一戸建ての屋根や外壁は、定期的に塗装をすることで建物全体の耐久性を高めることができます。
逆に言えば、その定期的な塗装を怠ると屋根や外壁から劣化が始まり、それが建物全体の老朽化を早めることになるのです。
そのため外壁塗装、屋根の塗装は非常に重要なリフォームの1つとして考えられていますが、実はその塗装に利用される塗料の種類によって耐久性などが大きく異なります。
もちろん、耐用年数が長い塗料ほどグレードが高く価格も高いということになりますが、やはりできるだけ安くリフォームしたいと考える方が多いです。
安い塗料もありますが、耐用年数が短い分リフォームの頻度が高まるため、長い目で見ると高価な塗料の方が良いと考える方も少なくありません。
今回は、屋根や外壁の塗装に利用される塗料の種類の違いなどについて紹介させていただきます。
塗料の種類と価格の違い
屋根や外壁に利用される塗料には非常にたくさんの種類がありますが、一体どの塗料を利用するのが良いのでしょうか。
まずは、塗料の種類や特徴を見ていきましょう。
ここでは、一般的によく比較される
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- フッ素塗料
を紹介させていただきます。
アクリル塗料の特徴とメリット
アクリル塗料は、屋根の塗装や外壁の塗装で利用される塗料の中では、最もグレードの低い塗料になります。
例えば1回だけの塗装に利用するのであれば、低価格でリフォームしやすいものになりますが、長い目で見るとリフォームのトータルコストが高くなりがちです。
続いて、アクリル塗料のメリットについて見てきましょう。
アクリル塗料のメリットとしては、
- 種類が多い
- 重ね塗りが楽
- つやが出やすい
といった点が挙げられます。
種類が多い
最近は使われる機会が少なくなってきていますが、アクリル塗料は昔からよく利用されていた塗料になるため、現代でも様々な種類が存在します。
種類が多いため、ご自宅に最も合った機能や色を選ぶことができるというのは大きなメリットとなるでしょう。
重ね塗りが楽
屋根や外壁に密着しやすいという特徴を持っているため、短期間であっても上からの重ね塗りに適した塗料です。
塗装をする度にその色などを変えることができるため、頻繁に建物のデザインを変えたいというような方にはおすすめです。
つやが出やすい
他の塗料と比べても、アクリル塗料は発色が良いと言われています。
そのため、屋根や外壁を鮮やかな色に塗装したい場合は、はっきりとした色を出すことのできるアクリル塗料が良いでしょう。
アクリル塗料のデメリット
アクリル塗料のデメリットとしては、
- 劣化が早い
- ひび割れしやすい
- 塗り替えが大変なケースもある
といった点が挙げられます。
劣化が早い
他の塗料と比べると、やはりアクリル塗料は耐用年数が短く劣化が早い塗料になります。
数ある塗料の中でも最も価格が安い塗料になるため、ある程度は仕方のないことではありますが、塗装回数を減らしたいのであればもう少しグレードの高いものを選んだほうが良いでしょう。
ひび割れしやすい
アクリル塗料は塗膜が硬くなるという特徴を持っているため、例えば地震などが発生するとすぐにひび割れが起こる可能性もあります。
地震の少ない地域であればアクリル塗料を選ぶというのもよいかもしれませんが、反対に地震が多い場合はすぐにボロボロになることもあるため、あまりおすすめできません。
塗り替えが大変なケースもある
劣化して塗膜がはがれやすくなっているところに上からアクリル塗料を再度重ね塗りしたとしても、古い塗料が剥がれてしまうと新しい塗料も一緒に剥がれます。
そのため、一般的には古い塗膜をきれいにはがして洗浄を行ってから新しい塗料を塗ることになりますが、アクリル塗料は密着性が高いためその作業が大変です。
結果的にリフォームに時間がかかることもあるため、やはり長い目で見るとグレードの高い塗料を選んだほうが良い気もします。
アクリル塗料の耐用年数
アクリル塗料の耐用年数は、一般的に5年から7年程度だと言われています。
後述する長持ちする塗料の中には15年や20年といった耐用年数を誇るものもあるため、それらと比べると約3分の1の耐用年数しかないということになります。
外壁塗装や屋根塗装をする際には、毎回足場を設置して安全を確保してからリフォームが行われるため、それらも考えると最も割高になる可能性がある塗料ともいえるのです。
そのため、現在の外壁塗装や屋根の塗装には、アクリル塗料が使われることはほとんどなくなってきました。
例えば、業者によってはアクリルシリコン樹脂と呼ばれる塗料を扱っているところもありますが、これは後述するシリコン塗料のことになります。
