エクステリアを設置する際には、やみくもに建てるのではなく、デザインや設置場所なども考えて造る必要があります。

もちろんそんなことはわかっているという方もいらっしゃるかもしれませんが、特に、違う時期にエクステリアを少しずつ増やす場合は、他のエクステリアとの調和を忘れがちです。

全てのエクステリアを一緒の時期に設置すればバランスの良い外構になることが多いですが、違うタイミングで設置する際にはどうしてもデザインがまとまりにくいです。

最終的にどのような外構を目指したいのかというイメージを持ち、それを目指して設置するのが望ましいといえるでしょう。

しかし、やはりデザインのことなどは苦手だという方も少なくないのではないでしょうか。

今回は、エクステリアの調和について紹介していきます。

エクステリア設置のポイント

一口にエクステリアといっても、実に様々なタイプがありますし、人によって好みのタイプは異なります。

まずは、エクステリアを設置する上で考慮すべきポイントを見ていきましょう。

エクステリアのスタイルを考える

エクステリアは、大きくオープン外構とクローズ外構に分けることができます。

また、その中間に位置するセミオープン外構(セミクローズ外構)の人気も高まってきています。

ご自身や家族の生活スタイルに合わせて、利用するエクステリアのタイプを決めましょう。

オープン外構について

欧米で好まれる外構スタイルになり、基本的には開放的な作りのエクステリアになります。

具体的には、門扉や塀、フェンスなどを設けず、道路からは建物が丸見えの状態になっています。

外から敷地内には簡単に入ることができますが、例えば空き巣が建物に侵入するところも周りに丸見えですので、意外と防犯性が高いスタイルだと考えられています。

開放的なオープン外構の特徴と気になるメリット・デメリットについて

クローズ外構について

オープン外構とは大きく異なり、敷地の周りをブロック塀やフェンスなどで囲むタイプのエクステリアです。

ひと昔前の日本ではこのクローズ外構が一般的だったので、ブロック塀を利用している家は今でも少なくありません。

プライバシーがしっかりと保護されるというのが、クローズ外構の最大のメリットと言えます。

クローズ外構のメリット・デメリット。設置する際のポイントや注意点

セミオープン外構(セミクローズ外構)について

オープン外構とクローズ外構の間に位置する造りのエクステリアになり、敷地の一部にブロック塀を利用したり、植え込みなどを利用して建物の一部を隠したりします。

建物を完全に覆うわけではありませんが、プライバシーをある程度保護することができる上に、適度な解放感も得ることができます。

現代の日本のエクステリアに多いタイプが、このセミオープン外構(セミクローズ外構)になります。

エクステリアの色について

建物と様々なエクステリアをバラバラに設置する場合は、まずはこの色を統一したりバランスよい配色にしたりといった気遣いが重要になってきます。

色に関するセンスは人によって異なりますが、やはり全てのエクステリアの色がバラバラでは統一感がありませんし、建物と全くマッチしないような配色にしてしまうとエクステリアが浮いてしまいます。

色の組み合わせがよくわからないという方は、同系色の色を利用してみたり、エクステリア業者に相談してみるとよいでしょう。

エクステリアのバランスについて

敷地の面積にも関係してくることですが、例えばスペースがそんなにないにもかかわらず、様々なエクステリアで埋め尽くしてしまうと、逆に使いにくい庭が出来上がってしまいます。

もちろん必要なエクステリアは設置すべきですが、機能性ばかりを求めるとエクステリアが増えすぎてしまうこともあるため、ある程度は見た目や配置にも考慮すべきです。

実際に家族が庭で何らかのアクティビティーをすることをイメージしながら設計すると、無駄なエクステリアを排除することができるでしょう。

管理のしやすさも重要

例えば自然が好きな方の中には、家庭菜園を取り入れたり様々な植物を植えたりしたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、自然が好きだからと言って日々の水やりが好きだというわけではないため、最初は綺麗に整備されていた草木もメンテナンス不足によってめちゃくちゃになってしまうことがあります。

家族の中に積極的に庭の手入れをするという方がいらっしゃるのであれば問題ないですが、家族の状況に合わせて管理しやすいエクステリアを導入することをおすすめいたします。

エクステリアのカラーを考えよう

エクステリアを設置する際には、やはり第一に機能性を考えるという方が多いのではないでしょうか。

しかし、その他にも見なければならない点は多く、その中でも外構の色遣いについて考えるのは非常に大切です。

エクステリアの配色は重要なポイント

お客さんや友人を自宅に招き入れる際、最初に目に入るのはエクステリアになります。

つまり、最初に見るエクステリアによって、その家の第一印象が決まってしまうということになります。

色使いがめちゃくちゃな外構の場合はあまりいい印象を持たないかもしれませんし、反対にオシャレな色遣いのエクステリアを設置することができれば気分もよくなります。

もちろん色の好き好きは人によって異なりますので、ご家族の個性に合わせたオリジナルの色遣いを作り出すのもよいでしょう。

色に対する考え方

インテリアのコーディネートをしたことがあるという方もいらっしゃると思いますが、その際には3つの配色が重要だと言われることが多いです。

具体的には、基調となるベースカラー、そのベースカラーを補完する役割を果たすサブカラー、それからワンポイントとして全体のカラーを際立たせるためのアクセントカラーの3つになります。

