キッチンには必ずシンクがありますが、そのシンクは綺麗に保たれたままでしょうか。

毎日のようにご家庭で食事をするという方は、当然毎日シンクを利用して洗い物をしなければなりませんし、時には調理に使用する具材をシンクで洗います。

キッチンで料理をするにあたって、シンクは欠かせない存在でありますが、長年使い続けていると汚れが付着しやすくなりますし、性能が悪くなることもあります。

例えばシンクに傷がつくとそこに汚れがたまりやすくなりますので、その状態で野菜を洗うと、野菜にもその汚れが付着する可能性もあります。

どれだけ丁寧にお手入れをしても、シンクは年々劣化して傷がつきやすくなるため、やはり定期的にリフォームをして取り変えてあげる必要があるのです。

この記事では、そんなシンクのリフォームに必要な知識や、シンクを設置するポイント、リフォーム費用などについて紹介させていただきます。

上手なシンクの選び方

シンクにも様々なものがありますが、やはりデザインや使い勝手を考えて選ぶという方も多いはずです。

まずは、最低限クリアしておきたいシンクを選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。

  • 汚れにくさ
  • 掃除のしやすさ
  • 機能性
  • 耐久性

具体的には、最低でもこの4つに意識してシンクを選ぶようにしましょう。

汚れにくさ

シンクは毎日のように利用する場所になりますので、できれば使用するたびに掃除をしたいと感じる方も多いのではないでしょうか。

しかし、長時間使っていたとしても、汚れがなかなかつかないのであれば、掃除をする際にも簡単ですし、毎日のお手入れに時間をかける必要もなくなります。

そのため、汚れにくさと言うのは長期的にシンクを使い続けるためには不可欠な条件です。

例えば人工大理石のシンクなどは油汚れや水垢がつきにくいですし、汚れが目立ちにくいため適した素材の1つです。

掃除のしやすさ

汚れにくいシンクは魅力的ですが、当然そんなシンクも全く汚れることがないというわけではなく、やはり定期的に掃除をする必要があります。

そして、シンクを掃除する際に求められるのは、簡単な労力で汚れを落とすことができるという点です。

例えば形がいびつで個性的なシンクなどもありますが、細かい部分に汚れが入り込んだらサッと拭くことができなかったりするなど、使い勝手が悪いものも存在します。

シンクの素材として使用されているものであれば、材質としてはどれも手入れが簡単なものになりますので、後は掃除しやすいと感じる形を選ぶのが重要になってきます。

機能性

キッチンにはシンク以外にも、コンロや実際に具材を切ったりするワークトップなど、様々な設備を取り付ける必要があります。

コンロとワークトップ、それからシンクのバランスのことを指してキッチンの機能性と言われることもありますが、実際にこれらのバランスが悪いと調理に支障をきたします。

具体的には、広く調理しやすいワークトップの割にシンクが小さいと、シンクとワークトップの間に距離ができて使いづらくなることも多いです。

シンクをリフォームしたいと考える方は、どうしてもシンクのみを見がちですが、シンクを含めたキッチンのバランスも考えて新しいシンクを選ぶようにしましょう。

耐久性

シンクは常に水に濡れる可能性の高い場所ですし、水だけではなく熱湯や油、洗剤などが頻繁に付着する場所になります。

例えばシンクの素材に水と相性の悪い木材などを利用すると、当然劣化が早いですし、場合によっては使い物にならなくなってしまうでしょう。

基本的には、市販されているシンクの素材はどれも水に強いものになるため、どのようなものであっても安心して選ぶことができるはずです。

しかし、オシャレでも水や洗剤に弱い素材を利用したシンクがある場合もあるため、選ぶ際には気を付けるようにしましょう。

素材から選ぶ人気のシンク

シンクの素材で代表的なものは、

  • ステンレス
  • 人工大理石
  • カラーステンレス
  • ホーロー

の4つになります。

これらの特徴を簡単に紹介させていただきます。

ステンレスのシンク

ステンレスはデザイン的にちょっと微妙だと思われる方も多いですが、先ほど紹介した耐久性や掃除のしやすさなどをクリアしていますし、低価格で設置可能です。

もちろん長期的に利用していると、初めはピカピカだった表面に傷がついて、くもるようになったり、傷がつくとそこに汚れがたまったりすることもあります。

しかし、デザイン面以外のところを見ると、やはりステンレスがシンクの素材としてほとんどの方に適している素材です。

人工大理石のシンク

人工大理石とは、基本的に本物の石を使ったものではなく、アクリル樹脂やポリエステル樹脂などの樹脂で造られたものになります。

ポリエステル製の方が安い印象がありますが、アクリル製のものは耐久性もあり衝撃に強いといったメリットがあるため、どちらかと言うとアクリル樹脂のものの方がおすすめです。

