建物の外側の床が味気ないと思っていらっしゃる方は、何らかのエクステリアを施したいとお考えなのではないでしょうか。
コンクリートで固めたりタイルをオシャレに並べたりと、様々なエクステリアが存在しますが、今回はそんな中でも砂利を紹介していきます。
砂利と聞くとなんだか地味な印象をお持ちになる方もいらっしゃいますが、実は砂利には様々なメリットがあるのです。
また、一口に砂利と言ってもたくさんの種類があるため、それらを組み合わせてオシャレな庭を演出することも可能です。
そんな砂利のメリットやデメリット、DIYでの設置方法などを見ていきましょう。
砂利のメリット
まずは、砂利を敷くメリットを紹介させていただきます。
一見地味な砂利ですが、導入するメリットは大きいです。
防犯対策に優れる
砂利を敷く最大のメリットとして挙げられるのが、防犯対策になるという点です。
防犯対策のために砂利を敷いているという方もいらっしゃるくらい、砂利の防犯効果は優れているのです。
エクステリアに砂利を設置することによって、歩くたびに音が鳴ることになります。
もちろん家族や来客者がその上を歩いても音が鳴りますが、不審者がこっそりと侵入しようとしても音が鳴ってしまうため、犯罪の抑止力となるのです。
砂利をオシャレに並べるのもよいですが、人目につきにくい家の裏や侵入されそうな窓の下などに砂利を敷くことで、侵入を防ぐことが可能です。
砂利にも様々な種類があり、防犯用に歩行時に大きな音を出すようなものも存在します。
また、表面のみに砂利を敷いてもあまり音を出すことができないため、数センチの深みを持たせて敷き詰めるようにしましょう。
雑草が生えにくい
庭に雑草が生えて困っているという方は、砂利を設置してみてはいかがでしょうか。
まずは雑草をきれいにし、土の上に砂利を敷き詰めることによって、その後の雑草の成長を食い止めることができます。
砂利を敷けば太陽光が当たらないため、それだけでも雑草を減らす効果がありますが、砂利の下に防草シートを敷くことによって長期的に雑草をなくすことが可能になります。
土の上に直接砂利を敷くと、人が踏むたびに沈んでいってしまいまい、その分土が浮き上がってしまいます。
そうなるとそこに雑草が生える可能性があるため、それを防ぐためにも防草シートはおすすめです。
砂埃が舞いにくい
普段は湿った茶色い土であったとしても、晴れの日が続くと乾燥して砂埃が宙に舞うことがあります。
天気がいいからと庭に洗濯物を干していたのに、その砂ぼこりで汚れてしまった、という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
砂利を敷いておけば、乾いた土を上からブロックしてくれますので、強風が吹いたとしても砂が舞うようなことがなくなります。
水たまりがなくなる
雨が降ると土に水が溜まってグチョグチョになる、というご家庭もあるのではないかと思います。
ちょっとした雨であれば気にならないかもしれませんが、梅雨の時期などは連日降り続く雨で庭が泥だらけになってしまいます。
そんなときに利用できるのが、水たまりをなくす効果も持つ砂利です。
もちろん砂利を敷いたからと言って土にたまっていた水がなくなるというわけではありませんが、砂利の上には水がたまりませんので、ドロドロの土の上を直接歩く必要がなくなります。
見た目がオシャレになる
庭をオシャレに演出するエクステリアとして、様々な砂利を設置する方も少なくありません。
綺麗な色の砂利もありますし、形や大きさもそれぞれ異なりますので、そういった砂利を庭に敷き詰めることで様々な表情が生まれます。
砂利と言えば和風の庭に良くマッチするという印象が強いですが、他のエクステリアとの組み合わせ次第ではどのようなご家庭にも合わせることが可能です。
普通の土がそのまま裸になっている庭と比べると雰囲気もよくなるため、一度設置を考えてみてはいかがでしょうか。
砂利のデメリット
砂利にはたくさんのメリットがありますが、反対にデメリットも存在します。
ここからは、砂利のデメリットをいくつか紹介いたします。
定期的に補充が必要
庭一面に砂利を敷き詰めたと思っていたのに、いつの間にか土が見えて砂利が減ったような感じになるかもしれません。
