一般的な門柱と言えば、読んで字のごとく、門を支えるために門の両サイドに設置する柱のことを指します。

もちろん門としての機能を持たせた門柱も多いですが、最近は門を設置せずに門柱のみを独立して取り付けるエクステリアが流行しています。

門がなければ意味がないと思われるかもしれませんが、門柱にも表札を設置したりポストを取り付けたりといった役割を持たせることができます。

また、門柱は家の最も道路側に設置されることになりますので、その住宅の顔としての役割も果たします。

家の顔とまで言われると、いざ設置をする際に迷ってしまう方も多いかもしれません。

確かに現在の門柱は様々な機能やデザインが組み合わされたものが多いですが、今回はそんな門柱のメリットや設置時の注意点などをまとめました。

門柱の役割

門柱の本来の役割は、やはり門を支える柱としての機能でしょう。

しかし、そのほかにも様々な役割を果たしてくれます。

防犯効果が高まる

門柱と一緒に門やフェンスを設置した場合は、高い防犯性を発揮します。

本来の使い方をすることでエクステリア全体が高級感を帯びますし、侵入者が中に入って来にくい雰囲気を作り出すことが可能です。

もちろん、門やフェンスを設置するとなると、門柱単体の取り付けと比べてかなりの費用が必要になってきます。

しかし、素材やデザインによっては安く設置できるようなものもありますので、どうせ門柱を設置して防犯性を高めたいと考えるのであれば、セットで取り付けてしまうのもよいでしょう。

道路との境界がはっきりする

エクステリアには様々なジャンルがありますが、中にはオープン外構を好む方もいらっしゃいます。

オープン外構とは、簡単に言うと塀やフェンスで住宅を隠さない作りのエクステリアのことになるのですが、その場合はどこからが私有地なのかがわからなくなってしまうこともあります。

一般的に周りの家や道路との境界線をはっきりとさせるためには、塀やフェンスを設置することになりますが、その代わりになるのが門柱なのです。

特に機能を持たせていない門柱であったとしても、そこに建てるだけでどこからが私有地なのかがはっきりとします

同時に、家屋よりも道路側に設置することになるため、家の顔としてしっかりとした存在感を見せつけてくれます。

外見がきれいになる

オープン外構で門柱がない場合は、どこからが私有地なのかがわからないだけではなく、何となくその他のエクステリアも設置しづらいです。

反対に門柱があるだけで、そこを基準としてアプローチ部分や照明といったその他のエクステリアを効率的に取り付けることができるようになります。

住宅のデザインにあった門柱を設置することができれば、その他のエクステリアも映えるようになりますし住宅全体に統一感が生まれます。

見た目などどうでもよいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、美しい住宅に帰宅するのは気持ちが良いものですので、一度デザインしてみるのも面白いかもしれません。

