自宅のリフォームと聞くと、やはりキッチンやバスルームなどを思い浮かべる方が多いですし、実際にそれらは人気の高いリフォーム場所です。
しかし、意外と重要なリフォーム場所として挙げられるのが、玄関のドアになります。
玄関のドアはその家を守るという重要な役割を果たすだけではなく、建物の第一印象を決める場所でもあります。
例えば玄関のドアがみすぼらしいと家全体がパッとしませんし、古いタイプのドアを使っていると空き巣に簡単に入られる可能性があります。
逆に言えば、他の場所がさえなかったとしても、玄関のドアに華があれば家全体がオシャレに見えたりするものです。
この記事では、そんな玄関のドアのリフォームについて詳しく解説しております。
これから玄関のドアのリフォームを考えている方の参考になれば幸いです。
玄関ドアをリフォームする4つのメリット
それでは最初に、玄関のドアをリフォームするメリットについて紹介させていただきます。
もちろん他にも様々なメリットがありますが、代表的なものとしては
- デザイン性を高める
- 防犯性を高める
- 室内の温度を調節する
- 採光性がアップ
といったものが挙げられます。
デザイン性を高める
中には、家から一歩も出ないという日もあるかもしれませんが、基本的には家族の全員が毎日のように外出するというご家庭が多いはずです。
玄関全体を変えずとも、ドアのみを変更すれば全体の雰囲気がガラリと変わりますし、ドアがきれいなのは気持ちがよいモノなのではないでしょうか。
実際に、玄関のドアを変えるだけで早く外に行きたくなりますし、反対に外出中はオシャレな玄関ドアの待つ家に早く帰りたくなるでしょう。
もちろん毎日玄関ドアを利用する家族だけではなく、家の前を通る人々にもオシャレなドアは素敵に映ります。
玄関全体、または建物全体のデザイン性を高める上で、玄関の扉は非常に大きな存在感を持っているのです。
重要度の高いリフォーム場所と言うだけあって、デザインは豊富ですので、ご自身の家に最も合った扉を選ぶことでさらに建物のデザイン性が高まるはずです。
防犯性を高める
玄関をリフォームする際に忘れてはならないのが、防犯性です。
具体的な話をすると、ひと昔前の玄関扉には鍵穴が1つしかないため、空き巣に簡単に入られるというリスクがありました。
しかし、最近の玄関ドアはピッキング自体が難しい鍵を利用していることが多いため、それだけで侵入者を防ぐことができるのです。
また、その玄関専用のリモコンやカードキーがついているタイプのものもあり、近づけるだけで鍵の開け閉めができる優れた商品も存在します。
例えば両手に荷物を持っていたとしても、リモコンを持ってさえいれば玄関ドアのスイッチを押すだけで開けることができるため非常に便利です。
今後もどんどんと進化する玄関ドアですので、今まで常識になっていた玄関の鍵穴などがなくなってしまう可能性も十分に考えられます。
一般的な形の鍵がなくなると、当然ピッキングなどができないため、ますます防犯性が高まります。
まだ古いタイプの扉を利用しているのであれば、家を守るためにも早い段階でリフォームすることをおすすめいたします。
室内の温度を調節する
玄関扉の中には、室内の通気性を高めたりするものや、断熱性に優れたタイプのものも存在します。
例えば、暑い夏場に室内に風を通すために玄関の扉を開けっぱなしにするという方もいます。
しかし、これは防犯上あまり好ましくありませんし、害虫が侵入する可能性も高いです。
最近の玄関扉の中には、きちんとロックをしているにもかかわらず構造上、風をしっかりと通すような商品も存在します。
同様に、寒い時期になると玄関扉から冷たい空気を感じるというご家庭も多いと思いますが、断熱性に優れたドアにリフォームすることで暖かい冬を迎えることができるはずです。
もちろん地域によって設置するドアのタイプを考える必要がありますが、このように様々な機能を持ったドアも登場しているため、リフォームの際に色々見てみるとよいでしょう。
採光性がアップ
ご家庭の中には、玄関が非常に薄暗くてお客さんなどに与える第一印象が良くない、というところもあるのではないでしょうか。
玄関扉自体が頑丈で光を通さない造りのものが多いため、扉以外の場所で採光できなければ、当然玄関は真っ暗になってしまいます。
しかし、最近は採光性を考えた造りの玄関扉も多数登場しているため、ドアを変えるだけで玄関が明るく生まれ変わります。
実際に、存在感の大きな玄関ドアから光が差し込むようになれば、玄関全体が非常に明るくなるため、家に入った際の第一印象もよくなるはずです。
玄関の暗さに悩んでいるのであれば、玄関ドアを取り換えることで解決するかもしれません。
玄関ドアをリフォームする際の主な種類
