リフォームの中には多額の資金が必要になるものも存在しますが、実はその中には減税の対象になるものがあります。
減税されるリフォームは意外と多いですし、対象となる税金も複数存在するのはご存知でしょうか?
この記事ではそんな代表的な減税されるリフォームや対象となる税金、注意点などについて詳しく解説しております。
これからリフォームを行う方の参考になれば幸いです。
目次
リフォームの減税措置の対象になる5つの税金の特徴
リフォームで支払う額が高ければ高いほど減税額も大きくなるため、対象になるリフォームをするのであればこれを利用しない手はありません。
しかし、当然全てのリフォームが減税の対象というわけではないため、まずはどのリフォームで税金が安くなるかを知る必要があります。
また、仮に減税の対象となるリフォームをしたとしても、手続きの仕方を間違えてしまうと税金が安くならないケースもあるので注意が必要です。
そんなリフォームをすることで減税措置が受けられる税金は
- 所得税
- 固定資産税
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 贈与税
の5つに分かれます。
『所得税』の控除となる減税は主に3つ
控除の対象となる所得税は、条件の違いや手続きの違いで大きく
- 投資型減税
- ローン型減税
- 住宅ローン減税
の3種類に分類されます。
なお、控除の対象となるリフォームは
- 耐震リフォーム
- バリアフリーリフォーム
- 省エネリフォーム
- 同居対応リフォーム
をはじめ複数存在しますが、ここでは所得税の控除の違いを、それぞれ簡単に紹介させていただきます。
投資型減税とは?
投資型減税は、ローンを組むか組まないかに関係なく、特定のリフォームを行う際に受けることのできる減税です。
リフォームをした年の所得税額から、そのリフォームにかかった工事費用の10%が控除されますが、上限が決まっています。
上限はどのリフォームを行うかによって変わってきますが、対象となるリフォームを組み合わせることによって変わってきます。
例えば上限が25万円の省エネリフォームと耐震リフォームを一緒に行えば、控除額は最大で50万円ということになるのです。
ローン型減税とは?
5年以上のローンを組んでリフォームを行う際には、こちらのローン型減税を利用することができます。
リフォーム工事を行ってから5年間は所得税額からローン残高の一部が控除され、こちらは5年で最大625,000円が減税可能です。
投資型減税と同じく、こちらも複数のリフォームを組み合わせることで控除を併用することができます。
住宅ローン減税とは?
住宅ローンを10年以上組んで購入した戸建てやマンションに対してリフォームなどを行う場合は、住宅ローン減税が受けられます。
こちらはリフォームを行ってから10年間、最大で400万円が減税されます。
上記の2つと比べると減税額が大きいと感じるかもしれませんが、こちらは全ての工事に対してこの額なので併用はできませんので注意が必要です。
上述したリフォーム以外にも、増改築リフォームをはじめ様々な工事が対象となるため、リフォーム業者に確認してみましょう。
『固定資産税』は基本的には1年分の減税
リフォームの中には、固定資産税が減額されるような種類のものも存在します。
もちろんリフォームを行ってからずっと減額され続けるというわけではなく、翌年分の固定資産税が減額となります。
原則として1年分しか安くなりませんが、リフォームをしたことで固定資産税が安くなるのに、その制度を利用しないのは損です。
減額される額はリフォームの種類によって異なるため、それぞれのリフォームの項目で紹介させていただきます。
リフォームの種類によっては税金を安くなる『不動産取得税』
不動産を新たに手に入れた際には、不動産取得税という税金を納めなければなりません。
しかし、リフォームが伴う不動産取得であれば、そのリフォームの種類によっては税金を安くすることが可能です。
すでに住んでいる住宅のリフォームと比べると、対象となる範囲が広いため、中古の戸建てやマンションを購入する際には調べてみましょう。
なお、購入する中古物件が新築で建てられた年によって控除額が異なります。
建てられた年 | 控除額 |
---|---|
平成9年4月1日~ | 1200万円 |
元年4月1日~平成9年3月31日 | 1000万円 |
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 | 450万円 |
