例えば、料理をしない日はキッチンを利用しないでしょうし、お風呂に入らない日もあるかもしれません。
しかし、どのような事情があったとしても、トイレは家族が毎日何度も足を運ぶ場所になります。
毎日必ず利用する場所が使いにくくては生活の質が低下してしまいますし、汚れていては気分も悪くなります。
家族が健康的に暮らし続けるためには、快適に用を足す環境が整っている状態が求められます。
もちろん現状のトイレで満足しているという方も多いかもしれませんが、トイレの技術も年々向上しています。
リフォームをすることによって、今よりも快適なトイレを手に入れることができるはずです。
この記事では、そんなトイレのリフォームについて詳しく解説しております。
トイレの代表的なリフォームの種類
まずは、トイレのリフォームで人気の高い項目をまとめて紹介します。
- 便座交換
- 便器交換
- ウォッシュレットの設置
- 設備の取り付け
便座交換
トイレの便座とは、洋式トイレで実際に腰掛ける部分のことを指します。
直接肌が触れる場所になりますので常に清潔に保たれている必要がありますが、老朽化などにより汚れが目立ったり、時には割れたりすることもあります。
そのため、タイミングを見計らってこの部分のみを取り換えるご家庭も少なくありません。
トイレのレイアウトなどを全く変えることなく新しい便座に交換することができるため、トイレのリフォームの中でも最も気軽にできるものの1つです。
便器交換
便座だけではなく、便器そのものを取り換えてしまうリフォームも人気が高いです。
主な便器交換は、
- 和式便器から洋式便器へ
- 洋式便器から洋式便器へ
の2つが多く、和式を和式へ、もしくは洋式から和式にリフォームするのは珍しいです。
便器は大きく3つの種類に分けることができますが、後程それぞれの便座を詳しく紹介させていただきます。
ウォッシュレットの設置
何の機能もついていない便器に、ウォッシュレットを取り付けるというリフォームも人気が高いです。
もちろん業者に取り付けを依頼するのもよいですが、ウォッシュレット機能の付いた温水洗浄便座をホームセンターなどで購入してご自身での設置も可能です。
ただし、便器にも様々な大きさがありますし、元々ウォッシュレットのないトイレの室内にはコンセントがない可能性もあります。
電源を確保するためにはどっち道ちょっとした工事が必要になってきますので、業者にまとめてお願いしてしまうという方も少なくありません。
設備の取り付け
トイレの内部にも、様々な設備を取り付けることができますが、その中でも最近多いリフォームとして挙げられるのは、ご自宅のバリアフリー化に伴った手すりの設置です。
足腰の筋力が低下することで、トイレ内で転倒をするという事故もあるため、それを避けるために手すりを設置することになります。
同様に、トイレ内に手洗い所を設置するというご家庭も少なくありません。
後述しますが、タンクなしのトイレにリフォームする場合は、トイレ室内が広くなる半面、手洗いができなくなるため、その代わりに手洗い所を設置するのです。
手を伸ばさなければタンク上部で手を洗うことができないことを考えると、独立した手洗い所を設置することで無理なく手を洗うことができます。
そのため、こちらも手すり同様バリアフリーのためのリフォームと考えることができます。
リフォームで利用する便器の種類
トイレのメインともいえる便器は、大きく3つに分けることができます。
- シンプルな便器
- 洗浄機能付き便器(ウォッシュレット)
- 高性能便器
また、それぞれのトイレをタンクレスにすることも可能です。
シンプルな便器
昔ながらのトイレと言えば何となくイメージができると思いますが、最もシンプルで低価格なリフォームが可能な便器です。
徐々に普及が進んでいる、現在のスタンダードともいえる便座の暖房やウォッシュレットなどもついていない簡易的なトイレと言えます。
例えば、ウォッシュレットが苦手だという方はこのシンプルな便器を利用することで、リフォーム費用を格安に抑えることができます。
しかし、洗浄機能はいらないが便座暖房はほしいという方は、暖房機能のみがついた便座もあるためそちらがおすすめです。
サイズさえ間違えなければ、便座のみの交換であればご自身でも簡単に行うことができます。
サイズを計り、ホームセンターなどで便座を探してみるとよいでしょう。
洗浄機能付き便器(ウォッシュレット)
トイレのリフォームを行う場合は、現代では多くのご家庭で洗浄機能がついたトイレを採用することになります。
ウォッシュレットと言っても、単純に温水が出るだけのものもあれば脱臭機能や送風機能などがついているものもあります。
また、当然便座暖房機能もありますので、冬場も寒い思いをすることがありません。
