最近は、電気を節約したり、自宅の電気代をなるべく消費しないために、または余った電気を売却するためなどに、ご自宅に太陽光発電のソーラーパネルを取り付けるご家庭も増えてきています。

一般的には建物の屋根に取り付けることの多い太陽光発電ですが、当然エクステリアの一部に取り付けても同じように使うことが可能です。

実際にエクステリアに取り付けることによって様々なメリットを得ることができますし、それによって電気代を節約できているご家庭も少なくありません

しかし、家屋の屋根に取り付けるのとは異なり、多少はデメリットも存在します。

また、十分な電力を得るためにはそれなりの広さも必要になってくるため、エクステリアの大きさによっては設置できないようなものもあります。

今回は、そんな太陽光発電をエクステリアに設置する際のメリットや導入コストなどについて紹介していきます。

太陽光発電をエクステリアに設置するメリット

太陽光発電は、設置することによって電気代を節約することができるため、メリットが多いといえるでしょう。

それでは、エクステリアに設置するメリットについて見ていきましょう。

場所によっては大容量のパネルが設置可能

エクステリアと言っても様々なものがありますが、例えばガレージやカーポートなどに太陽光パネルを取り入れるのであれば、家屋の屋根に設置するのと変わらないくらいの大きさのものを取り入れることができます。

当然屋根にも設置するという方もいらっしゃるかもしれませんが、屋根とエクステリアのパネルを合わせれば大量の電力を得ることができるため、家計の負担を軽減します。

例えば車一台分の小さなカーポートの屋根などであれば、やはり得られる電力も少量になってしまいますが、車を数台駐車できるようなカーポートであれば、家屋の屋根に負けないくらいの電力が得られます。

屋根に設置できない際にはメリットが大きい

ご自宅に太陽光発電を取り入れたいと思っていたとしても、屋根の形状によってはパネルを取り付けられないようなケースがあります。

太陽光パネルは屋根に取り付けるものだと考えていらっしゃる方の中には、取り付けられないとわかったらそこで太陽光発電をあきらめてしまう方も少なくありません。

しかし、敷地に十分なスペースがあるのであれば、そこにカーポートを設置してその屋根に太陽光パネルを取り付けてみてはいかがでしょうか。

または、倉庫や物置などを作ってその上に太陽光パネルを設置してみるというのも方法の1つです。

エクステリアに設置する太陽光パネルは、屋根に設置できないご家庭におすすめできる製品だといえるでしょう。

住宅の景観を保つ

仮に、自宅の屋根に太陽光パネルを取り付けられたとしても、取り付けることによって見た目が極端に悪くなると考える方もいらっしゃいます。

実際に、オシャレな瓦屋根などに取り付ける場合には、せっかくの瓦が全く見えなくなってしまったりすることになるため、それが嫌で太陽光パネルを取り付けられないというケースも多いようです。

エクステリアに取り付ける太陽光パネルは、そういった方にもおすすめすることができます。

カーポートをはじめとするエクステリアでの太陽光発電は、ご自宅の景観を壊すことなくお得に電力を得ることが可能になるのです。

エクステリアにつけるデメリット

導入にコストはかかりますが、太陽光パネルを付けることによって将来の電気代を抑えることが可能になります。

しかし、エクステリアにパネルを設置する際にはデメリットも出てきます。

日当たりの問題

屋根に太陽光パネルを設置するのであれば、よほどのことがない限り日光が直接当たるはずですが、カーポートなどのエクステリアに設置したパネルに必ず日光が当たるとは限りません。

家屋の陰に隠れてしまうこともあるでしょうし、周りに家が密集している場合は、どの時間帯であっても直接日が当たらないという可能性もあります。

実際に、太陽光パネルが影になってしまうことによって得られる電力が大きく変わってきますので、設置をする前に設置場所を確認することをおすすめいたします。

例えば設置できる場所が全て陰になってしまうというような場合は、太陽光発電を設置するには向いていないということになってしまいます。

パネルの重みの問題

太陽光パネルを見たことがあるという方は多いと思いますが、薄い金属といった感じでそんなに重量があるような印象がないという方も少なくないはずです。

しかし、実はかなりの重量を誇っており、一般的な4kwのタイプで250キロ以上になります。

その重たいパネルを支えるためには、基礎となるエクステリアに、それなりの強度が求められます。

実際にはカーポートなどに取り付ける方がほとんどですが、そのカーポートの柱や屋根がしっかりとしていなければそのまま設置することができません。

既存のカーポートにパネルを設置する際には、その重さに耐えられるように補強工事を施すことが多いです。

また、中には補強してもパネルを支えることができないと判断され、設置そのものができないようなカーポートもあるため、その場合は一旦解体して新しくパネル付きのカーポートを導入することになります。

太陽光発電に必要な広さと発電量

実際に太陽光パネルを取り付けるとなった場合には、どれくらいのスペースが必要なのでしょうか。

また、エクステリアに太陽光パネルを取り付けることで得られる発電量はどれくらいになるのでしょうか。

太陽光パネルに必要な広さ

ご自宅によって所有する車の台数は異なりますが、太陽光パネルをカーポートに取り付ける場合は、2台以上の駐車スペースが確保できる大きさのものが望ましいとされています。

もちろん1台用の駐車スペースに太陽光パネルを取り付けられないというわけではありませんが、どうしてもパネルの大きさが小さくなってしまうため、費用対効果を考えると大きい方が良いのです。

