家の中でも、主に天井をリフォームしたいと考える方もいますが、一口に天井のリフォームと言っても様々なものが考えられます。
単純に天井の一部が破損したり雨漏りが発生したから急いで直すというものもあれば、天井を高くしたり吹き抜け天井を作ったりと言ったものまで存在します。
使用する天井の素材によって見た目などが大きく変わってくるため、どうせリフォームするのであれば素材にまでこだわりたいという方も多いのではないでしょうか。
実際に、部屋全体を広く見せたり明るく見せたりできるデザインや色などの天井もあるため、天井を変えるだけで部屋全体が大きく変化することもあるのです。
普段の生活で、天井をじっと見つめたり意識して眺めたりすることは少ないかもしれませんが、天井のリフォームは部屋の雰囲気を変えるのにおすすめの場所です。
この記事では、そんな天井のリフォームについて紹介させていただきます。
補修のための天井のリフォームについて
本来であれば、天井や壁などは定期的に張り替えを行ってきれいに保ち続ける必要があります。
しかし、メンテナンスを怠ると雨漏りなどが発生する可能性もため、その場合は慌てて修理しなければなりません。
まずは、代表的な補修リフォームである、
- 天井の張り替えや塗装リフォーム
- 破損した天井の補修リフォーム
- 雨漏りで腐食した箇所のリフォーム
について紹介させていただきます。
天井の張り替えや塗装リフォーム
定期的に行うべきリフォームとして挙げられるのは、天井のクロスを張り替えたり、塗装をしたりといったものになります。
床や壁に汚れやシミができた場合は、気軽に手を伸ばしてそれをきれいにすることが可能ですが、天井となるとそういうわけにもいきません。
天井にシミができたり汚れが付着したりしてそれが気になるようであれば、思い切ってリフォームをすることをおすすめいたします。
最新の天井クロスや塗料などには、調湿効果を持つものや防音効果を備えたものもあるため、リフォームをすることで住宅の機能をさらに高めることが可能です。
今は軽い汚れであったとしても、それを放置するとそこから住宅がどんどんと劣化していきますので、早めの対応をするようにしましょう。
破損した天井の補修リフォーム
何らかの原因で、天井に穴が開いてしまったり一部が破損してしまったりというのは珍しいことではありません。
穴があっても普通に生活を送ることができますが、例えば冷暖房がそこから逃げてしまったり、天井裏の湿度が上がってカビが発生したりといった原因につながります。
穴が小さな場合は、パテを利用してその部分を補強すればそれで済んでしまいます。
しかしその穴がそこから大きくなってしまった場合は、天井のボード全体を全て交換しなければならないため、補修費用が高くなりがちです。
具体的には、小さな穴の補修は1万円程度でできたとしても、張り替えになると10万円程度かかることもあるため気を付けなければなりません。
天井に穴ができたら、早い段階で補修工事を依頼しましょう。
雨漏りで腐食した箇所のリフォーム
中には、雨漏りが原因で天井が腐食してしまうというようなケースも存在します。
雨漏りによる腐食を見つけたら、できるだけ早くリフォーム業者や補修業者に連絡を入れる必要があります。
雨が降るたびにそこに雨水がしたたり落ち、そこから居住スペースに雨漏りが発生する可能性もありますし、腐食が進行すると天井全体が落ちてくるリスクもあるからです。
天井の修復は上述した穴の補修工事と同じような対策を取ることになりますので、腐食範囲が大きくなればその分費用も高くなります。
また、同時に屋根の補修をしなければならないケースもあるため、被害が少ないうちに早めにリフォームするようにしてください。
天井を高くするリフォームのメリット・デメリット
天井のリフォームの中には、天井全体を現在の位置よりも高い位置に押し上げるというものも存在します。
天井を高くすることでメリットを得られますが、その分デメリットも存在します。
天井を高くするメリット
最大のメリットとして挙げられるのは、部屋の広さは変わっていないのに天井を押し上げるだけで空間に開放感を感じることができるという点です。
