憧れのマイホームを手に入れるために、頑張ってお金を稼いだという方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ一戸建てを購入してから「こんなはずではなかったのに」と後悔される方は少なくないようです。
もちろん夢のマイホームで楽しく生活を送る方も多いのですが、後悔する方は一体どのような点が気に入らないのでしょうか。
一戸建ての購入で後悔する点は大きく、
- お金に関する後悔
- 住まいに関する後悔
- 環境に関する後悔
の3つに分類することができます。
もちろん不動産を購入する際にお願いした不動産会社が気に入らなかった、ハウスメーカー選びを間違えたなどの後悔もあるようです。
しかし、実際に一戸建てを手に入れてからの後悔は上述した3つに絞ることが可能です。
この記事では、それぞれの後悔ポイントの中でも多くの方が感じている部分にスポットを当て、対策とともに紹介させていただきます。
目次
ローンやお金のことで後悔してしまったよくある4つの事例
マイホームは人生で最も高い買い物だと言われることがありますが、実際に一戸建てを購入することでお金に関する悩みを抱える方もいらっしゃいます。
ローンやお金に関する代表的な後悔ポイントとしては、
- 予算ギリギリの価格の家を購入してしまった
- ローンを組んだ途端に収入が減ってしまった
- ローンの完済までには修繕費がかかった
- 転勤になってしまい安く売る羽目になった
などが挙げられます。
予算ギリギリの価格の家を購入してしまった
例えば、予算が3,000万円でこれ以上出すのは厳しいという方が、3,000万円で新築の一戸建てを購入すると後悔することになります。
土地と建物でちょうど3,000万円だから予算内で収まってよかったと感じるかもしれませんが、実際にはこれら以外にも意外とお金が必要です。
まず、確実に必要になる費用として、
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 印紙代
- 仲介手数料
などが挙げられます。
これらは不動産の価格に左右されますが、新築で土地を購入して家を建てる場合は、安くても100万円弱ほどかかるケースがほとんどです。
また、地盤調査をして補強が必要だとなった場合は、さらに100万円以上の費用が必要になってきます。
それから、家のプランを見ながらオプションを付けてみたり、グレードの高い素材を使ってみたりすると、かなりの額が上乗せされます。
そういったことを考えると、とてもギリギリの予算である3,000万円で収まる買い物にはなりません。
マイホームを建てる場合は、事前にハウスメーカーや工務店などの建築会社を探し、予算を伝えてから計画的に進めていきたいものです。
ローンを組んだ途端に収入が減ってしまった
一戸建てを購入した後によく聞く後悔が、
といった種類のものです。
中には、今後ご自身の収入が増えるということを前提にローンを組もうとする方もいらっしゃいます。
しかし、当然思うようにいかないという方の方が多いため、最終的にはローンの支払いで家計が圧迫されることになるのです。
ギリギリの生活をしてローンを支払うことができるのであればまだよいのですが、家を手放すことになる方も実際にいらっしゃいます。
ローンを組む際には、現在の収入が減るかもしれないというリスクも考え、無理のない範囲で融資をお願いするべきです。
ローンの完済までには修繕費がかった
35年のローンを組んで一戸建てを購入する、という方も多いのではないでしょうか。
35年というのは非常に長い年月になりますので、例え新築で一戸建てを購入したとしても、どこかにガタが来て修理や修繕をしなければならなくなります。
また、家自体の耐久性を高めるために、外壁塗装をはじめとするリフォームを施す必要があります。
⇒家などの不動産を売却する前にリフォームするメリットとデメリット
さらに、固定資産税や火災保険料など、賃貸で一戸建てやマンションに住んでいた時にはかからなかった経費が必要になってきます。
もちろん使い方や資産価値などによってこれらは大きく変わってきますが、一般的には35年で500万円~700万円ほど見ておいたほうが良いでしょう。
例えば700万円とすると、1年で20万円、1カ月当たり2万円弱を支払い続けることになるのです。
もちろんローンの支払いとは全く別の出費になるため、意外な支出に後悔するという方も少なくありません。
ローン以外の維持するためのコストをきちんと計算してからマイホームの購入を決めることをおすすめいたします。
転勤になってしまい安く売る羽目になった
