解体工事は、解体業者のスタッフが何人も集まって危険な場所行う作業になります。

そんなスタッフの方々に、差し入れをすべきかどうかわからないという方もたくさんいらっしゃるようです。

施主としては、その業者に解体工事代金を支払うことになりますので、少なくとも必ず差し入れをしなければならないというわけではありません。

しかし、現場のスタッフとのコミュニケーションをしっかりと取ることによって、その解体工事がスムーズに行くこともあります。

逆に、意思疎通がうまくできていないことによって、後々何らかのトラブルに発展するというケースもあります。

今回は、解体工事現場のスタッフとコミュニケーションをとる絶好の手段である「差し入れ」について見ていきます。

解体工事で差し入れはするべき?

日本では、昔から家を建てる際などには大工さんに差し入れを渡すという習慣がありました。

休憩中にお茶を配ったりといったものから、お菓子やおしぼり、中にはビールを配ったりする方もいらっしゃいます。

しかし、差し入れなど面倒だという方もいらっしゃるようです。

差し入れはしなくても問題ない

例えば、解体作業の現場が施主の自宅から近いのであれば、差し入れも簡単にできるのではないかと思います。

しかし、作業現場が遠く差し入れをするのに何時間もかかるといった場合などは、差し入れしたくてもできないのではないでしょうか。

もちろん、単純に時間がないという方やタイミングが合わないという方もいらっしゃるでしょうが、そういった方々こそ差し入れはすべきなのか、と悩んでしまいます。

結論を言うと、差し入れは絶対にしなければならないものではありません

解体現場に赴くのが大変だったり負担になるようなのであれば、無理に差し入れをする必要はないのです。

差し入れのついでにできること

差し入れの目的は、基本的には解体工事をしてくれているスタッフへの感謝の気持ちを伝えるためになります。

夏の暑い時期に冷たいお茶を配ったり、冬に温かい缶コーヒーを差し入れることで、スタッフとのコミュニケーションを計ることができます。

そこで働くスタッフも、優しく気配りのできる施主のために工事を頑張ろう、という気になるかもしれませんし、それによって工事のスピードが上がる可能性もあります。

また、差し入れのために解体現場に行くことになりますが、その際に

  • 解体作業がどれくらい進んでいるのか
  • 予定通りいっているのか

ということを確かめることもできます。

もちろん業者に任せっぱなしでも問題ないことのほうが多いですが、自分の目で確かめられるため安心です。

逆に、作業の工程を確かめるために差し入れを持って解体現場に赴くという方もいらっしゃるくらいです。

差し入れしない際のデメリットはない

感覚的に、差し入れをしないと解体作業が遅くなりそうだ、工事が雑になるかもしれない、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、こちらは依頼主としてすでに業者に解体工事代を支払っているはずです。

現場のスタッフに直接手渡しをするわけではありませんが、支払ったお金は報酬として現場のスタッフにわたるはずです。

そのため、差し入れしようがしまいが、基本的には工事の質に大きな変化は表れないのです。

もちろん差し入れしたほうがスタッフの気分もよくなりますが、逆にしなかったから気分が悪くなるという物ではありません。

差し入れしなかったからといって、解体工事に悪影響が出るということはないため安心してください。

夏場の差し入れについて

地域や時間帯にもよりますが、暑い夏場の作業は体力が奪われます。

やはり差し入れのアイテムとしても冷たいものが好まれるようです。

夏場に定番の飲み物とは?

