ご家庭によってリフォームしたい場所は異なりますが、どこをリフォームするとしても事前にしておかなければならないのがリフォームの計画です。
例えば、屋根の葺き替えと外壁塗装を別々でやった場合と一緒にやった場合とでは、後者の方がトータルのリフォーム費用が安くなります。
双方とも足場を組む必要がありますが、一度にやってしまえば足場を組むのは一度で済むため、単純にその分のコストを削減することができますし、セットの方が割引交渉もしやすいはずです。
もちろん、予算的に一度に支払うのが厳しいというような場合は仕方がありませんが、例えば去年外壁塗装をしたのに、今年は屋根の葺き替えをやる羽目になったというようなケースは非常にもったいないです。
リフォームをする前にはリフォームに関する知識を付け、長期的な目線でリフォームの計画を立てていく必要があります。
今回は、そんなリフォームの計画の立て方や、余裕を持ったリフォーム計画の重要性について紹介させていただきます。
余裕を持ったリフォーム計画が大切な理由
例えば来月中にリフォームをしたいと考えている場合、今月にそのリフォームプランについていろいろ調べているようでは正直遅いです。
もちろんリフォームの程度にもよりますが、中にはサッとできないようなものもあるため、時間がかかることを考えて余裕をもって計画を立てなければなりません。
工事にかかる期間はリフォームによって異なる
リフォームの工事は、どの場所をどのようにリフォームするかによって必要な工期が変わってきます。
例えば、人気の高いキッチンのリフォーム1つ取っても、リフォーム方法によって工期が大きく異なるのです。
リフォーム方法 | 工期 |
ガスからIHへの取り換え | 2,3日 |
床やタイル工事を含むリフォーム | 1週間 |
レイアウト変更を伴うリフォーム | 2,3週間 |
このように、どこをどのように変更するかによって工期がバラバラですので、単純に「キッチンをリフォームしたい」と言うだけではどれくらいの期間が必要なのかがわかりません。
当然ですが、リフォーム中はその場所が利用できないということになります。
キッチンであれば何とかなるかもしれませんが、お風呂やトイレを何日もリフォームするとなったら生活に大きな支障をきたすため、まずはご自身がやろうとしているリフォームにどれくらいの日数が必要なのかを確認することをおすすめいたします。
⇒人気が高いリフォーム工事に必要な工期の目安と注意したいポイント
リフォームの工事以外に必要な期間
ガスキッチンをIHに取り換えるだけであれば数日で終わるから大丈夫、と悠長に構えていらっしゃる方も多いかもしれません。
確かに工事自体は数日で終わる可能性はありますが、リフォームの計画をするところから考えると意外に時間がかかるものなのです。
時間がかかるポイントは、
- プラン決め
- 打ち合わせ
- 工事
- 工事終了後
この4つに分けられます。
プラン決め
この部分は、場合によっては最も時間がかかるところだといえるでしょう。
せっかくリフォームするのであれば、素材にもこだわりたいし色などにも気を使いたいという方が多いですし、家族内でリフォームプランの意見が分かれたりした場合は、話し合いをしたり別のプランを見つけたりする必要もあります。
また、せっかく良いと思ったプランが高額だからもう少し安いものがいいとなったりすると、そこからさらに新しいプランを探さなければなりません。
様々なプランを見れば見るほど、これもいい、あれもいい、となってしまい、なかなか絞り込むことができなくなってしまうケースもあります。
できれば、プランを決める期間に1ヶ月は充てたいものです。
打ち合わせ
この部分は上記のプラン決めとまとめてしまってもよいのですが、複数の業者に現地調査に来てもらい
- リフォームできるものとできないもの
- 自宅に合うプランは何なのか
ということを確認してもらうことになります。
現地調査自体は数時間で終わってしまいますが、複数の業者に相見積もりを取ってもらうのが一般的なので、それに時間がかかってしまうことがあります。
⇒リフォームで見積もりをする際の注意点と無料で相見積もりをする方法!
