解体工事をする際には、注意すべき点をある程度は認識しているという方も多いのではないかと思います。

しかし、いざ業者を選んだり契約をしたりする段階で、そういった注意点を忘れてしまったりする方は少なくありません。

そこで、今回は契約前、工事前、工事後にチェックすべきポイントをまとめてみました。

もちろん細かく見ていくと、今回紹介する以外にもチェックしたほうが良いポイントはたくさん存在します。

ここでは、最低限チェックしておいたほうが良い部分に焦点を当て、その内容を詳しく解説していきます。

施主がチェックをするメリット

施主が解体工事前に業者としっかりと打ち合わせをすることによって、様々なメリットが生じます。

代表的なメリットを紹介いたしますので参考にしていただければと思います。

安心して解体工事ができる

多くの施主にとって、安心して業者に工事を任せられるというのは大変重要なポイントの1つになるのではないでしょうか。

きちんとした業者を選ぶことができれば、特に業者と打ち合わせをしなくても解体工事がうまく進むかもしれません。

しかし、解体工事には何かとトラブルがつきものですので、やはり契約前の段階から様々なポイントをチェックしておいた方が良いと感じる方は多いはずです。

実際に、事前にしっかりと打ち合わせなどをしなかったことによって何らかの問題が起きるケースは少なくありません。

事前にしっかりと打ち合わせをして、その際に重要なポイントをチェックすることによって、安心して工事を行うことができるようになるのです。

工事費用が安くなる可能性がある

安心して工事を行うために業者をしっかりと吟味するという方も多いと思いますが、実は業者の選び方や工事前の行動によって解体工事の費用が安くなる可能性もあります。

例えばたくさんの業者に見積もりを出せば、その分安い料金を提示する業者と出会いやすくなりますし、打ち合わせを綿密に行うことでトラブルが減るため、トラブルに対するコストも削減できます。

また、工事をする前に残置物を処分し忘れると、その分廃棄物の処理費用高くなってしまうため、少しでも工事を安く行いたいのであれば、家具や家電などは自己処分しておくべきです。

そういったことを事前にチェックできていれば、必然的に解体工事の費用を安く抑えることが可能になるのです。

トラブルを最小限に減らすことができる

解体工事には様々なトラブルがつきものですが、契約前の段階からきちんとチェックをすることによってそのトラブルを最小限に減らすことができます。

業者との間では、料金のトラブルや契約に関するトラブルが発生する可能性もありますし、解体工事ではご近所ともめる可能性も少なくありません。

しかし、事前にそれらに対してきちんと対処することによって、解体工事に関するトラブルをなくすことができるのです。

契約前のチェックポイント

一度契約をしてしまうと、基本的にはその業者にお願いをせざるを得なくなりますし、それを取りやめるとなると違約金などが発生する可能性があります。

そのため、まずは契約をする前にチェックすべき項目を見ていきましょう。

複数の業者を比べたか

解体工事の見積もりは、少なくとも3社以上にお願いして、その中で最も良い業者と契約を結ぶことをおすすめいたします。

時間がない方などは、最初に見積もりを取った業者にそのまま工事の依頼をしてしまうこともあるようですが、1社では工事の相場もわかりませんし、その業者が悪い業者なのか、良い業者なのかさえ判断できません。

複数の業者を比較するからこそ、工事の相場をはっきりさせることができますし、より良い業者を選ぶことができるのです。

複数の業者とスムーズにコンタクトが取れるように、できるだけ余裕を持って見積もりを開始するようにしましょう。

解体工事業者を選ぶ方法|見極めるために大事な6つのポイント

もし自分で業者を見つけられない場合は、こちらの解体工事の匠というサービスを活用すれば優良の解体工事業者を3社紹介してくれます。

解体工事の匠の特徴と口コミ・評判は?おすすめできる理由をまとめてみた

いわゆる、一括見積もりサービスですが所属している方はすべて解体工事に詳しいスペシャリストばかりなので、自分で業者を探すよりも安心して頼むことができますよ。

業者の許可証をチェックしたか

解体業者が事業として家屋の解体をする場合は、解体工事業の登録もしくは建設業の許可が必要になってきます。

また、産業廃棄物を処分するための収集運搬許可がなければ、取り壊した廃材を適正に処分することができません。

そのような許可を持っていない場合は、解体工事が途中で中断されたりといったトラブルに巻き込まれる可能性が高いです。

業者と契約を結ぶ前に、必ずそれらの許可を持っているかを確認するようにしましょう。

廃材の処分先を確認したか

解体工事を行うと、建物の廃材が大量に発生することになりますが、それらは産業廃棄物として適正に処分されなければなりません。

悪徳業者の中には、その廃棄物を不法投棄するようなところもあるため、そういった業者を選ばないように、契約前にその確認をすることをおすすめいたします。

具体的には、マニフェストなどのコピーをもらうことができれば処分が適正に行われたかどうかが判断できるため、事前に聞いてみるとよいでしょう。

逆に、マニフェストの提示を渋るような業者は、できるだけ避けるべきだと考えられます。

マニフェストとは?産業廃棄物管理票の見方と管理方法について

支払い条件を確認したか

お金に関することは、事前に確認するという方も多いと思いますが、具体的に工事代金はいつどのように支払うのか、追加料金が発生する可能性はないのか、というようなことを聞いておくようにしましょう。

もちろん、中には追加料金がどうしても発生してしまうようなケースも存在しますが、そういったものも含めての確認作業ということになるため、逆に、絶対に追加料金が発生しないというような言い方をする業者は少々怪しいとも言えます。

