住宅のリフォームで意外と多いものが、窓に関するリフォームです。

例えば透明な窓ガラスをすりガラスにするというのも立派なリフォームの1つですし、窓に網戸やシャッターを付けるのもリフォームに含まれます。

また、中には住宅に取り付けてある窓を取り除いて外壁にしたり、反対に新しく窓を取り付けたりするリフォームを行うご家庭も少なくありません。

このように、窓のリフォームと言っても様々なものがあるため、実際に窓を変える場合は具体的に窓をどのようにリフォームしたいのかをはっきりとさせてから業者に相談する必要があります

また、中には実現できないリフォームもありますし、家の構造を調べないと何とも言えないリフォームも存在するため、設置前には専門家に相談しなければならないモノもあります。

この記事では、そんな窓のリフォームの種類や注意点について紹介させていただきます。

窓をリフォームする際の主な種類

窓のリフォームは大きく、

  • 現状を維持したままのリフォーム
  • 機能向上のためのリフォーム
  • 窓そのものを付けたり取り除くリフォーム

の3つに分類することができます。

例えば窓ガラスを強化するなどのリフォームは機能を向上させるためのリフォームとも取れますが、窓そのものは変化しないため現状維持のリフォームに含まれます。

現状を維持したままのリフォーム

現状を保ったままの窓のリフォームには、

  • 窓ガラスの交換
  • 障子の交換
  • 窓そのものの交換

などが挙げられます。

窓ガラスの交換

窓のリフォームと聞くと、やはりメインとなる窓ガラスの交換を考える方も多いのではないでしょうか。

素材自体が割れやすいものになるため、中には何かがきっかけで窓ガラスが割れてしまったりすることもあるかもしれません。

その補修リフォームも、基本的には窓枠を残して窓ガラスのみを交換することになります。

ガラスだけですので他のリフォームと比べると安くできますし、例えばアタッチメントを利用すれば1枚用ガラスサッシに複層ガラスを導入することも可能です。

障子の交換

障子の交換と言うのは、窓ガラスとその窓ガラスを固定している枠組みを交換することを指します。

ガラスだけではなくそのガラスまわりのフレームも新しくなるため、鍵がかかりにくかった窓がスムーズに利用できたりと言ったメリットを得ることができます。

逆に言えば、鍵の使い勝手が悪い、鍵がスムーズに閉まらないなどのトラブルを解決するには、障子ごと窓を取り換えてしまえばよいということです。

同じ大きさの障子であれば、複雑な鍵の付いたフレームに取り換えたりすることもできるため、防犯性を高めたりするのにもおすすめです。

窓そのものの交換

ここでいう窓そのものの交換というのは、窓を形作っている最も外側の額縁から内側の窓全体を取り換えるリフォームのことです。

リフォームの途中を見ると、窓の枠組み全てがなくなっているため、壁に穴が開いているような形になりますが、そこに新しい額縁や枠、そして障子を取り付けることになります。

