マンションや一戸建ての2階以上の部分に、ベランダやバルコニーがないというご家庭もあるのではないでしょうか。

ないならないで生活できないというわけではないのですが、やはり2階以上の部屋で外部に出ることができないというのは少々窮屈な感じがします。

また、ベランダやバルコニーを取り付けることによって、洗濯物を干したりゆっくりとくつろいだりするスペースを設けることが可能となります

人によってはそんなもの必要ないという方もいらっしゃるかもしれませんが、設置することによって普段の生活がより快適になるはずです。

元々ベランダやバルコニーがないからと諦める必要はなく、リフォームをすることで後からでも設置することができます。

同様に、元々設置してあるベランダやバルコニーを新しいものに変更することも可能です。

今回は、そんなベランダやバルコニーの設置方法や取り付ける際の注意点、リフォームの費用などについて紹介していきます。

後付けバルコニーの設置方法

それでは、後付けでバルコニーを設置するにはどのような方法を取るのが良いのでしょうか。

まずは、ベランダやバルコニーを設置する主な方法について見ていきましょう。

ベランダやバルコニーを後から設置する主な方法

後付けでベランダやバルコニーを設置するには、大きく以下の4つの方法に分けられます。

  • 簡易的なバルコニーを設置する
  • 建物と一体感のあるベランダの増築する
  • 1階部分の屋根をバルコニーに変更する
  • 1階部分を増築してその上にバルコニーを設置する

それぞれの特徴を簡単に紹介していきます。

簡易的なバルコニーを設置する

既存の窓の外に、バルコニーとなる床や手すり部分を取り付ける方法です。

バルコニーの床部分を支えることができない場合は、壁にしっかりと取り付けることによってバルコニーにかかる重量を支えることが可能です。

しかし、やはり重さに制限がかかることも多いため、その場合は地面から柱を立てて地上からバルコニーを支えるようにすることも可能です。

MEMO

最も安く設置できる方法ですが、軽量なアルミなどを利用することが多いので、外壁と全く違う色やデザインになってしまうというデメリットもあります。

建物と一体感のあるベランダの増築する

外壁部分の素材や色をそのまま取り入れてベランダを造ることも可能です。

例えば外壁がコンクリートでできている場合はコンクリートを利用してベランダを設置し、外壁と同じ塗装を施すことで、後付けとはわからないような仕上がりになるはずです。

しかし、上述した簡易的なバルコニー同様に、床部分に支えとなるものがない場合は、1階部分に柱を設置してベランダ全体を支えなければならないこともあります。

1階部分の屋根をバルコニーに変更する

一戸建ての1階部分が屋根になっている場合は、その上にバルコニーを設置することができます。

1階部分がきちんとした支えとなっているため、バルコニーの床下に支えとなる柱を設置しなくてもきちんとした強度を誇ります。

一般的には、バルコニーの壁は他の部分の外壁と同じ色や素材にすることになるため、後付けだったとしても違和感が残りません。

しかし、その素材によって設置費用が大きく異なるためきちんと見積してもらいましょう。

1階部分を増築してその上にバルコニーを設置する

地上の1階部分を増築し、その上に新しくバルコニーを設置するというパターンも存在します。

増築することになるため、やはり上述したどの方法よりもリフォーム費用が高くなりますが、バルコニーと同時に1階部分に新しい部屋が生まれるため、建物の面積が広くなります。

増築は部分的に行われることが多いですが、それに伴って外壁全体をきれいに塗りなおしたりすることが多いため、建物全体の見た目が新築同様になるはずです。

MEMO

増築する部分の大きさなどによってリフォーム費用が大きく異なるため、こちらも様々なパターンを比較し、予め料金を確認してから工事をお願いすることをおすすめいたします。