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 | 420万円 |
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日 | 350万円 |
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日 | 230万円 |
昭和39年1月1日~昭和47年12月31日 | 150万円 |
昭和29年1月1日~昭和38年12月31日 | 100万円 |
築年数の浅い物件ほど購入金額が高くなる傾向にありますが、不動産取得税の控除額も同様に、新しいほど高くなります。
特定の増改築などが行われた場合は減税の対象になる『登録免許税』
登録免許税とは、取得した不動産などを登記する際に支払わなければならない税金のことです。
こちらも上述した不動産取得税同様、特定の増改築などが行われた場合は減税の対象となります。
中古物件を購入して大幅にリフォームを行うという方は少なくないため、購入前に減税について確認しておきましょう。
特定のリフォームを行えば非課税になる『贈与税』
中には、ご両親などから住居を贈与されるという方もいらっしゃいますが、その住居に特定のリフォームを行えば贈与税が非課税になります。
一般的なリフォームと比べると贈与されるというのは特殊なケースになるため、今回は贈与税については割愛させていただきます。
しかし、贈与された場合もリフォームをすることで贈与税が非課税になる可能性があるということも覚えておきましょう。
これら5つの減税を知っておくだけでもかなりの節税ができ、リフォームでお金を節約することができるはずですよ。
減税される対象のリフォームの種類とそれぞれの優遇措置
続いて、税の優遇措置を受けられる代表的なリフォームを見ていきましょう。
例えば、単純にキッチンのガスコンロをIHファンヒーターに変えるといったリフォームは減税の対象になりません。
対象となるリフォームできちんとした手続きをしなければ優遇措置を受けられないため、それらを紹介させていただきます。
耐震リフォームで減税対象となる税金
耐震リフォームとは、その名の通り地震に備えて行われる揺れに強い家づくりをするためのリフォームです。
この耐震リフォームで、
- 所得税
- 固定資産税
の優遇措置を受けることが可能です。
耐震リフォームで所得税の減税を受けるための条件や金額
以下に、所得税の優遇措置を受ける条件や減税額を紹介させていただきます。
優遇措置を受ける条件
耐震リフォームの減税対象となるには、具体的に以下の条件を満たす必要があります。
- 自らが居住する住宅であること
- 昭和56年5月31日以前に建設された住宅であること
- リフォームが耐震基準に適合させるためのものであること
例えば、昭和56年6月以降に建てられた家に耐震リフォームを施したとしても、この優遇措置の対象にはなりません。
所得税の減税額は?
それでは、耐震リフォームでどれくらいの減税を受けることができるのでしょうか。
結論を言うと、このリフォームでは最大で25万円分の減税が可能となります。
控除の対象となる限度額が250万円までですが、控除率はその額の10%なので、25万円となるわけです。
ちなみに、例えばリフォーム代金が仮に400万円になったとしても、限度額が250万円と決まっているため控除額は最大で25万円です。
減税を受けるために必要な書類
優遇措置を受けるために必要な書類は以下の通りです。
- 源泉徴収票
- リフォームする住居が昭和56年5月31日以前に建てられたと証明できる書類
- 補助金などの額がわかる書類
- 事請負契約書の写しなど(リフォーム業者に依頼)
- 増改築等工事証明書または住宅耐震改修証明書(建築士に依頼)
耐震リフォームでの固定資産税の減税
続いて、固定資産税の減税について見ていきましょう。
固定資産税の減税を受ける条件
減税を受ける条件としては、
- 耐震基準に適合する耐震リフォームを行うこと
- 昭和57年1月1日以前から建てられている住宅であること
- 耐震リフォームの費用が税込みで50万円以上であること
所得税とは異なり、自らが住んでいる家でなくても控除を受けることができるため勘違いしないように気を付けましょう。
しかし、リフォームにかかった費用にも条件が付くため、50万円以内に収まるリフォームでは申請することができません。
固定資産税の減税額は?