ウレタン塗料の特徴とメリット
ウレタン塗料も、上述したアクリル塗料と同じく、近年は屋根の塗装や外壁塗装において使われることの少ない塗料になってきています。
しかし、ウレタン塗料特有のメリットもあることから、部分的に利用されることもあるため、一緒に紹介させていただきます。
それでは、ウレタン塗料にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ウレタン塗料のメリットとして、
- 弾性が高い
- お手入れが楽
- 密着性が高い
という点が挙げられます。
弾性が高い
ウレタン塗料は、他の塗料と比べると高い弾性を持ち柔らかいため、基本的には塗る場所を選ばず様々な場所に利用することができます。
伸縮性があるということは、実際に塗料を塗るのも楽ですし、塗装が完全に乾いた後の塗膜も柔らかいため、状況に応じて伸び縮みします。
例えば、先ほどのアクリル塗料は塗膜が硬くなるため地震でひび割れが発生しがちですが、ウレタン塗料は建物が動いてもひび割れしにくいはずです。
お手入れが楽
ウレタン塗料は表面が樹脂で覆われているため、一般的には塗料が汚れたとしても外壁そのものに傷がつきにくく、建物を外部の刺激から守ります。
そういったこともあり、定期的な外壁塗装や屋根の塗装までは、基本的には特に大掛かりなメンテナンスをせずとも建物をきれいなまま維持させることができるでしょう。
密着性が高い
先ほども述べましたが、ウレタン塗料は弾性が高く柔らかい塗料のため、他の塗料と比べると様々な素材に密着しやすい性質を持っています。
例えば、コンクリートなどでできている外壁はひび割れが起こりやすいため、ウレタン塗料を上から塗ってヒビ割れに対応させるというのも方法の1つです。
ウレタン塗料のデメリット
次にウレタン塗料のデメリットとして、
- 汚れやすい
- 変色しやすい
- 光沢が長続きしない
という点が挙げられます。
汚れやすい
柔らかいというメリットを持つウレタン塗料ですが、その分汚れが付着しやすくなっているため、何年も経つと実際の建物の築年数などよりも汚れて見える可能性が高いです。
最近は汚れの付きにくいウレタン塗料もありますが、その分価格も高くなるため、ウレタン塗料を選ぶ際には業者によく相談して適したものを選択するようにしましょう。
変色しやすい
屋根や外壁は、常に日光にさらされることになりますが、実はウレタン塗料は様々な塗料の中でも紫外線の影響を受けて変色しやすい性質を持っています。
もちろん日光以外にも、雨や湿度などの様々な気候の影響を受けるため一概には言えませんが、他の塗料よりも変色しやすいのは事実なので、定期的に外壁や屋根をチェックする必要があります。
光沢が長続きしない
様々な塗料と比べるとウレタン塗料は耐用年数が短いというだけではなく、光沢を維持し続ける年数も短いということがわかっています。
もちろん耐久性がまだ維持できているのであれば光沢など問題ないという方もいるかもしれませんが、屋根や外壁の輝きがすぐに失われるのが嫌だという方には向いていません。
ウレタン塗料の耐用年数
上述したアクリル塗料と比べると、ウレタン塗料は耐用年数の長い塗料と言えますが、様々な塗料と比較すると耐久性は低いと言えます。
具体的には、ウレタン塗料の耐用年数は6年から10年程度になるため、後述するシリコン塗料やフッ素塗料よりも長持ちさせることができません。
もちろん耐用年数が短い分、比較的価格も安くリフォームを依頼しやすいグレードではありますが、長い目で見るとグレードの高いものの方が良いのです。
しかし、定期的に塗装を行って建物のデザインを変えていきたいのであれば、ウレタン塗料を選んで頻繁に色などを変えるのもよいでしょう。
シリコン塗料の特徴とメリット
一般的な住宅でよく利用されている高価な塗料として挙げられるのが、こちらのシリコン塗料です。
ただし、シリコンにも様々なものがあり、シリコン樹脂の含有量でグレードが大きく変わるため、利用する前にはきちんと確認しなければなりません。
それでは、シリコン塗料にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
代表的なメリットとしては、
- 耐熱性が高い
- 塗膜が汚れない
- コスパが良い
このような点が挙げられます。
耐熱性が高い
他の塗料と比べると、シリコン塗料は高い耐熱性を持っており、最大で約600℃に耐えることができると言われています。
しかし、シリコンの中にも様々なものがあり、中には耐熱性の低い素材もあるため、塗装の前に耐熱性が高いかどうかチェックしましょう。
塗膜が汚れない