バルコニーをリフォームするタイミング

それでは、バルコニーをリフォームするのはどのようなタイミングが良いのでしょうか。

増設するタイミング、すでにあるバルコニーを一新するタイミングに分けて見ていきましょう。

バルコニーを増設するタイミング

それまでバルコニーやベランダがない家やマンションで生活を送っていたのであれば、特にそれらがなくても不便だと感じる方は少ないのかもしれません。

しかし、一度でもバルコニーやベランダを使ってしまうと、その便利さに気づき、自宅にもほしいと感じる方が多くなります。

  • 洗濯物を気軽に干すスペースがほしい
  • 裸足で屋外に出たい
  • 自宅に日光浴をしたりくつろいだりしたりできるスペースがほしい

具体的には、このようなことを感じたらベランダやバルコニーを後付けするタイミングと言えるのではないでしょうか。

バルコニーを新しくするタイミング

既にバルコニーやベランダがあったとしても、長年使用していると汚れがひどくなったり老朽化してボロボロになってしまったりすることがあります。

汚れたバルコニーは使っていて気持ちがよいモノではありませんので、以下のことを感じたらリフォームを考えてみるのもよいでしょう。

  • カビや黒ずみなどを除去することができない
  • 雨が降ると水たまりができて水はけが悪い
  • バルコニーの手すりがぐらつく

特に、3つ目は重大な事故につながる可能性があるため、早急なリフォームが必要です。

ぐらつきなどを解消するだけのリフォームであれば比較的安くできるため、早めにリフォーム業者に連絡することをおすすめいたします。

バルコニーやベランダのリフォームを成功させる4つのポイント

続いて、バルコニーやベランダのリフォームを成功させるための考え方を紹介させていただきます。

  • プライバシーを重視する
  • 日当たりと風通しを考慮する
  • 屋根の設置も考える
  • 外壁とのデザインのバランスを考える

リフォームをする前に、これらのことに気を付けるようにしましょう。

プライバシーを重視する

バルコニーは建物の2階以上に取り付ける屋外の部分になるため、室内と比べると外部からの視線にされされやすい部分でもあります。

極端な話をすると、バルコニーの壁を透明ガラスにしてしまうと、外部から丸見えということになるため、バルコニーにいる方はもちろん、洗濯物まで丸見えです。

しかし、反対に外から全く見えないような作りにしてしまうと、プライバシー対策は完璧ですが、空き巣がそこに隠れることができてしまうので、こちらもあまりおすすめできません。

プライバシーを適度に守りつつ防犯効果の高いバルコニーを取り付けるには、フェンスや手すりなどを設置するのが一般的です。

また、空き巣を防ぐために忍び返しの付いたバルコニーをオーダーするというのも方法の1つです。

日当たりと風通しを考慮する

上述したプライバシーの保護とも通じる部分がありますが、バルコニーを設置する際には日当たりと風通しについても十分に考えたいものです。

完全に壁にしてしまうと風が入ってこないため洗濯物が乾きにくくなりますし、窓を開けていても室内に風が入ってこなくなってしまうため注意が必要です。

同様に、大きな屋根を設置するとバルコニーに入ってくる雨を防ぐことができますが、日が入らないため室内が暗くなってしまいます。

バルコニーのフェンスには様々なタイプのものがあり、通気性に優れたものも多いですし、光をしっかりと通す半透明タイプの屋根を設置することも可能です。

実に様々な素材があるため、デザインも考えつつ適したものを選びましょう。

屋根の設置も考える

バルコニーには、床部分と壁部分を設置することになりますが、中には屋根を設置したタイプのものも存在します。

屋根があると日当たりが悪くなったりするといったデメリットもありますが、雨が降っても濡れにくいというメリットを得ることができます。

例えば、洗濯物を干すという目的でバルコニーを設置する場合は、屋根も一緒に取り付けたほうが使い勝手が良いといえるでしょう。

また、大きなバルコニーを設置できるのであれば、その半分に屋根を取り付けることで様々な用途に使える場所になるはずです。

外壁とのデザインのバランスを考える

後付けのバルコニーを設置する際には、上述したように様々なパターンが存在します。

その種類によっては、元々の家の外壁や屋根との相性が悪くなってしまうことがあるため、使い勝手だけではなくデザインのバランスも考慮する必要があります。

外壁と同じような塗装を施すのであれば基本的には問題ありませんが、違う素材を利用する場合はその色やデザインの相性も考えましょう。

MEMO

建物と調和したバルコニーであれば見た目も美しいですが、デザインが合っていないと不格好になってしまうため、業者と相談してよい素材を選部ことをおすすめいたします。

バルコニーやベランダをリフォームする際の注意点

自宅にバルコニーやベランダを設置する際には、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

続いて、設置するにあたって注意すべき点を紹介させていただきます。

  • 仕様用途を考えてリフォームすべき
  • 共同住宅のルールを確認しておく

仕様用途を考えてリフォームすべき

ベランダやバルコニーを後付けで設置したいと考える方の多くは、通常は何の目的もなく設置するのではなく、何らかの設置したいという理由があるはずです。

その目的は様々ですが、やはり

  • 洗濯物を干すスペースとして活用する
  • くつろぐスペースとして活用する

のどちらかであることが多いです。

前者の場合は、洗濯物や布団などを干すために適した造りにする必要があるため、通気性や日の当たり具合を重視したバルコニーを設置することになります。

一方で後者の場合は、バルコニーに出てゆっくりとする時間が長くなることが予想されるため、できるだけプライバシーを保護できるもの出なければなりません。

実際にリフォームが終わって使ってみてから、こんなはずじゃなかったということにならないように、設置する理由をはっきりとさせてから工事を依頼することをおすすめいたします。

