解体工事をする前には、基本的にはその建物の内部の不用品を全て処分しておく必要があります。

もちろん解体工事で出る廃棄物と一緒に捨ててもらうこともできますが、そうした場合は解体費用がかなり割高になってしまいます。

事前に自分で不用品を処分しておけば解体費用を少しでも安くすることができますし、場合によってはその不用品が高く売れたりすることもあります。

一口に不用品を処分すると言っても、その方法は多岐にわたります。

不用品回収業者を利用する方もいれば、ネットで販売する方も多くなってきました。

今回は、様々な不用品処分の方法を取り上げ、それぞれのメリットやデメリットをまとめてみました。

不用品回収業者の利用

不用品処分で最も簡単な方法が、不用品回収業者の利用になります。

いらない物をすぐに処分することができますが、その分デメリットも存在します。

不用品回収業者のメリット

まずは不用品回収業者のメリットを見ていきましょう。

すぐに引き取ってくれる

最大のメリットの1つとして挙げられるのは、依頼したらすぐに取りに来てくれるという点になります。

他の方法で不用品を処分しようとすると、ある程度の日数が必要になりますし、場合によっては全然処分できないという可能性もあります。

しかし、不用品回収業者であれば、最短で即日処分することができるため、使い勝手が良いと言えます。

自宅まで取りに来てくれる

処分しようと思っているものが大きな物の場合、自分で動かしたり運んだりするのが大変です。

不用品回収業者であれば、いらない物をまとめて自宅まで取りに来てくれるため、施主が労力を費やす必要がありません。

もちろん費用が発生しますが、不用品を処分するのに最も楽な方法であることに間違いないでしょう。

時間を気にせず注文できる

不用品を処分する場合は、土日にまとめてやりたいという方もいらっしゃるでしょうし、昼間は忙しいから夜にしか対応できないという方もいるはずです。

不用品回収業者は、日時さえ合えば土日であろうが夜間であろうが、こちらの都合のよい時に来てくれます。

解体工事前に不用品を処分する時間が限られているという方にもおすすめの方法です。

不用品回収業者のデメリット

メリットの大きな不用品回収業者ですが、大きなデメリットもあるため注意が必要です。

費用が高い

不用品回収業者を利用する上での最大のデメリットは、やはり依頼費が高くなりがちという点です。

融通が利く分、ある程度は仕方がないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、解体工事費も必要なのに業者にそんなお金を払いたくないという方には向いていないかもしれません。

少しでも解体費用を抑えるのであれば、不用品を下記に挙げるような別の形で処分する必要があります。

悪徳業者がいる

解体工事業者の中にも、許可を取っていないなどの悪徳業者が存在しますが、不用品回収業者にも同じように悪徳業者がいる可能性があります。

法外な料金を請求してきたリ、逆に安く引き受けて不法投棄をするなどの犯罪を繰り返す業者もいるため、気を付ける必要があります。

いくつかの業者に相談することで悪徳業者を選んでしまうリスクを避けることができますが、やはりそれなりの時間が必要になってくるため、業者を利用するメリットが減少します。