逆に言えば、天井の低い空間は例えスペースが広かったとしても狭く感じやすいですが、天井が高くなればその分目の前の広がりを感じることができるため、部屋が広く見えるのです。
また、天井が高ければシャンデリアをはじめとする大型の照明器具や、天井からつるすインテリアなどを利用することも可能になります。
空間的に余裕がなければ利用できない家具やインテリアを飾ることによって、天井を高くするメリットがより大きくなるはずです。
天井を高くするデメリット
天井が高くなるということは、見た目だけではなく物理的にもその空間が広くなるということですので、単純に冷房や暖房を使用しなければならないスペースが増えてしまいます。
そのため、天井が低い時と比べると冷暖房に必要な費用が高くなりますし、冷暖房効率も悪くなります。
さらに、天井を高くするために天井仕上げ材を取り除く方もいらっしゃいますが、それをすると外気の温度が室内に直接伝わりやすくなります。
例えば暑い夏には外の暑さが室内に入り込みやすくなるため、冷房の効きもさらに低下してしまいます。
天井仕上げ材を取り除かなければならない場合は、こういった点も考慮して天井の高さを決めていきましょう。
メリット | デメリット |
・視覚的に広くなる |
・冷暖房効率の低下 |
一戸建ての天井を高くするケース
一戸建ての天井を高くする場合は、基本的には家の梁をむき出しにしなければならないケースが多いです。
例えば木造建築の場合は、1階と2階の間に梁(はり)があり、天井はその梁の下に造られています。
梁は柱と同じく住宅を支える上で重要な役割を果たす場所になるため、天井のリフォームをするからと言ってその梁を取り除くことは不可能なのです。
そのため、単純に内装部分の天井を取っ払って梁をむき出しにすることで、天井を高く見せることが多いです。
梁がむき出しになるとその部屋全体の雰囲気も変わるため、その梁にあった部屋をデザインしなければなりません。
また、天井があれば発生しないほこりなどが梁に溜まりやすくなる可能性もあるため、場合によっては定期的にお手入れをしてあげる必要があります。
マンションの天井を高くするケース
マンションの天井など高くすることができないと考える方も多いですが、一戸建て同様にマンションの天井を高くするリフォームは良く行われます。
マンションの天井は大きく、
- 直天井
- 二重天井
の2つに分類することができ、二重天井のものであれば天井を高くすることが可能です。
二重天井とは
二重天井とは、コンクリートでできた天井と部屋で上を見上げた時に目にする「内装の天井との間に数十センチの空間を持たせた二重構造になっている天井」のことを指します。
コンクリートがむき出しになりますが、内装の天井を取り除くことによってその数十センチ分を高くすることが可能なのです。
しかし、直天井の場合はコンクリートの天井に直接仕上げを施しているため、残念ながらそれ以上は天井を高くすることができません。
また、例え二重構造になっている天井であっても、最上階には天井の裏に断熱材などの特殊加工が施されていることもあり、その場合も同様に天井は高くできません。
天井の高さを下げるリフォームもある
上述したように、天井を高くするリフォームにはメリットもありますがデメリットも存在します。
例えば冷暖房設備をよく利用するご家庭が、その冷暖房効率を上げたり光熱費を押さえたいとなった場合には、逆に天井を低くするリフォームを行うケースもあります。
また、天井を低くすれば、従来の天井と低くした天井との間に埋め込み型の照明を設置することも可能になるため、こちらにも複数のメリットがあるのです。
もちろん施主が望めばいくらでも天井を低くすることは可能なのです。
しかし、一般的には240センチが天井の基準で、これよりも低くなる場合は設置してある家具などが合わなくなることもあります。
また、既に設置してあるエアコンや換気扇、レンジフードなどの高さを変えなければならないケースもあるので、業者とよく相談して理想の高さを決める必要があります。
天井を吹き抜けにするリフォームのメリット・デメリット
