漠然と家のリフォームをしたいと考える方は多いですが、実際に施工業者に連絡を取ったりリフォームのための情報を集めようとする気にならないという方も少なくないはずです。
いつかはリフォームをしようと思っていたとしても、一体いつすればいいのかわからないというケースは意外と多いです。
例えば、老朽化して生活に支障が出始めたから仕方なくリフォームをするというような方は多いと思いますが、住むのに何の不自由もない状態でリフォームに踏み出すのは意外と難しいのかもしれません。
しかし、 当然建物は年々老朽化していくわけですから、どこかのタイミングでリフォームをすることになります。
どこかが壊れてから、または生活に支障をきたすようになったからリフォームをするのではなく、できれば快適に生活を続けるために早めにリフォームをしておきたいものです。
この記事は、そんなリフォームしたほういい箇所やタイミングについて紹介しています。
築年数から見るリフォーム部分
なかなかリフォームに踏み切れないという方は、現在お住まいの建物の築年数を目安にところどころリフォームをしてみるというのも方法の1つです。
もちろん使い方次第位で老朽化が早まったり、逆に長持ちしたりすることもありますが、実際に建物の築年数からリフォームの時期を決める方はたくさんいらっしゃいます。
築10年までに行うリフォーム
綺麗に使えば長持ちする部分かもしれませんが、例えば外壁や室内の壁、天井などなど、建物の様々な部分が少しずつ破損し始めたり汚れが目立つようになってきます。
もちろん生活する分には支障がないというケースがほとんどですし、実際に汚れや軽い破損は気にならないという方も多いため、リフォームをせずにそのまま使い続けるご家庭も少なくありません。
しかし、その破損などを放置しておくと、 それが建物のさらなる老朽化につながるため、結果的に住宅の寿命が短くなってしまうのです。
家を建ててまだ5年、10年という時期にもうリフォームをしなければならないのかと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、美しい家を長く使い続けるためには必要な行為だといえるでしょう。
使い方次第で、または日ごろのお手入れや掃除によって劣化スピードが大きく異なるため、実際に家を点検して必要に応じて少しずつリフォームしていくのがおすすめです。
築15年までに行うリフォーム
住宅が建てられてから15年も経つと、トイレや浴室、キッチンなどの水回りが劣化してくるため、リフォームが必要になるケースも少なくありません。
家庭環境にもよりますが、 やはり水回りは家の中でも使用頻度が最も高い場所の1つになりますし、湿気の多い部分でもあるためその分劣化が早いのです。
蛇口やシンクの下などから水漏れが発生することもあるでしょうし、15年間使い続けた排水溝が詰まってにおいが気になるというご家庭もあるかもしれません。
また、屋根や外壁なども常に風雨にさらされることになるため、通常は10年~15年に1度塗装を行ったり瓦の葺き替えを行ったりするのが一般的です。
もちろん立地条件などによってまだまだ使えるというご家庭もあるかもしれませんが、雨漏り等のトラブルが発生する前にリフォームしておくとよいでしょう。
築20年までに行うリフォーム
築20年ほど経過すると、やはり建物の様々な部分の老朽化が目立つようになります。
例えば建物の土台部分が弱くなっていたり、排水管、給水管などが不具合を起こし始めたりするため、住宅を調査してもらい必要な場所のリフォームを行うことになるはずです。
目に見えない部分や普段目にすることのない場所は、実際に調査をしてもらわないと老朽化がわからないこともあるため、 早い段階でリフォーム業者などに確認してもらうことをおすすめいたします。
また、木造住宅の場合はシロアリの発生などにも注意したいところです。
シロアリは建物を腐食させて急速に老朽化させ、大切な住居の寿命を大幅に短くしてしまうリスクがあるため、こちらも定期的にチェックしてもらったほうが良いでしょう。
築30年までに行うリフォーム
一般的には、住宅の耐用年数は30年前後だと言われることが多いため、30年が経過する前には大掛かりなリフォームを行う必要が出てくるケースもあります。
もちろん耐用年数は年々伸びていますし、定期的にメンテナンスをしていればその分長持ちすることが多いですが、特に30年間なんのリフォームや点検もしていない住宅は確実にどこかにガタが来ています。
まずは専門家にきちんと建物を確認してもらい、必要に応じてリフォームすることをおすすめいたします。
30年も経てば家族構成も変わっていたりライフスタイルも大きく変わっている可能性が高いため、ご家庭にあった間取り変更などの大幅な修繕工事も視野に入れましょう。
修繕のためのリフォームと、快適な生活を維持するためのリフォームを一緒にできれば一石二鳥です。
家の外部をリフォームするタイミング
ご家族が実際に生活する家の中とは異なり、建物の屋根や外壁などのエクステリア部分はなかなか目が届きません。
玄関まわりやその付近の外壁は毎日のように目にするという方であっても、頻繁に屋根を見るというようなことはしないはずです。
それでは、住宅のエクステリア部分はどのタイミングでリフォームするのが望ましいのでしょうか。
外壁のリフォームは10年から15年に1回のペース
外壁の劣化は、まずは塗装が剥げて光沢がなくなり、チョーキングと呼ばれる手で触ると白い粉が付着する現象が発生するようになります。
更に放置しておくと、塗膜が浮いて剥がれるようになり、やがて外壁の基材が表に出てその部分が劣化していきます。
