現在の住まいが使いにくい、もしくは生活の質を高めたいなどの理由で、ご自宅のリフォームをするという方が多いです。
しかし実際にリフォームをしてみると
思っていたのと違う
こんなはずではなかった
と後悔する方も少なくありません。
もちろんリフォームをすることでより住みやすくなったという方の方が多いと思いますが、中には失敗も存在します。
これから住宅のリフォームを考えている方の中には、具体的にどのような失敗があるのか知りたいという方もいるでしょう。
そこでこの記事では、住まいのリフォームの中でも人気の場所である
- キッチン
- リビング
- 寝室
- バスルーム
のよくある失敗例を紹介させていただきます。
ひょっとしたらこれからお願いしようと考えているリフォームが含まれている可能性もあるため、参考にしていただければと思います。
目次
キッチンのリフォームでよくある3つの失敗事例
使いやすいキッチンに憧れて、様々なリフォームを施すというご家庭も多いです。
しかし、キッチンは調理をする場所になるため、見た目だけではなく使い勝手を第一に考える必要があります。
キッチンリフォームの代表的な失敗例を見ていきましょう。
調理スペースを大きくしたら洗い物がしにくくなった
よくある失敗の1つとして、キッチンのスペースの使い方を間違えるというものが挙げられます。
当たり前のことですが、キッチンスペースは限られているため、どこかを広く取ってしまうとどこかが狭くなってしまいます。
具体的には、調理をするには
- 調理スペース
- シンク
- コンロ
などが必要ですが、例えばシンクを大きくしてしまうと、その分コンロや調理スペースのためのスペースは狭くとらなければなりません。
快適に洗いものをするためには最低限の広さのシンクは不可欠ですが、あまりにも広くしすぎると包丁で具材を切るスペースがなくなります。
その逆もあり得るため、それぞれのスペースはご自身が調理をする姿を想像してバランスよく設置することが大切です。
床の素材を間違えて床がヌルヌルに
キッチンをリフォームする際には、床材にも気を付けたいものです。
水回りになるため、調理をしていると必ず水がはねて床が濡れてしまいますし、油料理をすると目に見えない細かい油が床に付着します。
例えばタイルをはじめとする床材は、水に濡れることで、もしくは油が付着することで非常に滑りやすくなります。
手で包丁を持っている状態で足元がつるつるしていると非常に危険ですし、調理の効率も落ちてしまう可能性が高いです。
例えば、すべりやすい素材であったとしても、カーペットやマットなどを引いて対策を取るというのも方法の1つですが、
できれば、どうせリフォームをするのであれば初めから滑りにくい床材を選択したいですよね?
キッチンの床材でおすすめなのは、
- 水汚れに強い
- 水分を吸収しない
- 滑りにくい
- 耐久性がある
といった特性を持つものです。
もちろんタイルを採用するご家庭も多いですが、クッションフロアをはじめキッチンにおすすめの素材も多いです。
デザイン性や使い勝手など、それぞれのメリットやデメリットを比較して最善のものを選択しましょう。
収納や冷蔵庫の位置関係が悪く調理効率が悪い
キッチン全体のレイアウトは、リフォームをする前にきちんと考えるという方がほとんどです。
しかし、いざ工事が完了して実際に料理をしてみると、リフォーム前の方が使い勝手が良かったと感じる方もいます。
確かに、新しいキッチンよりも、古い使いなれたキッチンの方が良いと感じることもあるかもしれません。
しかしリフォームをするのであれば、やはり以前よりも使いやすいキッチンになった方が良いに決まっています。
使いやすいものにするためにも、調理台と冷蔵庫、それからパントリー等の収納を設置する場合は、調理をする時のことを考えて場所を決めましょう。
料理の癖は人によって異なるため一概には言えませんが、実際に料理をするイメージをするとうまくいきやすいです。
キッチンは毎日調理をする場所なのでできるだけ奥さんの意見は取り入れるようにしましょう。またキッチンのリフォームに関してはこちらの記事「キッチンのリフォームにかかる費用相場と工事する際の3つのポイント」も参考にしてみてください。
リビングのリフォームでよくある3つの失敗事例
家族でくつろぐために、もしくは大切なお客様を招き入れるために欠かせないスペースがリビングです。
リビングもレイアウトなどによって使い勝手が大きく変わってきますが、流行りの間取りなども存在します。
しかし、ご家庭によっては流行りを取り入れてもかえって使いにくいと感じることがあるため注意が必要です。
オシャレだと思ったリビング階段が使いにくい
