解体業者には、クリーンな見積書を使って作業もきちんとやってくれるところも多いです。

一方で、中にはよくわからない見積書を利用して作業が終わったら高額な追加請求をしてくるような業者もあります。

工事前にはわからない地下埋設物の発見など、後々追加で請求されても仕方のないケースも存在します。

しかし、事前に気を付けてさえいれば避けられる追加料金も多いです。

解体工事には追加請求がつきものだと考える方もいらっしゃいますが、事前に業者ときちんとやり取りしておくことで無駄な請求を避けることができます。

今回は、解体工事における追加請求の対象となりやすい項目や、追加請求を避けるための方法について紹介していきます。

追加料金がかかりそうな項目

解体工事は、様々な項目が重なり合って総額の料金を作り上げます。

1つ1つの項目の費用が少なかったとしても、それらを合わせたトータルの費用が高くなるため、1つ1つの費用をなるべく抑える必要があります。

ここでは、解体工事に必要な項目ですが、削減しようと思えばできる項目をまとめました。

建物内の残置物

解体業者にお願いする解体作業は、あくまでその建物の解体であり、住居内に残った廃棄物の処分はまた別です。

基本的には、解体作業をする前に施主が建物内の家具や電化製品などの不用品を、何らかの方法を利用して自分で処分することになります。

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もちろん解体業者にそれらの処分をまとめてお願いすることも可能ですが、解体業者が出すゴミは家庭の一般廃棄物とは異なる産業廃棄物と見なされるため、処分にはより高額な費用が必要となるのです。

当然ですが、そこに解体業者の仲介手数料も加わることになるため、ご自身で処分するのと比べるとかなり割高になります。

逆に言えば、解体工事前に建物内の不用品をご自身で処分することによって、高額な追加料金を避けることが可能となります。

エクステリアの解体も含む場合

解体工事の対象となりやすいのは、やはり人間が住むメインの建物になります。

しかし、ご家庭によってはその住居用の建物以外に物置やブロック塀、ガーデニングの樹木など、様々なエクステリアを施しているところもあるでしょう。

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そういったエクステリアも一緒に解体してきれいにする場合は、追加で料金が発生することが多いです。

また、仮にエクステリアの解体を希望していなかったとしても、解体しなければ重機の搬入ができないなど、解体作業の妨げになる場合も、一緒に解体される可能性があります。

ブロック塀やガレージなどの大きなエクステリアの解体は、ご自身では難しいかもしれません。

しかし、簡単なエクステリアの解体なら自分でもできるという方であれば、先にやっておくことで解体費用を少し安くすることができるかもしれません。

駐車スペースの確保

解体工事には、建物を壊す重機や工事で発生した廃棄物を運搬する大型の車両などが必要になります。

同じ敷地内にそれらの車両を駐車するスペースがあるのであれば問題ありませんが、駐車できない場合は別に駐車場を確保しなければなりません。

土地が十分にある地域であれば、無料で長時間駐車することも可能かもしれませんが、都市部では駐車場のスペースが限られているため、有料駐車場を確保しなければならないケースも少なくありません。

駐車場のための費用はある程度は仕方のない追加料金と言えるかもしれませんが、車両のためのスペースを確保する手段があるのであれば、予め用意しておくことで解体工事トータルの費用が安くなります。

地中埋設物による追加請求

地中埋設物とは、建物の下の地面に埋まっているゴミの総称になり、地中埋蔵物などと言われることもあります。

通常は地中のゴミなどをきれいに取り除いてから新しい建物を建てるのですが、現在の建物を建てる前に建っていた建物を解体する際に放置された廃棄物などがそのまま埋もれていることもあります。