実は、砂利は実際に減っていくものなのです。
人が歩いたり車が通ったりすると、砂利は敷地内から出てどこかに行ってしまったり、タイヤに挟まって遠くに行ってしまったりすることが多いです。
また、そもそも土の上にダイレクトに敷いている場合は、徐々に土の中に沈んでいってしまいます。
もちろんいきなりごっそりとなくなるということはないですが、このような理由で少しずつ減っていくため、いつの間にか砂利が減ったように感じるのです。
そのため、一旦敷き詰めればよいというわけではなく、定期的に補充が必要になってきます。
手入れが大変な場合も
場合によっては、定期的にメンテナンスや掃除をしなければ地面が汚れてしまいます。
一般的には砂利は一旦敷き詰めればそのまま手入れが不要だと言われることもありますが、何かの拍子でどこかに転がってしまった砂利などをいちいち元に戻してあげる必要が出てきます。
本来砂利を敷き詰めてある場所以外に砂利があるのが嫌だという方は、頻繁に掃除をしなければならなくなる可能性があります。
また、落ち葉の多い季節は砂利と落ち葉が混ざって掃除しづらいですし、砂利の上に積もった雪を雪かきしようとしたら、砂利ごとすくってしまうということもあります。
もちろん時間をかければお手入れは可能ですが、どうしても面倒だと感じる方が多いようです。
夏場に暑くなる
砂利は石ですので、庭に砂利を敷くということは庭をコンクリートで固めるのと同じように、夏場に暑くなることがあります。
例えば芝生などは暑さを和らげる効果がありますが、砂利は逆に熱を持って周辺が更に熱くなってしまいます。
夏場に庭でガーデニングなどの作業をすることが多いような方には、少々つらい環境と言えるかもしれません。
歩きにくくなる
砂利をどれだけきれいに敷き詰めても平らにはなりませんし、歩くたびに動くため足元が不安定になります。
しっかりとした靴を履いていればその不安定さを感じることはないでしょうが、サンダルで砂利の上を歩くとぐらぐらしたり、サンダルの上に砂利が乗ったりすることがあります。
表面がでこぼこしている以上、砂利の上を走ったりするのは難しいですし、転んでしまったら怪我をすることもあります。
お子様のいるご家庭では、お子様が砂利の上で走って転んでしまわないように注意する必要があります。
砂利の種類
砂利にも様々な種類があり、美しいものもあれば高価なものも存在します。
庭が広い場合は、用途に合わせて使う砂利を変えるのも面白いのではないでしょうか。
砕石について
駐車場などに敷いてある砂利と言えば、何となく想像できるのではないかと思います。
砕石とは、角がとがったタイプの砂利になり、丸まっているタイプの砂利と比べると石と石が噛みあって固定されることから、やはり駐車場などで利用されることが多いです。
砕石にも様々な種類がありますが、カーポートの下などに利用するのであれば、タイヤの溝に挟まったりタイヤに吹き飛ばされないような大きめの砂利がおすすめです。
化粧砂利について
エクステリアを彩る砂利として使われるのは、こちらの化粧砂利になります。
化粧砂利にも様々な種類があるので、代表的なものを紹介いたします。
白玉砂利
化粧砂利の中でも、白玉砂利はエクステリアとして人気の砂利になります。
白くて丸い形をしている砂利になるため、どのようなタイプの家屋やエクステリアにも合わせることができますし、見た目がオシャレになり高級感を漂わせることも可能です。
玄関まわりや門柱のあたりに敷き詰めるのもよいですが、ベランダなどに取り入れて家の中を彩るデザインを作ることもできます。
しかし、白い石になるため土に直接触れさせると汚れが目立つなどのデメリットもあります。
那智黒石
白玉砂利とは真逆の、美しい黒を作り出す砂利が那智黒石になり、お墓などにも使用されています。
普段はグレーをしていますが、濡れるときれいな黒色に変わるため、美しい砂利を見ることができる雨の日が楽しみになるのではないでしょうか。
この石は三重県の熊野川を降りてきた那智石が、太平洋で長い年月を過ごして丸くなったものになります。
そのため、国産の那智石の中には非常に高価なものもあります。
五色砂利
その名の通り、様々な色合いを持つ石を混ぜ合わせた砂利になります。
