転勤が決まった際のマンションの使い道と売ったほうが良い理由

会社によっては、いきなり転勤を命じられるようなところも存在します。

せっかく分譲マンションを購入したと思ったら、いきなり転勤が決まるといったケースもあるはずです。

それでは、転勤になってしまった際に購入したマンションはどのようにすれば良いのでしょうか。

マンションの使い道として挙げられるのは、

• そのまま放置
• 賃貸として貸し出す
• 売却する

のいずれかです。

どの方法にもメリットはありますが、その分デメリットも存在します。

この記事では、転勤が決まった際のマンションの使い道について紹介させていただきます。

マンションをそのままにする場合のメリット・デメリット

ずっとほしかったマンションをようやく買ったという方ほど、できるだけ手放さずに所有しておきたいと考えがちです。

特に買ったばかりのきれいなマンションの場合は、賃貸に出して他の人に住ませるのも嫌だという方もいるため、とりあえずは放置しておくという方も少なくありません。

まずは、マンションをそのままにするメリットとデメリットを見ていきましょう。

マンションを所有し続けるメリット

マンションをそのままにしておくことによって、

• 誰にも汚されることがない
• 戻ってきたときに住むことができる

といったメリットが生じます。

誰にも汚されることがない

放置しておくのがもったいないと感じる方の中には、マンションを賃貸として他人に貸し出そうと考える方も多いです。

賃貸として誰かに使ってもらうことができれば、毎月家賃を得ることができるため安定した副収入になります。

しかし、だれかが住むということは当然その室内の設備が汚されたり、場合によっては壊されたりすることになるため、それが嫌だという方も少なくありません。

誰にも貸さずにそのままにしておけば、他人に汚されることなくそのままの室内を保つことが可能です。

戻ってきたときに住むことができる

例えば、転勤が1年限定という感じで決まっているのであれば、そのままにしておいて帰ってきてから住むというのも現実的な考えと言えるでしょう。

このように、転勤の期間が短ければ短いほど、マンションを放置しておくメリットが大きくなります。

短期間の間に戻ってくることがわかっているのであれば、戻ってきたときにサッと住むことのできる自分の家があったほうが安心ですし、引っ越しなども非常にスムーズです。

転勤が決まった際には、どれくらいで戻ってくるかを確認したうえで、マンションをそのままにしておいたほうがお得だと判断できるケースもあります。

マンションを所有し続けるデメリット

反対に、マンションを放置するデメリットとして、

• ローン以外の費用も支払う必要がある
• 空き家は傷みやすい

などが挙げられます。

ローン以外の費用も支払う必要がある

まだローンを完済していない場合は、当然毎月ローンを支払い続けることになります。

それは当たり前のことだと認識されている方も多いかもしれませんが、マンションを所有するということはそれ以外にも様々な費用がかかってきます。

• 管理費
• 修繕積立金
• 固定資産税

などはマンションの1室を持っているだけで支払わなければならないお金になります。

分譲マンションを持っているということは、そのマンションに住んでいようが住んでいまいが、これらの費用を払い続けることになるのです。

空き家は傷みやすい

人が長期的に住んでいない物件は、人が住んでいる住宅と比べると傷みやすい傾向にあります。

大きな理由として、全く換気がされないため湿気がたまり、カビが発生したり木材部分が腐ったりということが挙げられます。

もちろん一軒家とは異なり分譲マンションの中の1室ということになるため、一戸建てよりはこのデメリットが少ないかもしれませんが、室内全体が傷みやすくなるという事実は変わりません。

誰も使っていないのに、ただただ傷んでいくマンションを所有し続けるのはもったいないですよね？

どうしてもマンションをそのままにしておきたいという方は

• 近所に住む家族に月1回程度の換気をしてもらう
• 空室管理サービスを利用する

というのも方法の1つです。

空室管理サービスは月に数回、室内をチェックしてくれたり換気や通水などを行ってくれるというサービスになり、それをし続けることによってこのデメリットをなくすことができます。

