設置したばかりのころはピカピカで壊れることなどなさそうなエクステリアでも、長い年月が経過すれば劣化しボロボロになってしまいます。
5年、10年くらいは普通に使えていたとしても、20年、30年も経つと次第にところどころ壊れたり使い物にならなくなってしまうことが多いです。
住宅の内部にも同様のことが言えますが、常に外気にさらされ雨風を受け続けるエクステリアは、やはりその分劣化が早いです。
素材によって劣化の程度は異なりますが、使い方次第ではその劣化を最小限に抑えることも可能です。
今回は、それぞれの素材の耐用年数や劣化を防ぐための方法などについて紹介していきます。
コンクリートやレンガの耐用年数
エクステリアの中でも、フェンスなどに使われることが多い素材がコンクリートになります。
また、レンガは住宅を彩るオシャレなアイテムとして活用することも可能です。
これらはどれくらい長持ちするのでしょうか。
コンクリート・レンガのメリット
例えばフェンスに木材を利用する方も多いですが、木材は腐ってしまう可能性があります。
一方で、コンクリートやレンガは丈夫ですし腐る心配もありません。
高い耐久性を誇るだけでなく、土に触れるような部分にも普通に利用することができるため、エクステリアとしての利用価値は非常に高いといえます。
コンクリート・レンガの耐用年数
コンクリートブロックやレンガブロックを1つだけ単体で利用する場合は、基本的には長期的に使い続けることも可能です。
しかし、フェンスを作るためにコンクリートブロックを積んで利用するような場合は、その内部に鉄筋を入れて補強する必要があります。
地震のない地域であればそれも不要なのかもしれませんが、地震大国日本では、万が一に備えてブロック塀を補強するのが一般的です。
普通に利用している分にはコンクリートブロックとしてしっかりと役割を果たしてくれたとしても、地震が起こってしまうと単純に積んであるだけのブロックはすぐに崩れ落ちてしまうからです。
内部の鉄筋の寿命について
外気と触れているコンクリートやレンガは、何となくメンテナンスができそうなイメージがあります。
しかし、その内部に入っている鉄筋に対しては手の施しようがありません。
そして、その状態の鉄筋の耐用年数は20年前後と言われています。
一般的なブロック塀の耐用年数が30年以上と言われているため、フェンスに利用するコンクリートブロックは内部から先に劣化が進むということになります。
見た目は問題なかったとしても内部が弱くなっているケースがあるため、設置から長期間経過しているブロック塀は、定期的に業者にメンテナンスしてもらうことをおすすめいたします。
金属の耐用年数
フェンスやカーポートをはじめ、金属はあらゆるエクステリアに利用されている物質になります。
しかし、金属にも様々な種類があり、どれを使うかによって耐用年数が変わってきます。
スチール製について
スチールは金属の中でも比較的安く大量生産も可能な素材になるため、エクステリアを低価格で抑えたいと考えている方におすすめです。
しかし、鉄は湿気によって錆びたり腐食したりするため、徐々に劣化していきます。
もちろんエクステリア用のスチールには錆びにくい加工が施されていますので、例えば海に近く塩害に悩まされるエリアなどでなければ15年以上は普通に利用できるはずです。
ステンレス製について
ステンレスはスチールと比べると割高になりますが、その分耐用年数も長くなります。
安価なスチールの最大の弱点は、湿気などによる錆びです。
ステンレスはその錆びの問題を解消した金属素材になるため、普通に利用すれば20年以上は使うことができるのではないでしょうか。
また、スチールと組み合わせて特に錆びやすい場所を中心に部分的に利用されることも少なくありません。
アルミ製について
錆びにくい金属としてまず思いつくのは、やはりアルミになるのではないでしょうか。
錆びる可能性が非常に低いため、その分耐用年数も長くなるのですが、潮風には弱いため耐久性が低くなりがちです。
また、物理的な衝突や衝撃に弱いという面を持っているため、強い衝撃を受けるとすぐにダメになってしまう可能性もあります。
例えばフェンスにアルミを使う場合は、ちょっとした衝突ですぐにへこんでしまったりするため、取り扱いには注意が必要です。
木材の耐用年数
天然素材の木を利用した木材のエクステリアは、見栄えもよくDIYでも簡単に加工できるということで人気が高いです。
しかし金属やコンクリートなどと比べると、耐用年数は短いと言わざるを得ません。
木材の耐久性について
木材をそのまま放置しておくと、簡単に腐ってしまいます。
もちろんエクステリア用の木材には防腐塗料を塗るなど、できるだけ腐らせないような加工が施されているのですが、やはり素材そのものが元々持っている性質を変えることまではできません。
夏の暑い時期に紫外線を直接浴びた木材の表面は、劣化が早くなってしまいます。
また、寒い時期に木材の内部に水分がしみ込んでそれが凍ってしまうと、木材を内から押し広げて耐久性が大幅に低下してしまったりすることもあります。
人気の高い素材ではあるのですが、耐久性のことのみを考えるとおすすめできるものではありません。