樹脂になるためデザインが豊富ですし、色も好きなものから選べることが多いため、一度業者に確認してみるとよいでしょう。

カラーステンレスのシンク

ステンレスは銀色で無機質な感じがする、と考える方も多いですが、そのステンレスに特殊なコーティング加工を施したものがカラーステンレスになります。

ステンレスに色を付けることができるため、金属感がなくなりオシャレを演出することができますし、機能性もステンレスと変わらないため人気の高い素材の1つです。

コーティングをすることでさらに耐久性を強化することができますが、やはり年数とともに劣化し、塗装が剥がれることもあるため、そうなったら再リフォームのタイミングです。

ホーローのシンク

アルミや鉄などの金属にガラス質の薬品を焼き付けた素材をホーローと呼び、耐久性や耐熱性に優れているためシンクの素材としてもよく利用されていました。

しかし、例えば鍋などをシンクに置く際に手が滑ってしまうと、その衝撃で表面が割れてしまうことも多いですし、表面の薬が剥がれてそこから錆が発生するなどのデメリットも多いです。

ひと昔前は人気の素材でしたが、最近はホーローに変わって優れた素材がどんどんと生まれてきているため、現代ではシンクとして使われる機会が減ってきています。

シンクの素材まとめ

それぞれの素材の特徴をまとめてみました。

シンクの素材 汚れにくさ 掃除のしやすさ 耐久性 インテリア性
ステンレス 普通 しやすい 高い 低い
人工大理石 汚れにくい しやすい 普通 高い
カラーステンレス 普通 しやすい 普通 高い
ホーロー 汚れやすい 普通 低い 普通

やはり、ステンレスや人工大理石は使い勝手の良い素材だということがわかります。

しかし、一般的にはステンレスは安価で人工大理石が若干割高になるため、予算も考えて選ぶようにしましょう。

使い勝手を考えるとステンレスの方に分がありますが、オシャレでスタイリッシュなキッチンで料理を楽しみたいというのであれば人工大理石もおすすめです。

シンクを設置する前に注意するべき3つのポイント

何となくデザインのみで選んでしまいそうなシンクですが、実はその形や深さなどで使い勝手が大きく変わってきます。

続いて、シンクを設置する前に知っておくべき知識を紹介します。

具体的には

  • 位置
  • 深さ

に気を付けてシンクを選ぶようにしましょう。

シンクの位置と深さ、形によって、設置後の調理効率がかなり変わってくるため、以下を参考にしてご自身にあったシンクを選ぶことをおすすめいたします。

シンクの位置

先ほども機能性の部分で少し触れましたが、シンクの位置はキッチンでの調理効率を上げるために慎重に選ぶ必要があります。

もちろん位置だけではなく、使うシンクの大きさも考えなければ調理の効率が落ちてしまいます。

シンクを変えたいとなったら、通常はシンクのみを見て大きさなどを考えない方も多いですが、例えば選んだシンクが大きすぎたり小さすぎたりした場合は使い勝手が悪いです。

また、通常は元々シンクがあった場所に新しく購入したものを取り付けますが、シンクの位置が悪いと感じた場合はついでに位置を変更するリフォームをするのもおすすめです。

シンクの深さ

シンクには浅いものもあれば深いものもありますが、浅すぎると水を出したときに周囲にはねやすくなりますし、大きな物を洗う際に大変です。

しかし、反対にシンクが深すぎると小さなものを洗う際などに腰を深く曲げなければならないため、洗い物をする度に腰に負担がかかることになります。

もちろん身長や個人の好き好きによってシンクの深さは異なると思いますが、一般的にはシンクの深さは大体20センチ~25センチくらいのものが良いと言われています。

実際にショールームなどに置かれているシンクを使ってシミュレーションすることで、ご自身にあった深さを認識することができるはずです。

シンクの形

シンクにも様々な形が存在しますが、一般的には四角いタイプとかまぼこ型の2種類が多く使われています。

四角形のシンクはかまぼこ型と比べると若干広くなりますし、角に三角コーナーなどを置いて残飯受けなどを作ることが可能です。

一方でかまぼこ型のシンクは、角がないため汚れがたまりにくいですし、デザイン性が高いためオシャレなシンクにすることが可能ですが、四角形のシンクよりも若干狭くなります。