ただし、ローンや修繕積立金、固定資産税に加えて毎月別の費用が発生するというデメリットも生まれます。

マンションを貸し出す場合のメリット・デメリット

転勤が決まった際には、分譲マンションを第三者に貸し出すという方も多いです。

家賃収入が入るため何かとメリットが大きいと考えられがちですが、実はデメリットもあるためよく考えなければなりません。

マンションを貸し出すメリット

それでは、マンションを貸し出すことによってどのようなメリットが得られるのでしょうか。

• マンションを所有し続けることが可能
• 家賃収入が入る

代表的なものでは、これらが挙げられます。

マンションを所有し続けることが可能

せっかく買ったお気に入りのマンションなんだから、売ってしまうのは絶対に嫌だという方もいるのではないでしょうか。

かといって放置しておくと、誰も住んでいない家に対してお金を払っているだけなのでもったいないと感じる方も少なくありません。

マンションの放置と売却の双方のデメリットを解消してくれるのが、賃貸と言う方法なのです。

貸し出すだけであれば、マンションの所有者はまだご自身ということになるため、マンションを手放したことにはなりません。

また、後述する家賃収入を得ることもできるため、ただ無駄にお金を払い続けるということにもならないのです。

家賃収入が入る

「マンションを手放すのは嫌だが、住んでもいない家に対して毎月お金を入れ続けるのは少々気が引ける」という方は、そのマンションを第三者に貸してしまいましょう。

賃貸にすることで毎月安定した家賃収入を得ることができるため、その収入をローンの返済にあてたり修繕積立金にあてたりすることが可能となります。

もちろん貸し出す家賃によっては、毎月のように大きな副収入を得ることも可能ですので、この部分は大きなメリットの1つと言えるでしょう。

マンションを貸し出すデメリット

それでは、マンションを貸し出すことによって生じるデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

• 入居者とのトラブルが発生する可能性
• 入居者が出ていかない可能性

他にも細かなデメリットは考えられますが、代表的なものはこの2つです。

入居者とのトラブルが発生する可能性

賃貸にする際には、まずはそのマンションを借りてくれる人がいるかどうかという問題が出てきます。

借り手がいなければ当然家賃収入は発生しませんので、それが長期的に続くとマンションを放置しているのと変わらなくなってしまいます。

また、せっかく借り手が見つかったとしても、その入居者との間でトラブルが発生して管理が面倒になるリスクも考えられます。

例えば、

• 家賃を支払ってくれない
• 隣や上の階の住人に対する不満と改善を要求してくる

など、入居者によっては管理が大変になる可能性もあるため、その部分が賃貸の大きなデメリットの1つと考えられます。

入居者が出ていかない可能性

入居者の中には、そのマンションが気に入ってしまって、こっちが出ていってほしいと思っても退去してくれないといったケースもあります。

例えば家賃をずっと滞納し続けているというような正当な理由があれば別ですが、原則として一度賃貸に出してしまうと、いつでもやめることができるというわけではありません。

