お風呂や浴室のドアをリフォームする際のポイントと種類別の価格相場

お風呂の浴槽を毎日掃除するというご家庭がほとんどですが、浴室の扉まできれいにするという方は少ないのではないでしょうか。

建物は必ず年々劣化していくものですが、やはり水回りはその他の場所と比べると劣化が早い場所になります。

お風呂場の扉は水回りなのにもかかわらず、きちんとお手入れされないこともありますし、毎日何度も動かすところになるため、その分劣化が早くなります。

浴室で利用する水や石鹸、シャンプーや洗剤などが飛び散りやすい場所になるため、カビが発生したり重要な役割を果たすパッキンの劣化がどうしても早くなります。

お風呂のリフォームと言えば、バスタブをはじめとする、お風呂の内部に目を向ける方が多いですが、その浴室と外部をつなぐ扉も定期的にリフォームしなければなりません

この記事では、そんなバスルームの扉のリフォームについて紹介させていただきます。

お風呂のドアの種類

まずはバスルームの扉をリフォームするにあたって、その扉の種類を見ていきましょう。

浴室のドアは、大きく

  • 引き戸
  • 開き戸
  • 折れ戸

の3つに分類することができるため、それぞれの特徴を紹介していきます。

引き戸の特徴

参照元:三協アルミ

引き戸とは、扉を横方向にスライドできるタイプのドアのこと。

扉が前後に開くわけではないため、ドアを開け閉めする際に浴室や脱衣所が一時的に狭くなるということがありませんし、狭い場所でも取り付けることが可能です。

もちろん扉を横にスライドする際の引き込みのスペースを確保しなければなりませんが、そのスペースを最小限に減らすために複数枚の扉を合わせた引き戸も存在します。

ただし、引き戸は扉をスライドさせるためのレールが重要になってくるため、レールに何かが当たってしまうと開けることができませんし、汚れがたまりやすいためお手入れも必要です。

開き戸の特徴

参照元:三協アルミ

一般的な建物の扉に利用される、ノブの付いた扉のことを開き戸と言い、バスルームの扉としても利用することが可能です。

前後に開くことになるので、当然その扉が可動する場所には物を置いたりすることができないため、必然的にバスルームや脱衣所にそれなりのスペースを確保する必要があります。

開き戸をどちら側に開かせるのかというのも重要な選択になってきますが、例えば脱衣所側に開く場合は扉についた水滴がそのまま脱衣所に落ちてしまいます。

しかし、逆にバスルーム側に開く場合は、万が一バスルーム内で人が倒れてしまったときには外側から開きにくいというデメリットもあります。

掃除は引き戸と比べると簡単ですが、開く方向によって使い勝手が変わってくるので設置の際にはよく考えなければなりません。

折れ戸の特徴

参照元:三協アルミ

バスルームに設置する一般的な折れ戸とは、扉を開いた際に真ん中で一度折れ曲がるタイプのものが多いです。

開き戸のように、前後に扉が折れ曲がるためのスペースが必要になってきますが、そのスペースは開き扉の半分以下で収まるため、コンパクトな空間にも設置は可能です。

また、ドア自体が薄い設計になっているため入口のスペースを確保できますし、中にはチャイルドロック付きのものもあるため使い勝手が良いです。

ただし、レールは汚れやすいですし、中折れをする部分にも汚れが付着しやすく、それが故障の原因になることも少なくありません。

また、開け閉めに力が必要なタイプもあるため、お子様や高齢者の方の中には使いづらいと感じる方もいるかもしれません

ドアの種類まとめ

3つのドアのメリットとデメリットをまとめてみました。

ドアの種類 メリット デメリット
引き戸 ・開閉のためのスペースが不要
・狭い場所でも設置可能
・1枚戸から3枚戸まで選択肢がある
・レールが汚れやすい
・スライド部分にスペースが必要
開き戸 ・掃除が楽
・開閉に力が不要
・開閉するのにスペースが必要
・ドアの向きによって使い勝手が悪くなる
折れ戸

