解体工事を業者に依頼する際には費用を比較するという方が多いですが、実際に同じ解体工事であっても業者によって費用に大きな差が出ることもあります。

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もちろんその価格差には様々な原因がありますが、その中でも中間業者が入ることによって発生する中間マージンは解体工事費用を高くする大きな要因の1つです。

例えば実際に解体業者が受け取る金額が100万円の場合、中間マージンが発生していることによって施主は業者に130万円や140万円支払うことになります。

全く同じ解体工事をしてもらうのであれば、やはり少しでも解体費用が安いほうがいいですよね?

この記事では解体工事で発生する中間マージンについて解説しています、

中間マージンのメリットや解体工事を安くするためのコツなどを紹介させていただきます。

ほとんどの解体工事で発生する中間マージン

優良で安心できる解体業者と仲がいい、というような方はほとんどいらっしゃらないため、解体工事を行う際にはネットをはじめとした様々な媒体を通して解体業者を探すことになります。

しかし、業者によって中間マージンがかかるところもあれば、反対にかからないところもあるため、両者の工事費用が差が大きくなることも少なくありません。

マージンは業者によって様々

自社でそのまま解体工事を行ってくれる業者にお願いすることができれば、マージンが全くかからないということになりますが、その他の業者を利用すると確実にマージンがかかります。

しかし解体工事のマージンの割合は、どこの業者に工事を依頼するかによって大きく変わってきます

例えば、新築物件を建てるために解体をするという方は、その解体工事からハウスメーカーにお願いするということもありますが、ハウスメーカーは自社で工事を行わず下請けの解体業者を使うことになるため、そこで多額の中間マージンが発生します。

一般的には、ハウスメーカーの中間マージンは実際の解体工事費の20%~40%程度だと言われています。

100万円でできる解体工事に、120万円~140万円を支払うことになるのです。

もちろん、これは平均のマージン額になるため、場合によってはそれ以上に高いマージンを乗せて工事費用を請求するような業者もあるということを覚えておきましょう。

解体工事ができる業者は幅広い

解体業者以外にも解体工事を請け負う業者は意外と多いため、実際に解体工事を行おうと考えた際に、どこに頼めばいいのかわからなくなる方も少なくありません。

解体工事ができる業者には

  • ハウスメーカー
  • 建設事務所
  • 工務店
  • 解体業者

などが挙げられます。

このうち、自社で解体工事を行うことができるのは解体業者くらいで、残りの3種類の業者は下請けの解体工事業者に解体を依頼することになります。

もちろん自社で解体業を営む資格を持っているという工務店などが存在しないこともないのですが、一般的に考えて解体工事業者以外に解体工事を頼むとマージンが上乗せされる可能性が高いのです。

中間マージンを支払う2つのメリット

全く内容が同じ解体工事であれば、当然マージンがかからない安い方が良いと答える方が多いはずです。

それでは、逆にマージンを払ってまで解体工事をやってもらうメリットはあるのでしょうか。

考えられるメリットとして

  • やり取りが楽
  • 安心感がある

などが挙げられますので、詳しく見ていきましょう。

業者の窓口が1つで済むメリット

例えば、新築物件を建てるために古い住宅を取り壊すというような場合は、まずは新しい家を建てるためにハウスメーカーとやり取りをするという方が多いです。

その時に

  • ハウスメーカーに解体工事も頼む
  • 違う解体業者を見つける

という2つに分かれることがほとんどです。

もちろんそれぞれの業者がすんなりと決まれば問題ないのですが、通常は相見積もりなどを経て複数の業者とやり取りをする必要がありますし、実際にお願いする業者以外に断りの連絡を入れるなどの面倒な作業もしなければなりません。

最終的には、窓口が解体業者1社とハウスメーカー1社の合計2社ということになりますが、まずはその2社に絞り込むために大変な労力が必要になります。

さらに、解体工事で何かトラブルがあったりして工事の日程がずれそうな場合は、すでに着工日などが決まっている新築物件をお願いしたハウスメーカーにその連絡をしたりしなければなりません。

一方で、窓口が1つであれば業者を探す労力は半分になりますし、工事のずれなどもハウスメーカーがすべて把握しているため、基本的には一度任せてしまえば施主が動き回る必要はなくなります

