個人でも気軽に取り付けられるエクステリアの1つとして、照明が挙げられます。
ポストや表札と同じく簡単に設置できるのですが、照明は暗くなった住宅を美しく見せるための重要なデザインの要素の1つになり得ます。
単純に暗さを解消したいというのみの目的であれば、どんなライトをどのように設置しても問題ないかもしれません。
しかし、アプローチを美しく照らしたい、庭をライトで綺麗に見せたいというような目的もあるのであれば、計画的に設置する必要があります。
今回はエクステリアの中でも、そんな照明についてみていきましょう。
暗闇を照らす照明
家の中の照明は充実していたとしても、門扉を通過してからアプローチを抜け、玄関にたどり着くまでが暗いと危険です。
特にアプローチが滑りやすかったり段差があったりする場合は、照明がないと安心して歩くことができません。
通行の安全を確保する照明
朝や日中の外出時には明るいアプローチであっても、帰宅が夜間になると真っ暗で何も見えなくなってしまいます。
また、真っ暗だと鞄から鍵を出してカギ穴に差し込むという、明るければ当たり前にできるような行動が制限されてしまいます。
ちょっとした照明を付けるだけで障害物を把握できるため安全に歩行することができますし、明かりのある自宅に帰るのと真っ暗な建物に帰るのとでは気の持ちようも変わってくるはずです。
安全確保に適したライトとは?
基本的に、障害物を認識できればよいのであれば、どのような照明を設置してもよいのではないかと思います。
しかし照明器具の点灯消灯は、通常は普段生活している家の中からコントロールすることが多いのではないでしょうか。
夜中に帰宅する際にすでにライトがついていることが望ましいですので、ライトを設置する場所はともかくとして、勝手に点灯してくれるようなタイプのライトをおすすめいたします。
タイマー付きのライトもありますが、周りが暗くなったことを感知して点灯し、反対に明るくなったら消灯するタイプのライトは消し忘れなども防ぐことができるためおすすめです。
防犯用の照明
自宅に照明器具を取り付ける最大の目的が、防犯対策だという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
エクステリアに防犯用のライトを取り入れるだけで、空き巣の被害を減らすことが可能になります。
暗闇をなくして不審者を撃退
常に真っ暗で人がいなさそうな家は、それだけで空き巣に入られるリスクも高くなってしまいます。
反対に、例え建物の中に誰もいなかったとしても、ライトがあるだけで人がいるかもしれないと思わせることによって、空き巣被害を未然に防ぎます。
暗い場所を好む不審者を遠ざけるためにも、エクステリアを明るく照らすライトは不可欠なのです。
家の中の電気を付けておくのも対策の1つとして挙げられますが、表札や玄関を明るく照らすライトがあればそれだけで効果的です。
不審者を遠ざけるライトとは?
照明にも様々な種類がありますが、不審者を最もびっくりさせることができるのは人感センサーライトになるのではないでしょうか。
人感センサーライトとは、熱感知センサーを内蔵しており人が近づくと作動する照明器具のことになります。
暗かったアプローチが、不審者が通過することによっていきなり明るく照らされた場合、その不審者は侵入をあきらめるケースもあります。
単純に明るくなるライトが一般的ですが、点滅するタイプの照明もあるので、そういったものを設置すれば不審者に対してより効果的に働きます。
エクステリアを彩る照明
エクステリアに利用する照明の役割の1つに、暗闇を演出するというものが挙げられます。
ライトの位置を少し変えるだけで見た目がオシャレになることもありますし、光の強さの具合でも印象が大きく変わります。
光を計算して照明を設置
せっかくマイホームを照らすライトを設置するのであれば、少しでもエクステリアの美しさを引き出すような場所に取り付けたいものです。
もちろん表札やアプローチに照明を付けるのも重要ですが、例えば壁に向かってライトを点灯させてみたり庭に配置してある岩や植栽を照らすだけでも雰囲気がガラリと変わります。
明るすぎると暗闇の中のライトという印象がなくなってしまうため、落ち着いた夜の雰囲気を醸し出させるために、あえて暗めのライトでエクステリアを魅せるのも方法の1つです。
デザインは業者と相談するべき?