職業によって異なりますが、中には転勤の可能性がある仕事についている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろんマイホームを購入する前に転勤について会社に確認する方もいるでしょうし、自分に転勤はないと思っていた方もいるはずです。
しかし、目まぐるしい現代で絶対に転勤がないと言い切るのは難しいため、配置転換によってマイホームに住めなくなることも十分に考えられます。
既にローンを払いきっているのであれば問題はないでしょうが、やはりローンを残したまま別で家を借りなければならないことの方が多いです。
自分で決められないことに関しては対処のしようがありませんが、転勤が多い職業の方は一戸建ての購入についてよく考える必要があります。
いずれ戻ってくる予定があればいいですが、それがわからない場合は大変です。事前に自分の会社が転勤が多いかどうかを確認するのが大切です。
購入後の住まいに対して後悔してしまった4つの事例
購入をした時には満足してお願いしたはずなのに、実際に住んでみると思ったよりも住みにくいと感じる方も少なくありません。
その代表的な点として
- コンセントの数や位置に不満がある
- 収納の数が少なすぎる
- デザインを優先しすぎた
- 間取りが思っていたものと全然違う
などが挙げられます。
ちなみにSUUMOが行ったアンケートではこちらの失敗が多いようです。
コンセントの数や位置に不満がある
ひと昔前と比べると、現在は電気のコンセントを利用しなければならないような家具が増えました。
例えば、以前はテレビとビデオプレーヤーのコンセントのみで住んでいたリビングも、現在は様々な用途で使う可能性があります。
- テレビ
- DVDプレーヤー
- 録画用HDD
- ゲーム機
- Wi-Fi
- スピーカー
- 音声アシスタントデバイス
などなどコンセントを使う電化製品を挙げればきりがありませんが、従来のように2つのコンセントでは全く足りないということがわかります。
また、きれいに並べられたコンセントの穴に、きれいに全ての電化製品のプラグが刺さるとも限りません。
それに配線に失敗したという情報も多いです。
中には大きなアダプタを持つプラグもあるため、そういったものを利用すると他のコンセントの穴の邪魔をする可能性があります。
リビングだけではなく、
- パソコン回り
- キッチン
- 廊下
- クローゼット
など、できるだけたくさんのコンセントがあったほうが良い場所もあれば、ないことで不便だと感じる場所も存在します。
もちろんたこ足配線を利用するのもよいのですが、やはり部屋をスマートに見せるためにも壁の様々な場所、様々な位置にコンセントを設置しておきたいものです。
収納の数が少なすぎる
生活空間を広くした方が気持ちよく暮らすことができると考える方も多いですが、生活スペースを広げすぎると反対に収納のための場所がなくなります。
一戸建てを購入する段階では、恐らくほとんどの方が十分な収納を造ったと感じるはずです。
しかし、実際に生活をしてみると様々な部分で収納が足りないと感じることが多いようです。
例えば、寝室の収納は十分に足りているのに、キッチンスペースや玄関にももう少し収納がほしかったなど、部分的な収納のなさに後悔される方もいます。
中には、大きな収納スペースを1つ造って、そこに全てまとめてしまおうと考える方もいらっしゃいます。
しかし、実際の使い勝手を考えると、全てそこの収納から取り出す必要があるため非常に不便です。
生活スタイルや家族の人数などによって収納の使い方は異なりますが、実際に生活をすることをイメージしてから収納の数や大きさを決めましょう。
デザインを優先しすぎた
憧れの一戸建ての購入ということで
できるだけオシャレな造りにしたい
他の家にはないオリジナルな家にしたい
と考える方も少なくありません。
しかし、デザインを重視した一戸建ては、作る段階で一般的な住宅よりも建築費用が高くなることが多いです。
それでもオシャレであれば問題ないと考える方もいますが、実際に生活を送る中で後悔をするケースもあります。
例えば、
- 天井を高くとりすぎて冷房や暖房が効きにくい
- 形にこだわりすぎたため、スペースに対して造りが狭くなった
- 階段の形が危なくて上り下りが大変
などなど、その家で生活する姿をイメージしなかったために様々な部分で後悔が発生します。
もちろん図面を見てオシャレな家を想像する分には楽しいですが、そこで生活をしてどのようなデメリットが生じるかも考えるようにしましょう。
よくテレビなどでやっている住宅特集などをみて決める方も多いですが、実際には使いづらいデザインも多いので注意しましょう。
間取りが思っていたものと全然違う
新しく家を建てる際には、当然間取りについてもよく考えるという方がほとんどです。