リサイクルショップの利用

解体工事前の不用品処分方法として高い人気を誇るものが、リサイクルショップの活用です。

安く処分できますし、場合によってはお金が入ることもあります。

リサイクルショップのメリット

まずは、リサイクルショップの代表的なメリットです。

売れる可能性がある

先ほどの不用品回収業者を利用する場合も、中には回収する不用品に値がつく可能性もあります。

しかし、リサイクルショップも買い取ってくれることがあるため、処分するはずだったものに思わぬ値がつくことがあります。

もちろんボロボロの家具などは買取の対象にはなりませんが、状態が良ければ高値で売れることもあるため、利用してみる価値は十分にあります。

自宅で売買も可能

リサイクルショップの規模や、自宅との距離なども関係してきますが、場合によっては家に来て査定をし、そのまま買い取ってくれるような業者も存在します。

重いものも運ぶ必要がありませんので、楽に処分できる可能性が高いです。

また、たくさんのものを何の労力もかけず処分できたのに、費用が全く発生しないこともあるため、かなりお得といえるでしょう。

リサイクルショップのデメリット

続いて、リサイクルショップのデメリットを見ていきます。

時間がかかることもある

ご自身でリサイクルショップに持ち込むのであれば、そんなに時間がかからないかもしれません。

しかし大きな家具などがある場合は、どうしても自宅に査定に来てもらう方法を選択することになります。

その場合は、すぐに来てくれない可能性もありますし、査定にも時間がかかることがありますので、時間がないという方にはおすすめできません。

自分で売ったほうが高くなるかもしれない

リサイクルショップは、自分の店舗で売却するために、不用品を回収、または買取することになります。

そのため、売ることができると言っても、安値しかつかない可能性も十分にあり得ます。

不用品を売却してしっかりとした臨時収入を得たいという方は、リサイクルショップを利用するよりもご自身で売却したほうが良いかもしれません。

粗大ごみ回収の利用

大型の不用品を処分する最も一般的な方法は、やはり粗大ゴミに出すというものでしょう。

昔からある方法なので慣れている方が多いと思いますが、デメリットも存在します。

粗大ごみのメリット

それでは、粗大ごみの利用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

安心して利用できる

今までで粗大ごみを利用したことがないという方は少ないと言えるほど、多くの方に親しまれている方法です。

処分の方法は少しずつ変化していますが、やり方がわからないという方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。

慣れ親しんだ方法だからこそ安心して利用できますし、自治体が処分してくれるため、不法投棄などの心配もありません。

格安で処分可能

大きな不用品であったとしても、不用品回収業者を利用することを考えると格安で処分することができます。

かつては粗大ゴミの処分にお金などかからない時代もありましたが、現代において、格安で処分できる最も一般的な方法といえるのではないでしょうか。

業者を利用したりネットで売るなどの方法がわからないという方は、粗大ごみを利用してみるのも方法の1つです。

粗大ごみのデメリット

その他の処分方法と比較すると、粗大ゴミは大きなデメリットも存在します。

日時を指定できない

何らかの業者を利用するのであれば、こちらの都合のよい時間帯を指定して不用品を引き取ってもらうことができます。

しかし粗大ごみを利用する場合は、所属する自治体が指定する日時にしか不用品を処分することができません

解体工事が迫っていてその日を待つことができないという場合は、実質、粗大ゴミでいらない物を捨てることができないということになります。

自分で運ぶ必要がある

粗大ゴミには日時の指定があるだけでなく、指定された場所にもっていかなければならないという決まりもあります。

決められた場所に決められた日時に不用品を持って行くことになりますが、大きな物の場合は持ち運びが大変です。

自宅に取りに来てくれるような方法と考えると、かなりの労力が必要になるケースもあります。

ネットで販売する

普段からネットで物を売買する習慣がある方は、ネットオークションやフリマアプリなどを利用してみるのも方法の1つです。

ネット販売のメリット

ネットをよく使う方であれば、この方法が最もメリットがあるといえるかもしれません。

自宅にいながら販売できる

ネット環境にあるのであれば、場所や時間を気にせず、いつでも販売をすることが可能です。

一度データをアップしてしまえば、後はそれを放置しておくだけですので、非常に楽な処分方法といえるのではないでしょうか。

悪徳業者を避けて不用品回収業者を探したり、粗大ゴミに出すために重たい思いをして指定の場所に運ぶといった手間がなくなります。

多くの方に見てもらえる

例えばリサイクルショップを利用した場合は、基本的には1つの業者を相手にすることになるため、買取価格は相手の言い値となってしまいます。

しかし、もしネットオークションを利用するのであれば、多くの方が閲覧してくれますので、意外に高値で買い取ってくれる人があらわれる可能性もあります。

こちらは捨てたいと考えている不用品なのに、大金を積んででも絶対にほしいと考える方がいる可能性もゼロではないので、思わぬ臨時収入が得られるかもしれません。

自分で値段が決められる

フリマアプリを利用するのであれば、こちらが好きに値段を付けて販売することが可能です。

リサイクルショップなどを利用する場合は、基本的には相手が希望する買取価格で手放すことになるため、価値があるアイテムであったとしても泣き寝入りしてしまうケースがあります。

