美味しい野菜を作るためにビニールハウスを建てたという方もいらっしゃると思いますが、不要になった場合はそれを撤去しなければなりません。
もちろん将来的にまた野菜や果物を作る可能性がある場合は残しておくのもいいですが、作る可能性がない場合はビニールハウスはただの不用品となってしまいます。
また、何らかの都合でビニールハウスを移動させたい場合も、同様にまずは解体作業が必要になってきます。
ビニールハウスの造りは単純だと考える方も多いですので、実際に解体する際にはご自身で行う方もいらっしゃいます。
しかし、やはり大きなものになるため一人での解体作業は厳しいですし、業者に任せたほうが安全に解体することができます。
それでは、ビニールハウスはどのように解体するのが良いのでしょうか。
今回は、ビニールハウスのDIY解体や、業者に任せた際の費用などを紹介していきます。
ビニールハウスを業者にお願いした場合の解体相場
ビニールハウスを解体しようと思ったら、やはり解体業者にお願いするのが良いと感じる方も多いのではないでしょうか。
それでは、業者に解体を依頼した場合は、いくらくらい必要になってくるのでしょうか。
ビニールハウスの解体相場
一口にビニールハウスと言っても、大きさが異なりますので一概に値段をお伝えするのは難しいです。
しかし、一般的には1坪当たり5000円程度で解体工事が可能だと言われています。
もちろん解体する場所によってその相場は前後することになりますが、例えば都内の車両が通れないような狭い場所にビニールハウスがあることは珍しいため、基本的には土地の問題で費用が高くなるということは少ないです。
そのため、単純に計算すると、50坪のビニールハウスを解体する場合は25万円程度必要になってくるということになります。
廃棄物の処分費用も別に必要
上記はビニールハウスの解体に必要な費用の相場になり、解体によって発生する廃材の処分費用はまた別で必要になってきます。
不要になった廃材を運搬するコストも必要になってきますし、素材によって処分費用が異なるため、正確な解体費用を知りたい場合は業者に見積もりを依頼することになります。
解体業者の中にも、ビニールハウスの解体を得意にする業者もいれば、基本的には居住用の建物の解体ばかりを行っており、ビニールハウスの解体などしたことがないという業者も存在します。
当然前者を利用することができれば安く済む可能性が高いですし、反対に経験のない業者に依頼してしまうと解体費用が高額になってしまうこともあります。
値段の違いはある
もちろん解体業者の経験によって解体の所要時間が大きく変わることもあるため、それが解体費用の違いに現れることもあります。
しかしそれだけではなく、解体作業によって発生した廃材の活用方法によってもコストが大きく変わってくることがあるのです。
具体的には、ビニールハウスに使用されていた鉄くずなどは、解体後に買い取ってもらうことのできる業者もありますし、場合によっては工事で発生する鉄などを引き取るという条件で格安で工事をしてくれるような業者も存在します。
また、ビニールハウスの状態が綺麗であれば、解体工事には普通に費用がかかるものの、廃材をすべて買い取ってくれるようなところもあるため、お得に解体することができる可能性もあるのです。
このように、ビニールハウスの解体費用は業者によって大きく変わってくるため、やはり複数の業者に相見積もりを取って比較してみることをおすすめいたします。
ビニールハウスをDIYで解体する場合
同じビニールハウスであっても、鉄骨できちんと固定されているものはDIYでの解体が難しいですが、パイプを地中に差しているだけというようなタイプであれば、自分での解体も可能です。
それでは、解体はどのような手順で行うのでしょうか。
ビニールハウスの解体方法
順番にビニールハウスの解体手順を見ていきましょう。
1.作業環境を整える
例えば長年放置されているようなビニールハウスは、周りが雑草だらけになっているなど足場が悪いようなケースもあります。
足場の見えないところでの作業は通常の解体よりも怪我をする可能性が高いため、まずは周辺をきれいにしましょう。
また、場合によってはビニールハウスに草が巻き付いているようなこともあります。
そういったものを予め除去しておくことで、快適に解体工事が進められるはずです。
2.ビニールを剥がす
まずは、ビニールハウスの最も外側に位置するビニールを剥がしていく作業から始めます。
ビニールはパイプに固定されていることが多いですので、最初にその固定されている部品を外していきましょう。
全ての留め具を外したら後は簡単にビニールを取ることができると思いますが、規模の大きなビニールハウスの場合は意外に大変な作業になるため、怪我などに気を付けて行いましょう。
3.支柱の解体
ビニールを取ったら骨組みが残ることになりますが、まずはその支柱部分の留め具を外していくことになります。
物理的には留め具を外せば骨組みをきれいに解体することができますが、大きなビニールハウスの場合はアーチ部分の撤去などに時間がかかります。
また、老朽化していたりさび付いていたりする場合は、留め具が簡単に取れないこともあるため、電動ドライバーなどを利用して効率的に作業を進めていきましょう。
4.支柱を抜く
最後に支柱を抜けばそれで解体は終了ということになりますが、当然簡単には抜けないようになっているため、まずはスコップなどを使って支柱の周辺を掘り返します。
中には、地中にその支柱を固定してあるようなケースもあり、その場合は力を加えて抜こうとしても普通に抜くことができません。
場合によってはパイプを切断しなければならないため、必要に応じで切断するための電動丸のこなどを用意しておきましょう。