・開閉スペースが小さい
・ドアが薄く邪魔にならない

・掃除しにくい
・開閉に力が必要
・3つの中では最も故障しやすい

やはりどのタイプの扉にもメリットはありますが、デメリットもあります。

ご家庭のバスルームの大きさや家族構成などによって適した扉が異なるため、ご家族やリフォーム業者などと相談して最も良いタイプのドアを選びましょう。

リフォーム業者の選び方!安心してお願いできる業者の種類とポイント

また、それぞれのタイプによってリフォーム費用が大きく変わってきます。

バスルームの扉のリフォーム価格については、後程詳しく紹介させていただきます。

お風呂のドアの素材

お風呂のドアの素材

続いて、バスルームの扉の素材を見ていきましょう。

確実に水に濡れたり湿気の影響を受ける場所になるため、水に強い素材が利用されます。

よく利用される素材としては、

  • 樹脂
  • ガラス

などが挙げられます。

樹脂のドアの特徴

人気の高いのは樹脂のドアになり、上述したどのタイプの扉にも利用することが可能です。

樹脂タイプの扉は比較的コストも安いですし、重さもそこまでない上に衝撃に強いというメリットを持っています。

また、当然水にも強い造りになっているため、お風呂場であっても安心して利用することができるはずです。

ガラスのドアの特徴

樹脂と比べるとバスルームをオシャレに仕上げることができるため、雰囲気の良いお風呂場を造りたいという方にはおすすめです。

もちろん透明なガラスもありますが、中には自動的にくもりガラスになったりするものもあるため、興味のある方は一度見てみるとよいでしょう。

ただ、ガラスのため割れるリスクについても考えなければなりませんし、家族と言ってもプライバシーが気になるという方も少なくありません。

ガラスの扉の利用を考えていらっしゃるのであれば、ご家族とよく話し合ってから決めるようにしましょう。

浴室のドアの交換方法

浴室のドアの交換方法

それでは、実際にリフォームをするにあたってどのようにドアを交換するのでしょうか。

バスルームの扉の取り換えについては、大きく3つの方法に分かれます。

  • ドアのみを交換する
  • 枠組みごと全て取り換える
  • カバー工法

の3つになるため、それらの違いを見ていきましょう。

ドアのみを交換する

ドア枠を変えず、ドアそのものだけを交換するという方法があります。

この方法の最大のメリットは、ドアの枠を変える必要がないため、リフォームに必要になる費用が設置するドアと工事費用のみになるという点です。

しかし、その枠組みにぴったり当てはまるドアを見つけなければならないため、場合によっては探すのが大変になる可能性もあります。

ドアの交換を毎年にように行うという方はいませんし、通常は10年前後経過してから交換することが多いため、そんなに昔のタイプの扉などすでに販売にしていないというケースもあります。

ただし、そういった場合は、同じメーカーに問い合わせれば同じサイズのものを造ってもらうことができるかもしれません。

特注ということになるため、市販のものを利用するよりは割高になることが多いですが、オリジナルの扉を造ることができるというメリットもあります。

枠組みごと全て取り換える

最も簡単な方法として、ドアの枠組みごとリフォームしてしまうというものが挙げられます。

枠組みも取り払って新しいものを導入することになるため、ドアのサイズなどの問題がなくなりますし、枠組みごと綺麗になるためさっぱりとします。

ドアの汚れもひどいが、それと同じくらいドアの枠も汚れていたりすることもあるでしょうし、どうせ交換するならすべてリフォームしたいという方もいらっしゃるはずです。

そういった場合は、多少リフォーム価格は高くなりますが、この方法を選択してみてはいかがでしょうか。

ただし、場合によっては既存の枠組みの外の壁まで取り壊さなければならないケースもあるため、そうなると費用も高くなりますし工期も伸びることになります。

そのようなデメリットもありますが、リフォームを機に水回りの下地をチェックできるというメリットもあるため、確認して劣化が激しい場合はフルリフォームを行うのもよいでしょう。

