空き巣をはじめとする犯罪が、全くなるなるということはあり得ません。
うちは大丈夫だからと悠長に構えている方もいらっしゃれば、空き巣に入られたら大変だから何か対策をしなければと思っている方もいらっしゃるでしょう。
エクステリアを利用して不審者を自宅に侵入させにくくする方法はいくつかありますが、その中でも大きな効果を発揮するエクステリアが防犯カメラです。
例えば、防犯カメラのある家とない家とでは、 防犯カメラのある家のほうが入りにくいと考える不審者が多いため、つけておくだけで侵入のリスクを下げることができるのです。
今回は、そんな防犯カメラの導入に当たって必要な知識をまとめてみました。
目次
エクステリアに防犯カメラを導入するメリットとデメリット
まずは、防犯カメラのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリットが大きい反面、デメリットも存在するため気を付ける必要があります。
防犯カメラの主なメリット
防犯カメラの代表的なメリットして
- 防犯抑制作用がある
- 映像を残しておける
- 状況を客観的に確認できる
が挙げられます。
防犯抑制作用がある
防犯抑制作用とは、冒頭でもお伝えしたように、カメラがあるだけで不審者が自宅への侵入をあきらめるといった効果のことを指します。
「誰もいなさそうだから入りたいけどカメラがあるからやめておこう」と思わせることができれば、それだけで空き巣を防ぐことができるのです。
もちろんカメラがあろうがなかろうが建物への侵入を試みる空き巣犯は存在しますが、少なくとも侵入しようと思う空き巣が減るのは確実です。
映像を残しておける
例えばカメラがあるにもかかわらず空き巣に入られてしまった場合は、その時の映像を後から見直すことが可能です。
その犯人がカメラの死角に入っていない必要がありますし、その時にカメラが作動していなければならないという条件はありますが、常に防犯カメラを作動させているのであれば犯人の顔がくっきりと映っている可能性もあります。
その映像が元となって犯人の早期逮捕につながることもありますので、抑止力があるだけではなく実際に泥棒に入られた際の事件の早期解決にも貢献することができるのです。
状況を客観的に確認できる
カメラがない場合は
- どこからどのように空き巣に侵入されたのか
- 何が持ち出されたのか
ということを100%自信を持って伝えられる方は少ないのではないでしょうか。
例えば、今朝は本当に鍵をかけたのだろうか、指輪がなくなっている気がする、などと曖昧な表現になりがちです。
もちろんカメラが空き巣の犯行を一部始終とらえているということは珍しいですが、少なくともその映像に映っていることは事実であり真実です。
防犯カメラに映っている範囲であれば、その状況は第三者が見てもすぐに理解できる内容であることが多いため、感情的になりがちな人間の口から話を聞くよりも信憑性の高い証拠として利用することができるのです。
防犯カメラの主なデメリット
それでは、続いて防犯カメラのデメリットについて見ていきましょう。
- 依存性が高くなる
- 維持管理が大変
- 壊される可能性がある
代表的なデメリットにはこれらが挙げられます。
依存性が高くなる
中には「防犯カメラを取り付けたのだから鍵をしなくても大丈夫だろう」と考えるような方もいらっしゃいます。
確かに先ほど挙げたメリットの1つ目である犯罪抑制作用が働き、空き巣がカメラの存在に気付いて犯行をあきらめるという可能性も高くなります。
しかし、カメラがあるから絶対に空き巣に入られないということはありません。
例えば外から見て窓のカギが開いているのがわかっていたら、侵入が容易なため、たとえカメラがあっても侵入を試みる犯人がいるかもしれません。
カメラは確かに空き巣を思いとどまらせるのに大きな役割を果たしますが、過信しぎるのも考え物です。
防犯カメラを取り付けつつ、他の防犯対策もきちんと行うことで、空き巣の被害を未然に防ぐ可能性が高くなるのです。
維持管理が大変
カメラを365日ずっと作動させ続けるとなると、その分の電気代などのコストが必要になってきます。
当たり前ですが、空き巣に入られない日の方が多いはずですので、ほとんどの映像は無駄ということになりますし、電気代を無駄に使ったと考えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