差し入れの飲み物と言えば、お茶をイメージされる方がほとんどなのではないかと思います。

昔ながらの湯飲みにいれたお茶もよいですが、現代であればペットボトルのお茶をクーラーボックスにいれていつでも冷たい状態で飲めるようにしておくと喜ばれます。

お茶だけでなく水やスポーツドリンクも夏に定番の差し入れアイテムと言えます。

缶のお茶を渡すのもよいですが、缶の場合は一度に飲み切る必要があるため、現場のスタッフのことを考えるとペットボトルのものがおすすめです。

アイスは人気の差し入れ

暑い時期に喜ばれるアイテムとしては、やはりアイスクリームが挙げられます。

差し入れのお菓子としてクッキーやまんじゅうなどを渡す方も多いですが、夏場の作業でバテてしまいそういったものが喉に通らない、という方も少なくありません。

アイスクリームはそんなときでも食べやすく、身体を内側から冷やしてくれますので喜ばれます。

しかし、アイスを差し入れてすぐに食べられるというわけではないため、クーラーボックスを用意するなどの対策をしないと食べられずに終わってしまうこともあります。

仕事後はビールも人気

夏場に限らず、差し入れとして高い人気を誇るアイテムがビールといえるでしょう。

もちろん作業中は飲むことができませんが、作業後の疲れた時間帯にみんなでビールを飲むことで、心身の疲れを癒し翌日も頑張ろう、という気持ちが高まります。

中にはアルコールが苦手だというスタッフもいるかと思いますが、好きな方が大多数というケースが多いため問題ありません。

飲むのは仕事が終わってからになりますので、工事時間が終わりそうな時間帯に行けるのであればビールを持って行くのもありなのではないでしょうか。

ただし、車で来ている方がいるのであれば飲酒運転にならないように注意はするようにしてください。

冬場の差し入れについて

解体工事は基本的に外で行われるため、寒さの厳しい冬場にはつらい作業となります。

もちろん体を動かして作業をする場合は暑くなることもありますが、休憩中には暖を取ることのできるアイテムが喜ばれます。

飲み物は温かいものと常温のもの

飲み物を差し入れする場合には、温かいものと常温のものの両方を用意できればさらに喜ばれます。

温かいコーヒーやペットボトル入りのお茶などとともに、常温のお茶や水などがベストです。

休憩中はどうしても体が冷えますし、食後などに温かいコーヒーを飲みたいという方も少なくありません。

しかし、コーヒーは砂糖入りやミルク入りなどの好みがわかれるうえ、ブラックは飲めない、ミルク入りは飲まない、という方もいるため、ポットとインスタントのコーヒー、砂糖とミルクなどを別々で用意しておくのがおすすめです。

また、作業中に暑くなった時にもすぐに飲めるように常温の飲み物も必要です。

もちろん各自用意しているケースが多いため、必ず必要というわけではありません。

冬場に喜ばれる食べ物とは?