カバー工法

カバー工法とは、お風呂場のドアのリフォームによく利用される方法になり、既存のドア枠に新しいドア用のカバーを付け、そこに新しい扉を設置するという方法です。

外枠を外さず新しいドアとドア枠を設置するため、壁を壊すなどの大掛かりなリフォーム工事をする必要がありませんし、工期も短く、リフォーム費用も安く行うことが可能です。

ただし、古いドア枠が残ったままの状態ということになるため、どうしても新しいドア枠との間に段差ができてしまい、そこに水がたまったり汚れが詰まったりする可能性があります。

また、単純に今あるドア枠に取り付けるだけですので、下地を確認する作業がありません。

バスルーム全体の劣化具合を知りたいという場合は、カバー工法をするとしても施工前に現状の確認をしてもらうとよいでしょう。

どのリフォーム方法が良いのか。おすすめできる方法

それでは、実際にバスルームの扉のリフォームをするとなった場合は、どの工法を利用するのが良いのでしょうか。

何でもよいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、ドアの状態や予算などを考慮しておすすめできる方法を見ていきましょう。

ドアのみの交換がおすすめのケース

例えば、

  • 枠組みはそこまで汚れていない
  • ドアのみが劣化している
  • ドアが割れてしまったり傷ついてしまっている
  • できるだけリフォーム費用を安く抑えたい

という方はドアのみを交換するのもありでしょう。

ドア枠に比べてドアが激しく汚れていたり損傷している場合は、枠を交換する必要がありませんので、それであれば費用が安いドアのみの交換がおすすめです。

枠組みも交換がおすすめのケース

ドアだけではなく枠組みも一緒に交換するケースは、

  • ドアのみだけではなく枠組みにも激しい汚れがある
  • 枠組みが割れてしまったり壊れてしまった
  • ドアの開閉がスムーズにできず力が必要
  • ドアの周りの壁などのカビが取れない

というような方におすすめです。

ドアを交換するだけで現在のトラブルが解決しない場合は、多少費用が高くなりますが枠ごと丸々交換してしまいましょう。

扉全体がきれいになれば、見た目もすっきりしますし気持ちよくお風呂に入ることができるはずです。

カバー工法がおすすめのケース

カバー工法は

  • ドアが老朽化して汚れや傷が目立つ
  • 外枠は綺麗な状態だがドア全体の見た目をきれいにしたい
  • できるだけリフォーム費用を抑えたいが全体的に新しくしたい

という方におすすめです。

ドア全体がきれいになりますが、壁を壊したりといった作業が不要になるためリフォーム費用を抑えることが可能です。

ただし、上述したようにデメリットもあるため、きちんとリフォームしたいというのであれば丸々交換してしまうのもよいでしょう。

お風呂や浴室のドアを交換する費用の相場

続いて、バスルームのドアを交換する際の費用の相場について見ていきましょう。

ドアのタイプとドアの交換方法を3つずつ紹介しましたので、それぞれの料金の目安を紹介させていただきます。

  引き戸 開き戸 折れ戸
ドアのみの交換 8万円~10万円 3万円~5万円 3万円~6万円
枠組みも交換 13万円~16万円 7万円~10万円 8万円~12万円
カバー工法 9万円~11万円 4万円~6万円 6万円~7万円