窓全体が生まれ変わるため、リフォーム費用的には割高ですが、どのようなタイプの窓にも対応できるためおすすめです。

機能向上のためのリフォーム

窓の持つ機能を高めるためのリフォームには、

  • 二重窓の設置
  • 網戸の取り付け
  • シャッターの取り付け

などが挙げられます。

二重窓の設置

外気と触れる窓の内側にもう1つ窓を設置するご家庭も増えてきており、その窓のことを二重窓や内窓と呼んだりします。

設置の目的は様々ですが、やはり高い防犯性を意識してリフォームを行うというご家庭が多いのではないでしょうか。

複雑なリフォームな感じもしますが、意外と簡単に設置することができるため、安く済ませようと思えば低コストで実現可能です。

しかし、使用するサッシの素材やグレードなどで1枚設置するのに数十万円かかることもあるため、事前に業者とよく相談しましょう。

網戸の交換

窓側の外側に設置してある網戸は、やはり窓の中でも最も汚れやすいですし、ちょっとした刺激で破れてしまうことも多いです。

一般的な窓であれば窓枠に網戸を設置する部分があるため、通常は網戸部分の交換のみでリフォームが済んでしまいます。

網戸は安いものであれば数千円ですが、こちらもグレードによって数万円するようなものまで存在します。

なお、網戸と聞くと引戸を思い浮かべる方も多いですが、最近はロール型の網戸もあるためそちらを設置してみるのも面白いかもしれません。

シャッターの取り付け

窓の中にはシャッターや雨戸を持っていないものもありますが、そういった窓に新しくシャッター・雨戸を取り付けるリフォームも人気が高いです。

台風の多い地域では雨戸は必須アイテムですし、プライバシーの保護や空き巣対策にも便利なものになるため、雨戸がない窓には取り付けをおすすめいたします。

通常は、既存の窓の上にシャッター用の枠を取り付けるだけなので、こちらも工事は意外と簡単に終わるはずです。

しかし、利用するシャッターの種類などによって価格が大きく変動するため、予算と相談する必要があります。

窓そのものを付けたり取り除くリフォーム

例えば

  • 窓の大きさの変更
  • 窓の増設

などのリフォームがこちらに当たります。

窓の大きさの変更

一般的な窓のリフォームでは、通常は既存の窓枠に合わせて窓ガラスを新しくしたりすることが多いです。

しかし、中には窓の枠そのものの大きさを大きくしたり、または小さくしたりといったリフォームを行う方もいらっしゃいます。

例えば、もう少したくさんの光を取り入れたいとなった場合には、単純に窓を大きくすることで採光量を増やすことが可能です。

しかし、このリフォームは窓のみのリフォームにとどまらず、周囲の外壁の一部も工事する必要があるため、単純な交換と比べると必要な日数もコストも多くなります。

具体的には、大きさを変える場合は3日以上、25万円以上は見ておいたほうが良いでしょう。

窓の増設

現在は外壁となっている部分に、新たに窓を設置するというリフォームも可能です。

ただし、当然ですがこちらも設置に当たって外壁の一部を破壊しなければならないため、窓のリフォームの中では大掛かりなものになるといえるでしょう。

窓を増やすことで建物の中が明るくなったり、室内の風通しが良くなるため様々なメリットを得ることができます。

室内が暗いと感じるのであれば、窓を増やしてみるというのも方法の1つです。

窓リフォームにおける価格の考え方と費用相場について

それでは、窓のリフォームには一体いくらくらいの費用が必要になってくるのでしょうか。

続いて、窓をリフォームする際のコストについて見ていきましょう。

窓と言っても様々なタイプがあるため、安くリフォームできるケースもあれば高額な費用を支払わなければならないケースも存在します。

窓ガラスの価格相場

やはり窓と言えば窓ガラスをイメージされる方が多いですが、この窓ガラスも安価なものから高価なものまで様々です。

定番の窓ガラスであれば数千円で交換も可能ですが、高いものになると1枚数万円するものもあるため、リフォームの際には気を付ける必要があります。

具体的な例を挙げれば

種類 料金
3ミリの透明ガラス 10000円
5ミリの透明ガラス 13000円
網入り板ガラス 20000円
複層ガラス 25000円

このような感じで、ガラスの厚みや性能などによって価格が変わってきます。

また、窓にも

  • 60センチ×60センチ
  • 90センチ×180センチ

などなど、様々な大きさが存在します。

当然大きなほど価格が高いということになるため、まずは窓の大きさを計って使用する窓ガラスの大きさを確かめるようにしましょう。

窓ガラス以外も無料ではない

窓と言えば窓ガラスですが、そのガラスを支える枠組みや窓のフレームも窓のリフォームに関わってくることがあります。

例えば、枠組みにもアルミ製のものや塩化ビニール樹脂製のものなど様々ですので、その種類やグレードなどによって価格が大きく変わってきます。

ただし、通常は窓のガラスを残して枠組みのみを変えるというようなリフォームをする方がほとんどいらっしゃいません。

そのため、フレーム部分のみの価格を知りたい場合は、リフォーム業者に相談してみることをおすすめいたします。

こちらは大きさや太さなどによっても微妙に価格が変わってくるため、窓ガラス同様、実際の窓を見てもらって業者に値段を出してもらうのが良いでしょう。

窓のリフォーム費用が変わる要因

それでは、どのような部分が窓のリフォームの費用を変えていくのでしょうか。

  • 窓の大きさ
  • 現在の窓やサッシの状態
  • 窓ガラスのグレード
  • 枠組みの種類
  • 枠組みのグレード
  • リフォームする窓の位置

例えば、この辺りが窓のリフォーム価格を上下する要因となります。

当然、交換する窓ガラスが大きな方がリフォーム費用が高くなりますし、足場を組まなければいけないようなリフォームは高額になる可能性もあります。

このように、様々な要因が絡まって窓のリフォーム価格が決まるため、一概に相場を出すのは難しいということが言えます。

そのため、窓のリフォームを考えるのであれば、まずはどのようなリフォームをしたいのかをはっきりとさせたうえで専門のリフォーム業者などに相談してみることをおすすめいたします。