リビング階段とは、今まではリビングの外にあった2階につながる階段を、リビンの中に設置してしまうという間取り。
戸建ての間取りでも人気がある間取りの1つです。
⇒一戸建てに人気の間取りランキング!後悔・失敗しない5つのポイント
例えばお子様が2階の自室に行くには必ずリビングを通らなければならないため、家族のコミュニケーションが増えるなどのメリットがあります。
しかし、このリビング階段を取り入れるには、基本的にはリビングに十分な面積が必要になってきます。
狭いリビングに無理やり階段を入れてしまうと、リビング全体が狭く圧迫感ができてしまうため、居心地が悪くなるのです。
本来ならば家族でゆっくりとするためのリビングの居心地が悪いとなると、かえってコミュニケーションが減ってしまうリスクがあります。
そのため、敷地面積や設置するリビング階段のタイプを考えながら設置を検討するようにしましょう。
採光のための窓も場所によっては使い勝手が悪い
リビング階段とともに人気のリビングリフォームとして、大きな窓を設置するというものが挙げられます。
⇒窓をリフォームする際の費用相場と実際に工事する際の3つの注意点
窓を大きくすることによってリビングにより大量の光が差し込むようになるため、リラックス空間が明るくなり、
また、リビングから外を見る際にも、より広い景色が目の前に広がることになるため、空間が広く感じるため人気があるのです。
しかし、リビングに窓を取り付ける際には、
- 設置の方角
- 窓の外の景色
に気を付ける必要があります。
例えば南側に大きな窓を設置すると、明るくなるのは間違いないですが、日が差し込みすぎて室内の気温が上昇します。
この場合は窓を断熱仕様にすることで対応可能ですが、外の景色まで変えることはできません。
大通りに面しているような場合は外からもリビングが丸見えですし、設置場所によってはトラブルになることもあるため注意が必要です。
ダイニングとリビングを区切ったら光が入らなくなった
これはリビングに限定したことではありませんが、リフォームで部屋を仕切ろうと考えている方は光の入り方にも目を向けることをおすすめします。
例えば窓が1方面しかない部屋で部屋を仕切ってしまうと、必然的に窓のある部屋と窓のない部屋が出来てしまうのです。
実際に、これまでは一続きの部屋で大きな窓があったため奥まで明るかったという部屋も、仕切り方を間違えると暗くなります。
同様に、仕切った双方の部屋に窓があったとしても、方角や日の差し込み方によっては薄暗くなってしまうことがあります。
部屋を分ける際には、同様に部屋への日の入り方を考え、どうしようもない場合は窓の取り付けも考えてみましょう。
リビングは家族が1番長く時間を過ごす空間です。よく考えてリフォームすることをおすすめします。リビングのリフォームに関してはこちらの記事「リビングのリフォームにかかる費用相場と工期。注意したい3つのポイント」も参考にしてみてください。
寝室のリフォームでよくある3つの失敗事例
人生の3分の1は寝室で過ごすと言われることもありますので、寝室の睡眠環境は非常に大切になってきます。
リフォームで良い寝室が出来上がれば睡眠の質の向上によって健康状態も良くなりますが、その逆もまた然りです。
それでは、寝室リフォームの失敗例を見ていきましょう。
窓の位置を間違えて不快なベッドルームに
リビングをはじめとする他の部屋での窓の役割の1つとして、たくさんの光を取り入れて室内を明るくするというものが挙げられます。
しかし、寝室は眠るための場所なので、光がたくさん入るようでは落ち着いて睡眠をとることができません。
例えば、東に窓を設置すると、場合によっては朝日がダイレクトに差し込むため日の出とともに目が覚めてしまいます。
逆に、西側に窓を設置すると夕日が差し込むことにより夕方から部屋の温度が上昇するため、睡眠時には室内が暑くなります。
早朝に起きるのであれば東に設置すればよいですし、エアコンなどで調節するから気にしないという方は西側に設置するのも良いでしょう。
要するに、その寝室を利用する方のライフスタイルに合わせて窓の方角や大きさを考える必要があるということです。
間取り上、窓の設置個所が限定される場合は、遮光カーテンや遮熱窓などの別の対策も取っておくとよいでしょう。
隣の部屋の音がうるさくて落ち着かない
寝室を設置する場合は、同時にその隣に位置する部屋の環境なども考慮する必要があります。
例えば、リビングの真横に寝室を持ってきた場合、家族の誰かがリビングでテレビを見たり話をしたりする声が聞こえてきます。
同様に、キッチンの横にリビングがある場合、冷蔵庫をはじめとする様々な家電の音が気になってしまうこともあるでしょう。