もちろんご自身ですべてやってしまうという方も少なくないのですが、やはりライトの種類や当たり方、光の加減などの様々な要素が絡まってエクステリアを美しく見せるわけですから、それなりの経験も重要になってきます。
実際に、様々なライトメーカーが色んなケースに対応した照明プランニングを用意していますし、照明のデザインに長けたスタッフもいます。
DIYでやってしまった方が価格的には圧倒的に安くなりますが、業者にお願いすることで様々なデザインの提案から設置まですべてやってくれるため、ご自身の考えがスムーズに形になります。
もちろん業者によって考え方や価格などが異なるため、お願いするのであればいくつかの業者に見積もりを取りつつご自身の考えと合いそうなところを選ぶようにしましょう。
蛍光灯とLEDを使い分ける
かつては、基本的に蛍光灯がエクステリアの照明として利用されていました。
しかし、最近はLEDを用いたライトも多く使用されているので、それぞれをうまく使い分けましょう。
ライトの明るさ
LEDと比べると、やはり蛍光灯のほうが明るいです。
もちろん消費電力をあげればLEDも同等の明るさになるのですが、同じ電力消費量で比較すると蛍光灯に分があります。
しかし、例えば仕事デスクの照明であれば明るい方が良いかもしれませんが、暗闇で足元を照らすようなエクステリアのライトはLEDの明るさで十分であるケースも多いです。
真っ暗闇で広い範囲を照らしたいのであれば蛍光灯を使うべきですが、ちょっとした照明であればLEDのほうがおすすめです。
ライトの消費電力
蛍光灯だけではなく、様々な照明と比較してもLEDの消費電力はかなり低いといえるでしょう。
上述したように、同じ消費電力で比べるとLEDのほうが暗いのですが、それでもそれなりの明るさを保つことはできますし、LEDは蛍光灯の消費電力の半分しか使用しないとも言われています。
つまり、蛍光灯で一か所を明るく照らすのと、LEDライトを用いて二ケ所から照らすのとでは、消費電力が同じくらいになるということでもあります。
この辺りはエクステリアのデザインによって好みがわかれるところですが、単純に消費電力をできるだけ少なくしたいのであればLEDを使うのが良いでしょう。
ライトの寿命
エクステリアに用いる照明の寿命は、やはり使用時間が大きく関わってきます。
ずっと点灯している場合はそれだけ寿命が短くなりますが、LEDの寿命は蛍光灯の4~5倍と言われているので、点灯時間が長い場合はLEDを使用したほうが良いのではないでしょうか。
逆に、人感センサーライトのような点灯時間が短く明るさが求められるような場合は、蛍光灯を用いたほうが良いのかもしれません。
いずれにしても、蛍光灯で10000時間ほど持つと言われているため、エクステリアの照明は頻繁に交換しなければならないということにはならないはずです。
照明設置の価格
大きなリフォームをしなくても、ライトを買ってきて取り付けるだけでエクステリア全体の雰囲気をガラリと変えることができます。
しかし、やはり照明そのものにも設置にも費用がかかってきます。
照明器具の価格
照明そのものの値段は、蛍光灯を使うかLEDを利用するか、それとも白熱電球を使うのかによって大きく変わってきます。
白熱電球は1つあたり数百円で購入することができますが、LEDを購入する場合は、明るさによっては数千円かかることもあります。
しかし、照明は消耗品になりますので、初期費用だけではなくトータル費用でいくらかかるかを見る必要があります。
LEDは確かに高いと感じるかもしれませんが寿命がかなり長いため、買い替える必要がほとんどないといえるでしょう。
つけっぱなしにするライトの場合は、買い替えの手間や労力を考えると、初めからLEDを使った方がコスト面でかなりお得になることが多いです。
照明設置の費用
エクステリアの照明にも様々なものがありますので、一概にいくらくらいかかるとお伝えすることはできません。
例えば門扉を照らすライトであれば、その門扉とセットで購入するのが普通ですし、庭に埋め込むようなタイプのライトも存在します。
建物の内部に取り付ける照明とは異なり、何らかのエクステリアのサブ的な要素として取り入れられることも多いですので、ライトそのものの設置費用がどれくらいになるのかというのは状況によって異なります。
もちろん後から簡単に取り付けられるような照明もホームセンターなどに売られていますので、エクステリアの雰囲気と照らし合わせてマッチしそうなものを選ぶとよいでしょう。
業者に照明の設置をする場合
後から照明のみ取り付ける場合は、アプローチが暗くて危ない、庭の雰囲気を変えたいなどの様々な理由があるのではないかと思います。
個人で安く簡単に設置できるのも照明の魅力の1つですが、本格的にデザインしてオシャレなライトアップを演出したいという場合は業者に任せてしまうのもよいでしょう。
数年後に老朽化して倒壊のリスクがある塀を作るというわけではないので、デザイン重視で業者を選んでしまうのもよいかもしれません。
しかし、業者によって設置の価格などが異なるため、他のエクステリア同様、依頼をする際には複数の業者に見積もりを出して納得するところを見つけるようにすることをおすすめいたします。
最後に
今回は、様々なエクステリアの照明の役割やライトの基礎知識を紹介してきました。
実際に建物の外にライトを設置する際には、防犯のための照明なのか、それとも空間をオシャレに見せるためのライトなのかをはっきりさせることで、目的のライトをいち早く見つけることができるはずです。
ニーズごとに人気の高いライトを探すことも可能ですので、目的や予算を設定してから探してみてください。
また、どうせ設置するのであればオシャレなのに越したことはないと考えていらっしゃる方は、やはり経験豊富な専門家の意見を取り入れてみるのも方法の1つです。