玄関のドアのリフォームには、大きく
- ドアの交換
- ドアにシートを設置
- ドアの塗装
の3つが存在します。
最新の玄関扉に交換するリフォームの人気が高いですが、他のリフォーム方法もあるので、それぞれの特徴を紹介させていただきます。
ドアの交換
文字通り、古い玄関扉を取り外して、新しいものに入れ替えるリフォーム。
交換と言っても実に様々な方法がありますが、代表的なものは
- カバー工法
- 持ち出し工法
になります。
これらは元々取り付けられているドアのサッシ部分を取り外すことなく新しい扉を設置する方法になるため、ドア枠全体を交換するよりもリフォーム費用が安くなります。
ただし、既存のドアの形などによっては見た目が悪くなることも考えられるため、玄関のドアは全て取り外してきちんと設置したいという方も多いです。
また、例えば引き戸を開き戸に変える場合なども丸々入れ替えたほうが良いでしょう。
当然新しく設置するドアのデザインや大きさ、それから使われている素材などによってリフォーム費用が大きく変わってきます。
費用については、後程詳しく紹介させていただきます。
ドアにシートを設置
気軽にドアの雰囲気を変えたいという場合は、既存のドアにリフォームシートを張り付けるというのも方法の1つです。
シートによって異なりますが、一般的には耐久性に優れているものも多いですし、汚れが付着しにくいタイプや耐候性に優れたシートも存在します。
シートを利用するメリットとしては、
- 塗装と比べるとリフォームがすぐに終わるという点
- 様々なタイプのドアに対応しているという点
などが挙げられます。
ドアのタイプによっては、表面がデコボコになっているようなものもありますが、そういったところにも気にせず利用することができるため安心です。
ドアの塗装
ドアのリフォームの1つに、ドアの表面を新しく塗装し直すというものがあります。
長期的に利用している玄関扉は、長年の汚れが付着していたり、金属部分が傷ついて錆が付着していたりすることも多いです。
また、日が当たったり雨風の影響などによって、部分的に色あせたりしているドアも多いのではないでしょうか。
ドア自体はまだまだ丈夫だが、汚れや傷が気になるという場合は、ドア全体を塗装し直すリフォームをしてみるのもよいでしょう。
塗装を施すことで新品同様に生まれ変わりますし、塗料を変えることで色や雰囲気を変えることも可能です。
ただし、塗料が乾くまでにはある程度時間が必要なため、上述した2つの方法と比べると工期が長くなります。
玄関ドアの種類
玄関ドアをリフォームするにあたって、既存のドアと全く違ったタイプのものを取り付けるというご家庭も少なくありません。
ドアのタイプや素材を変えることで玄関全体の雰囲気がガラリと変わるため、そういった目的でタイプや素材を変える方も多いです。
ドアのタイプ
ドアのタイプは、大きく
- 引き戸タイプ
- 開き戸タイプ
の2つに分けることができます。
引き戸タイプ
一般的には、引き戸は和風建築に利用されるというイメージが強いですが、最近はモダンな洋風建築にも取り入れられる機会が増えてきました。
また、自宅のバリアフリー化に伴って、車椅子の方でも簡単に開閉できる引き戸は人気が高まってきています。
開き戸タイプは玄関の外側や内側に開閉用のスペースが必要になるため、スペースを有効利用する目的で引き戸を採用するご家庭も少なくありません。
引き戸にも様々な素材がありますし、素材や色によって玄関の見た目が変わるため、様々なものを比較して玄関と調和するものを選びましょう。
開き戸タイプ
玄関の扉と言えば開き戸を思い浮かべる方が多いと思いますし、実際に多くのご家庭やマンションなどはこの開き戸タイプのドアが利用されています。
開き戸と言っても
- シングルタイプ
- 両扉タイプ
- 親子タイプ
などがあるため、玄関の大きさやスペースの余裕に合わせて設置するタイプを考えましょう。
シングルタイプは一般的な開き扉になり、左右のどちらかに開閉させるタイプです。
一方で両扉タイプや親子タイプは、2枚の開き扉を左右の両方に開けることができるタイプになり、玄関のスペースが広いご家庭に適しています。
両扉タイプが左右対称なのに対して、親子タイプは片方が一般のシングルタイプの大きさ、もう片方が細長いドアになります。
開き戸を利用する際には、玄関に対して外側に開閉させるのか、内側に開閉させるのかを選ぶ必要もあります。
外側に開閉
恐らく、日本ではほとんどがこのタイプになります。
玄関で靴を脱ぐ習慣があるため、内側に開閉させると靴にぶつかる可能性があり、使い勝手が悪いと感じる方も多いでしょう。