身体を使う作業をしていると、どうしても1日3度の食事では小腹がすいてしまいます。

寒い冬場に小腹がすいたら、やはり温かいものを少しつまみたいと思う方が多いようです。

そのため、冬場に人気の高い食べ物として肉まんをはじめとする中華まんが挙げられます。

近くのコンビニなどで人数分購入して休憩時間に合わせて持って行けば、スタッフのモチベーションも上がるのではないでしょうか。

しかし、逆に工事中に持って行ってしまうと、今もって来られても食べられないし、食べるときには冷めてしまっている、と逆効果になってしまう可能性もあります。

そのため、できれば休憩時間を見計らって持って行くのがベストです。

その他の人気の差し入れアイテム

飲み物や食べ物が定番の差し入れアイテムになりますが、その他にも人気の高いアイテムは多いです。

おしぼり

解体作業は粉塵にまみれて体がベタベタになったり、顔がほこりまみれになってしまうことも少なくありません。

そのため、休憩時間にサッと顔や体を拭くことのできるおしぼりは、意外と人気の高いアイテムになります。

夏場であればクーラーボックスに一緒に入れておくことで、いつでも冷たいおしぼりで顔を拭いてもらうことができます。

冬は、タイミングが合うのであれば温かいおしぼりを渡すと喜ばれます。

食事のおかず

基本的には連日、朝から夕方まで解体作業を行う現場が多いです。

そのため、その場所で働くスタッフは各自弁当を持ってきて現場で食べることになります。

その食事のお供に、漬物などのちょっとしたものを持って行くのもおすすめです。

特に夏場は塩分をしっかりと取らなければならないため、食事時に梅干しなどがあれば喜ばれるのではないでしょうか。

しかし、生魚などの生ものは傷みやすいので差し入れとしては適していませんし、たくさん持って行きすぎても食べきれないため、かえって気を使わせることになります。

お菓子

お菓子も定番の差し入れアイテムですが、休憩中にサクッと食べられるタイプのものが人気です。

特に、小分けされているタイプは少しずつ食べることができますし、余っても持ち帰ることができます。

リンゴなどのフルーツを出される方もいらっしゃいますが、タイミングが合わなければ傷んでしまい見た目も悪くなります。

もちろんタイミングが合えば喜ばれるアイテムですが、工事の時間帯がよくわからない場合はスナック菓子やチョコレートなど、定番のお菓子を差し入れましょう。

差し入れの方法について

解体現場に差し入れをするとなった場合、どのように行えばよいのでしょうか。

最後に、差し入れの方法を覚えておきましょう。

差し入れのタイミングは工事の休憩に合わせるのがベスト

時間に余裕があるのであれば、工事の休憩に合わせて差し入れをするのがベストです。

例えば朝の作業開始前やお昼休憩、作業終了の時間はスムーズに差し入れを受け取ってもらえますし、通常は午前と午後に休憩時間を設けることが多いため、その時間に渡すのもよいと思います。

休憩時間以外に作業現場に行ってしまうと、当然皆さんは仕事中ですのであまり相手にしてもらえない可能性も高いです。

しかし作業中に行ってはいけないというわけではありませんので、「ここに置いておきます」と一言声をかけておけば喜ばれるはずです。

差し入れの頻度はそこまで多くなくても大丈夫

解体工事は1日で終わるような作業ではありませんし、中には1ヶ月以上かかるようなケースも存在します。

差し入れできる環境にあるのであれば差し入れしたほうが喜ばれますが、一体どれくらいの頻度でするのが一般的なのかが知りたいという方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、差し入れは毎日する必要はありません。

例えば工期が1ヶ月の場合は、週に1回程度の差し入れで十分です。

もちろん、家が近所だし工事の様子が気になるという方は、解体作業の途中経過を見つつ差し入れを持って行くのもよいかと思います。

反対に、遠方に住んでいる方や差し入れをする時間が作れないという方は、工期中に1回や2回で十分です。

差し入れの目的

差し入れは、暑い中、または寒い中で解体作業をしてくれてありがとう、という感謝の気持ちを伝えるために行うものです。

そのため、差し入れの頻度が多すぎるとスタッフが気を使ってしまうため、差し入れのしすぎも考え物です。

また、解体作業自体が危険を伴う工事ですので、工事の素人が何度も現場に現れると迷惑をかけてしまうケースもあるようです。

せっかくの差し入れで迷惑をかけたり気を使わせたりしては元も子もないので、状況を考えつつ差し入れをするようにしましょう。

最後に

差し入れがほしいと思っている業者はありませんし、差し入れがあって当たり前だ、と考えるスタッフもいないはずです。

また、差し入れは施主の気持ちですので、どのようなアイテムでどのような形でも構いませんし、差し入れの方法にルールなどありません。

例え作業が忙しい時に持って行ったとしても、受け取ったスタッフは嫌な気持ちはしないでしょう。

しかし、どうせ持って行くのであれば、やはり休憩中などの適切な時間に持って行くのが良いと思いますので、差し入れをする場合は事前に業者に確認を取っておくとスムーズなのではないでしょうか。

差し入れによって時間面や金銭面での負担になってしまってはいけませんので、解体工事に差し入れをする際には無理のない範囲で気持ちよく行うようにしましょう。