これらを比較すると、やはりドアのみの交換が最も安く、枠組みごと丸々交換してしまう方法が割高になります。

また、開き戸や折れ戸と比べると、引き戸のリフォームが高くなります。

ドアのみを交換する場合

枠組みまで交換することを考えると、リフォーム費用を安く抑えられます。

ただし、開き戸や折れ戸と比べると引戸は若干割高になりますし、設置するドアのグレードや大きさなどによっても費用が大きく変わることがあります。

また、当然業者によっても価格が変わってくるため、複数の業者に見積もりをすることをおすすめいたします。

枠組みも交換する場合

3つの中では最も割高になるリフォームですが、開き戸の場合は特にしっかりとした枠を設置しなければならないというわけでもないため比較的安いです。

しかし、開き戸と折れ戸は専用の特殊なレールが必要になってくるため、若干割高になっています。

また、これは単純にドアのリフォームに必要な金額であり、壁の補修などをしなければならない場合は別途追加費用がかかります。

特に下地が腐っていたりすると建物全体の老朽化にもつながるため、多少リフォーム費用が高くなるかもしれませんが、この機会に全てをきれいにしてもらうのもよいでしょう。

カバー工法の場合

カバー工法も、枠組みの交換と同じようにドア全体を新しく設置するため、ドアのみの交換と比べるとリフォーム費用は高めです。

しかし、ドアを丸ごと交換することを考えると安く済むため、ドア全体を変えたいが少しでもリフォーム費用を抑えたいという方にはおすすめできます。

また、カバー工法であっても引き戸を設置する場合は引き戸や折れ戸よりも料金が高めになるため、それならば丸ごと交換してしまうのもよいと考える方も少なくありません。

ただし、枠組みを取り外す工程で追加の補修工事が必要になった場合はさらにお金がかかるため、そのあたりも業者と相談してみるとよいでしょう。

お風呂や浴室のドア選びのポイント

それでは最後に、浴室のドアをリフォームする際に重要なドアの選び方について見ていきましょう。

人によって選択の基準は異なりますが、

  • 使いやすさ
  • お手入れのしやすさ

の2点は非常に重要なポイントです。

使いやすさ

浴室のドアにも非常にたくさんの種類があるため、色々なドアを見ていると結局選びきれなくなってしまう方もいらっしゃいます。

そんなときには、家族構成を考えてみんなが使いやすいドアを選ぶようにしましょう。

例えば、バスルームが狭い場合は開き扉と言う選択肢はなくなるでしょうし、お子様や高齢者がいる場合は力を入れずに開けられるドアのほうが良いでしょう。

バスルームと脱衣所の関係や、それぞれのスペースはご家庭によって異なるため、実際にご自宅のバスルーム全体をイメージして使い勝手を考えると、うまく選ぶことができるはずです。

お手入れのしやすさ

できれば、浴槽と同じようにドアをはじめとするバスルーム全体を毎日お手入れしたいものですよね。

お風呂の扉は連日のように水に濡れる場所になりますし、温かいお風呂の湯気によって湿気がこびりついてしまいます。

それによってカビが生えやすくなりますし、レールがある場合はそこにほこりがたまって開閉が困難になる可能性もあります。

バスルームのドアを選ぶもう1つのポイントとしては、やはり毎日の掃除のしやすさが挙げられます。

できるだけカビが生えにくいモノ、構造が簡単でサッときれいにできるようなタイプのものを選べば、メンテナンスも楽ですし故障もしにくいのではないでしょうか。

まとめ

お風呂はご自宅の中でも人気の高いリフォーム場所と言えますが、どうしてもバスタブやバスルームの内部のリフォームを考える方が多いです。

しかし、お風呂に入るとき、お風呂から出るときには必ず脱衣所との間にあるドアを開閉する必要があるため、バスルームの扉は非常に重要な役割を果たしています。

もちろん扉を変えるついでにバスルーム全体をリフォームしてしまうというのもよいですが、逆にバスルームを全て変えるのにドアだけはそのままにしておくというパターンも存在します。

当然バスルームの扉も劣化するものになるため、できれば状態を確認して一緒にリフォームしてあげてはいかがでしょうか。

扉を変えるだけでもバスルーム全体の雰囲気が変わった感じになるため、より気持ちよくお風呂でリラックスすることができるようになるでしょう。