家屋の周りを取り囲んで家族を守ってくれるブロック塀も、老朽化などによって徐々に劣化していきます。
劣化したブロック塀は地震などによる倒壊の可能性もあるため、そこに住む家族だけでなく、ブロック塀の外を歩く通行人に怪我を負わせるなどのリスクがあります。
例えば、東日本大震災や熊本地震、最近では2,018年6月に行った大阪の地震ではブロッグ塀が倒壊して怪我をした方もたくさんいました。
実際に、ボロボロになった空き家よりも公道に面しているブロック塀の方が、他人に危害を加えやすいのです。
大きなトラブルを避けるためには、やはりそのブロック塀をできるだけ早く取り除いてあげる必要があります。
解体業者にお願いすることでスムーズにブロック塀を解体してくれますが、その規模によってはご自身でも取り壊してしまうことが可能です。
今回は、危険なブロック塀の基準やブロック塀解体にかかる費用、その費用を少しでも安くする方法や自分でブロック塀を取り壊す方法などについて紹介していきます。
目次
危険なブロック塀の5つの特徴
できたばかりであれば、ブロック塀は頑丈で頼もしい存在です。
しかし、何らかの原因で劣化が進んでしまったブロック塀は、倒壊の恐れもありますし人を傷つける可能性もあります。
ここでは、危険だと思われる代表的なブロック塀の特徴をまとめました。
傾いている
ブロック塀が傾いている場合は、ちょっとした衝撃を加えることによってすぐに倒れてしまう可能性があります。
同様に、手で塀を触ってみてぐらぐらするような場合も危険ですので、一刻も早く解体または造り直しをする必要があります。
なお、傾いているブロック塀を見る際には、壁が倒れてこないように気を付けて点検しましょう。
石垣の上の塀
ブロック塀には、通常は地震などに対応するために鉄筋が入っていることが多いです。
しかし、石垣には基本的に鉄筋を入れることはしないため、ブロック塀が頑丈であってもその土台となっている石垣塀が崩れてしまい、塀の崩壊につながる可能性があります。
見た目はオシャレな感じもしますが、強度面で不安が残るため、早めに解体して頑丈な壁にリフォームしたほうが良いかもしれません。
ヒビ割れている
何らかの衝撃を受けることによって、ブロック塀にヒビが入ってしまうことがあります。
ヒビ割れたばかりのころは、意外と問題ないと感じるかもしれませんが、その割れ目から雨水が入って鉄筋が徐々に錆びていきますので、ひび割れはブロック塀の劣化に直結します。
長期的に放置しておくと、最終的に中の鉄筋がさびてなくなってしまうため、ひび割れと併せて強度がかなり下がってしまいます。
ちょっとした揺れで倒れてしまう可能性も高いですので、早めに解体しておくことをおすすめいたします。
控壁が少ない
ブロック塀は、塀の面を一面だけそこに建てているわけではなく、一定の間隔で控壁と呼ばれる、そのブロック塀を支える役割をする壁が備え付けられています。
ちょうどブロック塀に対して直角方向につき出した壁を作ることによって、壁を安定させることができるのです。
しかし、その控壁が少ない場合は、強風などによって壁がぐらついたりしやすいですし、最悪の場合は倒れてしまいます。
控壁を追加で取り付けるか、解体して新しい壁にリフォームしましょう。
築30年以上たっている
当初は頑丈だったブロック塀であっても、長い年月を重ねることによって確実に劣化していきます。
それまで特に問題のなかった塀だったとしても、劣化したブロックから雨水が入り込んで中の鉄筋を錆びさせる危険があります。
錆びてしまった鉄筋は、耐久性を低下させますし、地震が起きたら倒壊のリスクもありますので、早めに解体して造り直すことをおすすめいたします。
特に地震には注意が必要です。普段は何もないかもしれませんが地震ですぐに倒壊するブロッグ塀は少なくありません。
ブロック塀の解体相場
危険な状態のブロック塀の解体を決めた場合、やはり最初に気になるのはその価格になるのではないでしょうか。
ブロック塀を取り壊すためにかかる費用はどれくらいになるのでしょうか。
ここではブロッグ塀のおおよその解体相場を紹介します。
ブロック塀解体コストの出し方
ブロック塀は「ただの塀だから取り壊すのが簡単だ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、解体費用は様々な要素が重なり合って算出されることになります。
具体的には
- 壁の高さや厚さ
- ブロック塀が建てられている位置やその形
なども考慮されるのが普通です。
しかし、1平米あたりで5,000円~1万円弱くらいで考えるのが一般的です。
この費用には、解体作業をするスタッフの人件費や車両や廃棄物の運搬費、また処分費用などが含まれています。
意外に安いと感じた方もいらっしゃるのでは?