この点は大きなメリットだと感じるのであれば、マージンを払ってでもハウスメーカーに一括してお願いしてしまった方が楽だといえるでしょう。

ただ、上記のような高いマージンがかかってしまうため、結局はハウスメーカーとは別の解体業者を探すことになることのほうが多いです。

大手の業者が保証してくれるというメリット

マージンを取らない解体業者は、安く解体工事を提供してくれる代わりに、知名度が低かったり会社自体の規模が小さいというところがほとんどです。

もちろん優良業者も多いのですが、そのような業者に混ざって悪徳業者も存在するため、利用する業者を間違えてしまうと大きなトラブルに発展する可能性がありますし、その後に控えている新築物件の建設にも影響が出てしまいます。

特に工事をするにあたってのご近所トラブルが原因で解体工事がストップしてしまったりすると、後々の工事も遅れてしまうことになります。

解体工事でよくあるご近所トラブル3選とおすすめの解決方法

また、場合によっては先にお金をもらった解体業者が、解体工事を途中で切り上げて逃げてしまうというケースも存在します。

大手の会社に一任してしまえば、当然トラブルが発生する可能性はぐんと下がりますし、仮にトラブルが発生したとしても責任を持って全て対応してくれるところが多いため、安心して工事を任せることができます

ただ、解体業者に直接お願いする場合であっても、しっかりとした業者を見つけることができればトラブルのリスクも減るため、どちらにしても安心して工事をお願いすることができるでしょう。

しかし、その場合はやはり業者選びにそれなりの時間が必要になってくるため、時間もなく安心した工事をして欲しいという方は大手のハウスメーカーなどに一括で頼んでしまうのも方法の1つです。

マージンがかからない工事は忙しい

それでは、ハウスメーカーに新築物件を建ててもらう前の解体工事を別で解体業者にお願いした場合は、施主は具体的に何をしなければならないのでしょうか。

工事を別々で発注することを分離発注と言いますが、この場合は単純に施主が自分で解体業者と直接やり取りを行うことになります。

具体的な流れとしては

  1. 安心できる解体業者を探す
  2. 現地見積もりを依頼する
  3. 解体業者との契約を結ぶ
  4. 解体工事が終わってからの確認
  5. 解体業者への支払い

ハウスメーカーのやり取りに加えて、これらの作業を行う必要があります。

大変そうだと思われる方も多いかもしれませんが、逆に言えばこれをすることで数十万円安くなると考えれば、お得だと感じる方もいらっしゃるはずです。

それでは、それぞれの工程を簡単に紹介させていただきます。

安心できる解体業者を探す

分離発注をする際に最も大変なのは、最初に利用する業者を探すというステップになります。

解体業者と言っても全国には様々な業者がありますし、解体業者の中にも下請けの解体業者に工事を丸投げして中間マージンを得ているようなところが存在するため、慎重に選ばなければなりません。

解体業者の選び方に関しては、下記で詳しく紹介させていただきます。

現地見積もりを依頼する

解体業者を絞ったら、実際にその業者に解体する予定の建物を見てもらう必要があります。

ハウスメーカーに解体もまとめてお願いしていれば、基本的には新築物件を建てる前に解体の見積もりも一緒にしてもらえます。

しかし分離発注をする場合は、複数の解体業者に別々に直接現場に足を運んでもらい、きちんとした見積もりを出してもらう必要があるのです。

解体業者との契約を結ぶ

例えば値段で解体業者を選ぶ場合は

  • 何かの料金を別に支払う必要があるのか
  • 追加料金が発生しないか

というようなことも含め、不安な部分や疑問点をすべて解消したうえで契約を結ぶ必要があります。

悪徳業者の可能性もあるため、後々もめた際には、最終的には契約書の内容が決め手となるからです。

もちろん大手のハウスメーカーにすべてをお願いする場合も、きちんと契約書を確認したうえで契約を結ばなければなりませんが、有名な業者が悪徳業者ということは基本的にはないため、安心して契約を結ぶことができるでしょう。