門柱を付けるメリット

上記のように、門柱には様々な役割があります。

例え、塀やフェンスを設置しなかったとしても、十分な役割を果たしてくれそうです。

ここからは、最新の門柱を取り付けるメリットを紹介していきます。

多機能門柱は使い勝手が良い

門柱の中には、本当に柱としての機能しか満たさないようなものも存在しますが、最近は様々な機能を持たせた門柱が高い人気を誇っています。

表札を付ける方は多いですが、一緒にポストを付けたりインターホンを取り付けたりする方も少なくありません。

また、最近ではコンセントや蛇口が取り付けられた門柱も増えてきています。

もちろん門柱に設置したコンセントで毎日スマートフォンを充電するというようなことはないと思いますが、庭で何かをする際に活用できるかもしれません。

門柱ばかりに機能を集約させるのも考え物かもしれませんが、最近は、このような様々な機能がついた門柱を建てる方が増えてきています。

プライバシーが守られる

門柱にポストやインターホンを付けることによって、プライバシーを保つことができます。

仮に門柱がない場合は、ポストやインターホンは玄関のすぐ横に設置することが多いのではないでしょうか。

その場合、郵便配達のスタッフやダイレクトメールの配達人などは、そのポストに郵送物を入れるために自宅の敷地に足を踏み入れることになります。

同様に、インターホンが門柱になければ、許可もしていない来客をすでに住宅の敷地内に入れていることになるのです。

門柱にこれらの機能を持たせることによって、建物の近くまでいきなり他人が侵入するということがなくなりプライバシー性が高くなるのです。

玄関まわりに余裕ができる

門柱がない場合は、玄関の周りにすべての機能を集約させざるを得なくなります

表札やインターホン、ポスト、照明など、玄関の周りに様々なエクステリアを設置することになり、何となく落ち着かない雰囲気ができてしまいます。

玄関まわりはできるだけスッキリさせたいと考える方は、やはり道路近くに設置した門柱に様々な機能を持たせることになります。

そうすることによって、家屋の玄関周りがすっきりとして気持ちよく帰宅できるようになるはずです。

門柱に適した素材

門柱は、基本的にはどのような素材であっても仕上げることのできるエクステリアになります。

しかし、やはり家屋やアプローチ部分とマッチすることが重要ですので、それに合わせて素材を選ぶことをおすすめいたします。

レンガの門柱

洋風の建物との調和を考えるのであれば、やはりレンガは人気の高い門柱の素材といえるでしょう。

レンガのみを積み上げて設置することもできますし、例えばコンクリートの一部にワンポイントとしてレンガをちりばめたりすることも可能です。

主の個性やデザイン力が反映される門柱になるため、様々なパターンを考えてしっくりくるものを設置するとよいでしょう。

ブロックの門柱

ブロックは塀として利用される定番の素材になりますが、当然門柱の素材としても利用することができます。

グレーのブロックを使うのもよいですが、様々な色や形のブロックがありますので、それらを組み合わせることによってオリジナルの門柱が完成します。

レンガよりも安価ですし、重厚感を持っているため重みを演出することができます。

木製の門柱

温かい雰囲気を作り出したいのであれば、やはり天然の木材を利用した木製の門柱が良いのではないでしょうか。

アプローチを枕木で作成していたり、玄関の扉が木製の場合は、門柱も木製にすることによって住宅全体に温かみが増します

一言で木製と言っても、様々な種類のものがありますしカラーも豊富ですので、色々な木材を見てみましょう。

タイルの門柱

タイルは様々な素材の中でも、最も種類が豊富でどんなタイプの住宅にも合わせやすい素材といえるでしょう。

カラーバリエーションも豊富ですし、模様がついたものもあれば質感を選べたりもします。

そのため、純和風家屋から洋風住宅まで、どのような住宅にもマッチします。

門柱に付けられる機能について

商品として売られている門柱の多くは、最初からいくつかの機能が付けられています。

しかし、基本的にはそれを取り外したり、または新たな機能を追加したりして、オリジナルの門柱を設置することが可能です。

ここでは、門柱に付けることのできる代表的な機能を紹介していきます。

表札

一般的には、そのご家族の名字を入れたネームプレートを取り付けることになります。

素材が豊富なだけでなく、カラーバリエーションも多いですし書き込む書体まで選択することが可能です。

門柱に付ける場合は、表札だけでなく門柱全体とのバランスを考えて設置するとよいでしょう。

ポスト

玄関にポストを設置したいという方もいらっしゃいますが、プライバシーを重視して門柱に取り付ける方も増えてきています。

単純に市販のポストを取り付けることも可能ですが、門柱の前に郵送物を入れてもらい、裏から取り出すことができるような門柱全体を使ったポストも存在します。

ポストの配置やデザインは、毎日の郵送物の取り出しに大きく影響することになるため、慎重に選ぶようにしましょう。

照明

門柱に照明をつけて表札を照らしたりアプローチ部分を明るくすることによって、夜間の美しい住宅を作り上げることができます。

同時に、例え建物の中に誰もいなかったとしても、家の顔である門柱のライトがついていれば、誰かが中にいると思わせることができ、空き巣対策などにも効果的です。

最近は暗くなったら勝手に点灯する照明や時間になったら点灯するライトなどもあるため、使い勝手を考えて選択しましょう。

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インターホン

やはり、玄関よりも門柱にインターホンを設置するという方の方が多いのではないかと思います。

ポスト同様、市販のものをそのまま取り付けることも可能ですが、中にはインターホン内臓の門柱も存在します。

タイプも様々なものがありますし、価格も安価なものから値の張るものまで様々です。

蛇口

門柱の裏側や側面に蛇口を設置する方もいらっしゃいます。

庭に水を撒いたり、カーポートなどに駐車している車を洗車する際などに活躍します。

しかし、その他の機能と比べると頻繁に使うようなものでもありませんので、どうしても設置したいというわけでなければ取り付けなくてもよいでしょう。

門柱設置時の注意点

どのようなものでもよいからとりあえず門柱がほしい、というのであれば、特に注意して設置しなければならないということはありません。

しかし、特に様々な機能を持たせた門柱を取り付けるのであれば、いくつか注意しなければならない点があります。

機能の配置に注意

例えばインターホンを取り付ける場合は、その高さなどに気を付けましょう。

インターホンは来客が指を使って押すことになるため、高すぎたり低すぎたりすると使い勝手が悪くなります。

同様に、最近は取り付けるのであればカメラ付きのインターホンを設置する方が多いですが、せっかくのカメラも取り付け位置で相手が全く見えなくなってしまいます。

逆光をはじめ、日の当たり具合で来客の顔が見えないということもあるため、様々な点を考慮して設置する必要があります。

ポストは本当に門柱に設置するのか

ポストを門柱に設置することによって、郵便の配達人をはじめとする他人を家の敷地に入れることなく郵送物を受け取ることができます。

しかし、玄関と門柱の位置が遠い場合、今度は郵送物を取りに行くのが手間になることもあります。

雨の日はいちいち傘をさしてポストまで行かなければなりませんし、荷物を抱えて帰宅する日は一旦建物に戻って荷物を降ろしてから再度ポストへと足を運ぶことになります。

門柱にポストを付けるメリットも大きいですが、反面デメリットも存在するため、それらを比較して設置するかどうかを決めましょう。

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門柱の配置に注意

門柱は私有地と道路や隣家との境界をはっきりさせるために利用することができますが、あまりギリギリに設置するのも考え物です。

例えば門柱を取り付けたことによって毎日の車の出し入れが面倒になるケースもありますし、家全体の見た目が悪くなることも考えられます。

そもそも、敷地が狭い住宅に門柱を取り付けた場合は、門柱によってアプローチ部分がなくなり、見た目が狭くなることもあります。

敷地に余裕がない場合は、門柱自体を取り付けないという選択肢もあるので、設置することで狭くならないかをイメージして問題がないようであれば設置するとよいでしょう。

最後に

一言で門柱と言っても、実に奥の深いエクステリアだということがお分かりいただけたのではないかと思います。

門柱は素材や取り付ける機能などによって、無数の組み合わせが出来上がります。

表札やポスト1つ取っても種類が豊富ですので、こだわりが強い方はいつまでたっても理想の門柱を見つけることができず、デザインがなかなか進まないという事態に陥る可能性もあります。

もちろん納得するまで悩むというのも重要なことかもしれませんが、ある程度は広い心を持って考えるのも大切です。

なかなか決められない場合は、メーカーなどが出しているデザインを参考にしてみるのもおすすめです。