庭で何らかの活動をすることがないという方であれば、特にエクステリアに水道が必要だとは思わないかもしれません。

しかし、ガーデニングをする方には必ず水が必要になってきますし、庭先で車を洗ったりする方にも水は必要です。

全く使わないというご家庭もあれば、頻繁に水を使う可能性があるというご家庭もあるため、エクステリアに水道を取り付けるかどうかはそのご家庭の状況によって大きく変わってくるでしょう。

エクステリアの水道は、大きく2つに分けることができます。

今回はその2つの水道のメリットとデメリットを比較し、水道を取り付ける場所などについても紹介していきます。

エクステリアの水道の使い道

エクステリアで水をよく使うご家庭は、一体どのような用途に水が必要なのでしょうか。

最初に、エクステリアに水道を取り付ける目的を紹介していきます。

エクステリアの掃除

もちろん水を使わなければ掃除できないということもないのかもしれませんが、例えばエクステリアがタイルやコンクリートでできている場合は、庭の水道から勢いよく水をかけることによって一気に綺麗になります。

また、ウッドデッキを掃除したりアプローチまわり、玄関まわりのタイルなども水を使うことによって効率的に掃除を済ませることが可能です。

ほうきで砂やホコリなどを取り除くという掃除もよいかもしれませんが、水をかけて汚れを取ったほうが見た目も美しくなりますし、気分がいいものです。

実際に、大掃除の時などには外構掃除にも水を使うことが多いため、逆に水道がなければ作業がかなり面倒になってしまいます。

洗車

エクステリアを綺麗にする分には、100歩譲って絶対に水がなければ掃除ができないというわけではないかもしれません。

しかし、大切な車やバイクなどを洗う際には、エクステリアに水道が必要になってきます。

屋内から大量の水を持ってきて少しずつ洗車することもできないことはないかもしれませんが、家の外に水道を取り付けてホースで直接洗った方が明らかに楽です。

自宅に車やバイクがないというご家庭や、民間の洗車サービスを利用するというご家庭には関係ないことかもしれませんが、ご自身で洗車したい方はエクステリアに水道を付けることをおすすめいたします。

ガーデニング

庭にたくさんの木や花を植えているというご家庭もあるでしょうし、エクステリアに芝生を導入したというご家庭もあるはずです。

雨の多い季節には、それらの植物に水やりは不要かもしれませんが、定期的に水をあげないとダメになってしまう植物も存在します。

植物の量が少ないのであれば、家の中でじょうろに水を入れて水やりをすれば事足りますが、植物の量が多かったり大規模なガーデニングをしたいというご家庭であれば、やはりエクステリアに水道を取り付けたほうが良いでしょう。

植物のすぐ横に水があれば、日々の水やりを面倒だと感じることもなくなるはずです。

水道を取り付ける場所について

それでは、水道はどこに取り付けるのが最も良いのでしょうか。

もちろんスペースや費用に余裕があるのであれば、複数個所に取り付けるというのも方法の1つです。

今回は代表的な取り付け場所や、その利点などを紹介していきます。

門扉付近に取り付ける

人気の取り付け場所として挙げられるのが、門柱をはじめとする門扉の周辺になります。

門扉は基本的に庭の敷地内と外との境界に作られているため、そこに取り付けることによってフェンスやブロック塀の内部だけでなく、エクステリアの外側もきれいに掃除することが可能です。

