どのような不動産にも、良い部分があれば悪い部分も存在します。
もちろん一般的に言われている良い部分や悪い部分は明確ですが、必ずしもそれが万人に当てはまるとは限りません。
大多数の方は駅に近い物件を好みますが、中には駅から遠い物件のほうがいいという方もいるかもしれません。
売却活動がなかなかうまくいかず、売却したい物件にアピールポイントがないと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし実際には、アピールポイントがない家などなく、どのような家であっても他の物件とは異なるポイントを持っています。
それがよいポイントであればなおさら良いですが、仮に悪いポイントであったとしても、他の物件にはない特徴である限りはアピールポイントとなり得ます。
今回は、売却活動長引いている方のために、不動産のセールスポイントの作り方や、売り手が個人でもできるアピールポイントの作成方法などについて紹介していきます。
不動産の主なアピールポイントはこの3つ!
まずは、一般的にアピールポイントと言われている部分を見ていきましょう。
通常は、
- 最寄り駅まで歩いて数分
- 生活施設が整っている
- 日当たりが良い
といった部分は大きなアピールポイントになります。
駅から近い
都心に近い地域ほど、電車を利用して生活する方が多くなるため、不動産が駅から近いというのは売却活動を行う上で大きなメリットとなります。
ただし、地方に行けば行くほど車社会となるため、一概に駅に近ければ便利だということにはなりません。
もちろん駅の周辺には様々な施設がありますし、電車を利用する場合には便利だと言えますが、車社会において駅が必ずしもアピールポイントになるとは限らないのです。
しかし、やはり駅近に越したことはないと考える方も多いため、駅に近い物件を売却するのであればこの面を全面に押し出して売却活動を続けていきましょう。
充実した生活施設
コンビニやスーパーをはじめとする生活をするために欠かせない施設は、大きなアピールポイントと言えるでしょう。
ただし、例えばすぐ真隣がコンビニというような家は、逆に安全面や騒音などが懸念されて売却しにくいケースもあります。
しかし、家族に足腰の悪い方がいて、その方が気軽に買い物ができるコンビニが真横にあったほうが便利だと考える方もいるため、一概にそれがマイナスに働くとも限りません。
一般的には、生活を送るのに必要な施設が徒歩圏内にあると便利な立地だと考えられるでしょう。
日が差し込む造り
ベランダなどが南向きに設置されており、そこにきちんと日の光が入ってくるのであれば、それは大きなアピールポイントになります。
日光が当たることによって室内が明るくなりますし、洗濯物も干しやすくなる上に冬場であっても温かくなりがちなため、多くの方が好むポイントと言えます。
そのため、一般的にはその逆の北向きの家は売りにくいとされていますが、場合によっては北向きの家のほうが良いという方も存在するのです。
実際に人によって住居に対する好みが異なるというのは事実なため、それについて詳しく後述していきます。
惹かれるポイントは人によって異なる
例えば、自分が相性が良いと感じる人間が、他人には嫌われているというようなことがあり得るように、不動産も人によって好き嫌いが存在します。
人にとってはプラスになると思っていたことが、他の人にとってはマイナスである可能性もありますし、実際に100人いて100人が住みたいと思える家はそんなに多くはありません。
逆に言えば、売却する家は1軒ですので、1人や1家族に好かれることができればそれで不動産の売却は完了してしまいます。
そのため、売却活動を行う際には、
- 万人受けする家である必要はない
- 一人に購入してもらえば問題ない
- マイナス面がアピール部分になることもある
ということを認識しておきましょう。
万人受けする家である必要はない
先ほども記載したように全員が納得する家は存在しませんが、一般的に万人受けする家というのは、平均的な条件を持つ家のことを指します。
例えば、
- 南向き
- 駅に近い
- 静か
- 広い道路に面している
というのは多くの方が求める家の条件となっています。
しかし、当然このような基準を満たす家のほうが少ないですし、場合によってはこれらを望まないという方も存在します。
駅から遠い家を無理やり駅に近くすることができないように、その家の持つ良い部分も悪い部分も基本的には変えられません。
もちろん大掛かりなリノベーションをすればある程度は変更できるものかもしれませんが、
まずは現状を受け入れて良い部分も悪い部分もその家の個性だと考えるようにしましょう。
一人に購入してもらえば問題ない
例えば、ガーデニングに凝っていて広い庭のある家がいいという方がいる一方で、庭など邪魔だからその空間を居住用の空間にあてたいという方もいます。
また、最新の床暖房を取り入れた一戸建てに住みたいという方がいる一方で、昔ながらの囲炉裏や暖炉のある家に住むのが夢だという方もいるかもしれません。
