不動産の売却活動を始めたら、内覧希望者がすぐに来ると思われている方も多いのではないでしょうか。
例えば人気の高いマンションであったり、駅に近い好立地の一戸建てであったりした場合は、売却活動を始めたらすぐに内覧希望者が殺到することも考えられます。
しかし一方で、不動産会社と媒介契約を結んでからしばらくしても全く内覧希望者が現れないというようなケースも存在します。
売却希望者が現れない理由はいくつか考えられますが、大きく
- 不動産自体に需要がない
- 売り出し時期が悪い
- 不動産会社の広告活動が原因
- 不動産の見せ方に問題がある
の4つに分類することができます。
内覧希望者を増やすには対策を取る必要がありますが、今回はその理由ごとの対策をまとめてみました。
売却したい不動産自体に需要がない場合
売却したい不動産自体の需要が低く、誰の目にも止まらないというようなケースもあります。
需要のある物件とは?
それでは、逆に需要のある物件とはどのような物件のことを指すのでしょうか。
一般的には、
- 交通の便が良い
- 日当たりが良い
- 築年数が浅い
などなど、多くの方が求める条件は固まっているケースが多いです。
やはり駅から遠い物件と比べると駅に近い物件は人気が高く早く売れる傾向にありますし、新しい物件ほど需要が高まります。
ただし、一般的には需要のないと考えられている物件であってもその需要を高めれば簡単に売却できる可能性があります。
それでは、需要のない物件を早く売却するにはどのような対策を取ればよいのでしょうか。
様々な方法が考えられますが、代表的なところでは
- 価格を下げる
- アピールポイントを考える
などが挙げられます。
価格を下げる
最も簡単な方法としては、その不動産自体の価格を下げてしまうというものが良いでしょう。
例えば、2000万円で売りたかったが全く内覧希望者が来ないので、1500万円に下げたら売れるというケースは少なくありません。
もちろんいきなり500万円も下げる必要はありませんので、時期を見て少しずつ下げていくというのも方法の1つです。
内覧希望者が全く来ない理由として、そもそもの売り出し価格の設定が高すぎるケースもあるため、おかしいと思ったらまずは周辺の不動産価格も確認して相場を確かめましょう。
相場より高すぎる場合は当然下げざるを得ないですし、仮に相場通りの価格であったとしても、価格が原因で需要がないのであれば、やはり下げたほうが良いでしょう。
アピールポイントを考える
その物件にしかない個性や特徴を見つけて、独自のアピールポイントを作るというのも方法の1つです。
需要が少ない物件というのは、それなりの事情があるケースも多いのですが、その中でも欠点だと思っていた部分が見せ方によってはプラスに働くことがあります。
もちろん不動産会社の方でも、売却活動の一環としてそれぞれの物件のセールスポイントを作ることが多いのですが、それとは別にご自身でも考えてみるとよいでしょう。
例えば、まだその物件に住んでいるのであれば、悪いところはもちろん、良いと感じる部分もあるのではないでしょうか。
そういった部分をまとめてみると、案外簡単にアピールポイントが見つかるかもしれません。
アピールポイントの考え方については「売れない場合は実行してほしい物件のアピールポイントの作成
もご覧ください。
売り出し時期が悪い場合
不動産の中でも、特にマンションは売り出しのタイミングによってすぐに売れてしまうこともあれば、逆に全く売れないようなケースも存在します。
これは、売り出しの時期によって売却活動の長さが左右されるということでもあります。
要するに、売却活動を行うに当たって売り出し時期を考えるというのは非常に重要なことなのです。
売り出すタイミングは?
それでは、良い売り出し時期というのはどのようなものなのでしょうか。
例えばマンションの例を取ってみると、同じマンション内で似たような部屋が何部屋も売り出されていると、当然売れ行きが悪くなります。
同じタイプの部屋が10部屋一緒のタイミングで売りに出された場合、売れる可能性は10分の1ということになるため、売り出している部屋の数が多くなるほど売れにくくなるのです。
例えば上述したように、部屋の価格を下げてしまえば簡単に売れてしまう可能性もあります。
他の部屋が2000万円前後で売りに出されているところで、1部屋だけ1500万円で売り出せば、多少は怪しいとは思いつつ、とりあえずは真っ先に食いつく方が多いはずです。
しかし、やはりできるだけ高く売りたいと考える方が多いため、そういった方は売り出し時期を変える必要があるのです。
時期をずらす
マンションであれば、他に売り出している部屋がないタイミングで売却活動を始めると、内覧希望者が殺到する可能性があります。
そのマンションを購入してそこに住みたいが、現在は購入できる部屋が1部屋しかないとなると、必然的に内覧したいという人が増えるはずです。
もちろんマンションによって需要と供給のタイミングは異なるため、まずは売りたいと思っているマンションで、他の部屋がどれくらい売りに出されているのかをチェックするのも大切です。
また、不動産会社に早めに連絡をしておき、供給量が少ないタイミングで声をかけてもらえるように言っておけば、効率的に売却活動ができるはずです。
時期をずらすだけで簡単に売れる可能性もありますが、この方法はできるだけ早く売却をしたいという方には向きません。
1日でも早く売ってしまいたいと考えているのであれば、価格を下げることで需要を高める必要があるでしょう。
不動産会社の広告活動が原因の場合
物件自体には問題がないはずなのに、なぜか内覧希望者が来ないというケースもあるのではないでしょうか。
そんなときには、不動産会社の広告活動に問題がある可能性もあるため、不動産会社に何らかの対策を取ってもらうことを考えてみましょう。