また、例えば長期旅行に行っている間に空き巣に入られた場合は、その画像を見直すのが大変です。
1日の映像を見直すだけでも時間がかかるため、空き巣に入られた具体的な日時を割り出すのに時間がかかるというケースもあります。
壊される可能性がある
例えば、カメラが手を伸ばしたり道具を使っても届かないような高い場所にあるのであれば話は別ですが、防犯カメラがついているにもかかわらず空き巣に入られる場合は、高い確率でそのカメラが壊されます。
一部の隠しカメラなど以外の防犯カメラは、基本的にはカメラのレンズの付いた本体部分が露出しているため、どこにカメラがあるのかは一目瞭然です。
それが抑止力にもつながるのですが、逆に絶対にこの家に侵入してやろうというような空き巣が出てきた場合は、犯行前にその邪魔なカメラを除去しようとするのは当たり前のことなのです。
ただし、上述したように高い場所に設置するなどすればそのリスクを下げることが可能です。
防犯カメラを利用する際の3つの注意点
防犯カメラにも様々なものがありますし、利用する状況によって使い勝手が大きく変わってきます。
続いて、防犯カメラを利用する際の注意点について見ていきましょう。
- 暗さに注意
- 解像度に注意
- 死角に注意
具体的には、まずはこれらのことに注意してカメラを選んだり取り付けたりする必要があります。
暗さに注意
防犯カメラの中には、暗さに弱いものもあるため、そういったカメラを購入してしまうと暗い時間帯に行われた犯行が全く録画されてないということにもなりかねません。
例え日中の犯行であったとしても、カメラで映る場所が暗い場所の場合は、何となく犯人が映っている程度でほぼわからないという状況になることもあります。
これを防ぐためには、
- 暗い場所でも写すことのできる高感度のカメラ
- 赤外線照射装置の付いたカメラ
を用意するかもしくはカメラと一緒に人感センサーライトを設置する必要があります。
解像度に注意
カメラを選ぶ際には、価格だけで決めてしまうという方もいらっしゃいますが、その際にはカメラの解像度にも注意しなければなりません。
具体的には、解像度の低いカメラに犯人が映っていたとしても、顔がぼんやりとしか映っておらず判別できない可能性が高いです。
せっかくカメラを取り付けるのであれば、人の顔もきちんと認識できるもののほうが良いのではないでしょうか。
しかし、当然解像度の高いカメラほど価格も高くなりますし、またデータの情報量も増えることになるため、解像度の高いカメラにはメリットしかないということではありません。
カメラと対象となる犯人の距離などによっても変わってくるため、設置場所を決めつつカメラの解像度についても考えてみましょう。
死角に注意
例えば1台のカメラを設置するだけでは、当然そのカメラの真後ろなどには死角が生じてしまうため、そこから犯人が侵入してしまえばカメラには何も映らないことになります。
そうなると防犯カメラを設置する意味が全くなくなってしまうため、防犯カメラを設置するのであれば複数台を利用する必要が出てきます。
例えばエクステリアに2か所、玄関や窓の周辺に1台ずつというように複数のカメラを利用すれば、死角をなくして空き巣被害を減らすことができます。
当然複数台のカメラの購入は高額になってしまいますが、後述するダミーカメラと組み合わせることでリーズナブルに設置することができます。
防犯カメラの設置で重要な3つのポイント
それでは、どのように防犯カメラを設置していけばよいのでしょうか。
具体的には、
- 防犯カメラの価格
- 効果的な設置法
- ダミーカメラも混ぜる方法
も踏まえてカメラの設置を考えましょう。
防犯カメラの価格
防犯カメラを設置するとなった場合、多くの方はカメラ本体の価格のみを考えがちです。
しかし、カメラを導入するにあたって必要になってくる経費として、
- カメラ本体の価格
- 記憶装置の価格
- ケーブルなどの諸経費
- 業者に設置してもらう費用
が挙げられます。
カメラ本体でもその価格はピンキリですが、良いカメラを購入する場合は使用するデータ容量も大きくなるため、それなりの記憶装置を用意しなければなりません。
また、DIYで取り付けるという方もいらっしゃいますが、死角のことなどを考えるとやはり 専門の業者にお願いしたほうが確実です。
業者に依頼する場合は複数の業者に相見積もりを取って良い業者を選ぶというようなことも必要になってくるため、費用だけではなく設置にはある程度の時間もかかると思っておきましょう。
