家やマンションなどの不動産を売却する際には重要な部分がいくつも存在しますが、その中でも最も重要なポイントの1つとして内覧が挙げられます。
不動産会社の広告などによって内覧希望者が対象となる家を訪れる際に、良い印象を持ってもらうことができれば売却できる可能性が高まるからです。
それでは、内覧での印象を高めるにはどのようなことに気を付けるべきなのでしょうか。
もちろん売り手は内覧希望者と様々な話をすることになるため、聞かれた質問に的確に答えたり周辺の様子をアピールするのも重要だと言えます。
しかし、やはり内覧希望者の最大の目的は、自身が購入するかもしれない不動産の確認になるため、その確認対象となる不動産をきれいにしておくに越したことはありません。
つまり、内覧前にはきちんと掃除を行うことが必要になってくるのです。
この記事では、内覧希望者が売却したい不動産を訪れる前にやっておくべき掃除をまとめてみました。
玄関は家の第一印象を決める場所
玄関は、不動産の中でも内覧者が最初に見る場所になるため、玄関を見ることでその不動産の第一印象が決まるといっても過言ではありません。
売却しようと思っている家やマンションの印象を高めるためには、まずは玄関を徹底的に掃除しましょう。
掃除のポイントとしては、
- 玄関全体のホコリを取り除く
- 床の細かい汚れを除去する
- 靴箱の中の掃除
- におい対策
などが重要になってきます。
玄関掃除の基本
掃除の基本は、上の方から下に向かって行うというものになるため、まずは玄関の上部からはたきなどを利用してホコリを下に落としてしまいましょう。
靴箱の上に物を置くスペースがあったり、鏡などがある場合は、当然ホコリやくもりがないようにきれいにふき取る必要があります。
また、意外とみられがちなのが玄関の扉になるため、玄関扉に付着しているホコリやドアノブの汚れなども忘れずにきれいにすることをおすすめいたします。
素材によっては、老朽化してなかなかきれいにならないというところもあるかもしれませんが、水拭きをしたり、場合によっては洗剤を利用して徹底的に掃除しましょう。
床には砂1粒残さないつもりで
玄関の床部分は、外から様々な汚れを付けた靴が置かれる場所になるため、室内のホコリだけではなく泥や砂などの細かな汚れが散らばっていることが多いはずです。
もちろん、ある程度は仕方がないと感じる方もいるでしょうが、できればホコリや砂類の細かな汚れは完全に取り除くつもりで掃除することをおすすめいたします。
ホウキで掃いたり、場合によっては掃除機ですべて吸い込んでしまうのも方法の1つですが、汚れを取り除いたら最後に水に濡らしたぞうきんなどで拭き取ることをおすすめいたします。
どうせすぐに汚れてしまう場所になりますが、やはりきれいな方が印象もよいですので、裸足で歩いても何も感じないくらいまで掃除してあげましょう。
靴箱の掃除も忘れずに
靴箱は、引き戸や開き戸などで中が見えないものも多いですが、内覧は普通のお客様を迎えるわけではなく、その不動産の購入希望者を案内するものなので、当然靴箱の中も見られる可能性があります。
掃除をするには、まずはそこに入っている靴を全て外に出し、掃除機を利用してホコリを吸い取った後に水に濡らしたぞうきんで水拭きすればよいでしょう。
玄関全体とは異なり暗い場所になりますし、内覧者も汚れの有無ではなく内部の構造を確かめるためにサッと見るだけのことが多いため、最低限見せられる程度でも構いません。
しかし、やはり汚れが付着していると目立ったりしますし良い印象を与えることができないため、できる限りきれいにしておくことをおすすめいたします。
玄関のにおい対策
靴箱の汚れをそこまで気にしない内覧者も多いですが、やはり靴のにおいは誰であっても気になるものです。
玄関を開けて最初に飛び込んでくるのが不快な靴のにおいだった場合、内覧者の持つ印象はその時点で悪くなり、その後の内覧がうまくいかないこともあります。
長期的ににおいを消すのであれば消臭剤を設置したりするのもよいのですが、消臭剤があるということがマイナスになる可能性も。
なので、できるだけ目立たない靴箱の奥や玄関の隅に設置するとよいでしょう。
また、においがなかなか取れない場合は、内覧の直前に消臭スプレーなどを利用すると一時的にごまかすことができます。