しかし、1平米でこの料金なので、家の周りを取り囲むブロック塀を取り壊すとなると実際にはかなりの金額になる可能性があります。
もちろん広さや量などによって大きく変わってきますので、安く済む場合もありますが、それなりにはかかることは覚えておきましょう。
下記にもう少し詳しく書いた相場の表をまとめておくので参考にしてみてください。
ブロッグ塀の工事の種類別の相場
工事の種類 | 価格の相場 | 備考 |
掘削工事 | 10,000円~30,000円 | 基礎工事を行うための土を掘る作業。掘削作業、埋め戻し掘削に対する費用 |
残土処理(宅地内処分) | 3,000円~6,000円 | 掘った土を宅地内で処分するための費用 |
残土処理(廃棄処分) | 6,000円~10,000円 | 掘った土を廃棄にする場合の処分費用 |
一般的なブロック塀 | 9,000円~/平米あたり | 一般的には価格にブロック内に詰めるモルタルや鉄筋の価格も含まれているが要確認 |
化粧ブロック塀 | 12,000円~/平米あたり | 種類が豊富で価格差が大きいため、選択したブロックに対する価格を出してもらう |
コンクリートベースの基礎工事 | 4,000円~/平米あたり | ブロック塀の下の基礎部分に、その土台となるコンクリートを設置するための費用 |
コンクリート布による基礎工事 | 10,000円~/平米あたり |
ブロッグ塀の解体費用を下げるために重要なこと
「ブロック塀の解体にそんなにお金をかけられない」という方もいらっしゃるかもしれません。
解体コストが高いと感じた方のために、価格を下げる方法をお伝えいたします。
複数の解体業者に見積もりを出してもらう
基本的にブロッグ塀を解体する場合は解体業者に頼むのが一般的です。
※下記では自分でやる方法も書いていますが、当サイトではあまりおすすめはしていません。
そこで活用したいのが複数の解体業者から見積りを取ること。
これが一番費用を抑えることができる可能性がある方法です。
解体業者ってすべて同じだと思っている方も多いですが、見積りする解体業者によって金額は違います。
なので、できるだけ解体費用を安くしたいならまずは複数の解体業者に見積りを取りましょう。
そうすることで、ブロッグ塀の解体工事でも比較することで数万円も安くなるケースも少なくありません。
ただ、複数見積りを取るといっても知り合いが多くいない場合は難しいですよね?
そんな時に活用できるのが無料で複数の見積りを比較してくれるくらそうねという解体業者一括見積りサイトです。
詳しくはこちらの記事「くらそうねの特徴と口コミ・評判は?おすすめできる理由」で解説していますが、
くらそうねなら優良の解体業者を3社紹介してくれて、完全無料で見積りから契約、相談まですべてサポートしてくれます。
もちろん、見積りを出してくれた解体会社を断りたい場合もすべて解体工事の匠で行ってくれるので、解体業者と気まずくなることもありません。
実際に知り合いがこちらのサービスを使ってブロッグ塀を解体したところ、1平米辺り3,000円と通常相場よりも安い単価でブロッグ塀の解体を行ってくれる業者を見つけることができましたから。
一人で解体業者を探すのもいいですが、それだと時間もかかりますし、例えば地震が起きた場合にすぐに解体したい!という場合だと難しいですよね?
それならくらそうねのような優良の解体業者を紹介してくれるサービスを活用した方が時間もかかりませんし、費用だって抑えられる可能性が高いです。
とりあえず見積りやブロッグ塀について相談してみるだけでもいいと思います。
それで納得できなければキャンセルすればいいだけですし、見積りの段階ではキャンセル料も一切かかりませんので。
- 見積りの相談したい
- 費用を安くしたい
- 早く解体工事をしたい
という方は一度活用してみてはどうでしょうか?
