エクステリアを彩ると聞いて、日本の和風庭園を思い浮かべた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近は洋風のエクステリアや最新の外構も人気が高いですが、やはり日本の風土によく合う日本庭園も同様に高い人気を誇っています。
その日本の庭園に欠かせないのが、庭石や石材添景物などになります。
石材添景物というのは、灯篭や飛び石をはじめとする、石材を利用して日本庭園を彩る役割を果たす重要なアイテムになります。
しかし、この石材添景物や庭石の中には大きなものもありますし、素材が石ということもあり、かなり重たいエクステリアになります。
今回は、そんな庭石などをエクステリアとして利用する際のポイントや、反対に庭石を撤去する方法などを紹介していきます。
庭石の魅力
日本の昔ながらの、庭石を設置した庭園に憧れを抱いているという方も少なくないはずです。
庭石自体にも様々な種類がありますし、一緒に庭を彩る石材添景物と呼ばれるアイテムにも注目してみましょう。
エクステリアとしての庭石
例えば、同じ石であっても置き方や置いてある位置によって、邪魔な存在になることもあれば、風流だと感じられる存在になることがあります。
庭にスロープを作ったりテラスを作ったりすることを考えると、基本的に庭石などには実用性はありません。
しかし、庭石をきれいに配置することによって、庭石やそれを取り囲む日本庭園が大きく変化するのです。
日本庭園にも様々なアイテムを利用することができますが、やはりその中でも庭石はその庭全体の表情を変える重要な役目を果たすと言われています。
そのため、大きさや形、配置する場所だけでなく、庭石そのものの質や色などを変えることで庭のイメージが変わってくるのです。
庭石以外の石材添景物
庭石も重要ですが、同じ石材で作られた灯篭や飛び石などの石材添景物も、美しい庭を演出するのには欠かせないアイテムです。
例えば石灯篭1つ取っても、雪見型灯篭や織部灯篭、春日型灯篭など、様々な形のものが存在するため、選ぶ灯篭によって庭の表情が変わってきます。
しかし基本的にはどの灯篭も石から作られているため、庭石同様かなり重量があります。
そのため、レンガを敷き詰めるのとは異なり、一人で簡単に運べるようなものではありません。
庭石や石材添景物をエクステリアに加える場合は、通常は専門の業者に設置をお願いすることになります。
庭石を設置してみよう
基本的には、施主が自分の好きなように石を配置することになるのですが、当然どのように置けばよいのかわからないという方の方が多いはずです。
一度置いてしまったら簡単に配置を変えられるようなものでもありませんので、庭石を設置するポイントを紹介していきます。
庭石設置の考え方
庭石を設置する際には、その石をどこに置くのか考えるのと同時に、庭全体の構図も考えていく必要があります。
一言で言えば、庭石を含む様々なエクステリアを生かして、大自然を庭に凝縮するようなイメージです。
元々は、雄大な自然を自宅の庭でいつでも見られるようにするための日本庭園ということになるため、庭石1つ1つの表情も重要になってきますが、まずはその庭全体をどのように作り上げていくかを考えます。
緑を多くあしらってそのところどころに庭石などを配置してもよいですし、山を連想させる大きな庭石をいくつか固めて置いてみるのも面白いかもしれません。
しかし、一度置いたらなかなか動かすことができないというプレッシャーもあり、すぐに日本庭園をデザインできる方は多くはありません。
プロの業者に相談しながら構図を考えれば、必要な庭石や植物などもスムーズに取り寄せられるため、まずは業者を決めて一緒に日本庭園を造っていくのもおすすめです。
庭石の表情と置き方
庭石には大きく、あまり角のない滑らかな素材の石と、表面がごつごつした石の2つに分類することができます。
表面が滑らかな石は一般的に優しい印象を持つので、通常は植物と調和させるために緑の中に設置したりすることが多いです。
一方のごつごつした質感の石は、自然の力強さを強調させるために単体で設置することも少なくありません。
このように、庭石の性質を生かして配置する位置を考えるのもよいですが、もちろん感じ方は人によって異なりますし、施主の庭になりますので施主が良いと感じるところに置けば問題ありません。
石組について
大きな庭石を1つだけ利用する日本庭園も存在しますが、どちらかというと複数の石を組み合わせて庭を創造する石組の方が一般的です。
いくつかの庭石を利用する際には、なるべく大きさや形、色などが異なる素材を利用するというのもポイントの1つです。
もちろん、大自然の中に同じ大きさで同じ質感の石が並んでいることもあるかもしれませんが、人の手が入っていない自然を凝縮させた庭ということになるため、基本的には異なる種類の石を利用したほうが自然の印象が強くなります。
大きな庭石を利用する際には、多少サイズが違う石を置いても遠目から見ると同じタイプのものに見えてしまうことが多いため、大小の区別がはっきりとわかるような石を採用したりするとメリハリが出ます。
庭石を導入する際の注意点
庭石の移動と設置作業の注意点
感覚的には、庭石を設置するのと他のエクステリアを設置するのとでは全く別物という感じもします。
しかし、外構に新しい設備を導入するという点では全く同じことです。
周囲への挨拶
どれくらいの規模の日本庭園を造るのかにもよりますが、大きな岩を運搬してくるには大型の車両が必要になることもありますし、クレーン車が使われることもあります。
レンガでアプローチを作ったりところどころに照明を付けたりといった外構工事には大きな車両が使われないこともありますが、単体でかなりの重量を誇る庭石を使う場合には、どうしても大型の車両が必要になってきます。
また、場合によっては大きな植物を植えたりすることも考えられますので、そうなると大規模な工事を行うことになります。