間取りは図面などを見ながら、具体的にリビングは10畳、書斎は6畳といった具合に好きなように決めることができるはずです。
しかし、その図面に納得して実際に家を建ててみると
- 何となく広くて落ち着かない
- 逆に狭すぎてスペースが不十分だ
というような後悔をする方もいます。
また細かいところを挙げると
- ドアの位置はこっちのほうが良かった
- 窓をもう少し高い位置に設置すればよかった
など、様々な不満を持つ方も少なくありません。
確かに図面を見て間取りを決めるというのも大切なステップですが、実際に広さを体感する必要があります。
具体的には、モデルハウスに足を運んで家具を設置した際の空間の大きさを確認し、時間をかけて少しずつ間取りを決めていきましょう。
なお、モデルハウスは綺麗に家具が並べられていますが、実際の部屋にはもう少し物が増えるため、やや広めで設定しておくことをおすすめいたします。
環境や立地で後悔してしまった4つの事例
一戸建てを購入する際には、その建物の質を見るだけではなく、周辺の環境も重視する必要があります。
実際に、家の内部のみを見て購入を決めてしまった方は、立地に対して不満を持つことが多いようです。
その中でも代表的なものとして挙げられるのが、
- 思ったよりも駅までの距離がある
- 日当たりが悪い
- 夜になると真っ暗になって怖い
- 日中騒がしい
などになります。
思ったよりも駅までの距離がある
一戸建てを購入する際には、実際に駅と自宅の間を歩いてみて距離感をつかむという方がほとんどです。
パンフレットなどには○○駅徒歩何分というような記載があるはずですが、自分の足で歩いた時にどれくらいの時間がかかるのかを確かめるのは常識です。
しかし、例えば日曜日に歩くのと通勤時間である平日の朝に歩くのとでは、所要時間が全く異なる可能性があるのです。
例えば、
- たくさんの人が歩くため自分のペースで進むことができない
- 日曜日の昼間は少なかった電車が通勤時間には多くなり踏切がなかなか開かない
- 車やバイクが多く歩きづらくなる
などなど、距離は変わらないとしても様々な要因が重なって、駅までたどり着くのに倍の時間かかってしまうこともあります。
実際に家から駅までを歩く可能性のある時間帯に歩いてみることで、初めて実際の駅との距離を測ることができます。
日当たりが悪い
「周辺にスーパーや郵便局などの生活のための施設が充実しているかを確認する」という方は多いですが、1日をかけて日当たりをチェックする方は少ないです。
もちろん、日当たりが良い物件については日当たり良好などと記載されているかもしれないので、事前に気にする必要はないかもしれません。
しかし、具体的にどの角度からどのように日が差し込むのかと言うところまで確認しないと、本当に自分たちにとって日当たりが良いのかはわからないのです。
例えば、1日中その土地に張り付いて日の移り変わりを見るのは難しいかもしれません。
しかし、方角や周辺の高い建物などを頭に入れ、日当たりの変わり方を想像することはできるはずですので、購入前にシミュレーションしてみましょう。
夜になると真っ暗になって怖い
中古の一戸建てを購入する場合、基本的に内覧などに行くのは明るい時間帯が多いのではないかと思います。
例え昼までなかったとしても、完全に日が落ちてから家を見に行くというのは珍しいため、中には夜の様子を確認せずに購入してしまう方も存在します。
しかし、昼間はあんなに明るくて過ごしやすいと思っていた場所が、夜になるとライトも暗くあたり全体が薄暗いというようなケースも存在します。
夜になったら絶対に家から出ないというような生活を送る方はいないはずですので、昼だけではなく夜の様子も確認しておくべきです。
日中騒がしい
夜は静かな住宅街であったとしても、日中は家の周りが騒がしくなる可能性もあります。
例えば、家の真ん前に公園がある場合は、帰宅途中の小学生が寄り道をしてはしゃいだりすることもあるでしょう。
または、家の前で近所の奥様方が井戸端会議をするため、その声が家の中まで聞こえてうるさいと感じることもあるかもしれません。
やはり、
- 公園の近く
- ゴミ捨て場の近く
- 角地
などは、場合によっては騒がしくなる可能性があるため、そういった場所の一戸建ての購入を考えている方は気を付けましょう。
具体的には、購入前に何度も違う時間帯に足を運び、騒がしくならなさそうか確かめることをおすすめいたします。
戸建てマイホームの購入で後悔しないために注意すべき4つのポイント
誰もが憧れているマイホームの購入ですが、一部の方は購入後に様々な後悔をすることになります。
最後に、なるべく後悔しないためにも購入前にしておきたい最低限のことを紹介させていただきます。
