解体業者に工事をお願いする際には、業者に対して怖いという印象を持つ方もいらっしゃいます。

「悪徳業者を利用してしまったらどうしよう」

「ヤクザだったらどうしよう」

という思いを持つ方もいるため、そういった方の中には、結局安心してお願いできるハウスメーカーなどに高額な費用を支払って工事を依頼する方もいます。

実際に、昔から解体業界とヤクザや暴力団の業界は根深いと言われることもあります。

しかし、現代では法律が徐々に整いつつあるため、「解体業者=ヤクザ」ということにはなりません。

むしろ、法律によって不法行為をするのが難しくなっているため、きちんとした業者の方が多いとも言えます。

この記事では、そんなヤクザと解体業界について、また、解体業者がヤクザかどうかを調べる方法などについて解説しております。

解体業界とヤクザ・暴力団の関係

解体工事をお願いするだけなのに、ヤクザとはあまりかかわりたくない、という方の方が多いはずです。

それでは、解体業界とヤクザにはどのような関係があるのでしょうか。

ヤクザと解体業界は関係性が強い

ひと昔前を見てみると、やはりヤクザと解体業界の付き合いは非常に深いと言うことができます。

ただ、現代と昔の違いとして、ヤクザの見た目や雰囲気が大きく変わったという点が挙げられます。

昔は、見ただけでいかにもヤクザだとわかるようなスタッフが解体業を営んでいたり、現場の一員として解体業に関わっていたりしていました。

一方、現代ではパッと見てヤクザだと思わせるような人間が表に出ていたり、接客に当たったりするようなことが少なくなっています。

しかし、見た目が違うからと言ってヤクザではないというわけではなく、きちんと調べてみると解体業者とヤクザが裏でつながっているというケースは少なくありません。

ご自身で解体業者を探した場合だけではなく、例えば信頼できるハウスメーカーの下請けにもそのような業者が存在します。

そのため、 解体業者とヤクザは全く関係がないと言い切ることができないのです。

解体業を通してのヤクザの利益

かつてのヤクザの中には、表向きは解体業者として工事を請け負うことによって、その活動の資金を調達していたようなものも存在します。

現代の悪徳業者と呼ばれる解体業者の中にもこのような業者は存在し、解体工事を通して不当な利益を得ている業者も珍しくはありません。

⇒解体工事の悪徳業者を見抜く方法とトラブルが起きたときの対処法

例えば、

  • 不法投棄
  • 法外な追加料金
  • 低賃金での労働

など、解体工事の中で多額の利益を得るために不法行為を働くのです。

特に、解体費用の半数近くを占める産業廃棄物の処理を不法投棄をすることで削ることによって、多額の利益を得ることになります。

解体工事は原則として屋外で行われるものになり、また事務所や工場のように常に同じ場所で作業を行うというものでもありません。

警察の目から逃れられる環境で作業ができるというのも、ヤクザが建設業を営む理由の1つと言えるでしょう。

現代の解体業界にもヤクザや暴力団はいるが減少傾向

確かに、ひと昔前の解体業界はヤクザと密接に関わりがあると言われていました。

現代でも関わりのある業者は確実に存在しますが、法整備によって年々その数は減少してきていると考えられます。

解体業者に関する法整備

上述したように、不法投棄をすることによって悪徳業者は多額の利益を得ることが可能ですが、その不法投棄に関する厳しい法律ができています。

例えば、マニフェストの発行が義務付けられ、産業廃棄物が最終処分まで適正に処理されたかを確認することができます。

マニフェストとは?産業廃棄物管理票の見方と管理方法について

また、暴力団の関係者が役員にいる解体業者は収集運搬許可を取り消されてしまうため、事実上その業者が自ら産業廃棄物を運ぶことはできません。

このように、これらの法律ができたことによって、ひと昔前までは当たり前に出来ていた行為ができなくなりつつあります。

これにより、 ヤクザや暴力団の関係する解体業者は徐々に減ってきていると言われています。

完全にゼロにはならない

いくらヤクザや暴力団に関係する解体業者が減ってきているとは言っても、その数が完全にゼロになるというのはなかなか難しいです。

例えば、上述した産業廃棄物の運搬に関しても、会社の役員に暴力団関係者がいなければ良いだけなので、代理の人間を代表に立たせているような業者も存在します。

また、実際に産業廃棄物の収集運搬の許可を持っていなくても建物の解体は可能です。

さらに、見た目が穏やかで信頼できそうだと思っていた業者のスタッフが、豹変して恐喝を行うというようなケースもないわけではありません。

そのため、業者選びの段階で本当に信頼できる解体業者を選ぶ必要があります。

解体業者がヤクザ・暴力団かどうか調べる方法

「工事をお願いする業者がヤクザや悪徳業者になるのを避けたい」

という方は、事前にその業者を調べてみましょう。

様々な調べ方がありますが、

  • 警察に確認
  • 調査会社に確認
  • 過去記録の確認

などが代表的なチェック方法です。

警察で確認する方法

利用しようとしている解体業者に、ひょっとしたらヤクザかもしれないといった疑いがある場合は、警察に相談してみるのも方法の1つです。

以前は個人情報ということもあり、警察から情報を開示してもらいにくかったのですが、暴力団排除条例が実地されてからは、警察から情報をもらえることもあります。

とはいっても個人情報であることには間違いないため、警察から情報を得るには以下の2つのことが必要になります。

  1. 客観的に見てもわかる施主と業者の関係
  2. 暴力団員だと思われる客観的事実

客観的に見てもわかる施主と業者の関係

例えば、現場見積もりをした際に、こちらの情報を渡したりすることになります。

また、こちらも業者側から見積書をもらうことになります。

怪しいと思われる業者からの見積書などを提示するというのが第一の条件です。

暴力団員だと思われる客観的事実

業者の中には、自身がヤクザとつながりがあるなどと脅して契約を取ろうとするようなところも存在します。