工事中に地中埋設物が発見された場合は、追加費用の対象となりやすいです。

地中埋設物に対するコスト

通常であれば、地中埋設物が発見されたら、それを取り除く作業をする必要があります。

その埋設物が大きなものであれば除去作業も大変になりますし、取り除いた後の穴に土を入れる作業も必要になってくるため、意外に時間がかかる可能性もあります。

そして、地中埋設物を取り除くとなった場合には、基本的には追加費用が必要になってきます。

小さな埋設物が少し残っているだけであっても、10万円くらいかかるようなケースもあります。

また、井戸やタイヤのような大きな埋設物が発見された場合は、数十万円を追加請求される可能性があります。

地中埋設物のコストを抑えるために

地中埋設物は全ての住宅の下で発見されるわけではないため、業者もそれがないものとして解体工事の見積もりをすることになります。

解体工事を進めていく中で埋設物が発見された場合は、本来予定していた工事に追加して作業をしなければならないため、高額な追加費用を請求されることになるのです。

仮に、予め埋設物があるということがわかっているのであれば、それを加味して工事の計画を立て、見積もりの段階で全ての料金を提示してくれるため安心です。

もちろん先に伝えたからと言って埋設物除去の費用がなくなるというわけではありませんが、先にわかっている分除去費用が安くなる可能性が高いのです。

しかし、当然地下に何かが埋まっているということなど知らないという施主がほとんどだと思いますので、現実的には難しい話かもしれません。

解体工事で地中埋設物が見つかった場合の追加費用や対処法について

埋設物があった時点で連絡を

中には、地中埋設物を見つけた段階で、施主に相談せず勝手に除去作業をしてしまう業者もいます。

勝手に取り除かれたとしても、当然その作業代金は必要になってくるわけですので、後々追加料金として支払わざるを得なくなります。

実際に、除去をお願いしいてもないのにいきなり数十万円の追加請求が来た、というケースも存在します。

仮に追加料金を請求されたとしても、埋設物発見の時点で連絡を入れてもらうことによって、施主もある程度は納得することができるはずです。

事前にそれを伝えておくことで、無駄なトラブルを避けることができるでしょう。

近所トラブルによる追加料金

解体工事は、近所の方の協力なしにはできないというほど、近隣の住民に迷惑をかけることになります。

騒音や振動などは解体工事につきものですので、近所の方々は、しばらくの間それに耐えて生活を送ることになります。

近所トラブルで多額の費用が発生するケース

解体工事によって発生する騒音、振動、粉塵などによる被害が原因で、近隣の住民がクレームを入れてくることもあります。

もちろん苦情が全く出ない工事もありますが、逆に苦情の量が多かったり大きなクレームにつながったりした場合は、やむを得ず解体工事をストップしなければならない状況に追い込まれることもあります。

その工事が止まっている期間が長くなればなるほど、当初の工事計画とのずれも大きくなっていきます。

工事が予定通りに終わらなければ、最悪の場合、工事延長の費用を追加請求される可能性もあります。

請求額は人員の数などによって大きく変わってきますが、1日延長しただけでも高額な費用になるケースも多いため、クレームによる工期の延長は何としても避けるべきです。

近隣の家に実損を与えることによる追加請求

解体工事の振動によって、または大きな重機を搬入する際に、隣の家の塀を傷つけてしまったりヒビを入れてしまったりという事件が起こることもあります。

通常であれば解体業者が保険に入っているはずですので、その保険から損失分を支払うことになります。

しかし業者の中には、その補修費用を施主に請求してくるようなところもあるため注意が必要です。

また、実際に塀を傷つけられた住民は、施主にそれを訴えてくるケースも多いですが、普通の解体業者であれば、それを伝えることによって事態を収拾してくれるはずです。

近隣トラブルを回避するためには

近所トラブルは金銭問題だけではなく、その後の人間関係をも破壊しかねない問題につながります。

その後も近隣の住民と仲良くやっていくために、まずは工事前にきちんと挨拶回りをするように心がけましょう。

解体工事をするということが事前にわかっていれば、近所の方々も心の準備ができます。

しかし反対に、挨拶もなしに勝手に工事を始めると、近隣の住民の被害も大きくなるためトラブルに発展しやすいです。

また、業者を選ぶ際には保険に加入しているかを確認することも大切です。

ほとんどの業者が保険に加入しているはずですが、中には未加入で解体作業をする業者もいるため、後々のトラブルを避けるためにも事前にチェックしておきましょう。

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追加料金がかかりそうな見積書

工事前の見積書をきちんと確認して、納得してから契約を結ぶことによって、無駄な追加料金を防ぐことができます。

しかし見積書の中には、いかにも追加料金がかかりそうなものもあるため注意が必要ですし、口頭見積もりで契約を決めてしまうのも避けましょう。

口頭で安い見積もりを出す業者に注意

解体する建物の構造や面積などによって、ある程度の解体費用を算出することは可能です。

しかし、その建物の立地条件や状態などによって、解体工事のスケジュールが変わったりすることもあるため、実際に解体物件を見なければ正確な見積もりを出すことはできません