注意すべきポイントは
- 情報収集を怠らない
- 将来的にかかる費用も含めて総額で考える
- わからない部分は全てクリアにする
- 建築プランに妥協しない
この4つです。
情報収集を怠らない
一戸建てに関わらず、不動産を購入する際には、その建物自体の造りや状態だけではなく、周囲の環境やローンの状況など、あらゆることに注意を払わなければなりません。
また、不動産を購入する際にはほとんどの方が不動産会社や建設業者などを利用することになるはずです。
一戸建ての購入でお世話になる業者に対する不満を持つという方も少なからず存在するため、最初の業者選びから慎重に行う必要があります。
例えば中古物件を購入する際に、気に入ったものがあったらすぐに買ってしまうという方もいらっしゃいます。
しかし安易に購入するのではなく、その物件に何度も足を運び、物件と同時に立地に関する情報を自分の身体で体感することをおすすめいたします。
また、周りの住人の様子や時間帯の違いによる環境の変化なども肌で感じたほうが良いでしょう。
最初は必ず1つに業者を絞る必要はありません。複数の業者にいろいろと相談するのもおすすめです。
将来的にかかる費用も含めて総額で考える
一戸建ての価格と聞くと、広告やインターネットの物件ページに記載されている表示料金を思い浮かべる方がほとんどです。
確かに不動産自体の価格はその価格で間違いないのかもしれませんが、家を買うとなるとその他にも様々な費用が必要になってきます。
予算が2,000万円しかないのに2,000万円と表記されている一戸建てを購入してしまうと、確実に予算オーバーすることになります。
登録免許税や仲介手数料などの購入時に支払わなければならない金銭だけではなく、月々のローンの金額、リフォーム代金なども頭に入れておきましょう。
もちろんそれらすべてを含めた総額が予算に収まる必要はないですが、一戸建てを購入し維持し続けるには意外とお金がかかるのです。
まずは
- どのような家がほしい
- 家に対して35年間で必要になりそうな費用は大体いくらくらい
ということを計算してから家を探しましょう。
わからない部分は全てクリアにする
はっきり言ってしまうと、特に初めて一戸建てを購入するような方には不動産に関する知識はほとんどありません。
一方で、その一戸建ての購入を手伝ってくれる不動産会社の担当者は、言ってみれば不動産のプロであり十分な知識を持っているはずです。
購入希望者が不動産に関する知識を持たないのは当たり前のことですので、わからないことがあれば気にせずどんどんと担当者に質問しましょう。
簡単に解決する疑問点もあれば、ちょっとした知識がないとしっかりと理解できないようなものも存在するはずです。
しかし、疑問を残したまま不動産を買ってしまうと後悔する可能性が高くなるため、基本的には購入前に疑問点は全てなくしておくべきです。
建築プランに妥協しない
新しく家を建てる際には、実際の工事着工の前に、長期にわたって建設業者と建築プランについて話し合うことになります。
- 土地の面積に対する建物の面積を決める
- その面積の中で部屋をどれだけ造るか
- どのような間取りにするか
というようなことを決めていきます。
同様に、建物の素材や色、形などのデザイン部分も決めていかなければなりませんが、こだわりがある方はこの話し合いにじっくりと時間をかけましょう。
中には、少しでも早くマイホームがほしいという焦りから、事前の話し合いをおろそかにして家ができてから後悔してしまう方もいます。
建築のプランは建設業者に支払う費用にも直結する部分になるため、ここでどれだけ納得して話を詰められるかで、家の値段も大きく変わってきます。
家を建てる際には、設計段階に時間をかけることで、後悔する可能性が低くなるので必ず時間をかけましょう。
分譲住宅なら問題ありませんが、注文住宅の場合は自分が納得できるまで打ち合わせはしましょう。それでも後悔することがほとんどですので。
まとめ
一戸建てを購入するにあたって、出来上がった家に対して100%の満足感を得られるという方はまずいないでしょう。
例え最初は満足した出来であったとしても、生活を続けるうちに必ずどこかに後悔する部分が生まれるはずです。
そのため、100%自分たちを満足させる一戸建てを追い求めていると、いつまでたってもマイホームを購入することができなくなってしまいます。
しかし、
- 妥協できる部分と妥協できない部分
- 普段の生活をイメージして必ず欠かせないものは何か
ということを明確にしておくことをおすすめいたします。
それをはっきりさせることによって、自分たちだけの理想の家を作ることができますし、理想に近い一戸建てを見つけることができるはずです。