木材の耐用年数とうまく付き合うために
耐用年数が短くても、やはり木材を利用してエクステリアを設置したい、という方も多いのではないでしょうか。
実は木材の中にも、様々な種類が存在します。
一般的によく使われる木材として挙げられるシダー系のものは、耐久性が10年前後と言われています。
加工しやすいというメリットがあるのですが、やはりその分耐久性も低いといえるでしょう。
一方で、ハードウッド系の木材は加工も難しい分、耐用年数が20~30年以上という物が多いです。
しかし、雨をはじめとする外気の影響はどの木材も同様ですので、そのような刺激物への対策は必要です。
もしくは、開き直って10年程度経過したら交換してしまうというのも方法の1つです。
外気に常にさらされているエクステリアは、10年もすれば見栄えも悪くなるため、見た目をよくするために交換してしまうのもありでしょう。
耐用年数に影響を与えるものとは
耐用年数は10年~20年などとあいまいな表現が使われることが多いですが、10年と20年とでは大きな差があります。
それは、使用環境によってそのエクステリアの耐久性が変わってくるからです。
耐用年数を変える環境について
エクステリアは、基本的に常に外気にさらされることになります。
家を取り囲むフェンスも車の上のカーポートも、身体を張って大切なものを守ってくれているのです。
大雨や強風は直接エクステリアにぶつかることになりますし、エクステリアを守るために真夏の太陽を防ぐような対策を取ることもないはずです。
もちろん素材にもよりますが、極端な話、毎日のように雨が降れば木材は腐りやすくなってしまいます。
特に海の近くは塩分を含んだ風が吹くため、劣化が早いと言われることも多いです。
雨も風もなく直射日光が当たらないといった場所は外にはないため、多少なりとも周囲の環境に影響を受けてしまうのがエクステリアなのです。
物理的な環境について
例えば、アルミは錆びにくいため雨がどれだけ降っても劣化が遅いと言われています。
しかし、アルミのフェンスに車がぶつかってしまうと簡単にへこんでしまいますし、強く接触したら壊れてしまいます。
そのフェンスが木材でできていれば、多少の接触は全く問題ないでしょうし、強くぶつかっても場合によってはそこで車が止まります。
このように、木材は雨に弱いというデメリットがありますが、物理的な衝撃に対してはアルミよりも優れています。
もちろんエクステリアが物理的に何らかの衝撃を受けるというケースは稀ですが、そういった可能性もゼロではないということを覚えておきましょう。
エクステリアの耐用年数を延ばすために
様々な素材の耐用年数について紹介してきましたが、実は寿命を延ばす方法が存在します。
代表的な耐用年数の増加方法をお伝えします。
メッキ加工と耐用年数
アルミやスチールなどを利用したエクステリアは、表面にメッキ加工を施すことによって寿命を延ばすことが可能です。
実際に、エクステリア用の金属類にはメッキ加工が施されているものが多く、それだけで物質の劣化のスピードを抑えることができます。
しかし、当然施すメッキの付着料などによって耐用年数が変わってきますし、その分コストも変化します。
最初にメッキ加工をやってもらう場合は、トータルでいくらくらいになるかを確認しておくことをおすすめいたします。
定期的なメンテナンスが寿命を延ばす
エクステリアの置かれている環境がどうであれ、しっかりとしたメンテナンスを行うことができればそれだけで耐用年数を増やすことができます。
そのために重要なのが、そのエクステリアを設置してもらう業者選びです。
アフターサービスをしっかりとしてくれる業者であれば定期的に点検をしてくれるため、それだけで寿命が長くなります。
プロの目でしっかりと見てくれるため安心できますし、壊れてしまったものを修理することを考えると、最初の料金が高くてもアフターフォローをしてくれる業者のほうがお得になる可能性があります。
もちろん普段から家族で傷んでいる箇所がないか点検したり、損傷している部分を見つけたら業者に早めに知らせるのも重要です。
それらを徹底すれば、一般的に言われている耐用年数よりも長く使うことができる可能性が高まります。
最後に
このように、エクステリアは素材や環境、メンテナンスなどによって耐用年数が大きく異なります。
エクステリアと言っても、フェンスを造ろうと思っている方もいれば、カーポートを設置しようと思っていらっしゃる方もいるでしょう。
それぞれに適した素材がありますし、その建物の置かれている環境によって使わない方が良い素材も出てくるかもしれません。
また、素材を変えることで住宅のイメージをガラリと変えるエクステリアのデザインが大きく変わってしまう可能性もあります。
コストの面もありますので、それらをまとめて業者と相談して、長い目で見てどのような素材が最も良いかを判断するとよいでしょう。
また、メンテナンスをすべきというのは、どんな環境であってもどんな素材であっても変わりません。
日々の手入れが耐用年数を変えますので、定期的にエクステリアのチェックをしてあげるとよいでしょう。