そういったものが気にならないというのであれば、寝室の設置場所はどこにしてもかまわないかもしれません。
しかし、特に神経質な方や夫婦で生活時間が異なるご家庭、家族の人数が多いようなご家庭は、部屋の場所にもこだわった方がいいでしょう。
ベッドの位置を考えないと使いづらくなる
夫婦の中には、1つの大きなベッドをお二人で共有して使用するというご家庭も少なくありません。
しかし、その場合はベッドの位置に気を付けなければ入眠の際に毎回気を使わなければならなくなる可能性があります。
例えば、壁側にベッドをくっつけて、壁とは逆側に1名が寝ている場合、もう1名はその寝ている方をまたいで逆側に行かなければなりません。
実際に、既に寝ている方は目を覚ましてしまう可能性がありますし、これから寝ようとする方も寝ている方に気を使うことになります。
大きなベッドを設置する場合は、その両側に人が通れるスペースを作ることで双方がスムーズに睡眠に入ることができるでしょう。
スペース的に難しいのであれば、小さなベッドを2つ離して設置することによって、お互いに気を使う必要がなくなります。
寝室のリフォームで1番大切なことはいかにゆっくり睡眠できるかです。少しでも音が気になったりする方は少し費用はかかりますが、防音対策をするのもおすすです。「防音リフォームの主な種類と方法。それぞれに掛かる費用の相場」
バスルーム(お風呂)のリフォームでよくある3つの失敗事例
お風呂は1日の疲れを取り除くために不可欠な場所ですが、より快適なバスライフを送るためにリフォームをする方も多いです。
リラックス空間なだけに見た目にもこだわりたいという方も多いですが、使い勝手が悪ければ意味がありません。
リフォームで失敗をしないためにも、以下のことに気を付けてみましょう。
窓を大きくすると浴室内が寒くなる
例えば、住宅のカタログなどを見ていると、浴室に大きな窓がつけられていることも多いです。
それに憧れて、ご自宅のバスルームをリフォームする際に、同じような大きな窓を設置して後悔する方もいらっしゃいます。
外から内側が見えないのであれば、窓を大きくすることで外の景色を楽しむことができるのかもしれません。
しかし、一般的にバスタブに入って足を延ばすと、窓は遥か上に設置されているため、せっかくの景色も見ることはできないでしょう。
それだけではなく、冬場になると寒気が窓をつたって入ってくるため、浴室内が一向に温まらないというデメリットもあります。
そのため、例えば窓を下の方に設置して断熱性を高め、浴室乾燥機などを利用するというのも方法もあります。
ただ、やはり浴室内の大きな窓はデメリットも多いため、本当に設置するべきかをもう一度よく考えましょう。
不要な設備が多い
リフォームをする際には、バスルーム内に最新の設備を色々と設置したいと考える方も少なくありません。
浴室テレビやジャグジー、乾燥機など、現代ではお風呂でも様々な電化製品を設置することが可能です。
それと同時に、シャンプーなどを置くための収納棚を複数取り付けてみたりと、機能性を重視した浴室にすることもできます。
しかし、それらの機能は本当に使うものなのでしょうか。
もちろんないよりはあったほうが良いと考える方も多いかもしれませんが、浴室は湿気が多いためメンテナンスが大変です。
平面の壁と比べると、デコボコした収納棚のお手入れには手間がかかるため、不要なのであれば最初から取りつけない方が良いです。
実際に、様々な設備を設置したにもかかわらず全く使わないものがあるというご家庭も多いため、設置前にきちんと検討しましょう。
お風呂は広ければよいというわけではない
銭湯や温泉に行くと、広々としていて気持ちが良いと感じる方が多いのではないでしょうか。
銭湯までとはいかないまでも、ご自宅のお風呂場も広めに設計するというようなご家庭も多いようです。
しかし、大人数で利用する銭湯ではなく基本的には1人で使うご自宅のバスルームなので、広すぎるのも問題です。
もちろん広い方が気持ちが良いというのはあるかもしれませんが、広ければ広いほど洗い場が温まりませんし掃除も大変です。
例えば、将来的に介護が必要になるからその分のスペースを確保しておく、というのであれば話は変わってきます。
しかし、単純に広くしたいというだけなのであれば、本当に必要な広さなのかをよく考えて設置するようにしましょう。
ちなみに、どうせ広くするのであれば、浴室内よりもその横の脱衣所を広めに取ることをおすすめいたします。
着替えも快適ですし様々なものを収納できるため、バスライフがさらに快適なものになるでしょう。