固定資産税は、その敷地や建物の大きさや築年数などによって異なるため、一概にその額をお伝えできません。
しかし、家屋の床面積が120平米相当分までを対象として、固定資産税が半額になります。
原則として、リフォームが完了した年の翌年度から1年度分が減税されます。
減税を受けるために必要な書類
それでは、優遇措置を受けるためにはどのような書類が必要なのでしょうか。
- 固定資産税減額申告書
- 住宅性能評価書の写し(リフォーム後に交付されたもの)
- 耐震リフォームでかかった費用が証明できる書類
- 工事請負契約書の写しなど(リフォーム業者に依頼)
- 増改築等工事証明書または住宅耐震改修証明書(建築士に依頼)
耐震リフォームまとめ
耐震リフォームによって受けられる税金の優遇措置は以下の通りです。
所得税 | 固定資産税 | |
---|---|---|
条件 |
|
|
減税額 | 最大で25万円 | 床面積120平米までに対し半額 |
必要書類 |
|
|
バリアフリーリフォームで耐震リフォームで減税対象となる税金
家族の高齢化に伴い、住居をバリアフリー化したいという方も多いのではないでしょうか。
実は、バリアフリーのためのリフォームも耐震リフォーム同様、所得税や固定資産税の減税の対象となります。
そもそもバリアフリーリフォームと認められる工事とは?
リフォームにも様々なものがありますが、税金の優遇措置を受けるにはそのリフォームがバリアフリーのためだと認められなければなりません。
対象となるリフォームは大きく8つに分かれるため、まずはどのようなリフォームがバリアフリーとして認められるのかを解説していきます。
段差の解消
建物内、またはエクステリアに段差がある場合は、そこにつまづいて転ぶリスクがありますし、車椅子での移動が大変です。
そういった段差を低くする、またはかさ上げをしたりスロープを設置する等の工事は、バリアフリーリフォームに入ります。
これには、トイレやバスルームをまたぐ扉の段差なども含まれるため、要するに車椅子でスムーズに移動できる改修工事全般が該当します。
ただし、スロープ板などを購入して置くだけというようなものは工事に含まれないため、減税の対象とはなりません。
手すりの取り付け
廊下をはじめ、トイレの室内、浴室内など、またはエクステリアのアプローチ部分に手すりを取り付けるのもバリアフリーリフォームです。
手すりを設置することによって、足腰が弱い方でも上半身で体を支えて移動を楽にすることができます。
結果的に転倒事故を防止したり、移乗動作をサポートすることになるため、体が不自由な方も快適に生活が送れるようになるでしょう。
中にはDIYでネジなどで取り付けられるものもありますが、工事が伴わないものは減税の対象になりません。
滑りにくい床材への交換
足腰の弱い方にとっては、床材が滑りやすいものでは移動が大変ですし、転倒して怪我をするリスクがあります。
特にトイレやバスルームでの転倒事故は多いため、バリアフリーリフォームによって滑りにくい素材への交換をする方も少なくありません。
滑りにくい床材への取り換え、またそれに伴って行われる下地の補修工事なども全てバリアフリーリフォームとして認められます。
ただし、例えば滑りにくいカーペットを敷いたりテープシールを張り付けたりといったものは含まれません。
通路幅などの拡張
廊下などが狭いと、いざ車椅子を利用するとなったときにうまく移動できなかったり、通れないケースも存在します。
バリアフリーリフォームで通路や出入り口の幅を拡張することができれば、車椅子でも安心して移動することが可能です。
通路を広げる工事や、それに伴って必要になってくる壁や柱の工事なども同じくバリアフリーリフォームとして認められます。
ただし、例えば幅が750ミリメートル以上などの細かなルールも存在するため、工事前に確認しておく必要があります。
階段の勾配緩和
2階建て以上のご家庭には当たり前のようにある階段ですが、足腰の弱い方にとっては階段の登り下りは非常に大変です。
特に勾配のきつい階段は1段1段を登るのにも時間がかかりますし、大きな怪我をする可能性もあります。
そんな階段の勾配を緩和するリフォームもバリアフリーに含まれるため、工事をすることで税金の優遇措置が受けられます。
扉のリフォーム
車椅子の方にとっては、普通の扉が使いづらかったり開け閉めに時間がかかったりします。
特に、一般のご家庭によくあるような、ドアノブを回して前後に開閉する扉は、開け閉めをするという当たり前の作業が困難です。
例えば、
- 開き戸のドアノブをレバーハンドなどに取り換える
- 開き戸を引き戸などに取り換える
- 扉に開閉が簡単になるような器具を取り付ける
といったリフォームもバリアフリーリフォームに該当します。