登録も簡単ですぐに終わりますから。
補助金制度の利用
上記で以外では後程詳しく説明いたしますが、ブロック塀の解体時にも自治体によっては補助金が出るケースがあります。
もちろん地域によっては補助金が全く出ないところもありますが、解体するブロック塀がその自治体の提示する条件に合っているのであれば、工事完了後に補助金が出ます。
しかし、解体工事前にきちんと手続きをしておかないと補助金を受け取ることができません。
自治体のルールを確認したうえで、補助金の申し込みをするようにしましょう。
セット解体
例えば、ブロック塀のみの解体をする場合と、ブロック塀と他のエクステリアを一緒に解体するのとでは、後者の方がトータル料金が高くなります。
しかし、ブロック塀の解体に掛かる料金のみを比較すると、後者の方が安くなっている場合が多いはずです。
家屋の解体となると、大掛かりな工事が必要になってきますが、小さなエクステリアであれば、一緒に解体することでお得に取り壊しが可能です。
別々に解体することを考えると、廃棄物の運送費や処分費用などが割安になるはずですので、いずれは壊すエクステリアがあるのであれば、一緒にやってしまった方が良いでしょう。
【非推奨】ブロック塀を自分で解体
小さなブロック塀であれば、人によってはご自身で解体してしまうことも可能です。
ただ、自分でもできないことはないですが、当サイトではあまりおすすはしておりません。
一応解体方法は載せておきますが、やる場合は自己責任でよろしくお願いします。
解体の方法
小さなブロック塀と言っても、高さや長さなど、その規模は様々。
しかし、基本的にはハンマーを利用して少しずつ壁を取り壊していく流れになることが多いです。
その際には、粉塵が舞う可能性が高いですので、粉塵対策用のマスクと目を保護するためのメガネを着用するようにしましょう。
また、ハンマーで割れたブロックは地面に落ちることになりますが、安全靴を履いておくと安心して作業できるはずです。
うまく解体するコツ
壊したブロック塀の内部には、鉄筋が入っていることが多いです。
その鉄筋を残しつつ全てのブロックを破壊するのもよいのですが、ディスクグラインダなどの鉄骨を切断できる機械をお持ちなのであれば、それで切断しつつ壁を破壊する方が効率が良いでしょう。
また、水をかけながらハンマーでたたくことによって、発生する粉塵の量を大きく減らすことが可能です。
力を入れないとうまく割れない部分もあるかもしれませんが、あまりに力を入れすぎると自分や周りの方、物などに破壊されたブロック塀が飛んで行ってしまうこともあるため、ゆっくりこつこつ取り組みましょう。
最後に、解体し終わったコンクリートガラを、廃棄物処理業者などに引き取りに来てもらって完了です。
解体工事前に自治体に処分方法などを確認しておけば、ご自身で格安で処分できる可能性もあります。
あくまでもちょっとした解体工事だけにしましょう。
ブロック塀を解体する前に確認すること
ブロック塀を解体する際には、事前に確かめておきたいことが何点かあります。
事前に確認しておくことによって解体作業がスムーズに進みますし、格安で解体できる可能性もあります。
ブロック塀の所有権は?
隣家との境界部分にブロック塀が建っている場合は、本当にそのブロック塀がご自身の所有物なのかを事前に確認しておくようにしましょう。
自分が建てたんだから、もちろん自分のものだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、お隣さんはお隣さんで、境界部分に建っているんだから半分は自分のものだと考えているかもしれません。
実際に、勝手にブロック塀を取り除いてしまうと、大きなトラブルを招いたり裁判に発展したりするケースもあるため、完全に自分のものであったとしても、最初の段階で確認するに越したことはないのです。
自分のものではないと理解しているお隣さんであれば問題はありませんが、壊されたら困るというような話をしてくる隣人さんもいらっしゃるかもしれません。
しかし、倒壊のリスクがあるという点などを納得してもらって解体作業に移りましょう。
承諾を得ることができれば、その後の解体作業もスムーズにいくのではないでしょうか。
補助金制度は使える?
地域によっては利用できないところもありますが、中にはブロック塀を解体する際に補助金を出してくれるような自治体も存在します。
もちろん補助金を出すブロック塀には条件がありますし、その条件は自治体によって異なるため、まずはご自身がお住まいの地域の自治体に確認をすることになります。
条件の確認
ブロック塀の解体に補助金が出るか出ないかは、条件によって変わってきます。
その条件も複数であるケースが多いですので、解体を予定しているブロック塀がその条件に当てはまるかを確認してみましょう。
また、ブロック塀の解体内容なども条件に含まれていることが多いですので、補助金を使うのであればその条件通りに解体する必要があります。
工事前に手続きを
補助金は基本的に工事の後にもらうことが多いのですが、申請は工事前に済ませておく必要があります。
逆に、補助金の交付が決まる前に勝手に解体工事を始めてしまうと、後々補助金が出ないケースも少なくないですので、補助金が支払われるということが確定してから工事をスタートさせましょう。
もちろん自治体によってルールは変わるため、まずはお住まいの地域の自治体で補助金の受け取り方法などを確認してみましょう。
工事後の審査について
自治体によって異なりますが、通常はブロック塀の解体が完了したら、工事が終わったという届け出を提出することになります。
届け出を提出したら、自治体が事前に取り決めた条件通りの解体工事をしているかどうかを確認し、審査に通過したら補助金が振り込まれることになります。
逆に、条件通りに解体工事が行われていなかった場合は、補助金が出ないケースもあります。
まとめ:地震が来る前に対策しよう
危険なブロック塀を放置しておくと、どのようなトラブルに発展するかわからないため、劣化進んでいる場合は早い段階で解体作業をすることをおすすめします。
地震などにより倒壊して人に危害を加えてからでは遅いです。
ただし解体工事前には、後々のトラブルを避けるためにも必ずその塀を共有するお隣さんの承諾を得るようにしましょう。
そうすることによって、スムーズに解体工事ができるはずです。
いずれにせよ、大地震が来たりした時はすでに遅いかもしれません。
地震などで倒壊して被害がでる前に状況をみて解体するかどうか決めるようにしましょう。