耐用年数が長いということは、それだけ塗装の間隔が長くても問題ないということになりますが、放置しておくと汚れやすいのではないかと考える方も多いです。
しかし、シリコン塗料は一般的に防汚性に優れており、後述するフッ素塗料と比べても汚れにくいという性質を持っています。
同様に、カビやコケの発生を防ぐ効果もあるため、様々な意味で耐久性に優れている素材です。
コスパが良い
確かにアクリル塗料やウレタン塗料と比べると高額な塗料になりますが、それでも耐用年数を考えるとシリコン塗料は最もバランスの良い塗料です。
更にグレードの高いフッ素塗料の方が耐用年数が上がりますが、価格のことを考えるとシリコン塗料が最もコストパフォーマンスが高い塗料と言えます。
シリコン塗料のデメリット
シリコン塗料のデメリットとしては、
- ひび割れしやすい
- 重ね塗りに向かない
- 種類によって性質が異なる
といった点が挙げられます。
ひび割れしやすい
塗装を行った直後は、基本的には塗膜も柔らかいため、壁や屋根の動きに柔軟に対応することができます。
しかし、数年が経過したら徐々に塗膜が硬くなっていくため、時間がたつにつれてひび割れしやすくなってしまいます。
もちろん多少の動きには対応しますが、大きな地震などが来るとひび割れしやすいため注意が必要です。
重ね塗りに向かない
上述したように、シリコン塗料は塗膜が徐々に硬くなっていくため、一般的には密着率が悪く、場合によってはしっかりと付着しないこともあります。
そのため、外壁や屋根に塗料をしっかりとくっつかせるためには、その素材に適した下塗りをすることが多いです。
つまり、塗装をする際にはそれなりの知識が必要になってくるため、独学ではなく信頼できるリフォーム業者に依頼することをおすすめいたします。
種類によって性質が異なる
シリコン塗料は現在主流となっている塗料になりますが、シリコンと言っても水性か油性か、1液型か2液型かなどによって性質が異なります。
例えば、最も耐久性が高いものが油性の2液型になりますが、業者の中には価格が最も安い水性1液型を利用するところもあります。
当然、水性1液型は耐久性や密着性が劣ってしまうため、同じシリコン塗料の中でもどんな種類を利用しているのかを確かめましょう。
同様に、シリコンの含有量によっても性能や耐久性が異なるため、シリコン塗料を選ぶ際には含有率も確認することをおすすめいたします。
塗料の性質については、後程詳しく紹介させていただきます。
シリコン塗料の耐用年数
シリコン塗料は、今回紹介する中では2番目に耐用年数が長く、一般的には8年から15年ほど持つと言われています。
外壁塗装や屋根の塗装は、範囲が広ければ広いほど高額になってしまうため、やはり少しでも長持ちしたほうが良いと考える方が多いです。
シリコン塗料は、長持ちする分1回当たりの塗装費用が高めですが、それでも現在最も主流となっている塗料であることは間違いありません。
条件が整えば15年間利用し続けることができるため、屋根や外壁を保護する塗料としては十分な長さを誇っている素材の1つです。
フッ素塗料の特徴とメリット
今回紹介する中では、最も耐用年数の高い塗料になりますが、やはりその分価格も高くなってしまいます。
それでは、フッ素塗料にはどのような特徴があるのでしょうか。
フッ素塗料には様々なメリットがありますが、その分デメリットも存在します。
まずはフッ素塗料のメリットとして、
- 耐熱性・耐候性に優れる
- 防水性・親水性が高い
- 光沢がある
という点が挙げられます。
耐熱性・耐候性に優れる
屋根や外壁は、基本的に常に日光にさらされ続けますが、直射日光が当たると熱を持ってはがれやすくなったり、表面が膨らんだりすることがあります。
しかし、フッ素塗料は高い耐熱性を誇るため、自然の熱に負けない塗膜を維持し続けます。
また、塗料がしっかりと壁に定着することから、紫外線だけではなく雨や風からも外壁や屋根を守ってくれます。
こういった特徴が、フッ素塗料の耐用年数の長さに直結しているのです。
防水性・親水性が高い
フッ素塗料は塗膜が柔軟なため、例え地震などが発生したとしても塗料がヒビ割れてしまうことが少なく、そのため外壁に雨水などが入り込むのを防ぎます。
同様に、親水性も高いため、表面に水分が付着したとしても水滴のような汚れが付きにくく、薄く広がっていきます。
例えば泥などが付着しても、雨が降ればきれいに流れることが多いため、防水性と親水性の高さが外壁や屋根を長期的にきれいに保ち続けるのです。
光沢がある
フッ素塗料を利用すると塗膜の表面がピカピカに仕上がるため、古い住宅に利用したとしても建物全体が新しく生まれ変わります。
しかし、逆に言えばフッ素塗料にはツヤなしタイプがないため、家をピカピカにしたくないという方には向いていないかもしれません。