窓をリフォームする注意点

最後に、窓をリフォームする上での注意点を見ていきましょう。

注意すべき点は様々ですが、

  • 窓の増設・撤廃ができないこともある
  • 防犯性を低下させる窓もある
  • デザインにも気を配る

代表的なものはこの辺りになります。

窓の増設・撤廃ができないこともある

窓を増やしたり減らしたり、または現在の窓の大きさを少し小さくしたり逆に大きくしたり、といったリフォームも可能です。

ただし、場合によってはできないケースもあるため注意しなければなりません。

窓を増やせないケース

窓を増やす、窓を大きくするということは、外壁の一部を取り壊さなければならないということでもあります。

住宅の外壁の中には、家を支える重要な構造の1つになっていることもあるため、その部分に窓を設置しようと穴をあけると、家全体の強度が下がってしまいます。

同様に、現在ある窓を大きくする場合も、広げようとした先に重要になる構造が隠れていることもあるため、その場合はむやみに大きくすることができません。

窓を増やす前に、家の図面などを確認して建物の構造を把握したうえで、専門家と相談しながら最善の策を取る必要があります。

窓を減らせないケース

建築基準法には有効開口面積というものがあり、これによって床面積の7分の1以上の窓を設置しなければならないということが決められています。

そのため、窓を取り除いて外壁にする、もしくは窓を小さくすることによって、その部屋の窓の大きさが床面積の7分の1以下になる場合は、そのリフォームができません。

窓の場所が気に入らない場合は、一方の窓をふさいでもう一方の外壁に窓を新設したりすることは可能です。

ただし、その場合も上述したような理由でできないケースがあるため、窓を減らす際にもリフォーム業者とよく相談してできる部分のみをリフォームしていきましょう。

防犯性を低下させる窓もある

窓を取り付けることによって、部屋の中が明るくなりますし、通気性もよくなるため気持ちよく過ごすことができるようになります。

しかし、特に新しく窓を増やす際には、防犯性にも気を使うようにしたいものです。

例えば大きな窓を取り付けたり窓を大きくするリフォームを行う場合は、単純に外から家の中を見ることのできる範囲が広がったということになるため、プライバシーや防犯面でデメリットになる可能性もあるのです。

例えば大きく設置した窓の前にフェンスなどを取り付けるという方法もありますが、そうなると結局風も通りにくくなるため元も子もありません。

実際に、空き巣の7割前後は窓から侵入するため、どうせ窓のリフォームを行うのであれば、防犯性やプライバシーに注意して設置するようにしましょう。

デザインにも気を配る

一般的な窓は透明なので、窓のリフォームにデザイン性は求められないのではないかと考える方も多いはずです。

確かに窓ガラスのみを交換したりする場合にはデザイン性は関係ないかもしれませんが、サッシや枠組みを取り換える場合は色使いにも気を使いましょう。

例えば安い枠組みだからと言うだけで選んでしまうと、既存の家具やインテリアとマッチしない色合いになってしまう可能性もあります。

機能性も重要ですが、室内の調和も考えてしっかりと選ぶようにするべきです。

まとめ

このように、窓のリフォームにも様々なものがあるため、単純に窓をリフォームしたいと業者に言っても、具体的に何をどのようにしたいのかわからないケースが多いです。

窓が割れてしまったのでガラスだけを取り換えるリフォームと、光を取り入れるための窓の増設リフォームとでは規模もコストも大きく異なります。

そのため、業者に依頼する際には現在の窓の状態やどのように窓をリフォームしたいのかを明確に伝えると、その後の流れがスムーズにいきやすくなります。

また、窓ガラス、窓枠それぞれに多数の種類やグレードが存在するため、グレードと変えるだけでリフォーム費用が大きく安くなったり、逆に高くなるのは珍しくはありません。

納得できるリフォームを行うためにも、まずは予算を伝えてその中でできる最善のリフォームを業者に依頼するとよいでしょう。