解体工事が終わってからの確認

ハウスメーカーにまとめてお願いする場合は、このステップは基本的にはする必要がありません。

敷地をきれいにしたら、そのまま新築物件の着工に移るため、慎重に確認しなければならないということがないのです。

しかし、解体工事業者に分離発注した場合は、新築物件を建てるためにきちんと解体工事が完了しているかを現場まで足を運んで確認する必要があります。

解体業者への支払い

分離発注ですので

  • ハウスメーカーに支払う新築物件の建築費用
  • 解体業者に支払う古い建物の解体費用

これらを別々で他の場所に支払う必要があります。

この部分は一回の手続きで済むことが多いため面倒だと感じることは恐らくないと思います。

結果的に解体工事の費用を大幅に値下げすることに成功しているわけですから、ここまで来たら分離発注にしてよかったという達成感を味わうことができるはずですので。

解体工事費用を安くするための業者選び5つのポイント

それでは最後に、解体工事のコストを削減するために、上手な解体業者の選び方を見ていきましょう。

  • 相見積もりをする
  • 一括見積りサイトを利用する
  • 信頼できる業者かどうかを確認
  • 自社で工事をするかの確認
  • 費用だけで判断しない

最低限この辺りに注意して選ぶことができれば、トラブルなく解体工事を完了させられる可能性が高いです。

相見積もりをする

相見積もりは、少しでも良い解体工事を行うための基本中の基本です。

複数の業者に現地に来てもらって解体予定の建物を見てもらうことによって、正確な見積もりを出すことができます。

その際には、費用を比較するのも重要ですが、現場に来て対応してくれたスタッフの態度やマナーなどにも気を配ることで、後々業者を絞りやすくなります。

一括見積りサイトを利用する

そもそも優良の解体工事業者を探すという部分が1番大変な作業です。

誰か知り合いがいれば、ある程度はスムーズに見つかるかもしれませんが、誰も知り合いがいない場合は、自分で調べて探すことになるので時間もかかります。

そんな時に活用できるのが、解体工事の一括見積もりサイトです。

解体工事の一括見積もりサイトでは、各地域の優良な解体工事業者を3社紹介してくれるサービスを提供しています。

詳しくはこちらに書いてあるので、業者を探すのが大変だという方は参考にしてみてください。

解体工事で一括見積りサイトを利用するメリット・デメリットまとめ。

信頼できる業者かどうかを確認

ここで言う「信用できる業者」とは、スタッフがしっかりとしているというようなことではなく、その業者が解体のための資格をきちんと持っているかということになります。

例えば、解体工事をしてもよいという資格を持っているか、解体工事で発生する産業廃棄物を適切に処理してくれるのかというような点がそれに当たります。

詳しくは、以下を参照してくださいませ。

解体工事業者を選ぶ方法|見極めるために大事な6つのポイント

自社で工事をするかの確認

同じ解体業者であっても

  • 自社で解体工事を受注してそのまま工事をしてくれるところ
  • 受けた受注を下請けの解体業者に回してその業者が解体する場合

との2つに分けられます。

後者の場合は、ハウスメーカーに頼むのと同じく高額な中間マージンが発生する可能性がある上に、ハウスメーカーよりも安心感がないということになってしまうため、慎重に見極める必要があります。

例えば、信頼できる一括見積サイトなどであれば、マージンも少なく安心できる業者を選ぶことができるはずです。

費用だけで判断しない

解体工事の費用を安くするために分離発注をする、という方がほとんどだと思いますが、 相見積もりをして極端に費用の安い業者を選んでしまうのはあまりおすすめできません

安ければそれでよいという方もいらっしゃるかもしれませんが、安いのにはそれなりの理由が存在することもあるのです。

例えば工事を始めてから追加請求をされるケースもあれば、産業廃棄物の処理費用が入っていなかったからその分を別で支払うことなったというケースなど、結局高くついてしまうことがあります。

値段も重要ですが、相見積もりをして解体費用の相場を確認しつつ、安い業者にはなぜそんなに安いのかという理由を聞き、納得できればそこにお願いしてみるのもよいかもしれません。

中間マージンの額をしっかりと知ろう

解体業に関わらず、様々なサービスも代理店を通すことによって、その代理店が中間マージンを得る仕組みになっています。

マージンがかかってしまうのはある程度は仕方のないことだと考える方も多いですが、それはマージンの額によります。

特に解体工事のような、元々高額なものに対してかけられるマージンはかなりの額になってしまうことが多いため、できるだけマージンは少ないほうが良いのです。

分離発注は面倒だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それでトータルのコストが数十万円も変わってくるのはかなり大きいです。

特に、業者をじっくりと見る時間があるという方には、分離発注をしてマージンをできるだけ下げる努力をすることをおすすめいたします。