アコーディオンカーテンへの取り換えや開け閉め用の動力装置の設置なども含まれるため、車椅子の方はリフォームを考えてみましょう。
バスルームのリフォーム
一般のご家庭でも人気の浴室リフォームですが、バリアフリーのためのリフォームとして認められるのは以下の通りです。
- 入浴やそのサポートを楽にするための床面積の拡張
- 高さの低い浴槽への変更
- 踏み台をはじめ、高齢者の浴槽への出入りをサポートする設備の設置
- 高齢者などが体を洗うのを容易にする水栓器具などへの取り換え
これらの工事に伴う、給排水設備の移動なども含まれますし、例えば蛇口をワンプッシュ式に取り換えるといったものも該当します。
ただし基本的には、すのこなどの福祉器具を設置するといった工事を伴わないようなリフォームは含まれません。
トイレのリフォーム
トイレもバスルーム同様に人気の高いリフォーム場所ですが、バリアフリーリフォームとして認められるのは以下の通りです。
- 座便式の便器への交換
- 便器の座高を高くする
- 排泄やそのサポートを楽にするための床面積の拡張
例えば、和式便器は用を足す際にしゃがむ必要があるため、足腰が不自由な方には排便が困難になります。
そんな和式便器を洋式便器に取り換える、またはしゃがむ負担を緩和するために便器をかさ上げするといったリフォームが含まれます。
ただし、こちらも工事が不要な取り外しのできる腰かけ便座などを設置するような場合は、バリアフリーリフォームに該当しません。
バリアフリーリフォームで所得税の減税を受けるための条件や金額
バリアフリーリフォームの減税は投資型とローン型に分けられ、その内容は若干異なりますが、基本的には似ているためまとめて紹介します。
優遇措置を受ける条件
バリアフリーリフォームで税金の優遇措置を受けるには、下記のいずれかの1つに該当していなければなりません。
- 50歳以上であること
- 要介護認定もしくは要支援認定を受けていること
- 障がいのある方
- 65歳以上の方と、もしくは上記に当てはまる方と同居している方
また、以下のすべての条件に該当している必要があります。
- リフォームを行う方が所有して住んでいる住居であること
- リフォーム後の家屋の床面積が50平米以上であること
- 併用住宅の場合、リフォーム後の家屋の床面積の半分以上が自身の居住用であること
- 高齢者等居住改修工事等を行っていること
- 標準的な工事費用の相当額から補助金などを差し引いた額が50万円以上であること
この他にも細かな条件が存在しますが、特に適用期間などは変わる可能性も高いため、都度確認されることをおすすめいたします。
所得税の減税額は?
減税される額は、ローンを組んだ場合と一括で支払った場合とで異なります。
ローンの有無 | 減税額 |
---|---|
ローンを組まない場合 | 工事金額の10%を最大20万円まで減税 |
ローンを組む場合 | 5年間で最大625000円まで減税 |
例えばリフォームの金額が300万円だった場合は、10%が30万円ということになりますが、最大で20万円までなので減税額は20万円です。
そのため、200万円以上でローンを組む場合は、ローン型減税を選択する方が減税額が高くなります。
減税を受けるために必要な書類
減税を受けるには、以下の書類をそろえましょう。
- リフォーム工事が終わったあとの住居の登記事項証明書
- 住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書
- 補助金などの額が明確にわかる書類(交付を受ける場合)
- 介護保険の被保険者証の写しなど(該当する場合)
- 源泉徴収票(給与所得者の場合)
- 工事請負契約書の写し(リフォーム業者に依頼)
- 増改築等工事証明書(建築士に依頼)
なお、ローン型減税を受ける場合は、上記に加えてリフォームローンなどの年末残高証明書が必要になってきます。
バリアフリーリフォームで固定資産税の減税を受けるための条件や金額
続いてバリアフリーリフォームでの固定資産税の減税についてです。
優遇措置を受ける条件
以下のいずれかに該当している方が実際に住む住宅でなければなりません。
- 65歳以上の方
- 要介護認定もしくは要支援認定を受けている方
- 障がいのある方
同時に、以下の全ての条件をクリアしている必要があります。
- リフォームする住宅が、新築で建てられた日から10年以上経過していること
- リフォーム後の家屋の床面積が50平米以上であること
- リフォーム後の家屋の床面積の半分以上が自身の居住用であること
- 高齢者等居住改修工事等を行っていること
- 高齢者等居住改修工事等の工事費用が税込みで50万円以上であること
こちらも適用される期間などが変わることがあるため、リフォーム前に条件を再度確認しておきましょう。
固定資産税の減税額は?