もちろん安い方が売れやすいですが、値段をこちらで指定できるというのは大きなメリットの1つといえるでしょう。

ネット販売のデメリット

不用品の処分とお小遣い稼ぎを兼ねることのできるネット販売ですが、もちろんデメリットも存在します。

操作方法を覚える必要がある

普段からネットで何かを購入したり、実際に何かを売ったことがあるという方にとっては、ネットで不用品を販売するのは簡単かもしれません。

しかし、今までそういったことをしたことがない方は、まずはネット販売の方法をマスターする必要があります。

基本的には、様々な個人情報を登録して商品の写真などをアップするといった簡単な操作で販売可能ですが、パソコンの操作が苦手な方にはハードルが高い作業といえるでしょう。

売れないケースもある

不用品回収業者等を利用する場合は、確実にいらない物を処分することができます。

一方でネットで何かを販売する場合は、高値で売れる可能性がある反面、全く売れない可能性も出てきます。

仮にネットオークションで最低落札価格の1円という値を提示したとしても売れないことがあるため、確実にいらない物を処分する手段としては適していないと言えるかもしれません。

トラブルになるケースもある

ネットで販売をする際には、様々なトラブルが付きまとうリスクがあります。

例えば不用品に傷がある場合は、商品の紹介ページでそれをきちんと伝えておかないと、購入者がクレームを入れてくる可能性もあります。

同様に、購入者が思っていたものと異なると感じた場合は、返品や返金を求められるケースもあります。

もちろん事前にきちんと説明していればトラブルに発展しても何とかなる可能性が高いですが、嫌な思いをしたりすることもあるため気を付けなければなりません。

その他の処分方法

代表的な処分方法を紹介してきましたが、他にも不用品を処分する方法があるので簡潔に記載しておきます。

フリーマーケットを利用する

ネットオークションなどの利用になれていない場合は、近所のフリーマーケットでいらない物を販売するのも良いでしょう。

もちろん近所でそのような催し物がない場合は利用できませんが、誰でも気軽に参加できますし販売方法も簡単です。

ただし、大きな不用品を持って行くのは難しいと思いますし、ネット販売同様、こちらも確実に売れるという保証がありません。

また、日時が決まっているため、すぐに不用品を処分したいという方には向いていないでしょう。

知人に引き取ってもらう

最も簡単で確実なのが、不用品を欲しいと言ってくれている友人にあげてしまうという方法です。

不用品回収業者を利用するとお金がかかるアイテムを無料で引き取ってもらうことができますし、知り合いなのであれば安心して譲ることができるはずです。

もちろんその不用品を欲しいという友人がいなければ話は前に進みませんが、簡単な方法ですので一度友人に聞いてみるのもありでしょう。

最後に

解体工事前に不用品を処分する方法は、意外とたくさんあるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。

それぞれの方法にメリットがありデメリットがありますが、どの方法を利用すれば最もメリットがあるかをアイテム単位で考えて、最善の方法を選ぶことをおすすめいたします。

解体工事の日時が決まっていてあまり時間がないという方もいらっしゃれば、反対に時間はたっぷりあるから少しでも得になる方法で処分していきたいという方もいらっしゃるでしょう。

どの方法を使うかは置かれている状況や考え方で異なりますが、メリットだけでなくデメリットも考慮つつ上手に処分していきたいものです

解体工事の際にまだ不用品が残っている場合は、工事代金に廃棄物の処理費用が追加で上乗せされる可能性も高いです。

特に工事の日程が決まっている場合は、なるべく工事前に全ての不用品を処分してしまいましょう。