しかし最大のデメリットとして挙げられるのが、その水道は誰でも簡単に利用できる位置にあるという点です。

家の周りには水を勝手に使うような人はいないと考える方も多いかもしれませんが、公道にはいつだれがやってくるかわかりません。

水を少し使われたからといって料金がいきなり高くなることもないため、長期的に水を勝手に使われてしまう可能性もあるのです。

しかし、蛇口を取り外せるようにしたり、鍵のようなものを利用することによって、このデメリットをなくすことができます。

玄関の横に取り付ける

玄関の横も、水道を取り付ける場所としては人気が高いです。

玄関からホースを利用すれば庭のあらゆるところに水をかけることができますし、長いホースを利用すれば駐車場の車を洗ったりすることも可能です。

また、日常的な使い方として、玄関から建物に入る前に手を洗ったりすることもできるため、様々な使い方ができるのです。

しかし、玄関の周りに水道を取り付けると、使用するたびに玄関まわりが水浸しになってしまう可能性もあります。

場合によっては1年中ジメジメしてカビなどが発生する原因になりますし、見た目も悪くなってしまうため使い方には注意する必要があります。

駐車場に取り付ける

水道を取り付ける目的が洗車だという場合は、駐車場に直接取り付けてしまうのも方法の1つです。

駐車してある車の真横に水道があれば、いつでも気軽に車を洗うことができるのではないでしょうか。

しかし水道の種類にもよりますが、駐車の際などに気を使わなければならないという場所に設置してしまうと、車の出し入れが大変になってしまう可能性があります。

駐車場に取り付ける場合は、車の出し入れを前提で考えつつ、利用する水道の種類にもこだわるとよいでしょう。

庭の真ん中に取り付ける

主に庭の植物に水をやるのが水道を取り付ける目的だという場合は、思い切って庭の真ん中に設置してしまうというのも良いのではないでしょうか。

例えば芝生の真ん中にオシャレな立水栓を取り付けると、その水道を中心として庭に統一感が出ますし、美しい庭を演出するアイテムに早変わりします。

ただし、庭の真ん中に水道を設置してしまうと、当然庭で何かアクティビティをする際などには邪魔になってしまう可能性があります。

せっかくオシャレな水道を設置したとしても、その蛇口に常にホースがつなぎっぱなしという状態では美しさも半減してしまいます。

エクステリアで水道を頻繁に利用する方の中には、蛇口にホースをつけっぱなしという方も少なくないですが、庭の真ん中に水道を設置する場合は使用の度にホースを取り外したほうが見た目が良くなります。

立水栓と散水栓とは?

エクステリアに利用する水道で人気が高いのは、

  • 立水栓
  • 散水栓

になります。

立水栓が地面から給水する立柱型の水道なのに対して、散水栓は地面に埋め込み型のものが多いです。

他にも壁に取り付けるタイプのものがありますが、多くの場合は立水栓と散水栓が利用されます。

立水栓の特徴

立水栓は、基礎となる柱と水受けを取り付けて、地面よりも高い場所に蛇口を設置した水道です。

柱と受け皿には様々な種類があるため、実用的な水道にするだけではなく、エクステリアのオシャレにこだわりたいという方にも人気が高いです。

立水栓のメリット

散水栓と比べると高い位置に蛇口を設置することができるため、普通に手を洗ったりバケツやじょうろに水を入れたりすることができるという点が最大のメリットといえるでしょう。

また、蛇口の種類にもよりますが、立水栓は蛇口をすぐにひねることができる状態にあります。

例えば手が汚れている場合、散水栓は、しゃがんで蓋を開けてから蛇口をひねることになるため水道自体が汚れてしまいますが、立水栓であればスムーズに手を洗うことができるため、水道そのものが汚れるという心配をする必要がありません。

