ご自宅に庭がある方は、その庭に芝生を敷き詰めたいと考えることもあるのではないでしょうか。
綺麗な芝生を敷くことができれば、見た目も美しくなりますし庭でのアクティビティーも楽しくなるはずです。
芝生には、大きく人工芝と天然芝があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
やっぱり天然の草木を育てたいという方もいらっしゃれば、管理が楽だから人工芝のほうがいいという方もいらっしゃいます。
しかし、実際の見た目や使い勝手はどのように異なるのでしょうか。
今回は、エクステリアに芝生を設置しようと思っている方のために、天然芝と人工芝の違いをまとめました。
芝生の導入を考えよう
エクステリアに芝生を導入することによって、庭全体が緑に包まれます。
緑色はその他のどのエクステリアにもよく合いますが、その前に、天然芝と人工芝との違いは何なのでしょうか。
天然芝とは?
芝生と言えば、どのような植物かわからないという方はほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。
その植物を庭で育てることによって、天然芝のエクステリアを楽しむことができます。
天然芝にも様々な種類のものがあるのですが、日本で一般的に利用されているのは日本芝という、高温多湿に負けない品種になります。
一方で少しくらい寒い季節でも元気に生えそろう西洋芝も高い人気を誇っています。
通常はどちらかの芝生を植えることが多いのですが、複数の種類の天然芝を混合してエクステリアとして設置することも可能です。
人工芝とは?
人間が天然の芝生に似せて開発したものが人工芝になり、基本的にはウレタンやポリエチレンをはじめとした合成樹脂で作られています。
一般的な人工芝は、地面に乗せる下地のパーツと芝生に似せたバイルと呼ばれる部分で構成されています。
安価な人工芝はバイルを一種類のみ使用していたりすることもありますが、まっすぐな芝生を模したストレートバイルやクッションの役割を果たすカーリングバイルなど、複数のバイルやカラーを組み合わせて本物さながらの芝生のような人工芝も存在します。
長いバイルから短いバイルまで様々ですので、用途に合わせて使い分けることが可能です。
天然芝と人工芝の違い
両者の違いは何となく分かるという方が多いと思いますが、実際にそれをエクステリアとして設置するとなると、それぞれの特徴をしっかりと理解しておく必要があります。
やはりナチュラルな天然芝を導入したいという方も多いでしょうが、管理が大変ですし日当たりなどにも大きく影響するため場所によってはうまく育たないことがあります。
反対に、管理が楽だから人工芝の方がいいと考える方もいらっしゃいますが、四季が感じられなかったり設置コストが高い等のデメリットもあります。
双方の違いをしっかりと学んで、ご家庭のエクステリアにはどちらが適しているかを判断したうえで、芝生の設置を決めるとよいでしょう。
天然芝のメリット
天然芝には、人工芝にはないメリットが多いです。
代表的なメリットを紹介していきます。
初期コストが安い
できるだけ安く芝生を設置したいという方は、やはり天然芝の方が良いでしょう。
人工芝と比べると、設置のコストはかなり抑えることができますし、ご自身でも簡単に敷くことができるため初期費用が安く済みます。
ただし、天然の芝生は他の植物同様、生きている限りは成長するため、定期的にメンテナンスをしてあげなければなりません。
芝刈り機などを購入したりする場合は逆に高くついてしまう可能性もあるため、長い目で見てどちらが良いか決めるようにしましょう。
涼しい庭でバーベキューも可能
暑い夏場には、緑の芝生が涼しさを演出してくれます。
コンクリートやタイルなどのエクステリアを設置している場合、どうしても庭に熱がこもって暑く感じます。
しかし天然の芝生を敷き詰めている場合は、蒸散作用によって地面の温度が暑くなりにくいです。
また、火に弱い人工芝と比べると、火器の取り扱いにそこまで敏感にならなくてもよいというメリットもあるため、暑い夏場にも庭でバーベキューを楽しむことができます。
自然を身近に感じられる
天然芝は植物の一種ですので、青々と茂る季節もあれば色が変わって枯れたりすることもあります。
放置しておけば長く伸びる芝生もあれば、太くたくましく育つ芝生も存在します。
日当たりにも左右されますので、日がよく当たるところは成長のスピードが早かったりといった自然を、庭にいながら感じ取ることが可能です。
天然芝のデメリット
メリットも多い天然芝ですが、その分デメリットもたくさん存在します。
続いて、天然芝の主なデメリットを見ていきましょう
メンテナンスが面倒
人工芝は、いったん設置してしまえば、基本的には放置しておいても全く問題ありません。
それに比べると、天然の芝生は定期的に手入れをしなければならないため手間がかかるといえるでしょう。
特に夏場はすぐに伸びてきてしまうため、月に何度も芝刈りをしなければならないこともあります。
ガーデニングが好きな方や植物を育てる方には向いていますが、肥料をあげたり水を撒いたりといった日々のお手入れが負担になるのであればおすすめはできません。
長期的にコストがかかる
メリットでも記載したように、天然芝は設置時のコストがかなり安いです。
しかし、設置してしまえば何もしなくてもよい人工の芝生とは違い生きている植物を植えることになるため、その管理コストが必要になってきます。
具体的には、芝生に与える肥料を買ったり散水設備を導入したり、または芝刈り機を購入したりといったメンテナンス費用が必要です。
そのようなアフターケアをしないとすぐにダメになってしまうこともあるため、天然芝を維持するためにはお金がかかるということを覚えておきましょう。
枯れた場合は景観が損なわれる