固定資産税は、耐震リフォーム同様、リフォームする家屋の面積によってその減税額が変わってきます。
しかし、原則として翌年の固定資産税が1/3減税され、その上限は100平米相当までということになっています。
少しわかりにくいと思いますので、簡単に計算してみましょう。
床面積が 150平米の家屋の課税標準額を 400 万円とした場合
家屋の床面積は上限が100平米のため 100平米 ÷ 150平米 = 0.67
ここに100平米相当分の課税評価額を入れると 400万円×0.67 = 268万円
そのため、この場合は268万円に対して減税措置が受けられるということになります。
268万円×1.4%(標準税率)×1/3(軽減率)=12507円
よって、軽減される固定資産税は12000円程度ということがわかります。
減税を受けるために必要な書類
所得税の減税を受けることを考えると、固定資産税の減税申請に必要な書類は少ないです。
- 介護保険の被保険者証をはじめ、対象となる方の証明書
- リフォーム費用や補助金などの額がはっきりとわかる書類
- バリアフリーリフォームを行ったと証明できる書類(リフォーム業者に依頼)
バリアフリーリフォームまとめ
バリアフリーリフォームによって受けられる税金の優遇措置は以下の通りです。
所得税 | 固定資産税 | |
---|---|---|
条件 |
など |
など |
減税額 |
|
床面積100平米相当までに対し1/3 |
必要書類 |
|
|
省エネリフォームで減税対象となる税金
省エネリフォームも、条件をクリアすれば所得税と固定資産税の減税を受けることが可能です。
例えば代表的な省エネリフォームである断熱リフォームは、そこに住む家族にとってもメリットが大きいです。
そんなメリットの大きなリフォームが減税の対象となるため、興味がある方は条件を確認して免税申請してみましょう。
省エネリフォームで所得税の減税を受けるための条件や金額
省エネリフォームにも、バリアフリーリフォームと同じく投資型とローン型があり、それぞれ条件や必要書類等が異なります。
また、減税の額も異なるため、どちらを利用するかを慎重に選ぶようにしましょう。
優遇措置を受ける条件
省エネリフォームを利用するには、以下の全ての条件をクリアする必要があります。
- リフォームを行う方が所有し居住する家屋であること
- リフォーム後の家屋の床面積が50平米以上であること
- 併用住宅の場合は、リフォーム後の家屋の床面積の半分以上が自身の居住用であること
- 一般断熱改修工事などを行っていること
- リフォーム代金から補助金を引いた額が税込みで50万円以上であること
- リフォーム後に、一般断熱改修工事等であるということが証明書などで証明されること
- リフォームから6か月以内に居住していること
なお、ローン型を利用する場合は、上記に加えてリフォームのためのローンの償還期間が5年以上である必要があります。
所得税の減税額は?
こちらも、ローンを利用するかしないかでパターンが異なります。
ローンの有無 | 減税額 |
---|---|
ローンを組まない場合 | 工事金額の10%を最大35万円まで減税 (太陽光発電システムを導入しない場合は25万円まで) |
ローンを組む場合 | 5年間で最大625000円まで減税(投資型減税の選択も可) |
減税を受けるために必要な書類
続いて、所得税の減税をするために必要な書類の紹介です。
- 源泉徴収票
- リフォームが終わった後の家屋の登記事項証明書
- 交付を受けた補助金などの額がはっきりとわかる書類
- 工事請負契約書の写し(リフォーム業者に依頼)
- 増改築等工事証明書(建築士に依頼)
ローンを利用する場合は、これらに加えてリフォームローン等の年末残高証明書が必要です。
省エネリフォームで固定資産税の減税を受けるための条件や金額
続いて、省エネリフォームでの固定資産税の減税について見ていきましょう。
優遇措置を受ける条件
以下の全てに該当していなければ、固定資産税の減税をすることができません。
- 平成20年1月1日よりも前に建てられた物件であること
- 賃貸住宅ではないこと
- リフォームを行った後の家屋の床面積の半分以上が居住用であること
- リフォーム後の家屋の床面積が50平米以上であること
- 熱損失防止改修工事をしていること
- リフォーム工事の代金が税込みで50万円以上であること
- 断熱リフォーム部位が、全て平成28年省エネ基準相当に適合すること
- リフォーム後に、増改築等工事証明書、もしくは熱損失防止改修工事証明書により熱損失防止改修工事だと証明されること
こちらも期限などの制限が別にあるため、リフォームを行う前に条件を再度チェックすることをおすすめいたします。
固定資産税の減税額は?