また、それぞれの業者の比較にもそれなりの時間がほしいため、この部分にもある程度の時間がかかると思っておきましょう。
工事
上述したように、リフォームの規模によって工期が大きく変わってきます。
簡単なものであれば数日、大掛かりな工事であれば数週間を見ておく必要があります。
工事終了後
上記の表の期間は、純粋な工事の期間ということになり、場合によっては工事が終了してから実際に使えるまでにさらに時間が必要になることもあります。
例えば工事後は、その現場一帯がホコリまみれになっているため、業者が多少掃除をしてくれていたとしても、やはり自分たちで再度きれいにしたいと感じるご家庭が多いです。
また、リフォームする場所によっては、その部屋に置いてあった家具やアイテムなどを別の部屋にどけていたりすることもあるため、それを戻す作業などが必要になってきます。
こちらも規模によって変わってきますが、大掛かりなリフォームの場合は工事後の処理に数日は見ておいたほうが良いでしょう。
リフォームで調べておきたい2つの知識
例えば、マンションなどの共同住宅をリフォームする際には、誰もがすぐにリフォームできるというわけではなく、マンションへの工事許可を申請する必要があります。
とにかく家の中をリフォームしたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、リフォームするのであればそれ相応の知識はつけておくべきです。
その中でも特に、
- リフォームできない場所もある
- リフォームに伴う新機能
などは最低限調べておくようにしましょう。
リフォームできない場所もある
例え一戸建てであったとしても、全ての部分を自由にリフォームできるというわけではありません。
大黒柱などの重要な柱を取っ払って広いスペースを作りたいと思っていたとしても、その柱を取ることで建物の耐久性が著しく落ちる場合は、当然それを取ることができません。
同様に、窓を取り付けるといった一見問題なさそうなリフォームであっても、取り付けることで建物の強度が低下することも考えられるため、場合によってはそのリフォームをあきらめざるを得ないこともあるのです。
リフォームによって取っ払うことのできない柱をなくして新しい間取りの計画を練っていたとしても、その柱が取り除けない以上はその計画は無駄になってしまいます。
建物によってリフォームできる場所とできない場所は異なるため、 無駄な時間を使わないためにもまずは専門家に簡単なリフォームの希望を伝え、リフォームできるかできないかを判断してもらうことをおすすめいたします。
リフォームに伴う新機能
リフォームによって取り付けられる設備は日々進化しており、中には全く不要だと感じる機能が備わっているケースも存在します。
もちろんたくさんの機能があったほうが良い感じもしますが、高度な機能は当然コストが割高になるため、取り付けてもらっても使う可能性が低い機能などは初めから取り入れるする必要がありません。
しかし、具体的にどのような機能があってどのような機能が使えそうなのかということは、その前に様々な機能に対する知識がないと選択すらできません。
リフォーム後に、
「すすめられた最新のシステムキッチンにしたが、こんな機能は絶対に使わない」
「安いから選んだけど、こんな機能があるならこっちのプランにすればよかった」
とならないためにも、様々な機能を認識し、ご家族が使えそうなものを選ぶようにしましょう。
失敗しないリフォーム計画の立て方
リフォームをする際には「外壁がボロボロになったから、とりあえず外壁をリフォームする」というような思い付きで工事を依頼するのはおすすめできません。
もちろん、いきなり雨漏りしたから修理せざるを得ないというような緊急を要するものは仕方がありませんが
- 今後何年その家に住むのか
- 家族が増えたり減ったりする可能性はあるのか
というようなことも考え、長期的なスパンでリフォームと付き合っていくべきです。
具体的には、
- 家の老朽化に合わせたリフォーム
- 家族の年齢に合わせたリフォーム
を意識して長期的な計画を建てましょう。
家の老朽化に合わせたリフォーム
例えば、塗料の種類によって変わってきますが、外壁塗装の目安は10年~15年に1回と言われているため、今年やったら10年後と20年後、もしくは15年ごと30年後には外壁塗装をすることになります。
同様に、湿気の多い水回りは新築購入後から15年以内にリフォームが必要だと言われることも多いですし、雨漏りを防ぐための屋根のチェックや葺き替えの交換も15年以内に1回は行ったほうが良いでしょう。
もちろん使い方などで老朽化の早さは大きく変わるため一概には言えませんが、それぞれの場所の大体の劣化の目安を知り、それに合わせてリフォームをするというのも方法の1つです。
雨漏りが発生してから慌ててリフォームするのでは遅いため、建物が古い場合は定期的なチェックをすることもおすすめいたします。
家族の年齢に合わせたリフォーム
建物は年々劣化していきますが、その建物に住む家族もどんどんと入れ替わっていきます。
初めは旦那さんと奥様の2人だった家族にお子様が生まれ、そのお子様が旅立って行ったと思ったら、奥さんとお孫さんを連れて帰ってくるというようなこともあり得ます。
人の入れ替わりはそんなに頻繁にあるわけではありませんし、タイミングを計るのが難しいところもありますが、それに合わせてリフォームをするというのも方法の1つです。
例えば、お子様が奥さんと孫を連れて帰ってきたタイミングでちょうどバリアフリーのためのリフォームを計画していたのであれば、一緒に二世帯住宅のリフォームも行ってしまうことができます。
それぞれのリフォームをうまく組み合わせればトータルのコストも安く抑えることができるため、長期的な目線でリフォームと向き合いましょう。
⇒知っておいて損はない自宅をリフォームするタイミングと改修箇所!
まとめ
壊れた場所が出てきたら、とりあえずはそこをリフォームするというような方もいらっしゃいます。
しかし、行き当たりばったりのリフォームをしていると、トータルのリフォーム費用が高くなったりすることもあります。
それよりも、 家が劣化しそうなタイミングや家族が入れ替わるようなタイミングでリフォームを計画しておくことで、余裕を持ったリフォームが可能となります。
例えば、来年は水回りのリフォームが必要だから今のうちにプランを見ておこう、というような時間的な余裕が生まれるため、それが結果的にリフォーム費用のコストダウンにつながることもあるのです。
もちろん、数年後に引っ越す予定があるというような場合は計画的なリフォームが不要かもしれませんが、今後も現在の家に住み続けるのであれば、長期的なリフォームの計画を立てることでより満足できる結果が生まれるでしょう。