夏場は、青く茂った芝生の上で寝転んだりバーベキューをしたりといったアクティビティーを楽しむことができます。
しかし、寒くなって芝の成長が止まってしまうと、次に緑色に変わる春先までは茶色くくすんだような状態が続きます。
景観を重視して芝生を導入したのに、1年のうちの数か月はエクステリアがものさびしくなってしまうということです。
もちろん、冬場は芝刈りをはじめとするお手入れが不要になるというメリットも生まれますが、見た目が悪くなるのは大きなデメリットの1つです。
設置場所が限られる
天然の芝生は、人工芝とは異なり太陽光を取り入れて成長していくことになります。
つまり、太陽の日が当たらないような場所ではうまく育たないのです。
もちろん四六時中日に当たっていなければいけないというわけではありませんが、家屋や塀などによって常に日陰になっているような場所には設置することができません。
天然芝の設置を考えていらっしゃる方は、設置場所の日当たりも考慮する必要があります。
人工芝のメリット
芝生を敷くのであればやはり天然のものがいい、とお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、人工芝にもたくさんのメリットがあります。
手入れが不要
人工芝は、天然の芝生のように成長したりすることがないため、基本的には一度設置してしまえばその後は何もしなくても美しい状態を保つことができます。
設置の際に費用がかかるというデメリットもある反面、天然芝のように草を刈ったり肥料をあげたりといったメンテナンスをする必要がないため、管理が楽ですしトータルで見ると費用が安くなることもあります。
また、天然芝を設置した際に発生する雑草などの心配もないため、楽に景観を保つことが可能です。
人工芝の寿命は10年程度と言われていますが、基本的には設置から取り換えるまでの手入れをしなくてもよいというのは大きなメリットです。
一年中同じ景観を保てる
エクステリアの見た目を良くしたいから芝生を導入するという方も多いでしょうが、そういった方の中には、やはり天然芝の方が見た目が良くなると思っている方もいらっしゃいます。
確かに天然芝が青々と生え茂った様を人工芝が演出することは難しいですが、冬場になるとその芝生も枯れ落ちてしまいます。
一方で、人工芝は夏場も冬場も関係なく、同じ長さの芝を保ち続けることが可能です。
最近はよく見ても本物の芝生と間違えそうな人工芝もあるため、リアルさを求めるならそのような人工芝を設置してみるのもよいでしょう。
どこにでも設置可能
天然の芝生は、基本的には日が当たるところでないと設置するのが難しいです。
しかし、人工芝は日なたであろうと日陰であろうと、設置する場所を選ぶ必要がありません。
芝生を敷きたいけど庭は日陰になることが多いという方は、迷わず人工芝を選択することになるでしょう。
極端な話、太陽光が全く当たらないようなベランダの床部分や室内であっても人工芝を敷き詰めることが可能です。
人工芝のデメリット
それでは最後に、人工芝を設置する上でのデメリットを見てみましょう。
設置コストが高い
天然の芝生と比べると、どうしても芝生を敷く際の初期費用が高くなりがちです。
人工芝にも様々な種類があり、安いものでもよいのであればそれなりに安価で設置できますが、本物の芝生に近いグレードの人工芝を入れるとなるとかなりの値段になることがあります。
もちろん庭の広さや敷き詰める面積によって価格が変わってきますが、見積もりを出してもらってあまりにも高い場合は庭の一部にだけ設置するか、もしくは天然芝にするかという選択を迫られてしまいます。
長期的に見ると、メンテナンス費用などが必要な天然芝の金額とそんなに変わらなくなることもありますが、とにかく初期費用を押さえたいのであれば人工芝はおすすめできません。
徐々に劣化していく
天然の芝生は、メンテナンスをしっかりと行うことができれば半永久的に青々とした景観を楽しむことができます。
一方の人工芝は、メンテナンスがほとんどいらない代わりに日々劣化していくことになります。
人工芝の種類にもよりますが、一般的には10年程度で芝が寝てしまったり、日焼けによる変色が目立つようになったりするため、10年を目処に入れ替えるケースが多いようです。
年々技術が進歩していっているため、最近の人工芝は劣化が遅いとも言われていますが、どこかのタイミングで買い替える必要が出てきます。
やはり人工の芝生
いくら天然の芝生に似せて作られていたとしても、人工芝はやはり人工の芝生になります。
そのため、寝転んでも芝生の良い香りを感じ取ることはできませんし、火気厳禁のため人工芝の上でバーベキューを楽しんだりすることもできません。
また、人工芝だとはわかっていても、寒くなって他の植物が枯れ落ちるような時期でも緑色の庭に、違和感を覚えるという方も少なくないようです。
もちろんそれが人工芝のメリットでもあるのですが、それが嫌だと感じる方は天然芝の方が良いのかもしれません。
最後に
人工芝を入れるか天然芝を入れるかで迷っていらっしゃる場合は、コストや手入れのめんどくささだけではなく、エクステリア全体をどのようにしていきたいかまで考慮する必要があります。
また、双方にメリットがありデメリットがありますし、ご家庭やご家族の性格などによっておすすめの芝生は変わってきます。
やはり自然にこだわりたいというのであれば天然芝ですし、メンテナンスは絶対にしないと思うというような場合は人工芝を設置することになるはずです。
初期費用が気になるという方は、双方の芝生の見積もりを取ってもらい、実際に敷き詰める人工芝をその目で確認してみましょう。
実際の芝生を確認するとまた考えが変わるかもしれませんので、芝生を設置するとお考えであれば、早い段階で見積もりを取って本物の芝生に触れてみることをおすすめいたします。