洗面所において最も大切なものは、洗面ボウルと呼ばれる実際に水が流れる部分になります。

適した大きさの洗面ボウルを利用しなければ使い勝手が悪くなりますし、洗面ボウルの見た目が悪いと洗面所がみすぼらしい感じになってしまいます。

もちろん洗面所には鏡や収納などもありますが、やはり洗面ボウルは洗面所の主役ともいえる場所です。

洗面ボウルは毎日のように水や石鹸をはじめとする様々な物質が付着する場所になるため、きちんとメンテナンスをしてあげないと劣化も早くなります。

また、例えしっかりとお手入れをしていたとしても、時間がたつにつれてどんどんと老朽化していく部分でもあります。

この記事では、そんな洗面ボウルの取り換えやリフォームについて必要な知識をまとめました。

洗面ボウルの素材

まずは、洗面ボウルの素材を見ていきます。

水に強い素材と言うのが大前提になりますが、代表的な素材としては

  • 陶器
  • 樹脂
  • ホーロー

が挙げられます。

陶器の洗面ボウルの特徴

陶器と言うと茶わんなどを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、陶器製の洗面ボウルは非常に高級感があり、洗面所のオシャレを演出することが可能です。

一般的な陶器は非常に硬い造りになっているため、普通に使う分には傷もつきにくいですし、また洗面所のお手入れも非常に楽になるでしょう。

実際に様々なメーカーから陶器製の洗面ボウルが売られているため選択肢も多いのですが、やはり陶器になるため強い衝撃を加えると割れる可能性があるということも覚えておく必要があります。

また、陶器は非常に重い物質ということもあり、洗面ボウルの下の土台が安定していなければきちんと設置できないため、どのようなデザインでも利用できるというわけではありません。