現在のトイレリフォームでは最もオーソドックスなタイプになるため、ウォッシュレットと言って実に様々なタイプが存在します。
洗浄機能付きの便器を取り付ける場合は、必要な機能とそうでない機能をはっきりとさせ、必要最低限のリフォームをすることで費用を抑えられます。
高性能便器
上述したウォッシュレットタイプの機能の他に、様々な性能が追加されたタイプのトイレです。
有名どころでは
- 便座の蓋が自動に開閉されたり
- 全自動洗浄機能
- 除菌機能
などが挙げられます。
高齢化に伴ってトイレ掃除に負担を感じていらっしゃるのであれば、除菌機能がついたものを利用することでお手入れの頻度を減らすことが可能です。
また同様に、足をかがませて便器の上げ下げをするのが大変だという場合も、自動開閉機能の付いたものを取り入れることで用を足すのが楽になります。
このように高性能便器は非常に使い勝手が良いですが、やはりリフォーム代金もその分高くなるため、予算と相談しながら考えてみましょう。
タンクレストイレのメリット・デメリット
上記で代表的な3つの便器を紹介しましたが、それぞれのトイレにタンクを付けることもできますし、反対にタンクを取り去ることも可能です。
一般的には、トイレにはタンクがあるのが当たり前だと考えられがちですが、タンクなしのトイレにも様々なメリットがあります。
メリット | デメリット | |
タンクありトイレ |
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タンクなしトイレ |
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タンクをなくす場合は、タンクに水がたまるのを待ってから流すタイプとは異なり連続で水が流せます。
しかし、水道の水圧を直接利用して排水を行うため、水圧が低いと詰まってしまったりする可能性も高いのが特徴です。
そのため、あまりにも水圧が弱い場合はタンクレストイレを取り付けることができないと言われることもあるでしょう。
タンクを取り除くことでトイレ室内が一気に広くなるのは魅力的ですが、トイレタンクで手を洗う習慣がある方は、別で手洗い所を設ける必要があります。
また、一般的にはタンクなしの方が割高になるため、値段も考えて納得のいくリフォームを行いましょう。
トイレをリフォームする際の4つのポイント
続いて、トイレのリフォームで後悔しないためのポイントを押さえておきましょう。
- トイレの大きさを考える
- トイレの床材は意外と重要
- トイレ内のレイアウト
- トイレの電源位置で使い勝手が変わる
トイレの大きさを考える
トイレをリフォームしようと考える方の中には、実際にショールームなどに足を運んで最新のトイレの状態や使い勝手などを確認される方もいます。
もちろん非常に重要なことですが、一般的にショールームのトイレは、見やすいように大きめに作られていることも少なくありません。
一方で、ご家庭のトイレは建物の中でも最も面積が小さな部屋の1つになるため、ご自宅のトイレに合う大きさの便器を選ぶ必要があります。
単純に便器だけを取り付けるのであれば問題ないかもしれませんが、トイレ内に手すりや収納、手洗い台などを設置する場合はそれなりのスペースが必要です。
ただでさえ面積の狭い部屋になるため、それらが少しでも大きくなるだけで圧迫感がありますし、もしドアが開き戸タイプの場合はスムーズに開閉できなくなるかもしれません。
例えばトイレ全体を広くするリフォームも考えていれば問題ありませんが、面積が変わらない場合は注意が必要です。
トイレの床材は意外と重要
どうせリフォームするのであれば、オシャレなトイレを造りたいと考える方も多いのではないでしょうか。
実際にリフォーム業者に相談する際には床材についての話もすることになるはずですが、トイレには適した床材と適さない床材があります。
具体的には、フローリングは手入れもしにくいですし、尿のアンモニア成分が変色をもたらすため、初めはオシャレでもすぐに見た目が悪くなってしまいます。
反対に、トイレの床材としてよく利用されているのがビニールクロスです。
ビニールクロスはアンモニア成分や水分などにも強いですし、またお手入れで利用する洗剤にも負けないため、トイレに適した素材と言えるでしょう。
トイレ内のレイアウト
トイレのリフォームの中でも、室内を大幅に変えてしまうレイアウト変更を行う場合は、最初の段階で具体的にどのような設備を付けたいかを考えます。
- ペーパーホルダー
- タオル掛け
- 収納
- 手洗い場
- 手すり
などが一般的によく利用される設備ですが、これらのうちの特にペーパーホルダーは、トイレにはなくてはならない設備です。