天井のリフォームの1つに、吹き抜けを造るといったものがあります。
吹き抜けを造ることでも多くのメリットが得られますが、同時にデメリットも発生します。
吹き抜けのメリット
吹き抜けを造るということは、今まであった天井がなくなるということですので、その分大きな開放感を得ることができるでしょう。
また、その吹き抜けの部分に窓を設置するなどすれば、外からの光が取り入れやすくなるため室内が明るくなりますし、広々と生活できるようになります。
特に、リビングなどを吹き抜けにすることで家族全体がのびのびと生活できたり、玄関を吹き抜けにすることで来客にも解放感を感じさせることができるはずです。
さらに、2階部分から1階のリビングで遊ぶ子供の様子を把握できたり、1階の声が2階にもよく通るようになるため、家族の状態もわかりやすくなります。
特に小さなお子様や高齢者の方と一緒に生活をするご家族にとっては、吹き抜けのメリットが更に大きく感じられるでしょう。
吹き抜けのデメリット
上述した天井を高くするリフォームでは、高くなることで冷暖房を効かせるスペースが増えることによって、冷暖房効率が下がると記載しました。
吹き抜けにすると、それを遥かに上回る冷暖房効率の悪さが大きなデメリットになるため、吹き抜けにも対応できる空調機具を設置する必要があります。
また、吹き抜けにするということは1階部分の床と2階部分の天井が同じ空間に共存するということになるため、その上下の温度さが大きくなりやすいです。
さらに、今までは天井に設置していたリビングの照明が、天井がなくなることで設置できなくなります。
照明を設置する場合は、一般的な天井よりもはるかに高い場所に設置せざるを得ないため、メンテナンスや交換などが非常に大変になります。
メリット | デメリット |
・解放感が出て住宅が明るくなる |
・外気の影響を受けやすい |
吹き抜け設置の注意点
吹き抜けの住居に憧れを抱く方も多いですが、実際に設置するにあたって注意しなければならない点もあります。
- 居住スペースの減少
- 間取り変更リフォームも必要になる
代表的な注意点がこちら2つです。
居住スペースの減少
吹き抜けにするということは、本来ならばその上にあった居住スペースを全て取っ払ってしまうということ。
吹き抜けの面積が大きくなればなるほど、居住スペースが減って部屋数が減少してしまうため気を付けなければなりません。
例えば家族の人数が多い場合は、全員分に個室が与えられなくなったり、1部屋のスペースが狭くなってしまうといった可能性もあります。
そのため、家族構成や吹き抜け設置に伴った居住スペースの大きさなどを考えてから吹き抜け部分を造るかどうかを考えましょう。
間取り変更リフォームも必要になる
一般的な住宅は、設計の段階できちんと間取りを計算して造られることが多いですが、吹き抜けを設置するとそのバランスが狂ってしまいます。
大きな吹き抜けを設置する場合は、そのバランスを保つために2階部分の間取りを大幅に変更しなければならなくなる可能性もあります。
単純に吹き抜けを造るだけであればそんなに高いリフォームにはなりませんが、間取り変更を伴うリフォームとなると工事費用も高額になりがちです。
例えば小さな吹き抜けであれば、単純に天井に穴をあけるだけで終わってしまうかもしれませんが、そうならないケースもあるということを覚えておきましょう。
吹き抜けと住宅の耐久性
吹き抜けを造るということは、2階部分を支えていた天井を撤去するということでもあります。
中には、天井を取り除くことで家の耐久性が落ちてしまうのではないかと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に、天井には重要な梁が存在するため、素人がDIYで吹き抜けを造ると家の強度が著しく低下して倒壊につながるリスクもあります。
吹き抜けを造る際には、事前に専門の建築家などに家を診断してもらい、まずは吹き抜けが可能かどうかを判断してもらいましょう。
ただ、強度が低下するからと言って吹き抜けができないというわけではなく、中には補強工事をすることで吹き抜けを設置できる住宅も多いです。