今までたくさんの浴室やお風呂のリフォームを見てきましたが、本当に余計なものいらないと感じます。本当に必要かどうかを確認するようにしましょう。お風呂のリフォームなどについてはこちらの記事「お風呂や浴室のドアをリフォームする際のポイントと種類別の価格相場」も参考にしてみてください。
リフォーム工事全般の失敗
ご自宅のリフォームといっても様々なものがありますが、部分的な失敗ではなく、リフォーム自体が失敗だったということも多いです。
その理由として
- 思ったよりもリフォームの代金が高くなってしまった
- 業者に騙された
といったものがあります。
最後に、リフォームで後悔しないためにもリフォーム工事全体における代表的な失敗を紹介していきます。
工事代金が予算を上回ってしまった
意外と多いのが、最初に計算していた金額よりも実際のリフォーム工事の金額が高くなってしまったタイプの失敗です。
数万円程度であれば仕方がないと割り切れるかもしれませんが、上回った額が数十万となると笑い話では済みません。
お金のことで悩まないようにするためには、最初にはっきりと予算を出して絶対にその額を上回らせないという意志が必要です。
グレードアップで工事金額も高くなる
リフォームの話を進めていく過程で、部分的なグレードアップの話や、別の設備の取り付けの話などが出てくることも多いです。
グレードアップをすると、当然工事金額もアップすることになりますし、新たな設備を追加すると余分な費用がかかります。
多少高くなっても問題ないのであれば、そういった話に耳を傾けるのも方法の1つです。
しかし、どれくらい高くなるのかもきちんと確認する必要がありますし、あまりにも高くなるのであれば諦めるのも重要です。
予想外の工事が発生するケースも
単なるリフォーム工事をお願いするはずだったのに、そのリフォームをするために他の工事が必要になるというケースがあります。
その中でも避けられないのが、建物の構造部分やリフォームをする部分が傷んでおり、取り換えや補修が必要だというタイプのものです。
例えばバスルームをリフォームする際には基礎の部分まで目を通すことも多いですが、床の部分が腐っていた場合はそれを放置できません。
その腐った部分を取り換えたりきれいにしたりする工事が別で必要になってくるため、その費用は避けることができないのです。
もちろん今後も安全に暮らしていくためには不可欠なものですが、思わぬ出費に頭を抱える方もいらっしゃいます。
リフォームでの支出を減らすには、普段から定期的に住宅をメンテナンスし、予想外の補修費用を防ぐ必要があります。
選んだ業者が信用できない
リフォームをお願いする業者との間で、何らかのトラブルを抱えてしまうというご家庭も存在します。
リフォームを専門に行う業者は全国にたくさんありますが、その全てが安心して利用できる優良業者だとは言えません。
もちろんほとんどは問題のない業者ですが、その陰で悪徳業者が不法行為を働くことがあります。
例えば
- 高額な費用の請求
- アフターサービスなしの手抜き工事
- 料金をもらった工事の途中放棄
などなど、悪徳業者の手口は様々ですが、初めの業者選びに気を付けなければ嫌な思いをすることになります。
もちろん中には普通のリフォーム業者に対して、信用できないなどの感情を抱く方もいらっしゃいます。
元々リフォーム業者など信頼できないと考えている方もいるため、そのような方は業者の探し方にも注意しましょう。
例えば優良業者が多い一括見積サービスなどを利用すれば、信頼できる業者に出会える可能性が高まるためおすすめです。
特に失敗したというのが多いのがリフォーム業者があまりよくなかったという事例です。特にリフォームの素人の方はカモにされやすいのでリフォーム業者選びには十分に注意するようにしましょう。業者選びについてはこちらの記事「リフォーム業者の選び方!安心してお願いできる業者の種類とポイント」で詳しく解説しております。
まとめ:確実に失敗しないことはないが後悔を減らすことはできる
住宅をリフォームすることによって、通常はその場所の見た目が良くなり、使い勝手も向上します。
しかし、事前にきちんと考えてからリフォームをお願いしないと、工事後に後悔してしまう方もいらっしゃいます。
今回は代表的な失敗例を紹介させていただきましたが、もちろん細かな失敗や後悔の事例は無数に存在します。
リフォームで失敗したと感じないためには、やはり最初の業者選びも重要になってきます。
良い業者に当たれば気持ちよくリフォームをお願いすることができますし、きちんと話し合えるため納得した上で工事ができるでしょう。
そのため、時間があるのであればリフォーム工事をお願いする業者はじっくりと行うことをおすすめいたします。