キッチンのリフォームにかかる費用相場と工事をする際の3つのポイント

毎日のようにご家族で食卓を囲むというご家庭も少なくないと思いますが、その食卓で出される料理はキッチンで調理されることになります。

奥様がキッチンに立って調理をするというご家庭がほとんどですが、やはり毎日使うキッチンに不満を感じているという方も少なくありません。

料理をしない方からすると、キッチンなんてどんなものでもいいじゃないかと感じるかもしれません。

しかし、ちょっとしたリフォームを施すことで調理の幅が広がったり使い勝手が良くなります。

例えば、キッチンテーブルの高さが数センチ変わるだけで体にかかる負担が大きく異なるため、それだけでも調理効率がアップしたり、逆に低下したりするのです。

実際に、キッチンは家庭内のリフォーム箇所の中でも人気の高い場所の1つになっています。

この記事では、そんなキッチンのリフォームに関する基本知識とリフォームの際に掛かる費用相場などを紹介しております。

これからキッチンのリフォームをする方の参考になれば幸いです。

たくさんあるキッチンのタイプは大きくわけると3つ

キッチンには、例えばアイランド型やペニンシュラ型など、様々な種類や呼び名が存在します。

しかし、大きく分けると

  • オープンタイプ
  • クローズドタイプ
  • セミオープンタイプ

に分類することができます。

オープンタイプの特徴と価格相場

オープンタイプとは、リビングダイニングの一部にキッチン台が置かれたタイプのキッチンを指します。

他のタイプと比べるとキッチンが開放的な作りになっているため、こちらの方が調理がしやすいという方も少なくありません。

オープンタイプキッチンの例としては、リビングダイニングの1つの壁にキッチン台を設置するというタイプが一般的です。

しかし、最近はキッチン台の一部を壁から離して設置し、独立したアイランドキッチンと呼ばれるタイプの人気も高くなっています。

ただしアイランドタイプにする場合は、ある程度スペース的な余裕がないとリビングダイニング全体が狭くなってしまうため、部屋の大きさも考えて設置する必要があります。

  • オープンタイプの価格相場:100万~

オープンタイプが向いているご家庭

オープンキッチンは、その名の通り開放的な作りになっているため、キッチン台の前に人が増えたとしても問題なく調理をすることが可能です。

例えば親子で一緒に料理をする場合であっても後ろが通れなくて邪魔になるというようなことはありませんし、夫婦で仲良く調理をすることもできます。

また、ホームパーティーなどをして大人数がキッチンを利用する場合も、食卓からの移動が楽なため便利です。

オープンタイプがおすすめな人
  • 親子で料理がしたい
  • 開放的な感じで料理がしたい
  • 大人数でホームパーティーなどをしたい

クローズドタイプの特徴と価格相場

リビングダイニングなどの隣接する部屋と独立してキッチンスペースが設けられているタイプがクローズドタイプです。

他のスペースから独立しているため、落ち着いて調理に専念することができます。

独立型キッチンとも呼ばれるタイプになり、クローズドタイプのキッチンは一般的に3方向が壁に囲まれている造りになっています。

出入り口となる1面は解放されていることも多いのですが、キッチンを1つの小さな部屋のように使うことができるため、調理のにおいが他の部屋に移ったりするのを防ぐことができます。

しかしその反面、他の部屋の様子が内側からわからないため、例えば小さなお子様がいるご家庭では安心して調理ができないなどのデメリットも挙げられます。

  • クローズドタイプの価格相場:80万円~

クローズドタイプが向いているご家庭

料理をするのが大好きで調理に専念したいという方の中には、このクローズドタイプを好む方も多いです。

実際に、部屋のように使うことができることから、キッチン全体の機能を向上させることが可能ですし、料理をよくする方にはおすすめです。

ただし、オープンキッチンとは違ってキッチン台の前に複数人が集まるというようなことは難しいです。

例えば、ご家庭の中で調理をする方が決まっているのであればメリットも大きいといえるでしょう。

クローズドタイプがおすすめな人
  • 料理に集中したい
  • 人にあまり見られたくない
  • キッチンを使いやすくしたい

セミオープンタイプの特徴と価格相場

セミオープンタイプのキッチンは、オープンタイプとクローズドタイプの中間のタイプになります。

例えば、壁側にキッチン台がついており、その後ろには壁ではなく上部に収納などがある対面カウンターがついているタイプは代表的なセミオープンタイプのキッチンです。

キッチン台で調理をしている方はダイニング側を良く見渡すことができますが、反対にダイニング側からはキッチン全体を見ることができません。

そのため、キッチン内が多少散らかっていたとしても気にする必要がありませんし、それと同時にダイニングにいる人とのコミュニケーションを楽しむことができます

ただし、完全に個室というわけではないため、カウンターの部分から油や煙のにおいが漏れることになります。

  • セミオープンタイプの価格相場:

セミオープンタイプが向いているご家庭

一般的には、セミオープンタイプはオープンタイプとクローズドタイプの良い部分を取り入れた造りのキッチンだと言われています。

そのため、基本的にはどのような家族構成のご家庭にもマッチさせられるタイプと言えるでしょう。

デメリットとして上げた調理中のにおいも、カウンター部分にブラインドを付けるなどすることで回避することが可能です。

セミオープンタイプがおすすめな人
  • オープンタイプとクローズタイプの間がいい
  • ある程度コミュニケーションはしたい
  • 内部をすべてみせたくない

以上がそれぞれのキッチンタイプの特徴です。

それぞれのメリットやデメリットにして下記にまとめておくので参考にみてみてください。

3つのキッチンタイプのメリット・デメリットまとめ

  メリット デメリット
オープンタイプ
・コミュニケーションを取りやすい
・キッチンから食卓の移動が楽
・油煙のにおいが部屋中に広がる
・食卓から丸見え
クローズドタイプ ・においが広がらない
・人目につきにくい
・スペースに限りがある
・他の場所から独立している
セミオープンタイプ
・キッチンから他の場所を見渡せる
・外部からの視線が届きにくい 
・手狭になりやすい
・においが拡散しやすい

キッチンに使われる素材

それでは続いて、キッチンの素材として人気のものを紹介させていただきます。

代表的な素材として、

  • ステンレス
  • 天然石
  • メラミン

などが挙げられます。

他にもタイルやセラミックなど様々な素材がありますが、詳しくは「キッチンリフォームに大切なワークトップの素材の種類と選ぶ際の注意点」を参照ください。

使われる素材によってキッチンリフォームの費用が大きく異なるため、それぞれの特徴だけではなく料金面も確認しておきましょう。

ステンレスのキッチン

キッチンのワークトップ(天板)に利用される素材として高い人気を誇っています。

衛生的で手入れが楽だという反面、傷が目立ちやすいというデメリットもあります。

ステンレスのワークトップには様々な大きさのものがありますし、比較的安く手に入れることができます。

天然石のキッチン

天然石にも様々なものがありますが、その天然石自体の希少性などによって価格が大きく異なります。

また、搬入や設置も難しいことから、天然石を利用したキッチンは割高になりがちです。

しかし、デザイン性に優れているうえに高級感もあるため、人気の高い素材の1つと言えるでしょう。

メラミンのキッチン

メラミン化粧版を利用した天板全般は、メラミン加工のワークトップと呼ばれていますが、安くオシャレなものが多いのが特徴です。

そのご家庭に合わせたデザインを低価格で実現できる反面、熱に弱い等のデメリットもあるため、導入時にはよく考える必要があります。

部分的なキッチンリフォームの費用相場

部分的なキッチンリフォームの費用相場

続いて、キッチンの部分的なリフォームについて紹介していきます。

キッチン全体のリフォームには高額な費用がかかることもありますが、部分的なリフォームであれば安価でできることも多いです。

もちろん、構造などによって一部のみのリフォームができないご家庭もあるため、まずは現地調査をしてもらってキッチンを見てもらいましょう。

キッチンのメインとなるキッチン台は

  • シンク
  • ワークトップ
  • 水栓
  • コンロ
  • ビルドイン食器洗浄機
  • レンジフード

などのパーツに分かれています。

ワークトップは上記で軽く触れていますので、それ以外のパーツの特徴と一般的な価格を見ていきましょう。

シンクのリフォーム

長年シンクを使っていると、油や水垢などの汚れがこびりついて取れなくなってしまうこともあります。

やはり気持ちよく洗いものをするためにはシンクもきれいなほうが良いですので、シンクだけでも取り変えたいという方も少なくありません。

シンクを取り換える場合は天板ごと取り変えなければならないケースもあるため、一概にリフォーム価格をお伝えするのは難しいです。

安くても10万円程度はかかると思っておいたほうが良いでしょう。

詳しくは「キッチンリフォームする際に交換したい人気のシンクの種類と費用の相場」を参照ください。

水栓のリフォーム

水漏れなどがきっかけで、老朽化したキッチンの水栓を交換したいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

他の部分とは異なり蛇口部分は独立したリフォームが可能ですので、その分リフォーム費用も安く抑えることが可能です。

安いものであれば1万円程度で済みますが、もちろん高額なものは数万円するなど、水栓にも様々なものがあります。

 