水回りの汚れは最小限にしておく
住宅における水回りとは、
- キッチン
- 浴室
- トイレ
- 洗面台
のことを指します。
他の場所と比べると汚れが目立ちやすい場所ですし、また付着した汚れもなかなか取れません。
しかし、この水回りの処理をどのように行うかで内覧者の不動産購買意欲が大きく変わってくるため、こちらも徹底的に掃除しましょう。
カビはできる限り取り除く
水回りにおいて、カビの存在は内覧者の印象を非常に悪くします。
しかし、頑固なカビは簡単に取り除くことができないため、カビを取り除く専用の洗剤を利用して取り除きましょう。
ただし、一度きれいに取り除くことができたとしても、使い方次第ではまたすぐにカビが発生してしまう可能性があります。
そのため、少々面倒かもしれませんが、売却活動をしている間はお風呂を使用した後に毎日すぐにきれいにし、シャンプーなどの洗い残しがないようにするべきです。
なお、空き家を売りに出す場合は、一度掃除すればすぐにカビが出てくるということはないはずです。
しかし、売却活動が長期化するとまた汚れる可能性があるため、定期的に掃除することをおすすめいたします。
水垢をなくしておく
水回りで内覧者の印象を悪くするもう1つのポイントが、鏡や水栓に付着した水垢です。
もちろん使い続けていると徐々に劣化していくため、例えば水栓がくもってしまったりするのは仕方のないことかもしれません。
しかし、そのくもりが古いという印象を与えますし、逆にくもりや水垢がなければ新品のように光り輝くため、きれいにしておいて損はありません。
鏡や水栓などのシルバーの部分をピカピカにするにはクエン酸が良いと言われているので、印象をよくするためにも一度試してみてはいかがでしょうか。
清潔感を感じられるようにしておく
例えば新品のバスルームは見るからに清潔だという印象を与えますが、古くなった浴室の中には不潔さを感じさせるものも少なくありません。
しかし、いくら古くても使い込んでいる感を出さなければ古さを感じさせませんし、それが清潔感につながります。
上述したカビや水垢もそうですが、使い込んでいる感というのは汚れやシミ、湿気、においなどになります。
同じバスルームでも、湿気があるのとないのとでは印象が異なりますし、キッチンも料理や生ゴミのにおいがするのとしないのとでは大きく違います。
もちろん不動産の内覧者も新品でないということは理解していますが、できるだけ中古というイメージをなくすことで水回りの印象がかなり良くなるはずです。
部屋を明るく見せるために大切なポイント
内覧をする際には、できるだけ部屋を明るくしておくことで良い印象を与えることができます。
それでは、なぜ明るいと印象が良くなるのでしょうか。
また、明るくするにはどのようなことをすればよいのでしょうか。
室内が明るいメリット
建物の内部を明るくするメリットとして、
- 部屋が広く見える
- 明るい印象を与えることができる
- 光が良く入る建物だと錯覚させることができる
などが挙げられます。
もちろん他にも様々なメリットがありますし、逆に明るくしすぎると部屋の細部の汚れなども見えてしまうなどのデメリットなどもあるかもしれません。
しかし普通に考えて、内覧で見に行った家が薄暗いのと明るいのとでは、当然明るい方が好印象ですし、暗い部屋に住みたいと思う方は少数派のはずです。
そのため、内覧の際にはできるだけ部屋を明るくさせる工夫をしておきましょう。
電気を取り換えておく
最近は電球や蛍光灯などの寿命も延びているため、内覧の直前、または内覧の最中にいきなり切れるということは滅多にないかもしれません。
しかし、当然その電球や蛍光灯にも寿命があるわけなので、運が悪ければ内覧の直前で切れる可能性も否めません。
そのため、事前に同じタイプの電球や蛍光灯を購入しておくのがよいですし、もしくは事前に全て取り換えてしまうというのも方法の1つです。
その際には、できるだけ明るい光を発する照明を選ぶことによって、室内をより明るく見せることが可能です。
窓のくもりをなくす
例えば同じ20畳のリビングでも、カーテンが閉まっている場合とカーテンが開いていて遠くまで見渡せる場合とでは、圧迫感や部屋の広さに対する印象が異なります。