もちろん、日当たりや雨風のあたり具合、湿気などの建物の立地条件によって劣化のスピードは異なりますが、その劣化を防ぐためには定期的に外壁塗装を行う必要があります。
外壁塗装をすることでひび割れなどを防ぎ、基材部分がむき出しになるのを予防してくれます。
一般的には、不具合が生じる前の10年から15年に1回のペースで外壁塗装をするのが理想的だと言われているため、それくらいの時期に傷んでいる部分を発見したら、早めに塗装を依頼しましょう。
屋根のリフォームは10年~20年
屋根は普段の生活で頻繁に見るような場所ではないかもしれませんが、劣化すると雨漏りなどの実生活に大きな影響を与える不具合が生じるため、定期的に確認することをおすすめいたします。
その際に、例えばコケなどが生えていたり、ひび割れなどを発見したら、早い段階で屋根の塗装リフォームを行ったほうが良いでしょう。
こちらも外壁同様、立地条件や使われている瓦の素材などによって傷み方は変わってきますが、やはり10年ごとに塗装をするのが望ましいです。
瓦は一般的には20年ごとに葺き替えすることになるため、その都度専門の業者に確認をしてもらい、必要に応じてリフォームを考えましょう。
年代ごとでのリフォームのタイミングと箇所
一戸建てやマンションなどを購入するタイミングは人によって異なりますが、やはり30代や40代が多く、その中でも30代でローンを組んでマイホームを手に入れるという方が最も多いです。
結婚して子供がいるタイミングでの住居購入ということになりますが、新築で購入した建物も家族の成長とともに老朽化していきますし、また家族のライフスタイルも変化するため、年代ごとでリフォームが必要になってくることもあります。
40代でのリフォーム
多くのご家庭では、お子様がデリケートな思春期の時期に突入するため、この時期に子供たちがそれぞれの部屋を持てるようにリフォームするところが多いです。
リフォームをする際には、単純に個室を設けるというだけではなく、 家族がいつもいるリビングを通らなくてもトイレや浴室などの生活に必要な場所に行けるように設計すると、なお望ましいでしょう。
また、思春期がずっと続くわけではありませんし、大学から一人暮らしをすることも考慮に入れ、子供がいなくなってからも使いやすい空間をイメージしてリフォームに当たりましょう。
例えば2人のお子様に対して子供部屋が1つしかないような場合は、その部屋の真ん中に収納や棚を設置してそれをしきりに使い、それぞれの空間に出入り口を付けるといった簡易的なリフォームも可能です。
50代でのリフォーム
子供が成長して独立する場合は、今まで狭いと思っていた自宅もガランと広く感じるようになります。
もちろん将来的に子供が戻ってくることも考えられますが、まずはこの時期に 夫婦が2人で快適に暮らせるような住宅を造っていく必要があります。
実際に、老後のことも考えてこの時期に自宅をバリアフリー化するという方もいらっしゃいます。
生活しやすいような間取りにするだけではなく
- 建物内の段差をなるべく少なくする
- 浴槽を低くする
- 廊下や階段などに手すりを付ける
など、足腰が弱くなっても生活しやすいような対策が必要になってきます。
いなくなった子供の部屋が物置になっているケースが多いですが、その部屋を書斎にして個人の空間を造るという方も少なくありません。
また、子供部屋がリビングなどの隣にある場合は、壁を取り除いて大きなリビングを造ってみたり、キッチンの収納スペースに活用したりするのもおすすめですよ。
60代でのリフォーム
60代になると、やはりリフォームの中心は体が不自由になっても問題なく生活できるようなバリアフリー化になります。
具体的には、あらゆる扉を引戸にして車椅子でも快適に移動できるようにしたり、滑って転倒を防ぐために床材を滑り防止のものに変えたりといったことが大切になってきます。
また、先ほども述べたように、玄関やエクステリア、浴槽やトイレなどの段差をなくしたりするのも重要ですし、階段の1段1段の高低差を少なくするといった大掛かりなリフォームをするご家庭もいらっしゃいます。
介護保険制度により、 バリアフリーのための修繕費の一部が支給されるケースもあるため、業者と話し合って必要な場所をリフォームしていきましょう。
2世帯住宅のためのリフォーム
中には、子供が配偶者と孫を連れて自宅で一緒に生活を送るといったご家庭もあると思いますが、その場合は2世帯住宅用のリフォームをすることになります。
2世帯住宅にも
- 長屋のように違う玄関
- 違う施設を利用する隣同士で生活をするタイプ
- 玄関を1つにして世帯ごとに生活スペースを分ける
というようなタイプも存在します。
足腰が不自由な親世代が1階部分を利用し、2階以上を子供の家族が利用するといった分け方も可能ですし、キッチンや浴室などの施設の一部を共有するようなスタイルも多いです。
家族構成や人間関係などによって様々なパターンが考えられますので、ご家族でよく話し合って間取りを決めるようにしましょう。
リフォームは定期的なチェックが大切
なかなかリフォームに踏み出せないという方は、今回紹介させていただいた築年数や年代ごとに住宅に変化を加えていってみてはいかがでしょうか。
特に間取りなどを変える必要性を感じないというご家庭であっても、住宅は確実に劣化していきますので、定期的な点検は必要になってきます。
例えば数年に1回のペースで建物をチェックしてもらい、修繕が必要な場所が出てきたらそれに合わせてリフォームを検討するというのも方法の1つです。
定期的なチェックは、建物が老朽化する前から行っておくことによって、その住居の寿命を延ばすことができます。
快適に生活を送り続けるためにも、老朽化して建物がダメになってしまうのを防ぐためにも、やはり点検とリフォームは大切ですよ。