さらに、蛇口が目視できるため、水を出しっぱなしにしてしまうということがなくなります

立水栓のデメリット

散水栓と比べると全体的に使い勝手が良いと言われる立水栓ですが、設置する場所によってはどうしても邪魔だと感じる方が多いようです。

立水栓の最大の特徴は柱と水受けが地上に出ているという点ですが、作りによっては見た目が悪くなってしまいます。

水を使用していない時にはエクステリアのそのスペースを無駄に使っていると感じてしまうかもしれません。

例えば芝生の真ん中に立水栓を設置するのはオシャレなようにも見えますが、その芝生で走り回ったりする際に確実に邪魔になるため、設置方法を考える必要があります。

散水栓の特徴

散水栓は、立水栓とは異なり地面に埋め込むタイプになりますので、邪魔になるということがないはずです。

しかし、その分デメリットも存在するため注意が必要です。

散水栓のメリット

散水栓の最大のメリットは、設置したとしても邪魔になることがないという点です。

地面に埋め込んでその上に蓋をしてしまえば場所を取ることがないため、水道を取り付ける前と後でもスペースが狭くなったと感じることはないでしょう。

もちろん利用するホースを毎回片づけなければなりませんが、柱や水受けを設置することもないためスペースのないご家庭には散水栓をおすすめいたします。

また、単純に蛇口を設置するだけなので、立水栓と比べると設置費用が安くなる傾向にあるという点もポイントが高いです。

散水栓のデメリット

散水栓は地面に埋め込んで利用する水道になりますので、蛇口が地面よりも下にあることになります。

うまく利用するにはホースを使う必要があるため、頻繁に水道を利用する場合は毎回のホースの取り付けや取り外しが面倒だと感じてしまうかもしれません。

例えば立水栓であれば、蛇口をひねるだけで気軽にバケツなどに水をくむことができますが、散水栓の場合は必ずホースが必要になってくるため使い勝手が悪いです。

また水を出しっぱなしにした場合、立水栓であればすぐに気が付きますが散水栓は周りが水浸しになるまで気が付かないことも多いため、管理も徹底する必要があります。

水道を設置する際の注意点

それでは、最後にエクステリアに水道を導入する際の注意点を見ていきましょう。

それぞれの水道の特徴を考えて設置

上記で立水栓と散水栓の特徴を紹介いたしましたが、ご家庭によって使い勝手が良いと感じる水道の種類は異なります。

スペースに余裕があるのであれば立水栓の方が良いかもしれませんが、邪魔な場所に取り付けてしまうと使いにくいと感じてしまいます。

反対に、スペースが限られているのであれば散水栓だと考える方も多いですが、デッドスペースがあるのであればそこに立水栓を設置してしまった方が後々便利になる可能性もあります。

ご家庭のエクステリアの配置などによってどのようなタイプの水道を取り付けたほうが良いのかは大きく変わってきますので、まずは特徴を理解したうえで、どこにどのタイプのものを取り付けるか考えてみましょう。

水道が取り付けられない場所もある

絶対にここに水道を取り付けたいと考えていたとしても、家の構造上その場所には取り付けられないと言われてしまうことがあります。

例えば新築を建てる際に、最初から水道の位置も決められるのであれば問題ないのですが、既にある建物のエクステリアをリフォームするとなった際などには、どこにでも取り付けられるとは限りません。

そのため、水道を取り付ける場合は最初に専門の業者に相談して、取り付け可能な場所を確認しておくようにしましょう。

その上で設置場所を決めれば、時間を無駄にすることがないはずです。

寒い地域の水道設置について

冬場に寒くなる地域でエクステリアに水道を取り付ける場合は、設置場所などだけではなく、真冬に雪に埋もれてしまったり、水道が凍り付いてしまったりすることも考えて設置する必要があります。

例えば散水栓は地面に埋め込み型の水道になりますので、雪が積もってしまえば使いにくくなってしまいます。

雪に埋もれるのを防ぐために散水栓に屋根を取り付けたりするといった方法も考えられますが、それであればいっそのこと立水栓にしてしまった方が良い気もします。

また、どのようなタイプの水道を取り付けたとしても真冬に凍ってしまう可能性があるため、水道管の凍結を防止するための不凍栓を取り付けておいたほうが良いでしょう。

最後に

エクステリアの水道といっても、目的などによって取り付ける場所も変わってくるでしょうし、スペースなどの関係で設置するタイプも変わってきます。

様々なパターンが考えられますが、まずは日常的に最も水を使いそうな場所を考えて、そのあたりに水道を取り付けられるか確認してみるとよいでしょう。

例えばガーデニングに凝っているから、絶対に庭に水道を取り付けたいというようなことが決まっているのであれば、相談から設置までがスムーズにいくはずです。

しかし、ただ何となく水道を取り付けたいという場合は、設置場所や設置タイプなどが固まっていないため、完成までに時間がかかってしまうかもしれません。

もちろん相談した業者の提案する水道を提案された場所に取り付けるというのも方法の1つですが、後から後悔してしまう可能性もあるため、まずは水道を設置する目的などを家族で話し合ってみましょう。