省エネリフォームについては、翌年の家屋にかかってくる固定資産税の1/3が減税されることになります。
しかし、こちらは最大で120平米相当という決まりがあるため、120平米以上の家屋のリフォームの場合は計算をしなければなりません。
上述した、バリアフリーリフォームに対する固定資産税の減税の計算式を利用することができるので、敷地が広い場合は計算してみましょう。
減税を受けるために必要な書類
省エネリフォームで固定資産税の減税を受けるためには必要な書類は以下の通りです。
- 固定資産税減額申告書
- 補助金などの額がわかる書類
- 省エネリフォーム工事が行われたということがわかる書類(リフォーム業者に依頼)
- 熱損失防止改修工事証明書又は増改築等工事証明書(建築士に依頼)
省エネリフォームまとめ
省エネリフォームによって受けられる税金の優遇措置は以下の通りです。
所得税 | 固定資産税 | |
---|---|---|
条件 |
|
|
減税額 |
|
床面積120平米までに対し1/3 |
必要書類 |
|
|
リフォームで減税措置を受けるための2つの注意点
最後に、リフォームでの減税措置を受けるために注意したほうが良い点を紹介させていただきます。
対象とならないリフォームがある
ここまで読んでいただいた方はお分かりのように、リフォームにも減税の対象となるものとならないものが存在します。
同様に、必要な条件を1つでもクリアできていなければ減税されないようなものもあるため注意が必要です。
例えばバリアフリーリフォームでは、他の条件は全て満たしていても、自らがそこに住んでいないと減税を受けられません。
リフォームによって条件は異なりますし、ルールが変わる可能性もあるため、リフォームをする度に確認が必要です。
お願いするリフォーム業者に減税の話をすれば、その時の条件をしっかりと教えてくれると思います。
そのため、業者を探す際には予め減税を考えたリフォームだと伝えておくことをおすすめいたします。
確定申告をしないと減税されない
せっかく条件を満たして減税のためのリフォームをしたとしても、翌年の確定申告をしなければ減税にはなりません。
中には、減税のための条件を満たしてリフォームをすれば勝手に減税になると考えている方もいらっしゃいます。
しかし減税された分は、工事費用を支払う際にそこから引かれるのではなく、後から還付という形で戻ってくるのです。
そのためには確定申告でそれを伝える必要があるため、リフォームをした翌年の確定申告は忘れないようにしましょう。
今まで確定申告をしたことがないという方も多いかもしれませんが、リフォーム業者に確認をすれば簡単な方法はわかることが多いです。
また、多少料金はかかりますが、よくわからない場合は第三者に任せてしまうというのも方法の1つです。
特定のリフォームでは減税されるのでしっかりと確認しよう
リフォーム全体を見てみると、税金の減税が受けられるものは少ないです。
しかし今回紹介させていただいたリフォームを含め、特定のリフォームをすれば税金が安くなります。
そういった知識があるのとないのとでは、トータルで見た際のリフォーム費用に大きな差が出てしまうため注意が必要です。
もちろん減税が受けられないリフォームの方が多いのですが、まずはお願いしようとしているリフォームについて調べてみましょう。
仮に減税ができるとなった場合はラッキーですので、より良いリフォームができるかもしれません。
業者に確認すれば、税金が安くなるかどうかもわかることが多いため、そういった知識を持った業者を探すことをおすすめいたします。