ご自宅の周りにブロック塀を取り付けたいと考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

ブロック塀を設置することによって、家族のプライバシーをしっかりと守ることができますし、防犯上の効果も高いと言われています。

建物の周りを囲うエクステリアとしてフェンスも挙げられますが、やはりブロック塀の方が良いという方も多いです。

確かにブロック塀にはメリットも多いですが、その反面デメリットも存在します。

フェンスにはないデメリットも存在しますが、その欠点をうまくなくすことができれば、ブロック塀は使い勝手の良いエクステリアになります。

今回は、ブロック塀のメリットや設置方法、導入コストなどについて紹介していきます。

ブロック塀のメリット

昔からブロック塀を採用するご家庭は多いですが、それは設置することによってそれだけメリットが得られるということに他なりません。

まずはブロック塀の代表的なメリットを見ていきましょう。

侵入されにくい

ある程度の高さのブロック塀を設置すれば、簡単によじ登ることができなくなります。

フェンスの場合は網目に手足をかけて登ろうと思えば登れますが、そういった隙間のないブロック塀を作ることによって防犯効果が高くなります。

実際に、ブロック塀があるのとないのとでは犯罪者や不審者の侵入率が大きく変わってきますので、建物自体の防犯性が低いというご家庭であったとしても、ブロック塀を設置するだけで空き巣などの被害を防ぐことができます。

もちろんブロック塀を設置すれば完全に空き巣被害を防ぐことができるというわけではありませんが、空き巣犯に自宅に入る気をなくさせるためのエクステリアとしては最も効果の高いものの1つといえるでしょう。

プライバシーが守られる

ブロック塀を設置する目的が、ご家族のプライバシーを守るためだという方も多いのではないでしょうか。

建物と公道との間に視界を遮るものが何一つない場合は、気軽に洗濯物を干すこともできませんし、窓やカーテンを開けっぱなしにして生活をするということが難しくなります。

もちろんそういった視線を気にしないという方もいらっしゃるかもしれませんが、やはりいつも誰かに見られているかもしれない場所で生活を送るのと、プライバシーがしっかりと守られている場所で暮らすのとでは、後者の方が安心できるのではないかと思います。

ブロック塀を設置することによって、外部からの視界などを完全にシャットアウトすることができますので、極端な話をすれば庭で全裸で過ごしたりすることも可能になります。

メンテナンスが不要

きちんとしたエクステリア業者にブロック塀の設置をお願いすることができれば、耐久性の高いブロック塀を作ることができます。

エクステリアの中にはこまめにメンテナンスが必要なものも存在しますが、ブロック塀はそれ自体が高い耐久性を誇りますので、災害や事故などが起きない限りは特に手入れなどをしなくても30年程度利用し続けることができると言われています。

日々のメンテナンスが面倒だという方も多いのではないかと思いますが、ブロック塀にこれといったお手入れは必要ありませんので、労力やメンテナンスにかける時間が必要ありません。

しかし、一旦作ればずっと使い続けられるというわけではなく、少しずつ劣化するのも事実ですので、定期的に問題がないかチェックするのは重要です。

ブロック塀のデメリット

メリットの多いブロック塀ですが、逆にどのようなデメリットがあるのでしょうか。

続いて、ブロック塀のデメリットや解決策などを見ていきましょう。

風や光が遮断される

ブロック塀は、通常は建物の周りをぐるっと囲うように設置されることが多いですが、それによって風や光が建物に入りにくくなります。

特に背の高いブロック塀を設置すると、建物全体の通気性が悪くなってジメジメしてしまうことがありますし、同様に日光が差し込みにくくなるため、ブロック塀の内部が暗くなりがちです。

しかし、ブロック塀にも様々な種類があり、中でもブロックに穴が開いた透かしブロックと呼ばれるタイプのものを利用すれば、通気性や遮光性に優れたブロック塀を作ることが可能です。