樹脂の洗面ボウルの特徴

最近は樹脂でできた洗面ボウルもたくさん見かけますが、陶器製のものと比べると割れる可能性がないというのが大きな強みです。

さらに、樹脂は基本的にどのような形にすることもできるため、洗面ボウルの隙間を完全になくすことができるということもあり、細かい場所の掃除が不要になるはずです。

ただし、陶器と比べると硬度に欠けるため、日常的に利用していても細かい傷がつく可能性があります。

また、お手入れをする度にスポンジやブラシとの摩擦により表面がはがれやすくなるため、時間がたつにつれて汚れが付きやすくなってしまいます。

ホーローの洗面ボウルの特徴

ホーローは、デザイン性に富み、傷や火に強いという特徴があります。

また、洗剤などで洗面ボウルをお手入れしたいという方もいるはずですが、ホーローはアルカリや酸に強いため、安心してメンテナンスをすることができるでしょう。

ただし、洗面ボウルとしてのホーローを造っているメーカーが少ないため、どうしてもホーローでなければ困るという方は探すの大変かもしれません。

さらに、陶器同様、強い衝撃を加えると表面が欠けてしまい、そこからさびてしまう可能性があるため注意が必要です。

それぞれの素材のメリット・デメリット

それでは、それぞれの素材のメリットとデメリットを見てみましょう。

洗面ボウルの素材 メリット デメリット

陶器

・傷がつきにくく耐久性が高い
・手入れがしやすい
・強い衝撃で割れる可能性がある
・重いためデザインが限定される

樹脂

・様々な形に対応する
・割れる心配がない
・傷がつきやすい
・汚れが目立ちやすくなる

ホーロー

・傷がつきにくい
・酸やアルカリに強い
・見つけにくい
・錆びる可能性がある

他にも、人工大理石やタイルなどを洗面ボウルの素材に選ぶ方もいらっしゃいます。

様々な種類の洗面ボウルを比較したい方は、一度専門のリフォーム業者に聞いてみるとよいでしょう。

洗面台の種類

一口に洗面台と言っても、その形は実に多種多様です。

代表的な洗面台のデザインタイプとして、

  • ペデスタル型
  • ベッセル型
  • 埋め込み型
  • 半埋め込み型
  • アンダーカウンター型

の5つが挙げられます。

これらの違いを見ていきましょう。

ペデスタル型の特徴

出典元:KOHLER

洗面ボウルを1本の足で支え、その足で排水管を隠すような形をしている洗面台になります。

洗面台だけ独立させ、壁に鏡を取り付けたり横に収納を置いたりすることで、すっきりとしたオシャレな洗面台を造り上げることが可能です。

床からは足が1本しか出ていないため掃除も楽ですが、足元に収納がないため別の場所に収納を作らなければなりません。

小さなスペースでも設置することができるのも魅力的ですが、洗面ボウル自体を壁に固定して造られるため、設置する壁の補強が必要になってきます。

ベッセル型の特徴

出典元:TOTO

ベッセル型の洗面台とは、キャビネットやカウンターの上に洗面ボウルを設置するタイプの洗面台のことを指します。

カウンターの上に洗面ボウルを置くことから、カウンター自体の設置位置が低くなりますが、一般的にはオシャレでデザイン性の高い形の1つだと言われています。

ベッセル型にすれば比較的カウンターの高さを自由に決めることができるため、ご家庭に合わせて好きな高さを選択することが可能です。

しかし、カウンターの上に洗面ボウルを設置するため、そのボウルの深さによってはボウルの裏面の清掃が大変になることがあります。

埋め込み型の特徴

出典元:Herbeau

洗面ボウルをカウンターに乗せるタイプも多いですが、埋め込み型は洗面ボウルの上の部分をカウンターの高さに合わせてボウルを落とし込むようにして設置します。

カウンターと洗面ボウルが一体介しているわけではないため、洗面台とカウンターのバランスをうまくとることでオシャレな洗面台を完成させることができるでしょう。

カウンターの色づかいや洗面ボウルのデザインによって、スタイリッシュな印象を与える洗面台を造ることも可能ですし、定番の洗面台の形を造ることもできます。

ただし、このタイプは洗面ボウルの縁とカウンターとの段差が生じるため、後述するアンダーカウンター型の洗面ボウルと比べると掃除が難しくなります。

半埋め込み型の特徴

出典元:GESSI

先ほどの埋め込み型は、洗面ボウルが完全にカウンターに埋まっている状態を指しますが、半埋め込み型は洗面ボウルの半分ほどをカウンターに埋めた状態の洗面台です。

ちょうどベッセル型と埋め込み型の中間の洗面台ということになり、実用的で見た目のバランスもよい洗面台を作る際にはおすすめです。

ただし、やはりカウンターと洗面ボウルの間に段差ができるため、掃除がしにくいという点がネックになります。

アンダーカウンター型の特徴

出典元:KOHLER

埋め込み型と似ていますが、こちらはカウンターの下から洗面ボウルを直接取り付けた洗面台のことになります。

埋め込み型とは異なり、洗面ボウルとカウンターとの間に段差がないため、お手入れが簡単です。

ただし、その分カウンターと洗面ボウルのつなぎ目が汚れやすいというデメリットを持っています。

洗面台の種類まとめ

それぞれの洗面台のメリットとデメリットはこちらです。

洗面台のタイプ メリット デメリット
ペデスタル型 ・シンプルですっきりしている
・掃除が簡単
・収納場所がない
ベッセル型 ・高さを自由に決めやすい ・洗面ボウルと壁の間の掃除が大変
埋め込み型 ・オシャレな洗面台ができる ・カウンターと洗面ボウルの段差の掃除が大変
半埋め込み型 ・バランスの良い洗面台ができる ・洗面ボウルとカウンターの間の掃除が大変
アンダーカウンター型 ・掃除がしやすい ・洗面ボウルとカウンターのつなぎ目が汚れやすい

 それぞれに良い部分と悪い部分がありますが、こちらは完全にご家庭の状況や家族構成、メンテナンスの頻度などによって好みが変わってきます。

単純に見た目重視で選ぶという方も多いですが、お手入れが簡単なほうが良いという方も少なくありません。

ご家族で相談して、最も使いやすい洗面台を選ぶのがおすすめです。

洗面ボウルを長持ちさせる方法

せっかく洗面ボウルのリフォームをしたのに、すぐに壊れてしまったり汚れてしまうと大変です。

洗面ボウルのリフォームと同時に、その洗面ボウルを長く使い続ける方法を知っておきましょう。

具体的には、

  • メンテナンス
  • コーティング

をすることによって洗面ボウルを傷や汚れから守り、長期的に使用することが可能となります。

メンテナンスの方法

メンテナンスとは、簡単に言ってしまえば日々のお手入れのことです。

洗面ボウルは、毎日のように水が付着する場所になりますし、石鹸や歯磨き粉など、またはワックスやジェルなどのヘアケア剤、化粧品などの油汚れも付着しやすいです。

もちろん使ってそのまま放置しておくと、水垢が発生したり油汚れがこびりついて取りにくくなるため、それが洗面ボウルのくすみや傷などの汚れにつながっていきます。

できるだけきれいな状態の洗面ボウルを維持するには、週に1回くらいはスポンジを利用して汚れを定期的にふき取るのが大切です。

頑固な油汚れなどはスポンジのみで落とせない場合もありますが、お風呂を掃除する際に利用する洗剤を使っても問題ないため、うまく落としてあげるようにしましょう。

ただし、素材によっては使えない洗剤などもあるため、なるべくその素材にあったものを使うことをおすすめいたします。

コーティング処理とは?