そうなった場合、工事の騒音などが発生する可能性がありますし、車両などが近隣住民の迷惑になることも考えられます。
多少なりとも迷惑がかかると感じたら、工事を行う前に近隣住民に挨拶回りをしておくと、その後の人間関係もスムーズになるはずです。
工事の立ち合い
例えばブロック塀を新しく建ててもらう際には、常に見ていなかったとしても思った通りのブロック塀が出来上がることが多いのではないでしょうか。
他のエクステリアの工事にも当てはまることですが、基本的には施主は図面やイメージ図を確認し、納得したらあとは完成するまで業者に任せることになります。
しかし、日本庭園の場合は人の感性によって出来上がりが大きく異なりますので、まずはご自身の石を担当者に細かく伝えておく必要があります。
工事当日に自宅に到着する大きな岩も、上下を入れ替えるだけで印象が変わりますし置き方1つで庭全体のイメージが変わってくるため、その庭全体をデザインして指揮できる人がいなければ、統一感がなくなってしまいます。
もちろん業者の担当者がこちらの意思をきちんとくみ取って庭をデザインしてくれるのであれば問題ないのですが、極力施主も現場に立ち会って一緒に指示を出すことができれば、後々後悔することがないはずです。
庭石を処分する方法
庭石を生かしたエクステリアを新たに楽しむ方もいれば、数十年楽しんだから思い切ってエクステリアのデザインを変えたいという方もいらっしゃるはずです。
ここからは、庭石を処分する方法などを紹介していきます。
粗大ゴミとして処分
真っ先に思い浮かぶ処分方法として挙げられるのが、自治体の粗大ゴミに出してしまうというものです。
しかし当然ですが、一人の力で持ち運べないような石はそもそも回収場所まで持って行くことができませんし、自治体によって量や大きさなどの上限が設けられていることもあるため、まずは粗大ゴミとして出すことができるかどうかを確認する必要があります。
大きさに制限があるだけの場合、例えば工具を利用して庭石を小さく分解することができれば、数回に分けて粗大ゴミとしても処分することができるのではないでしょうか。
小さな石は燃えないゴミとして回収してくれる自治体も存在しますし、砕いた石は破砕ゴミとして取り扱うところもあるため、まずはその自治体のルールをチェックしてみましょう。
業者にお願いする
業者と言っても、解体業者や造園業者、または石材店や不用品回収業者など、様々なところが該当します。
このうちの解体業者や不用品回収業者は、処分してくれたとしても必ず費用がかかります。
それに対して、造園業者によっては撤去工事もすべて込みで、無料で不要な石を引き取ってくれるところも存在します。
ただし、メインとなる大きな庭石以外にも、たくさんの石を利用しているようなご家庭も多いと思いますが、その全てを引き取ってくれるとは限りません。
もちろん安く処分できるに越したことはないですので、まずは複数の業者とコンタクトを取ってお得な方法を見つけてみましょう。
庭石を撤去する方法
大きく、手作業での撤去と重機を利用した撤去に分けられます。
それぞれの撤去方法の特徴を見ていきましょう。
手作業での撤去
大きな岩を撤去するため、重機を利用せざるを得ないと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、現場で庭石を何らかの方法で砕いて、それを車両に載せて持って行ってもらうという方法も可能です。
重機の方がスムーズに撤去できるのですが、こちらの方法の方が安く済む傾向にありますし、狭い庭であっても作業が可能というメリットがあります。
ただし当然、石を砕く際には大きな音が出ることになりますし、大きな石をそのまま運ぶことを考えると時間もかかります。
重機を利用した撤去
庭石の撤去で最も楽な方法として挙げられるのが、重機を利用してそのまま石を持って行ってもらうというものです。
重機を使って重い石を持ちあげて車両に積むだけですので、現場での作業は短くて済みますし、大きな音が出たりすることもないため、この方法は人気が高いです。
しかし、道幅などの関係で車両が利用できないというケースは、先ほど挙げた手作業での撤去をせざるを得ません。
また、この方法は手作業と比べると割高になるため、できるだけ安く済ませたいと考えるのであれば手作業での撤去をおすすめいたします。
業者と相談して考える
例えば、施主としては重機を利用してさっさと持って行ってほしいと考えているのに、環境的に車両が入れないような場所の場合は手作業での撤去が必要になってきます。
何にしても、まずは業者にコンタクトを取って実際の現場を見てもらわなければ話が前に進まない可能性もあるため、一旦現場見積もりをしてもらうとよいでしょう。
もちろん見積もりだけしてもらうということも可能ですので、できれば複数の業者に見積もりを出して相場を確認し、その中で安く撤去してくれそうなところを探すというのも方法の1つです。
その前に、自分はいらないと思っている庭石であったとしても需要のある可能性があるため、最初に造園業者などに無料で引き取ってもらえるかどうかを確認しておくのもよいでしょう。
最後に
庭石には1つ1つ違った表情がありますし、配置場所や置く角度などによっても同じ石が全く違った顔を見せることになります。
エクステリアの1つには違いないのですが、配置の仕方で庭の様子がガラリと変わるため、庭を彩る重要なワンポイントとなる庭石などの設置をする際には、なるべく施主も立ち会った方が良いでしょう。
また、設置をする際も撤去をする際にも、基本的には大きな車両を利用する必要があります。
大掛かりな工事になる可能性もありますので、設置工事、除去作業の前には必要であればご近所さんに挨拶回りをすることで、周りに与える被害を最小限に減らすことができるはずです。
近所の方の理解を得たうえで工事を始めれば、日本庭園を気持ちよく造ることができるのではないでしょうか。