デザイン性のみを考えるとかまぼこ型のシンクの方が良いと考える方も多いですが、その分シンクのスペースが狭くなるため使い勝手が悪いという印象を持つ方もいます。

もちろんどちらにもメリットとデメリットはありますが、シンクをよく使う方の好みによって使い勝手がわかれるため、純粋に使いやすいと感じる方を選ぶとよいでしょう。

キッチンリフォームにおけるシンクの価格の相場

それでは最後に、キッチンをリフォームする際にシンクを交換する際のの相場を見ていきましょう。

キッチンは大きく

  • セクショナルキッチン
  • システムキッチン

に分けることができます。

簡単に言えば

  • セクショナルキッチン→シンクと下の台が一体型になっているキッチン
  • システムキッチン→シンクのみ、もしくはシンクとワークトップを取り外せるキッチン

です。

シンクをリフォームしたいとなった場合、このキッチンタイプの違いによってリフォーム費用が大きく変わってきます。

また、シンクはワークトップとセットになっていることも多いため、素材ごとの価格は以下を参照ください。

⇒キッチンリフォームに大切なワークトップの素材の種類と選ぶ際の注意点

セクショナルキッチンの費用相場

セクショナルキッチンは、キッチンが全て一体型となっているため、シンクのみを取り外してリフォームするというのが難しいです。

そのため、どうしてもシンクを変えなければならないという場合は台ごと全て取り換えることになるため、リフォーム費用が若干高くなってしまいます。

キッチン台を全てリフォームするのであれば部屋ごと全てリフォームするのもそんなに費用が変わらないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、レンジフードや吊り棚などはそのままの状態で使えるため、フルリフォームの半額程度でリフォームすることが可能です。

具体的には、安くて25万円くらいだと思っておきましょう。

  • 費用相場:25万円~

システムキッチンんの費用相場

システムキッチンは、シンクのみを取り外せたりシンクとワークトップをセットで取り外せたりするものも多いため、部分的な交換が可能です。

ただし、そのキッチンによって部分的なリフォームが可能かどうかは異なるため、リフォームをしたい場合は事前にリフォーム業者に現場調査をしてもらうことをおすすめいたします。

こちらはセクショナルキッチンのリフォームよりも安く、新しいシンクの商品価格と設置工事費用のみでリフォームが完了します。

しかし、商品自体が割高なものも多いため、10万円くらいから見ておいたほうが良いでしょう。

  • 費用相場:10万円~

まとめ

シンクはキッチンにおける機能のほんの一部分ですが、シンクがなくなってしまったら料理を作る効率が極端に落ちますし、洗い物の処理も大変です。

しかし、シンクがあればよいというものではなく、使い勝手が良くなければ調理や洗い物がしにくくなるため、同様に大変な思いをすることになるでしょう。

逆に言えば、シンクの使い勝手が良くなれば、今まで以上に調理しやすくなったり洗い物がしやすくなったりするということでもあります

つまり、シンクをリフォームしてより使いやすいものを手に入れることができれば、毎日の家事が楽になりますし、新しいアイテムを利用して気持ちもよくなるのではないでしょうか。

実際に、キッチンの中でもシンクのみを交換したいという方は意外と多いですし、シンクのみを販売している業者も存在します。

しかし、ワークトップとセットになっている商品も多ければ、キッチンタイプによっては全てをリフォームしなければならないケースもあるため、まずは業者に相談してみる必要があります。

良い業者を選ぶことができれば、こちらの状況に合わせておすすめのシンクやキッチンパーツを紹介してくれるため、まずはきちんと相見積もりを行うことをおすすめいたします。

リフォームの相見積もりが重要である3つ理由と良い見積書の判断基準