共同住宅のルールを確認しておく

一戸建ての場合は、構造部分に大きな影響を与えないものでない限りは、基本的にはどのようなリフォームを行うことも可能です。

しかし、マンションをリフォームする場合は、まずはそのマンションが独自に定めているルールを確認することをおすすめいたします。

マンションなどの共同住宅であっても基本的に室内は専有部分ということになるため、個人の持ち主であればリフォームは可能であることが多いです。

ですが、ベランダやバルコニーは共用部分という扱いになるため、中にはリフォームを禁止している物件も存在するからです。

ベランダやバルコニーのないマンションに、それらを新しく設置したいとなった場合は、マンションの規約を確認するか管理組合に相談してみましょう。

そこで設置ができないと言われてしまったら、残念ながら設置はあきらめなければなりません。

バルコニーやベランダの設置にかかる費用相場

それでは最後に、ベランダやバルコニーのリフォームに必要な費用の相場について見ていきましょう。

後付けバルコニーのリフォーム費用

最初に紹介した、後付けバルコニーの設置方法ごとに費用をまとめてみました。

後付けバルコニーの種類 費用
簡易的なバルコニーを設置する 30万円~80万円
建物と一体感のあるベランダの増築する 100万円~150万円
1階部分の屋根をバルコニーに変更する 100万円~150万円
1階部分を増築してその上にバルコニーを設置する 300万円~

簡易的なものであれば数十万円で設置することが可能ですが、本格的なきちんとしたものを設置する場合は100万円以上かかります。

また、1階部分の増設に伴ってバルコニーを設置する場合は、バルコニーの設置費用よりも、その1階部分の増設費用の方が割高になるケースがほとんどです。

通常は1階部分を増設し、そのついでに2階部分をバルコニー仕様にするというパターンが多いため、増設の広さやその部屋の機能などによっては、1000万円を超すリフォームになることもあります。

取り合えず洗濯物を気軽に干せるスペースがほしいというだけであれば、簡易的なものを安く設置するというのも方法の1つです。

しかし、デザインなどの見た目も重視したいという場合は100万円はかかると思っておいたほうが良いでしょう。

MEMO

できるだけコストをかけたくないなら複数のエクステリア工事業者に見積りを取ってもらうと競争してくれるので価格を抑えれる場合がありますよ。

バルコニーと一緒に窓についても考えるべき

後付けでバルコニーを設置する際に考えなければならないのが、窓の存在です。

上記の費用は、あくまでもバルコニーの設置の価格の相場であり、そのバルコニーと室内を結ぶための窓のリフォームは含まれていません。

もちろん既存の窓をそのまま利用してバルコニーに移動することは可能ですが、普通の窓は部屋の高い位置に取り付けられているため出入りが大変です。

そのため、バルコニーの取り付けに伴って、壁を取り払い大きなガラスの引き扉を設置するケースも少なくありません。

その場合は、新しく設置する窓の種類などによって全く別で費用が必要になってくるため注意が必要です。

窓のリフォームについては「窓のリフォームを行う前に知るべき人気の窓ガラスの種類と価格相場」こちらを参照ください。

まとめ:何のためにバルコニーを取り付けるかを明確にしよう

バルコニーやベランダを後から取り付けたいとなったとしても、一戸建てであれば普通に設置できる可能性が高いです。

しかし、マンションなどの共同住宅の場合は、そのマンションが定めるルールに従ってリフォームをする必要があるため、場合によってはできないことがあります。

後付けをする際には、そのリフォーム方法によって見た目などのデザインが大きく変わってきますし、設置のコストにも差があります。

また、同じ面積のバルコニーであったとしても、利用するフェンスの種類によって使い勝手が変わってきますし、中には屋根を取り付ける方もいらっしゃいます。

目的をはっきりとさせてから工事を依頼しなければ後々後悔することになるため、まずは何のためにバルコニーを取り付けるかを明確にしてから業者に依頼するようにしましょう。