追加料金が発生するケースを確認し、そうなった場合の対処法なども聞いておくと後々のトラブルを避けることができるはずです。

⇒解体工事の追加料金がかかる項目と追加請求されないためにするべきこと

契約書を書面で交わしたか

悪徳業者と呼ばれる解体業者の中には、書面で契約をせずに口約束で契約を交わしてそのまま工事を始めようとするところも存在します。

書面に残っていないということは、後から水掛け論などのトラブルになる可能性が非常に高いため、その後の解体工事を業者の有利な方向に進められるリスクがあります。

具体的には、法外な追加料金を請求されたり、支払わなければ工事を再開しないなどと脅されたりするリスクもあるため、必ず書面で契約内容を確認し、納得したら正式に契約を結ぶようにするべきです。

最初から契約書を交わすのか交わさないのかというのは判断がつきにくいところですが、話を詰めてから最終の段階で契約書がないというのは時間の無駄ですので、事前に確認しておくのもよいでしょう。

外構工事の請負契約書でチェックすべき5つのポイントと契約書の重要性

工事前のチェックポイント

複数の業者の中から実際に利用する業者を決めたら、契約を結ぶことになります。

そして、契約が終わったらいよいよ解体工事に取り掛かることになるのですが、その前にチェックしておくべきポイントが何点か存在します。

挨拶回りを終わらせたか

建物を解体する際には必ず大きな音が発生しますし、粉塵が舞うことになりますので、それが近所トラブルの元となります。

ご近所の方々には、予め解体工事をするという旨を伝えておくことによって、トラブルを未然に防ぐことができるのですが、事前に伝えるには工事前の挨拶回りが不可欠です。

もちろん施主自身も挨拶をするのが望ましいのですが、通常は解体業者が工事前に行うものですので、まずは工事を始める前に業者に挨拶回りが完了しているかどうかを確認してみましょう。

業者の挨拶回りの時間に合わせられるのであれば、施主もそこに同行することによって、近所トラブルの発生率がさらに低下します。

解体工事前の近所への挨拶は重要!挨拶のタイミングと方法について

残置物の処分を終わらせたか

こちらは解体業者とは関係なく、施主やそのご家族が主体となってチェックすべき項目です。

残置物をそのままにしておいたとしても解体業者が一緒に処分してくれるのですが、そうなった場合はそれらの残置物が産業廃棄物という認識になるため、処分費用が通常の処分方法よりも高くなります。

逆に言えば、解体工事を開始する前に家具や家電などを自分たちで処分することができれば、解体工事費用を安くすることができるのです。

処分の方法は様々ですので、手間や所要時間などを考えて上手に処分するとよいでしょう。

解体工事の残置物を処分するおすすめの方法と処分に掛かるコストについて

ライフラインの撤去依頼をしたか

ライフラインとは、生活に必要な電気やガス、インターネットなどの設備のことになり、解体工事をするにあたってそれらを撤去する必要があります。

電気は電力会社、ガスはガス会社というようにそれぞれに連絡をして撤去を依頼するのですが、中には時間がかかるものもあるため、工事が確定したら早い段階で依頼を出すようにしましょう。

工事後のチェックポイント

解体業者が工事を終えたら、そのままお金を支払って終わりというわけではありません。

解体工事が完了した後も、業者と一緒になってチェックしなければならないポイントがいくつか存在します。

工事は契約通りに行われたか

例えば、メインの建物はすべて解体するが、ブロック塀などのエクステリアを残してほしいというような契約をしていたのにもかかわらず、ブロック塀もなくなってしまっているようなケースもあります。

単純に業者の確認ミスであったり、意思疎通が取れていなかったりといった原因が考えられますが、そもそもその条件を契約書に記載していない場合はこちらにも責任があると言われても仕方がありません。

契約前に契約書をきちんと確認してもらい、工事終了後はその契約通りに工事が完了しているかを確認する必要があります。

業者と現場の最終確認を行ったか

工事が終わったと連絡が入ったら、施主はその跡地を確認することになりますが、その際には業者のスタッフと一緒に見回ることをおすすめいたします。

工事の結果に問題がない場合は1人でも構わないかもしれませんが、万が一問題があった場合は再度業者のスタッフと話をしなければならないため二度手間になってしまいます。

一緒に回れば疑問点などを聞くこともできますし、解体工事後の手続きやしなければならないことの確認などを行うことも可能です。

滅失登記を行ったか

解体工事が終わったら、1ヶ月以内に滅失登記を行う必要がありますが、忘れてしまうと後々面倒なことになってしまいます。

滅失登記とは、その場所に建ててあった建物が解体工事によってなくなったという届出のことになるので、それを行わなければ書類上は建物が存在し続けていることになりますし、それによって固定資産税なども変わってきます

解体工事が終わったら、まずはこの滅失登記について解体業者に確認してみるとよいでしょう。

解体工事後に行う建物滅失登記とは?しなかった場合のデメリット。

最後に

解体工事をしようか迷っている段階の方は、解体工事について様々な情報を仕入れようとするはずです。

しかし、いざ業者とやり取りをはじめて契約を交わしたり、実際に工事が始まったりすると、あとは全て業者に丸投げしてしまうというような方も少なくありません。

利用した業者が優良業者であれば問題ありませんが、全ての解体業者が良いとは限りません。

契約前、工事前、それから工事後には、やはりご自身が主体となってチェックすべき項目を業者に確認するべきです。

そうすることによって、工事中や工事後のトラブルの発生も少なくなります。

また、少しでも疑問に思うことはその都度業者にチェックすることで、安心して工事を任せることができるはずです。