問題ありません。
しかし、ここで気を付けなければいけないのは、「耐用年数=そのまま屋根を放置し続けることができる」という意味ではないということです。
例えば、瓦は50年~100年持つと言われていますが、50年間放置していても絶対に雨漏りが発生しないというわけではありません。
瓦の耐用年数と言うのは瓦そのものの耐用年数であって、瓦屋根全体が100年も持ち続けるということはあり得ないのです。
強い台風がこれば飛んで行ってしまうこともありますし、ヒョウが降ったり硬いものが当たったら割れてしまうリスクもあります。
そのため、素材によっては定期的にメンテナンスをする必要があるということを覚えておきましょう。
定期的な自己チェックは重要
屋根にトラブルがあっていきなり雨漏りが発生したら、家の中が水浸しになってしまう可能性もあります。
そんなことが起きないように、定期的にご自身でも屋根のチェックをしてみることをおすすめいたします。
例えば、最近の建物の中には屋根の部分にも登れるようになっている造りのものもあるため、ご自身で上から見ることができるのであれば上から見てみるのも方法の1つです。
しかし、瓦屋根などは上に登るのも危険ですので、下から見える範囲で問題ないですので、定期的に確認してみるとよいでしょう。
その中で、例えば
- 瓦がずれていたり曲がっている
- ひびが入っている
- 雨で汚れが落ちていない場所がある
- 塗装が剥がれてきている
ということなどが確認できればそれがリフォームの1つのタイミングです。
今は問題ないかもしれませんが、そういった気になる点を放置しておくとその被害が室内にも及ぶようになるため、そうなる前に早めに業者に見てもらうことをおすすめいたします。
屋根塗装の塗り替え時期とは?
最初にきれいに作った屋根も、何年かおきに塗装をしなければ耐久性がどんどんと落ちていってしまいます。
塗装で利用する塗料によって耐用年数が異なるため、代表的な塗料の耐用年数を把握しておくようにしましょう。
塗料の種類 | 耐用年数 |
アクリル樹脂塗料 | 5年~8年 |
ウレタン樹脂塗料 | 7年~10年 |
フッ素樹脂塗料 | 15年~20年 |
シリコン樹脂塗料 | 12年~15年 |
もちろん他にも塗料は存在しますし、建物の立地条件によって耐用年数は大きく変動します。
しかし、一般的にはこれらの耐用年数を過ぎてしまうと劣化が激しくなり、補修工事をしなければならなくなる可能性が高くなります。
なるべくこの耐用年数が過ぎる前に塗装を繰り返すことをおすすめいたします。
屋根リフォームの費用の相場と必要な日数
それでは、最後に屋根のリフォームの料金と工事日数を見ていきましょう。
屋根リフォームの相場
上述したように、屋根のリフォームにも様々な種類のものがあります。
その中でも代表的なものが、
- 葺き替え
- 塗装
の2つです。
葺き替えの費用
屋根の葺き替えと言っても、新しく利用する素材によってその価格が大きく変わってきます。
例えば、屋根の葺き替えをするにあたって、
- 足場の設置
- 防水シートの設置
- 下地の補修
などの工事も行う必要がありますが、この辺りはどんな屋根材を利用したとしても料金的に大きな開きが出ることは少ないはずです。
しかし、葺き替えにあたって古い屋根材の撤去が必要になりますが、処理費用に関しては「どのような屋根材を利用していたか」で大きく変わってきます。
それに加えて新しく設置する屋根材にも価格の差があるため、これらのトータル料金には大きな開きが出るということがお分かりいただけるはずです。
葺き替えは安くても100万円以上は見ておいたほうが良いと思いますが、もちろん面積によってこれよりも安く工事できるケースもあります。
塗装の費用
こちらも葺き替え同様で、塗装に利用する塗料によって価格が大きく変わってきます。
さらに細かく言えば、瓦屋根に対するシリコン樹脂塗料と、スレート屋根に対するシリコン樹脂塗料とでも料金が変わってきます。
塗料の価格が大幅に異なるため、一般的には1平米あたりにつき1000円~5000円程度だと言われています。
価格に開きがあるため、複数の業者に見積もりを取って納得のいくリフォームをされることをおすすめいたします。
リフォームの業者の選び方に関してはこちらの記事でも解説しております。
屋根リフォームに必要な工期
こちらも葺き替えをするのか塗装をするのかによって必要日数が変わってきます。
- 葺き替え:1週間前後
- 塗装:2週間前後
もちろんその建物大きさに比例して屋根の面積も大きくなるため、どのような面積であってもこれくらいで終わるというわけではありません。
しかし、リフォームには足場を組み立てて養生を設置し、それから資材の搬入をすることになり、これだけで2日ほどかかります。
また、毎日雨が降るような時期に工事をしてしまうと塗装に大きな影響をもたらすことになりますし、屋根の傾きが大きければ大きいほど工期が長くなる傾向にあります。
ご家庭によって屋根の造りが異なるため、それで工期が変わってきます。
そのため、まずは専門の業者に、費用とともに工事日数についても確認してみるようにしましょう。
まとめ
屋根は普段目に見えるところではないため、その分老朽化に気を配って接しなければならない場所になります。
リフォームのタイミングを確認したり、または定期的に専門の業者にチェックしてもらったりすることで、雨漏りなどが発生しないように気を付けましょう。
また、リフォームにも葺き替えと塗装などの種類がありますし、それぞれに様々な種類の素材、塗料が存在するため、それによってリフォーム費用が大きく変わってきます。
さらに、屋外での作業になるためリフォームは天候に左右されやすいですし、屋根の傾斜や面積によっても工事日数が変わってきます。
それぞれのご家庭で屋根のスタイルや面積が異なるため、まずはご自身が実際に行いたいリフォームの種類を確認してから業者に依頼しましょう。
その際には、複数の業者に確認して相場をしっかりと把握してから、安心できる業者にお願いすることをおすすめいたします。