エクステリアのカラーコーディネートもこれと全く同じことが言えるため、この3つの色合いを考えながら外構を作っていくようにしましょう。

ベースカラーはエクステリア全体の7割程度を占める色となり、サブカラーは2割強を占めることになります。

そして、残りの数パーセントにアクセントカラーを持ってくるのが理想の色使いと考えられています。

家族に合わせた配色を

白を基調としたエクステリアを導入するご家庭もあれば、ベージュを利用するご家庭もあります。

家族のカラーはその家族ごとに異なりますので、黒が好きだという方もいらっしゃればピンクがいいという方もいらっしゃるはずです。

例えば、ベージュを基調とする場合は、サブカラーとして茶色を用いればエクステリア全体に統一感が生まれます。

更に、アクセントカラーとしてピンクやブルーなどを取り入れれば、全体の色調にメリハリが出るはずです。

カラーバリエーションは豊富ですので、業者と相談しつつどのような色にするかご家族で決めていきましょう。

周囲との調和も考慮に入れるべき

エクステリアをリフォームする際には、エクステリアのカラーばかりを見る方もいらっしゃいます。

しかし、当然家族が住む建物ありきの外構ですし、周りにもたくさんの建物が建てられているはずですので、そういったものとの調和も考えて色を決めていくようにしましょう。

建物との調和について

新築で住居を建てる際に、一緒にエクステリアも設置するというご家庭も多いのではないかと思います。

しかし、予算などの関係でエクステリアは新居での生活が落ち着いてから徐々に設置していく、というご家庭も少なくありません。

その際には、まずはメインとなる建物の色の存在を考えつつ、エクステリアのカラーを作っていくことになります。

建物の色を活かすためにバランスの良い色遣いにすることも多いですし、反対に建物とエクステリアの色を正反対にすることもあります。

例えば建物がブラックの場合は、シックにブラウンなどを取り入れるのもよいですし、あえてエクステリアを白で統一するというのもよいかもしれません。

街並みとエクステリアを調和させる

エクステリアを設置する際には、メインとなる住居との色合いが最も大切ですが、周りの建物とのバランスを考える必要もあります。

例えば敷地が樹木で囲まれている場合と、建物で囲まれている場合とでは、自宅の雰囲気が全く異なるのではないかと思います。

街並みを観察し、その周囲に溶け込むような色合いを用いることができれば、自然な美しさを演出することができます。

もちろん、あえて周りの色合いと違ったカラーを利用するというのも方法の1つですが、やはりその街に住む一員として街の景観も考慮したいものです。

ワンポイントとなるエクステリアも取り入れよう

エクステリアの色遣いを考える際には、アクセントカラーとなるアイテムを用意するとメリハリが出ます。

そのアクセントカラーとして利用できるエクステリアは、やはり小さなものが良いでしょう。

ポストカラーについて

例えば外構が全てベージュ系で統一されている場合は、赤やピンクのポストを利用してアクセントとして活かすのもよいでしょう。

ポストは様々なエクステリアの中でも、気軽に取り外しできたり個人で取り付けたりすることができるため、例え色合いが気に入らなかったとしてもすぐに取り換えることが可能です。

もちろん高額なポストも存在しますが、安いモノであれば頻繁に取り換えても気にならないはずです。

他のエクステリアの色を際立たせるためにも、ポストの色に注目してみるとよいでしょう。

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立水栓の色について

立水栓はポストとは違い簡単に取り外せるようなエクステリアではありませんが、庭の目立つ場所に設置してエクステリア全体のワンポイントとしての役割を果たすことができる外構の1つです

最近はオシャレな立水栓も多いですし、もちろんカラーバリエーションも豊富ですので、色合いを考えてどのような立水栓が良いかを判断するとよいでしょう。

アクセントカラーとして利用するのであれば、建物や他のエクステリアとは違った色を選ぶのが普通ですが、例えば完全に和風のエクステリアに洋風の立水栓は似合いませんので、そういったことも考える必要があります。

水道の工事等が絡んでくるため、立水栓を新たに設置する場合はデザインも含めてエクステリア業者に依頼するとよいでしょう。

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照明について

暗闇を照らすライトは直接的なエクステリアではありませんが、昼間とは異なる家の顔を映し出す重要な役割を果たします。

どんなに美しいエクステリアであったとしても、照明のあたり具合で見栄えが悪くなることもあれば、美しさがさらに増すこともあります。

夜間のライトはそんなに必要ないと考える方もいらっしゃいますが、やはり真っ暗ではせっかくのエクステリアが台無しです。

外構の色遣いとともに、照明の明るさや設置場所、角度なども考えてみましょう。

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最後に

適当にエクステリアを設置したとしても、結果的に色などの統一感が生まれて美しい庭を造りだすということもあるかもしれません。

しかし、やはり最初からきちんと計画して外構工事を行った方が、オシャレで使い勝手の良い庭を造りやすいのではないかと思います。

見た目にはこだわらないという方もいらっしゃるでしょうが、家族だけではなく隣人や通行人の目にもエクステリアは映ることになります。

見る方すべてが幸せな気持ちになれるようなエクステリアにするために、色遣いや配置などに気を配ってみるのも面白いのではないでしょうか。