具体的に言うと、2台分のカーポートの屋根であれば、縦も横も5メートル以上の長さになるため、大きめの太陽光パネルを取り付けることが可能になります。

また、3台分の駐車スペースを持つカーポートであれば、一辺の長さが8メートル以上になりますので、さらに大きな太陽光システムを導入することができるようになります。

大きければ大きいほど、より大きなパネルの設置が可能となりますが、ご自宅にそんなにスペースがないという方も少なくないはずです。

そのあたりは、導入コストと想定発電量なども考えつつ、どれくらいの大きさのパネルを取り入れるべきかを決めるとよいでしょう。

太陽光パネルの想定発電量

太陽光パネルを導入するにあたって、どれくらいの電力を得られるかというのは大変重要なポイントの1つになります。

エクステリアに太陽光パネルを取り付けるのであれば、やはりカーポートだという方が多いのではないかと思いますが、一体供給電力はどれくらいになるのでしょうか。

目安として一般的な住宅用の太陽光パネルの発電量は、平均して4kw程度になります。

それに比べて、例えば2台分のスペースがあるカーポートに設置する太陽光パネルは約4.5kw、3台分になると約6kwもの電力を得られることが多いです。

もちろん屋根よりも取り付け箇所が低くなりがちですし、場所によっては日射量などが少ないところもあるため、一概に発電量を決めつけることはできません。

しかし、太陽光パネルを取り付けるスペースが十分にあるエクステリアであれば、住宅用の太陽光パネルよりも多い電力を発電してくれるということがわかります。

日の当たり具合などを確認し、エクステリアでも十分な電力が得られると判断できれば、太陽光発電を利用してみるのもよいでしょう。

カーポートに導入する太陽光パネルとコスト

エクステリアにも様々なものがありますが、やはり太陽光パネルをカーポートに取り付けるという方が最も多いです。

それでは、カーポートに太陽光システムを導入するのにはいくらくらいかかるのでしょうか。

元々存在するカーポートに取り付ける

既にご自宅にカーポートやガレージなどを所有しているという方も多いと思いますが、それらのエクステリアの上に太陽光パネルを設置することも可能です。

新しくカーポートなどを作ることを考えると安上がりになると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、既存の屋根にただ取り付けるだけでは、重さに耐えきれずに後からトラブルが発生する可能性があります。

そのため、太陽光パネルを取り付ける際にはそのエクステリアの補強工事も併せて行うことになります。

カーポートの大きさなどによって大きく変わってきますが、その補強に必要な費用は20万円~30万円程度になることが多いようです。

これに加えて太陽光パネルそのものの価格、設置費用がかかることになります。

太陽光パネルにも様々なものがありますが、安いものであれば2台分のカーポートの大きさで150万円前後で取り付けることが可能です。

3台分のカーポートであれば200万円くらいになることが多いですが、有名なメーカーのパネルを設置する場合はもう少し割高になります。

なお、カーポートにも様々な種類がありますが、片面だけで屋根を支えるタイプのものは強度が弱いですし、補強工事にも時間や費用がかかりがちです。

しっかりと太陽光パネルを取り付けたいのであれば、最初から新しくカーポートを造り直すのも方法の1つです。

太陽光付きパネルのカーポートを設置

まだエクステリアとしてのカーポートがご自宅にないというご家庭には、太陽光パネルがついたカーポートの導入をおすすめいたします。

その際に、カーポートと太陽光パネルをセットで提供している業者も多いですが、別々で発注したほうが総額が安くなる可能性が高いです。

カーポートを作る時に太陽光パネルを設置する予定だということを伝えておくことによって、十分な強度を誇るものを作ってくれるはずです。

2台分の車を駐車できる太陽光パネル付きのカーポートを取り付ける場合は、合計で200万円前後、3台分のカーポートの場合は240万円前後になることが多いです。

車を1台しか使わないから1台分のカーポートでよいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合も設置に150万円程度必要になってきます。

1台分のカーポートの場合、高効率パネルを使用しても想定発電量が3kw程度になるため、より多くの電力がほしいという場合は初めから広めの太陽光パネルを載せることのできる大きめのカーポートの設置をおすすめいたします。

最後に

今回は、エクステリアに太陽光発電のパネルを設置する紹介をしてきました。

太陽光発電そのものにも様々なメリットがありますが、エクステリアに設置することによって、建物の景観を損なうことなく電力を生み出すことができるというようなメリットを得ることもできます。

しかしその反面、建物の屋根よりも低い位置に設置する太陽光パネルには日光が届きにくく、それによって発電量が低下してしまうというデメリットも生じます。

将来の電気代が安くなるため、長い目で見れば太陽光パネルを設置したほうが良いと考える方も多いですが、導入時のコストもそれなりに高いため、設置後に思ったよりも電力が得られなければ後悔してしまう可能性もあります。

また、実際にはエクステリアの中でもカーポートに太陽光パネルを取り付けるというご家庭がほとんどですので、カーポートの大きさにちょうど良いパネルもたくさん販売されています。

しかしパネルそのものが重たいため、カーポート自体もある程度の重みに耐えられるものでなければいけません。

カーポートに設置する際にはコストを抑えることだけではなく、機能性、安全性ことも考えて取り付けるようにしましょう。