ただし穴をたくさん開ける場合は、ブロック塀の誇る強度が弱くなってしまうこともあるため、ブロック塀よりもフェンスの方が良いかもしれません。

圧迫感がある

例えば、長年住んでいる建物に新しくブロック塀のみを取り付けるとなった場合は、取り付け前と比べるとやはり圧迫感を感じることになるのではないでしょうか。

背の高いブロック塀を設置した場合は、今まで窓から見えていた風景が全く見えなくなってしまうため、少々寂しいと感じるかもしれません。

もちろんプライバシーが保護されるという面では大きなメリットとなるブロック塀ではあるのですが、取りつけるブロックのタイプによっては視界が全くなくなるためデメリットが大きいと思われる方もいらっしゃるようです。

しかし、こちらも透かしブロックを取り入れることによって、圧迫感を軽減することが可能です。

空き巣被害に遭う可能性もある

ブロック塀のメリットとして、空き巣などの犯罪を事前に抑制することができると紹介しましたが、逆にそのブロック塀が空き巣の仕事を助けてしまうケースがあります。

というのは、ブロック塀は外部からの視界を遮断する効果を持ちますが、これは空き巣が一旦ブロック塀の中に侵入してしまった場合、誰にも見られずに簡単に建物内に侵入できるということにもなります。

不審者に侵入されないようにブロック塀を高くするというのも方法の1つですが、その他のエクステリアや建物自体の防犯性を高めることによって、空き巣の被害をさらに抑えることが可能になります。

また、こちらも透かしブロックを導入すれば、外部からの視界が完全になくなるわけではないため、犯罪の抑止力となります。

地震の際には危険になることがある

日本は世界の中でも地震の多い国になりますので、常に地震に対する対策は取っておくべきです。

耐久性の高いブロック塀は、小さな地震に対しては基本的は何の問題もありませんが、大地震が発生すると場合によっては倒壊してしまう可能性があります。

特に、導入後数十年経過したようなブロック塀はところどころ劣化している可能性も高いですので、倒壊のリスクが高まります。

古くなったブロック塀はなるべく早くリフォームすることをおすすめいたしますが、最近はブロック塀の代わりにフェンスを設置するご家庭も増えているので、どちらの方が良いかご家族と相談してみるのもよいでしょう。

エクステリアのフェンスを設置する際のメリットと設置費用について

ブロック塀設置の手順

それでは、実際にブロック塀を設置するとなった場合は、どのような手順で工事されるのでしょうか。

続いて、ブロック塀の工事の4ステップを見ていきましょう。

1.掘削作業

ブロック塀を設置する場所は様々ですが、多くの場合は柔らかい土の上に造られることが多いようです。

ブロック塀の工事で最も大切なのが基礎だと言われていますが、その基礎は基本的には地中に施工されるため、まずはそのための穴を掘り下げていきます。

もちろん基礎のタイプによって穴の大きさや深さなどが変わってきますが、基本的にはブロック塀が設置される建物の周り全体に穴を掘る必要があります。

2.転圧作業

土を取り除いたら、まずはその底部分を固めていきます。

邪魔になった土を取り除いた底の部分も、当然まだ柔らかい土であることが多いため、まずは底部分に細かく砕いた砕石を均等に敷いて、それを転圧によって固めていきます。

完成後のブロック塀は土の上の部分しか見えないため、エクステリア業者の中にはこの転圧のステップを踏まずに直接ブロック塀を設置するような悪質な業者も存在します。

実際に、この作業を行わないことによって工事の手間や時間を削減することができますし、完成後では地下部分を確認しようがないため、この工程を省くことによって大きな利益を得ることができるのです。

転圧作業をしなければブロック塀は非常にもろく崩れやすいものとなってしまいますので、見積もりの段階でエクステリア業者に砕石を敷いて転圧する際の工程を実際に見せて欲しいと言っておくことで、きちんとしたブロック塀を手に入れることができるはずです。