そのようなことをほのめかすような場合は、実際に警察に行くことで情報を開示してもらえる可能性が高いです。

また、スタッフが入れ墨をしていたというようなことも客観的事実として認められます。

調査会社に確認する方法

警察に情報を教えてもらえるような具体的な客観的事実がないが、どうしても業者のことを調べたいという方もいらっしゃいます。

そんなときには、調査会社や探偵などを利用することによって、簡単に調べてもらうことが可能です。

ただ、専門の業者に依頼することになるため、多額の費用が必要となってきます。

もちろん調査内容や依頼する会社によって価格は異なりますが、一般的には3万円~10万円ほど見ておいたほうが良いでしょう。

解体工事の費用を安くするために解体業者をご自身で探すという方も多いですが、調査会社を利用すると別途費用がかかるため、なるべく避けたいところです

過去記録で確認する方法

過去記録の確認とは、行政処分の履歴などを確認するということです。

過去にヤクザやその関係者が存在するということが発覚した解体業者は、事件記事などを見ることによって該当業者か確認することが可能です。

また、上述しましたが、その業者の役員に暴力団関係者がいる場合は、廃棄物処理法によって廃棄物処理に関わる許可を取り消されます。

参考サイト:産業廃棄物処理業・処理施設許可取消処分情報

さらに、グーグルなどの検索エンジンで、その業者名と「ヤクザ」「暴力団」というようなキーワードを利用して検索にかけてみるのも方法の1つです。

過去に何らかの事件に関わっている業者の場合は検索で見つけられる可能性もあるからです。

ただし、ヤクザが関係している解体業者の中には、この廃棄物処理に関わる許可の剥奪を回避するために、役員からヤクザや暴力団員を外しているような業者も存在します。

例えば、役員でもないのに代表者のようなそぶりを見せる人物がいる解体業者は、ヤクザである可能性も考えられます。

ヤクザ・暴力団と関係ない解体業者を選ぶために大切な3つのこと

それでは、解体工事を行う際にヤクザと関わらないようにするためには、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

最後に、ヤクザや暴力団を避けるための解体業者の選び方を紹介させていただきます。

  • 現場見積もり時の業者の対応を見る
  • 複数の業者を比較する
  • 信頼できる一括見積サービスを利用する

具体的には、これらの方法が効果的です。

現場見積もり時の業者の対応を見る

電話やインターネットで見積もりなどを依頼する方も多いですが、姿が見えないと相手のことがいまいちわかりません。

解体工事をする際には、必ず解体予定の建物を業者に見てもらって見積もりを出してもらうことになりますが、その際にはその業者のスタッフが直接足を運びます。

つまり、現場見積もりでは業者のスタッフと直接コミュニケーションをとることのできるチャンスの1つなのです。

解体工事の価格を知るために見積もりをするという方も多いですが、その時のスタッフの対応でもある程度は見えてくるはずです。

そのスタッフの

  • 話し方や提案
  • マナー
  • 性格

などを見て、本当に安心できるかを考えてみましょう。

少しでも様子がおかしいと感じたら、まだ見積もりの段階ですので工事を断ることも可能です。

業者のスタッフを見るためにも、現場見積もりは施主不在で行うのではなく、必ず立ち会って見積もってもらうことをおすすめいたします。

複数の業者を比較する

一般的には、解体工事前では複数の業者に見積もりを依頼することになります。

中には1つの業者に見積もりをしてもらってそのまま工事を依頼する方もいますが、1社だけだと本当にその見積もりが正しいのかがわかりません。

逆に複数の業者に見積もりをしてもらい、複数の料金を提示してもらうことによって、解体工事の費用の相場を割り出すことができます。

それと同時に、複数の業者のスタッフも比較することができるため、多くの業者のスタッフと関わることで安心できる業者を選べるはずです。

1社だけの見積もりではよくわからないような部分も、他の業者と比べることで納得できることがあるため、相見積もりは必ず行うようにしましょう。

信頼できる一括見積サービスを利用する

解体工事をお願いしたい方の中には、できるだけ安く工事をしたいが、うまく業者を探す自信がないという方もいらっしゃるでしょう。

それであれば、初めからヤクザや暴力団などと関係のない業者を集めた解体工事の匠などの一括見積サービスを利用するというのも方法の1つです。

そういったサービスを利用することによってそのサイトへの中間マージンが発生しますが、ハウスメーカーへのマージンと比べると格安です。

また、安心できる業者をさらに相見積もりによってご自身の目で選ぶことができるため、 トラブルのない解体工事をしたい方にもおすすめです。

そのサービスが厳選して集めた優良業者を比較して、安心して納得できる解体工事を行いましょう。

解体工事の一括見積もりサービスに関してはこちらの記事でも詳しく解説しております。

解体工事で一括見積りサイトを利用するメリット・デメリットまとめ。

まとめ

残念ながら、現代においても解体業者の中にはヤクザや暴力団の関係者がかかわっている業者がいるのは事実です。

もちろん法整備によって少しずつその数は減ってきていると考えられていますし、不法投棄などの悪事も減少傾向にあります。

しかし、それがゼロにならないのは、法の隙間をついてうまく不法行為を働く業者も存在するからです。

施主としては、やはり解体工事をお願いする際にはヤクザや暴力団に関係のない、信頼できる業者に依頼したいと考える方がほとんどです。

信頼できる業者を選ぶためには、解体工事の見積もりの段階から直接業者のスタッフと積極的に触れ合っていく必要があります

その業者の人間とコミュニケーションを取る中で信頼するに値する業者だと判断できれば、納得して工事をお願いすることができるのではないでしょうか。