解体に用意しておきたい工具
ビニールハウスの解体作業は、当然居住用の建物の解体などと比べると簡単だと言えるでしょう。
しかし、やはり解体するにあたってそれ相応の工具が必要になってきます。
防塵ゴーグル
しばらく放置してあるビニールハウスはほこりまみれになっていることもありますし、さび付いていることも多いです。
解体中に鉄粉が飛び散ることも多く、それが目に入ると大きな事故につながる可能性もあります。
目を傷つけないためには、粉塵ゴーグルを着用することをおすすめいたします。
防塵マスク
ゴーグル同様に、作業中にほこりや鉄粉を吸い込んでしまわないように必要になってくるアイテムです。
もちろん少量の鉄粉を吸い込んだだけでは問題ないですが、大規模なビニールハウスの解体では大量の鉄粉を吸い込む可能性もあるため、身を守るためには不可欠な工具と言えます。
軍手
ビニールを取り外すまでは素手でも問題ないと感じるかもしれませんが、やはり工具を利用して作業をする際には軍手を着用したほうが良いでしょう。
さび付いている部分の解体や固定されているパイプの切断時には軍手は必要になってきますので、できれば工業用のしっかりとした手袋を利用しましょう。
電動丸のこ
必ず出番がある工具とは限りませんが、鉄パイプを切断しなければならない場面などには大活躍するアイテムです。
使い慣れていないと大怪我につながることもありますし、取り返しのつかない事故になる可能性もあるため、自信がない方は利用を避けたほうが良いかもしれません。
パイプ抜き器
地中に埋まっているパイプなどを抜く際に利用できる工具になります。
この工具を利用して抜いたパイプは曲がってしまうことが多いですので、例えばビニールハウスの移転などで抜いたパイプを再利用しようと考えているのであれば別の方法で抜くようにしましょう。
その他の工具
他にも用意しておいたほうが良い工具はたくさんありますが、例えばペンチや電動ドライバー、サビ取り剤などはあったら便利です。
古い留め具やネジなどは錆によってそのまま外すことが困難なことも多いため、まずは錆を落としてペンチや電動ドライバーなどを使ってきれいに解体していきましょう。
自分で解体する上での注意点
ビニールでできた建物だから簡単に解体できそうだと考える方もいらっしゃいますが、実際にはビニールを剥がすだけでも1日がかりの作業になることも多いです。
大きなビニールハウスの場合は1週間ほどかかることもありますし、季節によっても作業しにくい環境になることがあります。
夏場は灼熱の中、外で作業を続けなければなりませんし、反対に冬場は冷たい鉄パイプなどを処理する必要があります。
解体する季節や時間帯を選べるのであれば、一般的に過ごしやすい時期に作業を始めるとよいでしょう。
ビニールハウスの移転や販売も可能
解体するだけであれば、単純に現在のものを壊すだけですが、中にはビニールハウスを移転するという方もいらっしゃいます。
移転は解体よりも大変ですので、やはり業者に任せるという方の方が多いです。
また、単純に解体するのではなく、ビニールハウスを販売や譲渡という形で他人に引き渡すことも可能です。
移転にかかる費用
移転というのは、要するに古い場所にあったビニールハウスを解体し、新しい場所に新しいビニールハウスを組み立てるということになります。
つまり、上記で紹介したビニールハウスの解体費用に追加して、新しいビニールハウスを設置する費用が必要になるということになります。
新設するビニールハウスの大きさや設備、種類などによって、設置費用は大きく変わってきますが一般的には安くても1坪当たり2万円程度必要になってきます。
元々利用していたビニールを新設のビニールハウスに利用する場合は問題ないですが、ビニールを張り替える場合は別途費用がかかってきます。
1坪当たり500円くらいからの安価なものもありますが、数千円かかるビニールもあるため一概には言えません。
また、設置するビニールハウスが大きければ大きいほど価格は安くなりますが、小さなビニールハウスの場合は坪単価も高くなるため、まずは見積もりをしてもらうようにしましょう。
ビニールハウスの売買
ビニールハウスなどいらないと思う方がいる一方で、ビニールハウスを探している方もいらっしゃいます。
新品のビニールハウスは高額ですが、他人がいらないと思っているビニールハウスは安く手に入れることができます。
実際に、インターネットでは解体工事をしてもらうのを条件に、ビニールハウスを売りに出している方も多いですし、解体した状態のビニールハウスを売っているケースもあります。
解体工事にお金を払いたくないという方は、現在建てられているビニールハウスを格安で売りに出してみてはいかがでしょうか。
買主が解体してすべて持って行ってもらうことができますし、うまくいけば高額で売れる可能性もあります。
本当に不要で邪魔になっているだけなのであれば、無料でいいから解体して持って行ってほしいというような条件でもよいかと思います。
ネットオークションなどをはじめとするサイトで取引することができますので、興味がある方は利用してみるのもよいでしょう。
最後に
ビニールハウスを使わない方にとっては、大きなものほど邪魔な存在だと言えるかもしれません。
もちろん将来的に活用するのであれば問題ないですが、使う可能性が低い場合は解体や売却などの手段で早めに処分したほうが良いでしょう。
簡易的なビニールハウスであれば、全くお金をかけずにDIYでの解体も可能ですが、慣れない作業が大事故につながる可能性もあるため、慎重に行う必要があります。
また、ビニールハウスを売りに出そうと考えている場合は、古くなればなるほど売値が下がってしまいますので、できるだけ早めに引き渡せるようにすることをおすすめいたします。