現代人からすると、囲炉裏など使い勝手が悪く不便で危険だという印象があるかもしれませんが、10万人いれば1人や2人くらいはその家を気に入ってくれる方がいることも考えられます。
例えば囲炉裏のある家に住みたい方が2人いる場合は、それだけで倍率が2倍ということになるため、そのような特殊な作りの家は高く売れる可能性もあります。
反対に、平均的な家に住みたいという方が10万人いたとしても、平均的な家はありふれているため供給過多となり逆に売れにくくなってしまいます。
売却する家は1軒しかないため、1人に好かれればそれで問題ないのです。
そのため、家の個性や特徴、他の家とは異なる点をはっきりと理解し、それをアピールすることで案外すんなりと売れてしまう可能性があるのです。
マイナス面がアピール部分になることもある
一般的には、マイナスポイントがある家は売りにくいと言われていますが、そのマイナス部分をアピールすることで売却活動が早く終わることもあります。
例えば、通常は北向きの家は日が差し込みにくく暗くなりがちなため、売りにくいとされています。
しかしそんな北向きの家であっても、照明にこだわってオシャレな作りにすることができれば、逆に暗さがウリになることも考えられます。
もしくは、二世帯住宅をはじめとする特殊な造りの家も、一般的には購入希望者が少ないと言われています。
しかし、近所にそんな造りの家が1軒しかないのであれば、それは大きなアピールポイントになり得るため、そういった環境を求める方が内覧を希望するかもしれません。
確かに欲しいと感じる人は少ないかもしれませんが、こちらが売却するのは1つの商品だけなので、その1人の条件にマッチした家であれば全く問題ありません。
マイナスだと思っている部分がアピールポイントになることもあるため、マイナスをうまくプラスに見せてみるとよいでしょう。
オリジナルのアピールポイント作成で購買意欲を高める
不動産をうまく売却するためには、不動産会社に売却活動をすべて任せておくのではなく、売り手自らも売却活動に励む必要があります。
もちろん誰もがほしがるような人気の物件を売却する際にはその必要はないかもしれませんが、
家やマンションがなかなか売れないと悩んでいるのであれば積極的に売却活動に参加しましょう。
売り手ができる売却活動とは?
とはいっても、不動産会社が広告などを打って不動産をアピールしてくれているのであれば問題ないと感じる方も多いのではないでしょうか。
確かに、不動産会社のように自分でホームページを作成して家やマンションの宣伝をするというのは少々難しいです。
しかし、例えばそういった不動産会社の広告を見て内覧に来た人に対して売り手ができることはたくさんあります。
具体的には、内覧者はその物件を購入しようか迷ってとりあえず見に来ることになるため、そういった方を逃さないように内覧で物件のアピールをするのです。
その中でも売り手が比較的簡単にできるもので説得力のあるものとして挙げられるのが、
- 周辺マップの作成
- 町内のルールなどを作成
などになります。
周辺マップの作成
内覧希望者の中には、もちろんよく知っている土地の物件を探しているという方も多いですが、中には全く周辺の情報を持っていない方もいらっしゃいます。
そういった方々のために、家やマンションの周辺情報をマップにまとめて作ってあげると、内覧者がその不動産の周辺での生活をイメージしやすいため効果が高いです。
例えば、
- 最寄駅
- バス停
- スーパー
- コンビニエンスストア
- 学校
- 銀行
- 役所
などなど、実際にそこで生活を送るにあたって関係深い施設はたくさん存在します。
ネットでマップなどをプリントアウトし、そこに主な施設の情報を手書きで書き加えるだけでも購入希望者に良い印象を与えることができるでしょう。
また、パソコンが得意な方であればパソコン上で様々な施設をきれいに入力することで、より購買意欲を掻き立てる材料となります。
もちろんマップにそれぞれの施設の所在地を書き入れるだけでも効果は高いですが、そこに住民でなければ知り得ないような情報を追加してあげるとさらに効果的です。
例えば、
- 最寄の施設まで行くための最短経路や最良経路
- 最寄のバス停から発車するバスの経路や時刻表
- スーパーの開店時間や特売日情報
など、施設に付随する情報を加えてあげることで、そこでの生活をより明確にイメージできるため、効果がさらに高くなると言えます。
町内のルールなどを作成
分譲マンションを売買する際には、そのマンションが独自に設けたルールなどが記載してある書類等を渡すのが一般的です。
しかし、一軒家を売却する際には当然そういった書類が存在しないため、もちろん売却をする際にも周辺のルールなどがわからない買い手に不動産を売ることになります。
購入希望者の多くは、物件の情報はもちろん、その物件を取り巻く環境をしっかりと把握してから家を買いたいと考える方が多いです。
そういった方のために、町内のルールや情報などをまとめた書類を作って手渡すというのも方法の1つです。
町内のルールをまとめた書類とは?