フッ素塗料のツヤは、親水性を高めるために必要不可欠な特徴となるため、まずは具体的にどれくらいピカピカになるかを確かめてから判断しましょう。
フッ素塗料のデメリット
フッ素塗料のデメリットとしては、
- コストが割高
- 一般的な住宅では利用しにくい
- 業者によって出来が異なる
といった点が挙げられます。
コストが割高
価格を考えずに塗料を選ぶのであれば、フッ素塗料が間違いなくおすすめです。
しかし、もう1つ下のシリコン塗料と比べてもかなり割高になってしまうため、コストのことを考えるとシリコンの方が良いと考える方も多いです。
もちろん耐用年数が高いためコスパもよいと言えますが、それでも現在主流となっているのはシリコン塗料になります。
一般的な住宅では利用しにくい
上述したコストが高いということもあり、現段階では一般のご家庭の外壁塗装や屋根の塗装にフッ素塗料が利用されることは少ないです。
裏を返せば、フッ素塗料をうまく塗装できる業者が少ないという言い方もできます。
しかし、逆にフッ素塗料の認知度が上がり幅広く利用されるようになれば、その分コストも下がるはずなので、徐々に使用するご家庭が増える可能性も十分あります。
業者によって出来が異なる
他の塗料を利用した塗装にも言えることですが、フッ素塗料はその中でも特に様々な機能を兼ね揃えているため、塗装の仕方を間違えるとその効果を得られません。
いい加減な業者や経験のない業者を利用すると、フッ素塗料が普通の塗料とは変わらない塗料になってしまうこともあるのです。
フッ素塗料を利用する際には、経験値の高い信頼できる業者を見つけ、そこにきちんと塗装してもらうことをおすすめいたします。
フッ素塗料の耐用年数
フッ素塗料の耐用年数は、一般的に15年から20年程度と言われています。
上述したどの塗料よりも耐用年数が高いですし、アクリルやウレタンと比べると倍近い耐久性を誇るため、非常に信頼できる塗料だということがわかります。
例えば、環境によっては20年以上も余裕で持つようなケースもあるようなので、少しでも屋根の塗装や外壁塗装の間隔を長くしたいのであればフッ素塗料を選ぶのもよいでしょう。
しかし、やはり耐用年数が長い分、非常に高価な塗料になってしまうため、利用する際にはきちんと見積りを取るようにしましょう。
それぞれの塗料の種類のまとめ
4つの塗料を紹介してきましたが、わかりやすく価格や耐用年数、メリットとデメリットなどをまとめました。
塗料ごとの価格と耐用年数
1平米あたりの単価 | 耐用年数 | |
アクリル塗料 | 1000円~1600円 | 5年~7年 |
ウレタン塗料 | 1800円~2200円 | 6年~10年 |
シリコン塗料 | 2300円~3500円 | 8年~15年 |
フッ素塗料 | 3500円~4800円 | 15年~20年 |
やはりアクリル塗料が最も安く、その分耐用年数が短いということになります。
しかし、アクリル塗料を2回塗りなおすのであれば、シリコン塗料を1回塗ったほうがリフォームの手間も省けますし価格も安くなる可能性が高いです。
塗料を選ぶ際には、1回のリフォームでいくらかかるかということではなく、数十年スパンで総額いくら必要になりそうかを考えて選択することをおすすめいたします。
塗料のメリットとデメリットのまとめ
上述したメリットとデメリットをわかりやすくコンパクトにしました。
メリット | デメリット | |
アクリル塗料 |
・種類が多い |
・劣化が早い |
ウレタン塗料 |
・弾性が高い |
・汚れやすい |
シリコン塗料 |
・耐熱性が高い |
・ひび割れしやすい |
フッ素塗料 |
・耐熱性・耐候性に優れる |
・コストが割高 |
安い塗料にもメリットがありますし、反対に高価な塗料にもデメリットがあります。
耐用年数や価格だけではなく、それぞれのメリットとデメリットも考慮して利用する塗料を決めるようにしましょう。
塗料の種類と性質
上述した塗料ですが、一般的には
- 合成樹脂
- 顔料
- 添加剤
の3つの成分を組み合わせて作られたもののことを指します。
種類 | 性質 |
合成樹脂 | 上述した、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などのこと |
顔料 | 塗料の色やツヤ具合などを決める |
添加剤 | 塗膜に特別な機能などを持たせるために使用される |
例えば、上記をみるとアクリル塗料は安く、フッ素塗料は高価で長持ちするということがわかりますが、これはいわゆる合成樹脂の違いによるものです。
メインとなる合成樹脂に、顔料や添加剤を加えることで、住宅の屋根や外壁に利用できる塗料になるのです。
塗料の重要な成分とは?