エクステリアの相見積もりの記事に関してはこちらでも詳しく解説しています。
効果的な設置法
カメラは映像を映し出しますが、物理的に空き巣を家に入れないようにする効果がないため、そんなカメラの持ち味を引き出すためには設置方法に気を配ってみましょう。
先ほども記載しましたが、手の届くような場所に設置してしまうと破壊される可能性もあるため、できるだけ高い位置に取り付けることをおすすめいたします。
また、カメラとわからないような小型のものを利用すれば、壊されるリスクがなくなりますしカメラにも気づかれにくいといった利点が生まれます。
しかし、そういったタイプのカメラの多くは撮影範囲が狭いものが多いため、他のカメラとうまく併用して設置することによってより高い効果を発揮します。
ダミーカメラも混ぜる方法
本物のカメラは高額なため、ダミーのカメラを利用するという方も少なくありません。
カメラの持つメリットである犯罪の抑止力を低価格で実感できるため効果的な方法だと言えますが、全てがダミーカメラではその抑止作用しか得られないため、ダミーのカメラの中に本物のカメラを数台混ぜておくことをおすすめいたします。
また、はっきりと防犯カメラを設置しているというようなステッカーを貼っておくと、抑止作用が高まります。
例えば5台のカメラのうちの3台をダミーカメラにしておけば、3台分のカメラの費用やランニングコストが丸々抑えられるため、リーズナブルに空き巣対策をすることができます。
防犯カメラ以外の防犯対策も考える
上述したように、防犯カメラには物理的に空き巣を止める効果がありません。
そのため、最後に実際に空き巣を建物に入れないための、その他のエクステリアを簡単に紹介させていただきます。
- センサーライト
- フェンス
- バルコニー
センサーライト
犯罪を行おうと思っている者は、音や光に極端に敏感になる傾向にあるため、エクステリアの一部に人感センサーライトを設置しておくと、空き巣を驚かせることができます。
庭や裏口などにつけておけば、不審者が近づくたびにライトが点灯するため、その光にびっくりして侵入をあきらめる可能性が高くなります。
人感センサーライトは、防犯カメラとは異なり安価で手に入れることもできるため、お金をかけずに防犯対策をすることができます。
複数のカメラと組み合わせてより高い効果を発揮するため、それぞれの設置位置を考えてみましょう。
フェンス
高いブロック塀は侵入者がよじ登るのを防ぐため空き巣の被害を防ぐと思われがちです。
ただし、いったん中に入ってしまうと今度は外から何も見えないため、空き巣は楽に仕事を始めることができます。
誰も見ていないのであれば玄関を堂々とピッキングすることもできますし、時間をかけてガラス窓に穴をあけることも可能です。
しかし、フェンスであれば外からも見晴らしがいいため、敷地内に侵入した不審者も死角がなく落ち着いて仕事をすることができません。
空き巣は人に見られるのを嫌うため、フェンスを設置することで結果的に死角がなくなり、空き巣を物理的に侵入させにくくする効果があるのです。
フェンス設置に関する記事はこちらも見てみてください。
バルコニー
意外と死角になりやすいのが、ベランダ部分やバルコニー部分です。
ベランダやバルコニーは壁で囲まれていることが多いため、いったんそこにたどり着いてしまえば外からの死角となり身を隠すことができてしまいます。
フェンス同様、ベランダやバルコニーも壁で固めてしまうのではなく、見晴らしの良い素材に変えることによって、そこからの侵入を防ぐことができるのです。
まとめ:防犯には様々なカメラを組み合わせて設置がおすすめ
例え偽物のカメラであったとしても、エクステリアに複数の防犯カメラを導入することによって空き巣の犯行意欲をそぐことができるため、空き巣に入られる可能性は確実に少なくなります。
しかし、全てがダミーカメラだと実際に空き巣被害にあった際に何の役にも立たないため、設置をする際には複数のダミーカメラに数台の本物のカメラを混ぜておくことになります。
カメラがあれば侵入者の顔をうまく映すことができるかもしれませんし、それが犯人の早期発見につながることもあります。
しかし、手を伸ばせば届くような位置に設置すると侵入前に壊される可能性も高いため、 届かない場所に設置したりわかりにくい場所に設置するというのも方法の1つです。
様々なカメラを組み合わせて設置し、空き巣の被害を未然に防いでいきましょう。