しかし、その補強工事には柱や梁を追加したりといった住宅の構造そのものを変化させなければならないものも少なくありません。
吹き抜けを造るだけだったはずの工事が家全体のリフォームになる可能性もあります。
当然、家全体のリフォームをするとなるとリフォーム費用も相当なものになってしまうでしょう。
例えば将来的に吹き抜けを設置する可能性があるのであれば、新築の際にその旨を伝えて事前に吹き抜けができる設計で造ってもらうことをおすすめいたします。
天井のリフォームにかかる費用の相場
それでは、それぞれのリフォームには一体いくらくらいのお金が必要になるのでしょうか。
最後に、今回紹介したリフォームに必要な費用の相場を紹介させていただきます。
天井張り替えに必要な費用
天井の張り替えについては、利用する素材によってその費用が大きく変わってきます。
素材 | 1平米あたりの価格 |
クロス | 500円~15000円以上 |
塗料 | 4000円~15000円程度 |
板張り | 6000円~10万円以上 |
例えば定番のビニールクロスを利用するのであれば1平米あたり500円から2000円程度に抑えることができますが、天然の木を利用した場合は高額になることもあります。
天井リフォームに使用する素材については、
⇒天井のリフォームの素材は何がいい?素材ごとの特徴と費用
もご覧ください。
天井を高くするリフォームに必要な費用
天井を高くするリフォームは、大まかに
- 単純に仕上げ材を取り除く
- 天井を高くして綺麗に整える
のどちらかに分類することができます。
前者の場合は、手間もそんなにかかりませんし工期も短くて済むため、例えば20平米あたり15万円弱でできることが多いです。
しかし後者の場合は、高さを変える前の天井と同じ素材を張り付けることになるため、その作業が必要になってきます。
手間がかかる作業となるため、20平米あたりで20万円~35万円程度見ておいたほうが良いでしょう。
天井を吹き抜けにするリフォームに必要な費用
吹き抜けを造ると聞くと、なんだか大掛かりな工事が必要になるイメージがありますし、その分リフォーム価格も高くなると考えがちです。
しかし、例えば一般的な6畳の部屋の天井を取り除いて吹き抜けを新しく造る場合は、100万円強ほどになるため、意外に安く抑えられると感じる方も多いはずです。
もちろん吹き抜けの面積が大きくなればなるほどリフォーム価格が高くなるため、まずは具体的にどこをどのように吹き抜けにしたいかを業者と話し合う必要があります。
また、吹き抜けの大きさなどによっては、単純に天井に穴をあけるだけではなく、補強のために建物の別の部分の強度を高めるための工事が必要になる可能性もあります。
そちらの工事と合わせると非常に割高になるケースもあるため、いくらくらいになるのかをはっきりとさせてから工事をお願いすることをおすすめいたします。
なお、吹き抜け部分に床を造って吹き抜けをなくすという工事も人気のため、実際に吹き抜けにして問題ないかどうかを再確認してから工事を依頼しましょう。
まとめ
天井のリフォームと聞くと、単なるクロスの張り替えや塗料の塗り直しというものが頭に思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。
しかし、今回紹介したように、天井の高さを変えたり吹き抜けを作ったりと言ったものも人気の天井リフォームになります。
住宅の構造によっては、天井の高さの調節や吹き抜けの設置ができないものもありますが、他の部分を工事することで希望通りの住宅が手に入る可能性もあります。
ご自身の理想の住宅を作り上げるためには、やはり経験豊富な信頼できるリフォーム業者を見つけて適切なリフォーム工事を行ってもらうことが大切です。
天井のリフォームに限らずどのようなリフォームにも当てはまることですが、満足できるリフォームを実現するためにも業者選びには時間をかけることをおすすめいたします。
そうすることによって、どのような天井のリフォームもスムーズにいくと思いますので。
参考にして頂ければ幸いです。