また、玄関のスペースが限られているマンションなどでは、物理的に内側に開くことができないことも多いため、やはり外側開閉タイプが主流と言えます。
内側に開閉
玄関で靴を脱ぐ習慣のない国では、玄関扉を内側に開閉させることも多いです。
やはり、靴を脱ぐ日本で利用するには、あまり適したタイプの玄関ドアとは言えないかもしれません。
しかし、例えば外から不審者が侵入しようとした場合、内側からつっかえ棒を利用することでドアを固定することができるため、防犯性には優れています。
ドアの素材
ドアにも様々な素材が使われていますが、代表的なのは
- 金属製
- 木製
- ガラス製
などになります。
金属製
最も多いのは、やはりこの金属製の扉になり、
- アルミ
- ステンレス
- コート鋼鈑
などに分けることができます。
この中でもアルミは軽く、耐久性にも優れているため人気が高いですが、例えばステンレス製は腐食に強いため地域によっては需要が高いです。
同じ金属でも素材によって価格が異なるため、予算も考えながら選んでいきましょう。
木製
和風建築と相性が良く、引き戸などに利用されることの多い素材になります。
素材は木なので水に弱いイメージもありますが、表面にきちんと塗装を施すことによって、水にも強く摩擦にも負けない扉を造ることが可能です。
木製の玄関ドアは、外部から見た時のデザイン性も高いですが、室内から眺めた際のインテリアとの相性も良いため高い人気を誇っています。
ガラス製
さすがに玄関ドア全体をガラスにするというご家庭は少ないですが、ドアの一部にガラスを組み込むタイプも少なくありません。
ガラスを採用することで、玄関にたくさんの光を取り込むことができますし、ステンドグラス風にすることでオシャレな玄関を演出できます。
ただし、当然透明のものを利用すると玄関が丸見えになってしまうため、プライバシーも考えて室内が見えにくいものを選ぶ必要があります。
玄関ドアリフォームの費用の相場と工期
それでは最後に、玄関ドアをリフォームする際のコストや必要な日数について見ていきましょう。
リフォームの費用
リフォームの種類ごとに費用をまとめると、以下のようになります。
リフォームの種類 | 費用の相場 |
ドアの取り換え | 20万円~60万円 |
シートの設置 | 10万円~20万円 |
ドアの塗装 | 5万円~10万円 |
シートや塗装は、利用するものによって価格が変わってくるため、機能性と費用を確認して選ぶ必要があります。
また、業者によっては片面の価格を出すこともあるため、正式に契約を結ぶ前に片面なのか両面に対しての料金なのかをはっきりさせましょう。
ドアの交換は、上述したように工法によって価格に差が出ますし、設置するドアの素材、古いドアの素材によっても価格が変わってきます。
ドアの大きさを変える場合は玄関の他の場所も同時にリフォームする必要があるため、さらに高くなります。
まずはリフォーム業者にこちらの希望をはっきりと伝え、それに基づいて見積もりを出してもらった結果を見て、どうするか考えましょう。
ドアリフォームの工期
こちらも同じように、リフォームの種類によって工期をまとめました。
リフォームの種類 | 費用の相場 |
ドアの取り換え | 1日 |
シートの設置 | 1日 |
ドアの塗装 | 3,4日 |
シートを貼るリフォームはもちろん、ドアの交換も1日あればできてしまいます。
さらに言えば、シート貼りは2,3時間で完了するケースも多いため、気軽にリフォームできるといえます。
一方で、ドアを塗装する場合は施工をしてから表面が完全に乾くまで時間がかかります。
玄関のドアが数日使えないのは大変だと感じる方も多いため、他のリフォームと比べると少々依頼しにくいかもしれません。
塗料の乾燥は天候によっても左右されるため、できるだけ天気の良い日を選ぶことをおすすめいたします。
まとめ:玄関は家の顔なのでこだわりましょう!
例えば、ずっとマンションで生活をしてきた方の中には、玄関ドアは1種類しかないと考える方もいらっしゃいます。
しかし、今回紹介させていただいたように、意外と奥が深く種類が豊富な場所だということがわかったのではないでしょうか。
マンションの場合は玄関扉は共有部分に含まれるためリフォームが難しいですが、一戸建ての場合は自由にリフォームできるはずです。
現在の玄関扉の防犯性や、玄関の暗さなどに不満を持っているのであれば、それが玄関ドアをリフォームするタイミングと言えます。
実際にドアの種類を見てみると、あまりにも豊富なため絞るのが難しいと感じるかもしれませんが、目的をはっきりとさせることで自ずと選択肢が狭まります。
機能面だけではなく、色や素材などのデザイン面、それから設置にかかる費用なども含めたトータルで、理想の玄関ドアを見つけていきましょう。