3.基礎工事

先ほども述べましたが、ブロック塀を設置するにあたって最も大切なのが、強靭な基礎を作ることになります。

基礎がしっかりとしていれば多少の衝撃を受けてもブロック塀自体が倒れてしまうということはありませんが、逆に基礎がないブロック塀の場合は簡単に倒壊して危険な目に遭う可能性があります。

砕石を敷き詰めて転圧した後に、鉄筋を入れたコンクリートを敷き詰めることになりますが、まずはこのコンクリート部分に十分な厚みが求められます。

そして、コンクリートに鉄筋を入れ込み、そのコンクリートの上にブロック塀を積んでいくことになるのですが、鉄筋は基礎となるコンクリートと1つ目のブロック塀にそれぞれ独立して入れるのではなく、折り曲げて連結させることによってより強固なブロック塀の基礎が出来上がります。

なお、コンクリートの上に並べる1つ目のブロック塀は、コンクリートと一緒に地面の下に埋められる必要があり、実際に地面の上に顔を出すのは2段目のブロックからということになります。

例えば1つ目のブロックが地面から顔を出していると、ブロック塀が横から大きな衝撃を受けた際に根こそぎ倒れてしまう可能性が高くなり、逆に地下に埋める部分が多ければそれだけ強靭なブロック塀を作ることができます

4.地上のブロック積み

基礎を完成させたら、鉄筋に沿ってブロック塀を積んでいくことになります。

ここでは、ブロックの内部にモルタルと呼ばれるセメントや砂などを混ぜたものを充填しながら、ブロック塀を並べていきます。

このモルタルを取り入れなければ、ブロック塀全体がもろい作りとなってしまうため、将来的な傾きや倒壊のリスクが高まります。

鉄筋によってブロック1つ1つの位置が動くことはありませんが、ブロック同士をきちんと連結するためには接着剤の役割を果たすモルタルが不可欠です。

全てにモルタルがきちんと使われていれば、全てのブロックが1つに統一されるため、より強度の高いブロック塀が完成します。

ブロック塀設置の価格

それでは最後に、ブロック塀の設置にかかるコストについて見ていきましょう。

ブロック塀の価格について

一般的には、ブロック塀のコストは1平米あたりいくら、という感じで見積もられることが多いです。

具体的には、通常のブロックを利用したブロック塀工事は1平米あたり1万円くらいが最安値となっていますが、ブロックの種類によってはこれよりも安くなったり高くなったりします。

なお、この価格にはモルタルの費用や鉄筋のコストなども含まれていますが、基礎工事などは含まれていません。

その他の費用について

先ほども紹介いたしましたが、ブロック塀を設置するためには最初に土を掘り起こして基礎工事を行う必要があります。

この土を掘ったり戻したりする基礎作りには別で数万円必要になってきますが、当然基礎を作る広さなどによって料金が大きく変わってきます。

また、砕石を転圧した上に設置する基礎となるコンクリートは、1平米あたり4000円程度からとなっています。

なお、基礎を作るために掘った土はそのまま放置しておくわけにはいきませんので処分する必要があるのですが、廃棄処分にする場合は1平米あたり8000円程度になることが多いです。

最後に

家の周りを囲うエクステリアを導入したいとなった際には、やはりブロック塀かフェンスかで迷われる方が多いようです。

今回はブロック塀のメリットやデメリットなどを中心に紹介してきましたが、フェンスはフェンスでブロック塀にはないメリットやデメリットなどが存在します。

ご家庭の状況や家族構成などによって、どちらのエクステリアの方が良いかは変わってきますので、ご家族で話し合って良い方を取り入れるとよいかと思います。

ブロック塀を導入するとなった場合は、できれば基礎を作る場面で業者に立ち会って、きちんとした工程がなされているかを確認することで、強い耐久性を誇る塀が出来上がります。

業者の造り方によって強度が大きく変化するブロック塀ですので、複数の業者を比べてきちんとしたところに依頼することをおすすめいたします。