ガスコンロをIHコンロにリフォーム

最近は、オール電化のご家庭も増えてきており、それに伴ってガスコンロをIHコンロに交換するご家庭も増加しています。

これまでエネルギーとして利用していたガスがなくなり、代わりに電気を利用することになるため、ガス管や電気配線の工事が必要になってきます。

しかし、リフォーム自体は30万円程度まででできることが多いため、気軽にできるリフォームの1つと言えます。

詳しくは「ガスコンロからIHクッキングヒーターに変えるための費用と光熱費を比較」を参照ください。

ビルドイン食器洗浄機のリフォーム

どうせキッチンをリフォームするのであれば、食器洗浄機も取り付けたいと考えるご家庭も少なくありません。

食器洗浄機には独立タイプビルドインタイプがありますが、後者であればキッチン全体との調和も取れているため、設置することで見た目が悪くなることもありません。

設置価格は、メインとなる食器洗浄機の性能などによって大きく左右されることになりますが、安いものであれば10万円程度で取り付けることが可能です。

ただし、設置する際には、本当にそのキッチンに取り付けることができるか寸法を測ったり、電源状況などをチェックする必要があります。 

レンジフードのリフォーム

レンジフードはキッチンの中でも毎日のように利用する場所の1つになりますが、やはり使い続けていると徐々に老朽化していきます。

煙をなかなか吸い込まなくなったと思ったら変な音がするようになった、というご家庭も少なくありません。

一口にレンジフードと言っても様々なものがありますが、一般的には10万円程度で交換することが可能です。

レンジフードの交換に関しては、「キッチンリフォーム時に交換したいレンジフードの種類と価格の相場」をご覧ください。

キッチンをリフォームする際に注意したいポイント

キッチンをリフォームする際に注意したいポイント

それでは最後に、キッチンをリフォームする上で重要になってくる3つのポイントを紹介させていただきます。

  • キッチンの高さの重要性
  • 収納スペースは多いほうがいい
  • 調理台やコンロのバランスを考える

これらについて詳しく見ていきましょう。

キッチンの高さの重要性

キッチンをリフォームする際には、デザインや色、機能などに目を取られがちですが、実は最も大切なポイントの1つとしてキッチンの高さが挙げられます。

基本的には、市販されているキッチン台の高さはは80センチから95センチになっているため、その中から調理をする方にピッタリの高さのものを選ぶことになります。

ショールームなどで様々な高さのキッチン台に立って比較するのが一番ですが、身長から使いやすいキッチンの高さを割り出すことも可能です。

詳しくは「キッチンの高さの平均と計算方法。リフォームで変更する場合の注意点」をご覧ください。

収納スペースは多いほうがいい

キッチンのリフォームにも様々なものがありますが、例えば食器洗浄機などをビルドインで取り付ける場合は、どうしてもキッチンの収納部分が減ってしまいます。

キッチンには、鍋やフライパン、菜箸やお玉などの様々な調理器具、調理に必要な調味料など、またサランラップをはじめとするその他のアイテムを全て収納する必要があります。

天井が高い場合は上部に収納スペースを設けることも可能ですが、背の低い女性の場合は使い勝手が悪くなってしまいます。

そのため、天板の下に収納スペースを多めに設けたほうが何かと調理はしやすいはずです。

キッチンの機能面を優先する方は、別で収納できるスペースを作るなど、キッチン台のリフォームに伴って他の部分のリフォームが必要になるケースもあります。

調理台やコンロのバランスを考える

キッチンは、大きく

  • コンロ部分
  • 調理台部分
  • シンク部分
  • その他の部分

に分けることができます。

例えば、鍋やフライパンをたくさん使用して同時に複数の料理を作る場合は、その分コンロを広めに設置したほうが良いでしょう。

しかし、コンロを広めにとると今度は調理台やシンクのためのスペースがなくなってしまいます。

中には調理台を狭めに設置してしまうご家庭もありますが、料理に使う食材や道具を全て広げるとそれなりの広さが必要になってきます。

ご家庭の状況や料理の種類によって全体のバランスを考えるのは難しいですが、キッチン全体の広さを考慮しつつそれぞれの割合を決めていきましょう

まとめ

どこのご家庭も、毎日のように料理をされるのは主婦の方が多いのではないかと思いますが、それぞれのご家庭でキッチンのスタイルは大きく異なります。

もちろん料理が得意な方もいれば苦手な方もいるでしょうし、キッチンの使い勝手が悪いために料理に時間がかかってしまうという方もいるでしょう。

リフォームをする際には、やはり既製品のキッチンを購入される方が多いですが、キッチン台の高さや調理台などの割合は、一人一人の好みによって大きく異なります。

そのため、基本的には普段から調理をする方の意見をメインに理想のキッチンを造っていくことになります

リフォームすることによって、キッチンに対する不満をすべて解消させることができるため、よりおいしい料理をご家庭で食べることができるようになるでしょう。