新しく取り付けた洗面ボウルにコーティング処理を施すことによって、汚れを防ぐことができますし傷がつきにくくなります。

特に陶器やホーローの洗面ボウルを利用する場合は、取り付けの際にコーティングを依頼することによって、初めの美しさが長期的に持続します。

ただし、洗面ボウルの中にはすでに汚れが付きにくいコーティング加工をしているものもあるため、リフォーム業者に確認を取りつつコーティング処理を進めましょう。

洗面ボウルの交換にかかる費用の相場

それでは最後に、洗面ボウルをリフォームする際の費用の相場について見ていきましょう。

老朽化して汚くなったりひびが入ってしまった洗面ボウルは交換する必要がありますが、交換する方法は

  • 同じ洗面ボウルへの交換
  • 違う洗面ボウルへの交換
  • 洗面台一式の交換

の3択になります。

洗面ボウルの価格

洗面ボウルだけの価格で言えば、安いものは5000円弱で購入することが可能です。

ただし、洗面ボウルのみを買っても古いものを取り外して新しく購入したものに交換するという作業は一般の方では難しいです。

そのため、通常は工事費用として3万円~5万円ほどプラスで支払う必要があります。

なので、洗面ボウルの交換を最安値で行おうと思っても、3、4万円くらいは見ておいたほうが良いでしょう。

新しい洗面ボウルを取り付ける場合

使用していた洗面ボウルを変える場合は、どのタイプからどのタイプに変えるとしても、大きさがぴったりはまるということは珍しいです。

例えばベッセル型はカウンターの上に洗面ボウルを置くタイプですので、カウンターに開いている穴は排水の通り道のみということになります。

しかし、半埋め込み型にする場合は、そのカウンターにボウルの下の部分が入るように穴をあける必要が出てきます。

逆に半埋め込み型をベッセル型に変える場合も、今まで穴が開いていた部分を埋めてその上に洗面ボウルを置くことになるため、同様に別途工事が必要になってきます。

洗面ボウルのタイプによっては水栓の位置や配水管の工事まで必要になるケースもあるため、洗面ボウルを取り換える際の費用はケースバイケースです。

ただ、5万円~30万円程度に収まるのが一般的です。

洗面台を全て取り換える場合

洗面台を丸ごと取り換えるというリフォームも人気ですが、その場合はカウンターや付属している鏡、収納なども丸々リフォームするということになります。

基本的には既に商品として出ている洗面台セットを購入して取り付ける方が多いですが、当然その洗面台のグレードによってリフォーム費用が左右されます。

例えば純粋に水栓と洗面ボウルしかない洗面台の交換であれば安くできますが、鏡や収納の付いた大きな洗面台に変える場合は多額の費用がかかります。

具体的には、10万円弱~100万円弱ほど見ておいたほうが良いでしょう。

洗面台を取り換える際には、周りの床部分もリフォームしたほうが良いとすすめられるケースもあるため、場合によってはこれ以上必要になる可能性もあります。

洗面台や洗面ボウルのデザインだけではなく、予算も考えながらリフォームを進めていくようにしましょう。

下記に大体の相場をまとめておきます。

交換方法 費用相場
同じ洗面ボウルへの交換 3万円~5万程度
違う洗面ボウルへの交換 5万円~30万円程度
洗面台一式の交換 10万円弱~100万円弱

まとめ

洗面ボウルのリフォームをメインで紹介させていただきましたが、意外に種類が豊富なものだということがわかったのではないでしょうか。

洗面所の雰囲気を変えるために、今まで使っていたタイプと全く違う種類の洗面ボウルを取り付けてみるのも方法の1つです。

しかし、使い慣れたもののほうが良いと考える方も多いため、ご家族の意見も取り入れてどのような洗面ボウルにすればよいかを判断しましょう。

また、これとは別に洗面台の位置自体を変更するリフォームも可能ですが、間取りだけではなく給排水管の位置も変えなければならないため大掛かりなものになります。

このように、洗面ボウルのリフォームにも様々なものがあるため、業者と相談して最善の方法を見つけていきましょう。