売却活動の確認
不動産会社が行う広告活動のうちで最も大切なことの1つとして、買い手にきちんとした情報が届いているかどうかということが挙げられます。
どれだけ良い物件であったとしても、その物件が売りに出されているということが知れ渡っていなければ内覧希望者が来るはずがありません。
そのため、まずは不動産会社にどのような売却活動を行っているのかということを確認し、具体的にそれが機能しているのかを確かめてみることをおすすめいたします。
例えば、広告媒体には
- 紙媒体
- メディア媒体
などがあります。
その中でも、例えば紙媒体であれば、
- 新聞残りこみチラシ
- ポスティング広告
などに細分化させることが可能です。
実際に、新しい物件を購入したいと考えている買い手の多くはネットで手ごろな物件を探したり、折り込み広告を見て興味を持つケースがほとんどです。
不動産会社の具体的な広告活動を確認し、問い合わせはあるのか、ない場合はなぜないのか、改善できないのかということを確認してみましょう。
また、その不動産会社の売却活動に納得できないようであれば、後述する不動産会社を変更するという対策を取るのもよいでしょう。
不動産会社を変える
利用している不動産会社の売却活動に不満を感じ、それを訴えても改善されない場合は、その仲介業者を変えてしまうというのも方法の1つです。
実際に、不動産会社を変えた途端に内覧希望者が増えたというケースもあるため、そうなった場合は不動産会社の売却活動に問題があったと実感することができるでしょう。
もちろん不動産会社を変えたところで、原因が別にある場合は結果も変わりませんが、少なくとも不満を抱えて売却活動を続けるよりはすっきりするのではないでしょうか。
ただし、専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んでいる場合、基本的には3ヵ月の契約期間を終えない限り仲介業者を変更することができません。
もちろん解約という形で変更することは可能ですが、途中解約は買い手にとっても大きなデメリットになる可能性があるため、あまりおすすめすることができません。
もし仲介業者を変更することを考えているのであれば、詳しくは「不動産売却で仲介業者を変更する方法と注意点。変更時のデメリット。」を参照ください。
不動産の見せ方に問題がある場合
不動産会社の売却活動にも問題がなく、もちろんその物件の価格なども適正なのにもかかわらず、内覧希望者が全く来ないというケースもあります。
そのような場合は広告での不動産の見せ方に問題がある可能性も高いため、そこを改善することでうまく行くことも多いです。
具体的には、
- 物件をリフォームする
- 綺麗な写真を撮る
などが挙げられます。
リフォームをする
例えば物件自体がボロボロで誰も住みたくないような場合は、思い切ってリフォームをすることによって需要を高めることができるはずです。
ただし、当然大掛かりなリフォームになればそれだけお金がかかることになりますし、そのリフォームにかかったお金を売り出し価格に上乗せするケースが多いため、結局価格が高くなります。
→人気が高いリフォーム工事に必要な工期の目安と注意したいポイント
また、リフォームをすることで確実に購入希望者が増えるという保証もないため、考え方によってはお金をかけてリフォームするより、少し値段を下げる方が良いという意見も多いです。
リフォームについてはケースバイケースですので、担当の不動産会社にも相談して方法を考えましょう。
写真をきれいに取りなおす
実際に見てみると魅力的な物件のはずなのに、広告で掲載されている写真に魅力がないため内覧希望者が来ないというケースも少なくありません。
同じキッチンを写真に収めるにしても、被写体とカメラの距離や高さ、角度、影、明るさなどによって写真での見え方が大きく変わってきます。
例えば、全く同じ角度で写真を撮ったとしても、暗いか明るいかというだけで購入希望者の感じ方は異なります。
当然明るい方が良い印象を与えることができますし、逆に写真が暗いと実際の部屋も暗いと感じさせることになるため、魅力がない部屋だと判断されても仕方がありません。
逆に言えば、写真をきれいに取りなおすだけで内覧希望者が増える可能性があるということでもあるため、写真写りに不満を感じる場合は綺麗に取りなおすのも方法の1つです。
また、その際にはハウスクリーニングを利用してできるだけ室内をきれいにしてから撮ることをおすすめいたします。
ゴミやホコリなどが見えてしまうと同様に物件としての魅力がなくなりますし、水回りのカビなども内覧希望者を遠ざける大きな原因です。
できるだけきれいな建物を心がけ、それを写真に収めることで、内覧希望者が増えるはずです。
なお、売り手が自ら写真を撮ってそれを不動産会社に提出することも可能なので、写真に自信がある方はご自身で撮影するのもよいでしょう。
まとめ
内覧者が実際に不動産を見て購入するかどうかを判断するのであれば、基本的には売却活動には大きな問題がないと考えることができます。
しかし、そもそも内覧希望者が来ないとなると、その不動産はいつまでたっても売却することができないですし売却期間が長くなる一方です。
内覧希望者が来ない理由には様々なものが挙げられますが、まずはその原因を確かめ、その原因にあった対処を取らなければ意味がありません。
もちろん物件自体に問題があるというケースも多いのですが、中には仲介している不動産会社が問題となっているケースもあります。
また、広告で使われている写真を変更する、価格を少し変えてみるといったちょっとしたことで内覧希望者の数が大きく変動することも少なくありません。
まずはなぜ内覧希望者が来ないのかということをはっきりとさせ、それに合った対策を取るようにしましょう。