中には、電話で簡単に見積もりができるような業者も存在しますが、その電話での見積もり金額を信じて契約をしてしまう方もいらっしゃいます。

もちろん、とりあえず大体の料金が知りたいという程度であれば、電話での口頭見積もりを利用するのもよいでしょう。

しかし、口頭での見積もりは実際の工事費用よりも安くなることが多いですし、安いからそのままお願いしてしまおうと思ってしまう方もいらっしゃいます。

実際に解体現場を見てみると、重機の搬入ができないことによって手作業をしなければならないから、工期が延びて高額な費用を追加請求されるようなケースもあります。

口頭で解体費用を聞いただけで契約してしまうという方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、トラブルを避けるためにもきちんと現地を見てもらうようにしましょう。

簡単な見積書に注意

丁寧な見積書であれば、細かい内訳とそれぞれに対する費用がかかれていることが多いです。

しかし、それらをまとめていくら、というような記載をしている見積書も存在します。

パック料金で安いという印象を受けやすいですし、料金の確認も簡単なように感じますが、実はこの手の見積書には注意が必要です。

まとめていくら、というパック料金の中には、含まれている作業と含まれていない作業があるからです。

その見積書のまま契約をしてしまうと、工事に入ってから、この作業とこの作業が必要だから別途費用がかかります、と言うように追加料金を請求されるケースも多いのです。

例えば、一般的な解体費用には、工事で排出された産業廃棄物の処分費用も含まれているはずです。

しかしパック料金にはその費用が入っていないと言われることもあり、追加で支払わざるを得ないというパターンも多いです。

簡単な見積書は確認も楽ですが、その分後々トラブルに巻き込まれる可能性も高いため気を付けましょう。

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見積書のトラブルを避けるために

見積書を巡ったトラブルは後を絶ちませんが、どのようにすれば避けることができるのでしょうか。

契約前の見積書を確認する段階できちんと対処しておけば、ある程度のトラブルを避けることができます。

最後に、追加料金を避けるための方法を紹介しておきます。

不審な点は全て質問する

丁寧な見積書であれば、全ての工程において必要な料金をそれぞれ提示してくれていたりします。

しかし、仮に見積書を見てすっきりしたとしても、とにかく業者に実際に質問するのがトラブルを避ける最善の方法です。

この項目のこの費用はどういう物なのか、この費用は削減できるんじゃないのか、この項目の意味は何なのか、といった具合に、わからない点は全て質問してしまいましょう。

また、追加で料金がかかる可能性があるのかどうかも事前に確認してしまうことによって、後々のトラブルを回避することができます。

契約書をきちんと作れば安心

解体工事に限らず、契約書には様々な難しい言葉が細かい文字でびっしりと記載されていることが多く、すべてに目を通すのが大変です。

しかし、最終的にはその契約書に書かれていることに納得したということでサインをすることになるため、業者と一緒に納得できる契約書を作ることができれば、安心して解体工事を任せられるはずです。

追加料金を避けるためには、契約書に追加料金はかからない等という項目を付け加えてもらうのが良いでしょう。

また、地中埋設物があった場合は追加で費用がかかることが多いため、納得して料金を支払えるような契約書にするのも重要です。

具体的には、地中埋設物を見つけた場合は、発見次第施主に連絡を入れ、お互いが納得した上で工事を再開するといった文言を追加すれば、不正な追加料金を避けられます。

逆に、よく目を通していない、または納得していない契約書にはサインをしないように注意しましょう。

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最後に

契約前にきちんとした対策を取っていれば、無駄な追加料金を避けられるということがご理解いただけたのではないでしょうか。

地下埋設物をはじめ、もちろん事前にはわからないような追加請求も存在します。

しかし、不明瞭な見積書をはじめ、故意に追加料金を請求しようとする業者も少なからず存在します。

どんな業者に解体作業をお願いするとしても、契約を結ぶ前に見積書や契約書をしっかりと確認し、不明な点はきちんと確認することが大切になってきます。

また、必要であれば契約書を業者と一緒に作り直すことによって、納得する契約を結ぶことができるはずです。

そこまでやれば、高額な追加費用にストレスを感じるようなことがなくなると思いますので、安心して解体工事を任せることができるのではないでしょうか。