どこの街に行っても、基本的には町内会というものが存在し、通常はその町内会のルールなどに基づいて街をより良くしようという活動が行われます。
一戸建てに気持ちよく住むためにはご近所づきあいも大切になってくるため、初めからそういったルールを把握しておけば、引っ越してすぐに町内に溶け込むことができます。
具体的には、
- ゴミを捨てる曜日や種類、場所、ルールなど
- 町内の掃除をはじめとする活動の実地頻度や規則
- 盆踊りや新年会などのお祭り、町内会などの行事の有無や頻度
- 町内会の役員の選定方法など
- 子供会の有無やルール
などは、その地域に実際に住んでみないとわからない情報と言えます。
予めその情報をまとめて渡しておくことができれば、買い手もそこでの新生活をイメージすることができますし、新居で気持ちよく生活をスタートすることができるはずです。
町内情報とは?
例えば、長年空き家になっていた一軒家を売却する場合は、売り手側もその物件の周辺の情報を知らないことが多いです。
しかし、売却直前までその物件に住んでいるのであれば、近隣の住民の情報などをある程度は把握しているのではないでしょうか。
買い手とすれば、綺麗で気に入った間取りの一戸建てを探すというのは重要ですが、それよりも新生活を送る上で近所の人にうまく受け入れられるかどうかということの方が大切です。
逆に言えば、どれだけ良い家を手に入れることができたとしても、近所の住民との関係が悪くなれば居心地が悪くなってしまいます。
そのため、売り手側が事前に物件の周りの情報をまとめてリスト化してあげましょう。
そうすることによって、買い手が引っ越してからもすぐに生活を送れるようになります。
その物件の左右や向かいに位置する家の住人の情報、町内会の会長さんの情報、気難しい方が住んでいる家の情報などをまとめてあげると、買い手に喜ばれるはずです。
上述した町内のルールなどは、買い手が自分で調べようと思えば調べられないこともありません。
しかし、周辺の住人の情報はネットで検索することができませんし、本当にそこに住んだ方でなければわからない情報です。
もちろん詳細を書きすぎると個人情報の流出になってしまいますが、ちょっとした情報であれば問題ないはずですので、まとめてあげるとよいでしょう。
まとめ
売却活動を行っているのになかなか家が売れないと悩んでいらっしゃる方は、まずはもう一度その不動産と向き合ってみてください。
良い部分もあれば悪い部分もあるはずですが、その家の個性を見つけることができればそれが売却をする上での大きなアピールポイントになる可能性があります。
また、売り手が自ら周辺の情報をまとめるなどすることによって、買い手に良い印象を与えることができ、それが売却へとつながることもあるのです。
不動産会社に任せているから売れるまで気長に待つつもりだというのであれば特に問題はありませんが、早く売りたいと考えているのであれば是非実行してみましょう。
もちろん不動産会社の選び方なども重要ですが、売り手が自分で動くことによって、売却のスピードが変わってくるはずです。