会社の方で再びマンションを購入した土地に戻るように命じられていたとしても、その時にそのマンションに誰かが住んでいたとしたら、別で賃貸を探す必要があります。

マイホームがあるにもかかわらずそこに住めないというのは非常に切ないですが、貸し出してしまっている以上はどうしようもありません。

中には、定期借家契約という期間限定で貸し出す方法を利用する方もいらっしゃいます。

例えば契約時に契約期間を2年と決めた場合は、借主は2年後にそのマンションを出なければならないといった契約になり、契約期間は自由に決められます。

マンションのある土地に戻ってくるまでの期間がわかっているのであれば、この方法を利用することもできます。

しかし、出ていかなければならないマンションということになるため、通常の契約よりも借り手が見つかりにくいといった別のデメリットが生まれます。

マンションを売りに出す場合のメリット・デメリット

それでは、最後の選択肢であるマンション売却のメリットとデメリットを見ていきましょう。

マンションを売却するメリット

マンションを売るメリットとして、

• 管理費や固定資産税がかからない
• まとまったお金が残る

などが挙げられます。

管理費や固定資産税がかからない

当たり前のことかもしれませんが、マンションを売却するということは不動産を手放すということになるため、その不動産のために支払っていた月々の費用がなくなります。

分譲マンションの場合は、ローンを完済していたとしても管理費や修繕積立金などを支払い続けなければなりません。

また、マンションや一戸建て、土地などの不動産をお持ちの方は、毎年のように固定資産税を納めることになります。

マンションを売却してしまえばそれらを支払う必要がなくなるため、どうせ住まないのであれば売ってしまった方がお得だと考えることもできます。

まとまったお金が残る

高額で購入したマンションほど高値で売れる可能性が高くなるため、単純にそのマンションを売却することでまとまった多額のお金を得ることができます。

もちろんローンの残りや築年数、老朽化の程度などによって売却価格は大きく変わってくるため、一概に大きなお金が絶対に入るということはできません。

しかし売却することによって手元に大金が入ってくるというケースも少なくないため、そのお金を元にして転勤先で新たな不動産を探すというのも良いのではないでしょうか。

マンションを売却するデメリット

反対にマンションを売却することで、

• 売却に関わる諸費用を支払わなければいけない
• ローン残債を精算しなければならない

のようなデメリットが発生します。

売却に関わる諸費用を支払わなければいけない

例えば2000万円でマンションが売れた場合、売り手にその2000万円が丸々入ってくるということはありません。

不動産を売る際には不動産会社を利用するという方が多いですが、当然その不動産会社には仲介手数料を支払う必要があります。

その他にも、マンションの売却には様々な費用がかかることもあるため、実際にどれくらいの現金が入ってくるのかはケースバイケースです。

まずは不動産会社に査定に来てもらい、売り出し価格や実際に売れそうな価格を考え、具体的にどれくらいの額を得られるのかを計算してみましょう。

詳しくはこちらの記事で解説しております。

⇒不動産売却にかかる諸費用・経費の種類。チェックしておくべき7項目

ローン残債を精算しなければならない

一般的には、マンションを売却する際には払いきっていないローンをまとめて支払う必要があります。

ローンの残りは、マンションを購入してからどれくらい経過しているか、または月々にローンの返済をいくらくらい支払っているかによって変わってきます。

そして、ローンがたくさん残っている場合は自己資金を利用して精算する必要があるのです。

例えば、そのマンションの売却代金をローンの返済に充てることは可能ですので、それで払ってしまうというのも方法の1つです。

しかし、それでもまかなえない場合はマイナスになってしまう可能性もあるため気を付けましょう。

マンションは売却すべき？ベストな選択は？

• 放置
• 賃貸
• 売却

この3つの代表的なメリットとデメリットを紹介させていただきました。

それでは、結局どれを選択するのがベストなのでしょうか。

放置を選択すべきケース

放置を選択するのをおすすめできるケースは、

• 短期間で戻ってくる場合

一点と言えます。

逆に言えば、長期的に戻ってこない、または戻ってくる時期がわからない場合は、放置ではなく賃貸か売却かを選ぶべきだといえるでしょう。

賃貸を選択すべきケース

賃貸を選択しても問題ないケースとして、

• いずれ戻ってくることがわかっている
• 賃貸の需要が高い

が挙げられます。

例え戻ってくるのがかなり先の話であったとしても、戻ってくるのが確実なのであればその場所に不動産を所有するメリットはあります。

また、駅の真ん前であったり利便性の高い場所のマンションの場合は、需要も高くずっと賃貸として利用できる可能性もあります。

マイホームとはなりませんが、投資用の物件として所有するメリットは大きいです。

売却を選択すべきケース

最後に、マンションを売却したほうが良いと判断できるケースです。

• 戻ってくると判断しづらい
• 賃貸としての需要が低そう

もちろん会社によって異なるでしょうが、たいていの場合はいつ戻ってくるのかがわからないケースが多いのではないでしょうか。

「いずれ戻す」と言われたとしても確実性はないですし、帰ってくることばかりを考えていると仕事に支障をきたしたり、やる気がないと思われる可能性もあります。

また、一般的に見ると、駅に近く利便性の高いマンションの方は、それ以外のマンションよりも少ないはずです。

そのため、多くの場合は賃貸として確実に利益を見込めるとは言えません。

これらを考えると、最終的には放置や賃貸よりも売却を選ぶのが賢い選択でしょう。

まとめ

今回紹介させていただいたそれぞれのメリットやデメリットはほんの一例ですので、もちろん他にもメリットがあると考える方もいるでしょう。

そのため、やっぱり放置を選ぶという方もいるでしょうし、手放すのだけは嫌だから賃貸で所有しておきたいという方も存在します。

また、経済的に余裕をお持ちの方の中には、複数のマンションを様々な土地に所有して、自分がいない時以外は放置しているという方もいらっしゃいます。

しかし大多数の場合、 放置して無駄にお金をたれ流したり、帰ってくる保証がない土地でいつまでもマンションの管理をしていたりするのは大きなデメリットとなります。

もちろん売却にもデメリットはありますが、マンションを手放すことでメリットも大きいと考えられるのであれば、早めの売却をおすすめいたします。