先ほど紹介した白玉砂利のような白い石をはじめ、赤系統の石、緑系統の石など、複数の色がミックスされた美しい一体感を作り上げます。
五色砂利と呼ばれていますが、必ず5つの種類の石が入っているというわけではなく、混ぜ合わせる石の色の割合で違った雰囲気が出来上がります。
庭のワンポイントとして利用する方も多いですし、他にも水槽の底を彩る砂利として使う方も少なくありません。
DIYで砂利を敷こう
業者に砂利を敷き詰めてもらうのは簡単ですが、ご自身でやったほうが面白いという方も多いのではないでしょうか。
また、DIYの方が当然安く済みますので、自分でエクステリアに砂利を設置する方法を紹介していきます。
①草の除去
まずは、砂利を設置したい場所をきれいにするところから始めます。
基本的には土の地面の上に敷くことになるのではないかと思いますが、その土の上に雑草が生えているというケースも多いのではないでしょうか。
その雑草が生えた状態で砂利を敷き詰めると、雑草が成長して砂利の上に生えてくることもあるため、雑草をきれいに取り除きましょう。
手でむしり取るのもよいですが、量が多い場合やきれいしたいという場合は除草剤を撒いて草が枯れるのを待つのもおすすめです。
②整地する
続いて、その場所を平らに整えていきます。
でこぼこの土地の上に直接砂利を設置してしまうと、どうしても砂利の凹凸も大きくなってしまいます。
また、斜面になっている場合は砂利が上の方から下の方に徐々に移動していってしまうため、きれいに敷くことができなくなってしまいます。
高い位置に設置する砂利は、どうしても低い位置に行こうとするため、その場所から土が露出して見た目も悪くなってしまうので、なるべく高低差をなくす必要があります。
面積が狭い場合は、ご自身の足やハンマーなどを利用して整えることができますが、面積が広い場合はそういうわけにはいきません。
転圧機と呼ばれる、内部の水分や空気を押し出して土の密度を高めることのできる機械があるので、そういったものを利用すると綺麗に整地できるはずです。
③防草シートを敷く
整地をしたその上にそのまま砂利を敷き詰めてしまう方もいらっしゃいますが、防草シートは利用したほうが良いでしょう。
第一に、シートがなければ下から雑草が生えてくる可能性があるという点が挙げられます。
そして第二に、防草シートがない場合は砂利が土に徐々に埋まってしまい、次第に土が見えるようになってしまうという問題もあるからです。
シートの上に砂利を乗せるわけですが、砂利が重いからといってシートを固定しないとずれてしまうこともあります。
シートを敷き詰めたら、隅を杭などで止めるようにしましょう。
なお、防草シートにも様々なものがありますが、なるべく色が薄く水はけのよいものがおすすめです。
④砂利を敷く
防草シートをきれいに敷くことができたら、最後に砂利を敷き詰めていきます。
大量の砂利を一輪車で運んで少しずつ敷くという方が多いのではないかと思いますが、設置面積が広い場合は奥の方から順番に敷き詰めるようにしましょう。
手前部分から砂利を敷き詰めると、一輪車が砂利に足を取られて思うように作業が進まなくなってしまうからです。
また、デメリットの部分にも記述しましたが、砂利は徐々にその数が減っていきますので、いつかは補充しなければなりません。
多めに購入して余ったものをどこかに保管しておくのもよいですし、後から買い足す際にどの砂利か忘れないようにメモを取っておくことをおすすめいたします。
最後に
砂利は地味だから微妙だと思われていた方もいらっしゃるでしょうが、改めて砂利の良さがご理解いただけたのではないでしょうか。
コンクリートで固めたりきれいにタイルを並べたりするエクステリアと比べると、安く済ますことができますし、ご自身でも気軽に設置できるというのもポイントが高いです。
上述したように砂利にもいくつかのデメリットは存在しますが、その分メリットも多いため、土が丸見えのエクステリアをとにかく何とかしたい、という方にもおすすめです。
ご自身で砂利を設置する場合は、なるべく天気の良い日に一気にやってしまうようにしましょう。
事前に面積を計って砂利や必要な道具をそろえておくことで、一気に庭が生まれ変わります。