そのため第一に、内覧時にはカーテンを全開にしておき、遠くの景色まで見えるようにしておくのが一般的です。
しかし、その室内と外部を隔てる窓が汚れていては、逆に悪い印象を植え付けてしまうことがあるため、窓は徹底的にきれいにしておくことをおすすめいたします。
汚れた窓はカーテンと同じような印象を与えますし、外が見える分より汚れが気になってしまうのです。
細かいところかもしれませんが、窓は意外に重要なポイントの1つになるため、できる範囲できれいにしておきましょう。
内覧前の掃除の注意点
内覧では不動産を購入してくれるかもしれない方が実際に不動産を見に来ることになるため、徹底的に掃除をするというご家庭も多いはずです。
しかし、意外に掃除を忘れてしまう場所もあるため気を付けなければなりません。
具体的には、
- 扉付きの収納
- バルコニー
- 共有部分
なども忘れずにきれいにしておくべきでしょう。
収納も見られることを忘れずに
先ほど靴箱のところでも記載しましたが、内覧の際には家中の収納が全て見られると思っておいたほうが良いでしょう。
実際に見て収納の多さや構造などを確かめたいという内覧者もいるため、普通の掃除のつもりでいらないモノを全て収納に詰めてしまうとえらいことになります。
もちろん他の部分よりは多少散らかっていても多めに見てもらえることも多いですが、やはり他の場所同様、掃除を行い不潔感をなくしておくことをおすすめいたします。
なお、収納をできるだけスッキリさせてスタイリッシュにまとめておくと、それだけで収納に対して良い印象を持ってもらえるケースもあります。
生活感丸出しでは悪い印象を与えることもあるため、モデルルームのようにオシャレを演出するとポイントが高くなるでしょう。
バルコニーは忘れられがち
一戸建てであっても、2階や3階部分にはバルコニーがあるご家庭が多いですし、マンションの場合も当然洗濯物を干したりできるスペースがあるはずです。
建物の外部は、室内とは異なりどうしても汚れが付着しやすい場所ではありますし、例えば内覧の前日に雨が降ってしまうとそれが原因で汚れることもあるでしょう。
しかし、最低でも砂やホコリなど、またはシミやカビなどの悪い印象を与えがちな汚れは取り除いておくべきです。
建物の外なので、汚れ具合のチェックはそこまで厳しくないことが多いですが、きれいにしておくに越したことはないため、余裕があれば徹底的に掃除しましょう。
共有部分もできる限りきれいに
マンションを売却する際には、ご自身の部屋だけではなく共同で使用する家の前の廊下などもきれいにしておくと、部屋だけではなくマンション全体の印象が良くなります。
もちろんエスカレーターの掃除を徹底的に行うというのは難しいかもしれませんが、できる範囲できれいにしておくことで、良い物件だとみなされます。
例えば、廊下にゴミが落ちている建物ときれいに清掃されている建物とでは、当然前者のほうが良いですし、ゴミが落ちているとそれだけで住人の質が低いとみなされる恐れもあります。
普段はそんなところ掃除しないという方も多いでしょうが、内覧者が通る可能性の高い共有部分も掃除しておくことで、購入してもらえる可能性が高まるはずです。
また、マンションに限らず一戸建ての場合も、内覧者が訪れる前に家の前や周辺のゴミなどをきれいにしておくことでポイントが上がるでしょう。
まとめ
今回は、内覧をする前に必ずしておいたほうが良い掃除のポイントを紹介しました。
そのため、これだけをすればよいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的には家中の全ての箇所をきれいにする必要があります。
普段の掃除であれば、とりあえず目に見える部分をきれいにするという方も多いですが、内覧者は部屋の中を隅から隅まで観察することになります。
普通のお客さんが見ないような場所も見られるため、細々したアイテムを一カ所にまとめて隠しておいたとしても、そこが見られる可能性があるわけです。
家やマンションのキャパシティーによっては、所有しているアイテムをきれいに収納できないケースもあるのではないでしょうか。
不動産を売却する際には、いずれにしても家具や家財を全て撤去しなければならないため、内覧の前に不要なものは処分してしまうのもよいでしょう。