先ほども少し述べましたが、例えば同じシリコン塗料の中にも、油性と水性のものがあり、更にそれぞれにそれぞれに1液型と2液型が存在します。
油性と水性
簡単に言えば、水性というのは水のこと、そして油性とはシンナーなどのことになります。
これは、塗料の希釈剤に何を利用するかということの違いですが、この希釈剤の違いによって耐用年数に大きな違いが出ることがあります。
具体的には、やはり水性に比べると油性の方が耐用年数が高くなるため、利用するのであれば油性のものをおすすめいたします。
1液型と2液型
これはそれぞれの塗料のタイプを示すものになり、1液型は保存してある入れ物のふたを開ければそのまま塗料として建物に塗ることができます。
一方の2液型は、その塗料に硬化剤などを混ぜなければ利用することができません。
一般的には、1液型と比べると2液型の方が耐久性が高いですが、例えば同じシリコン塗料でも2液型の方が価格が高くなります。
塗料の耐用年数に対する間違った認識
最後に屋根を塗装する際に勘違いしがちな点を2つ紹介させていただきます。
- 実際の家でテストするわけではない
- 耐用年数まで絶対に持つとは限らない
この2点は塗料を選ぶ際に誤解されがちですが、実はそうではないということを覚えておきましょう。
実際の家でテストするわけではない
塗料ごとで耐用年数が異なるということはすでに上述していますが、それらの耐用年数は実際にその年月を経て確認されたというわけではありません。
実際に、その塗料が塗られた場所によって耐用年数は大きく異なりますし、環境によって左右される部分も大きいです。
例えば、
- 塗料を塗る素材
- 雨の多さ
- 太陽の光のあたり具合
などの外的要因によって実際の耐用年数が大きく変わってきます。
そのため、実在する家に塗料を塗って時が経過するのを待つということはせず、専用の機材を利用して塗料に負荷をかけ、その耐久テストで導き出された年数が大まかな耐用年数となります。
耐用年数まで絶対に持つとは限らない
塗料ごとに異なる耐用年数を持っていますが、例えば耐用年数が10年の塗料は、10年間完全に劣化せずに利用できるというわけではありません。
もちろん、その塗料が置かれている環境によっては、ひょっとしたら10年以上長持ちするようなこともあるかもしれません。
しかし、一般的にはその逆で、耐用年数が10年と言われている塗料であっても10年間持つようなことは珍しいのです。
実際に、塗装を施したその日から塗料の劣化は少しずつ進んでいくことになります。
そして、耐用年数が10年と言われている塗料は、10年が耐久できるギリギリの年数ということになるため、勘違いしないようにしましょう。
そのため、一般的には耐用年数が10年の塗料を利用した場合、10年経たないうちに再度新しい塗料を塗りなおすのが良いとされています。
耐用年数やメリット・デメリットをよく比較して選ぶ
今回紹介した4種類の塗料の他にも、もちろん様々な塗料が存在しますし、その塗料ごとに異なる特徴を持っています。
塗料を選ぶ大きな基準となるのは、やはり価格であることが多いですが、その他にも耐用年数やメリットやデメリットをよく比較して選ぶことをおすすめいたします。
例えば、中古物件を売却するために塗装をするのであれば、最も安いアクリル塗料を利用するのもよいかもしれません。
しかし、長期的にその物件に住み続けるのであれば、長い目で見てグレードの高い塗料を利用したほうが良い可能性が高いです。
また、それぞれの塗料にも複数の種類があるため、業者とよく話し合ってご自宅に最も合う塗料を選んでいきましょう。