しかし、リフォーム前とリフォーム後とでペーパーホルダーの位置が変わってしまうと、初めのうちは違和感があり使い勝手が悪くなることもあります。
また、手洗い場を設ける場合は必然的にタオル掛けも必要になってきますし、タオル掛けの場所によっては将来的に手すりが必要になった際にうまくマッチしません。
- 実際にトイレ内でどのように行動をとるのか
- どこに何があったら便利なのか
- 将来的にリフォームを加える可能性はあるのか
などをイメージしてレイアウトを決めていきましょう。
トイレの電源位置で使い勝手が変わる
昔ながらのトイレには電源コンセントがない部屋も多いですが、現段階でトイレのリフォームをお願いする場合は電源コンセントが必要になるケースがほとんどです。
電源コンセントのないトイレにウォッシュレットを取り付ける場合は、単純にウォッシュレット付きの便座を購入して設置するだけでは動きません。
当然ウォッシュレット付きの便座には電気プラグが付いており、それをコンセントにささなければ水も出ませんし便座も温かくなりません。
現在はトイレをリフォームするにあたってウォッシュレットを取り付けるご家庭が増えているため、設置をする際には電源コンセントを造ってもらう必要があります。
例えばウォッシュレットの電源は、基本的に一度差したら抜かないことが多いため、便器の後ろなどの邪魔にならない場所に設置するのがベストです。
しかし、タンクの大きさなどによってはうまく電源スペースを確保できないケースもあるため、こちらも部屋全体の大きさやレイアウトと合わせて考える必要があります。
トイレリフォームの価格や相場
それでは最後に、トイレをリフォームする際の価格や費用を見ていきましょう。
トイレのリフォームの相場
トイレのリフォームに必要な費用の平均は、20万円~30万円程度になります。
ただし、上述したように
- シンプルな便器
- 洗浄機能付き便器(ウォッシュレット)
- 高性能便器
メインとなる便器の種類によって大きく変わってきます。
また、便器のみではなく部屋全体をリフォームする場合はさらに高額になる可能性が高いです。
便器の価格
便器の種類によって価格が大きく変わってきます。
便器の種類 | 価格 |
シンプルな便器 | 5万円~10万円程度 |
洗浄機能付き便器 | 10万円~20万円程度 |
高性能便器 | 20万円~40万円程度 |
これは商品そのものの価格になり、これに取り付けの工事費用がプラスされることになります。
予算を決めてトイレリフォーム
それでは、総額でどれくらいあれば満足できるトイレを造ってもらうことができるのでしょうか。
それぞれの予算とできる工事について見ていきましょう。
20万円まででできるトイレリフォーム
- 便座の交換
- ウォッシュレット便座の取り付け
- 手すりの設置
- 換気扇の交換
便器の交換だけであれば特に大掛かりな工事をする必要がないため、安いものであれば数万円で済ませることが可能です。
また、手すりなどのちょっとした設備を取り付けるだけであれば20万円もかかりません。
ただし、何をリフォームするにしても利用する素材などのグレードによって価格が大きく変わってきます。
低予算でのリフォームをお考えなのであれば、最初にその旨を業者に伝えておくことをおすすめいたします。
50万円まででできるトイレリフォーム
- 洋式便器から洋式便器への交換
- 洗面所の設置
- 内装工事
トイレリフォームの大半が20万円~50万円程度で収まる工事を行うことになります。
洋式の便器を丸々取り換える方も多いですが、これは取り換える便器のグレードで50万円を超すケースも少なくありません。
特にタンクレストイレを利用する場合は工事費用も割高になるため、予算を多めにとっておいたほうが良いでしょう。
50万円以上できるトイレリフォーム
- 和式トイレを洋式トイレに交換
- 手洗い所の設置
- トイレ自体の位置を変更
- タンクレストイレを設置
和式を洋式にするにはきちんとした工事が必要になるため、意外とお金がかかります。
タンクなしのトイレの設置に当たって手洗い所を設置する場合は、さらに価格が高くなります。
まとめ
一口にトイレのリフォームと言っても、実に様々な種類が存在します。
やはり 機能の高いトイレほどリフォーム費用は高額になり、反対にシンプルなトイレほど安く設置することが可能です。
例えば、既にウォッシュレットを利用されているご家庭で、便座部分のみを取り換えるといった簡単なリフォームであれば、ご自身でも気軽に行えます。
しかし、和式を様式にしたり、新しくタンクのないトイレを導入するには、やはり専門のリフォーム業者に相談しなければいけません。
トイレのリフォームで後悔しないためにも、親身になって相談にのってくれるリフォーム業者を選ぶことをおすすめいたします。